キハ130形式(キハ130 6)

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 北海道管内の各路線には国鉄時代より、キハ22形式やキハ40形式が主力として活躍をしてきました。全長20m級のこれら車輛は単車運行が可能なメリットはありましたが、輸送密度が小さい線区では運用コストが適正ではない課題がありました。
 JR北海道へ移行後の昭和63年、新潟鐵工所製のNDCシリーズ(第三セクター向け軽快気動車)をベースにワンマン運転仕様としたキハ130形式が登場しました。
 全長16m級、車体は鋼製の小型車で、定員は100名です。苫小牧駅から南へ線路が伸びる日高本線に投入されました。車内は出入口付近をロングシートとしたセミクロスシート配置、路線キロが150km近くもあるためトイレの設備もあります。エンジンはDMF13HS(250PS/2000rpm)を1基搭載しています。
 軽快気動車が日高本線を颯爽と走り始め、スピードアップなどに貢献しました・・・が、早速問題が出てきました。車輛は酷寒冷地向けのものではなく、暖地向けに近い仕様(デッキなし、下段上段上昇式の一重窓)であったため、冬季の保温能力が低い。さらに、軽量化により鋼板が薄いため早々に塩害による腐食が始まってしまいました。
 また、平成3年には踏切事故が発生し脱線転覆、低運転台の前頭部は大破し、運転士は両足切断という重傷を負いました。さらに5年後の平成8年にも踏切事故による脱線転覆事故が発生し、被災した車輛は廃車されてしまいました。この事故を受けて、同社では以降の車輛を高運転台仕様へと変化させることになりました。
 平成14年に全車輛が廃車となり、形式消滅してしまいました。JR発足後新製された旅客車形式では初めてとなる形式消滅でもありました。後継車は一度追い出した、キハ40形式が高出力機関を搭載して再び戻り活躍をしています。

キハ150形式

 JR北海道では国鉄より、ローカル線用気動車を大量に引き継ぎました。このうち、キハ22形式、キハ56系などは登場から30年近く経つものがあり、老朽化を迎え、置換えの時期に来ていました。また、単行運転で十分な閑散線区においても、キハ40形式などが活躍していましたが、出力不足により冬季積雪時は2両編成となり(排雪運転のため)コスト面に問題がありました。これらの問題を解決するために平成5年にキハ150形式が登場しました。
 車体は20m級、普通鋼製、乗降扉は片側2か所に引戸を備えてます。冬季の視認性向上のため、前照灯は4灯装備しています。車内はロングシートを備えたセミクロスシート配置、車椅子スペース、トイレの設備があります。また、北海道向け車輛はデッキ付とされてきましたが、乗降扉脇の座席に袖仕切りを設け、乗降扉をボタン式としています。
 エンジンはコマツ製過給器、吸気冷却器付ディーゼルエンジンN-KDMF15HZ(450PS/2000rpm)を1基搭載。このエンジンの能力はキハ40形式(220PS)の2倍以上、キハ56形式(180PS×2)をも超える高出力エンジンです。ブレーキ装置は、キハ40形式などと同じ、CLE(応荷重装置付電磁自動空気ブレーキ)方式とし、在来車との併結も可能としています。

キハ150 1~(キハ150 1)

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JR北海道の一般形気動車では初めて冷房装置を搭載したグループです。客室窓は大型の固定窓となっています。富良野線向けはラベンダーをイメージしたライトパープル、函館本線向けはスカイブルーと萌黄色を組み合わせた色となっています。

キハ150 101~(キハ150 104)

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夏季でも比較的涼しい地域向けに登場したグループです。客室窓は小型になり、窓の上半分を内折れ式にして開閉可能としています。冷房装置は無く、クールファンが設置されています。