キハ65 1~86(キハ65 7)

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本形式の暖地向けグループです。台車は空気ばね台車のDT39形、TR239形式です。

キハ65 501~518(キハ65 503)

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本形式の寒冷地向けグループです。エンジンや始動エンジンなどにカバーを装備し、その他機器類に耐寒・耐雪構造を施しています。

キハ65 3001(キハ65 3001)

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急行「かすが」用のグレートアップ車輛で平成元年にキハ65 508を改造したものです。0系新幹線の発生品リクライニングシートに交換するなどのアコモ改良が行われました。登場時はキハ65 5508となっていましたが、平成3年にキハ65 3001に改番しました。

キハ65 5001~5003(キハ65 5001)

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快速「みえ」のスピードアップ、接客設備改善を目的に平成3年に登場したグループです。車内のアコモ改良のほか、台車枠の交換によりC-DT39C、C-TR218C形式に変更、運転最高速度を110km/hとなりました。

ジョイフルトレイン

 団体旅客の輸送はかつては予備車を用いて行われるなどとしていましたが、新しい輸送形態として車内を畳敷きの内装にした和風客車が誕生しました。人気は高く、国鉄各鉄道管理局に配置されて活躍しました。しかし、小口の団体輸送や客車の入線が出来ない(設備がないなど)路線には不向きでした。これら欠点を補うため、気動車が選ばれました。運用区間や編成長の制約が少なく、団体輸送には最適なものでした。
 急行列車の削減などで余剰となっていたキハ58系やキハ65形式を種車として、団体専用車輛(ジョイフルトレイン)が各地で登場する事になります。
 国鉄からJRへ移行し、好景気の後押しもあり、和風、洋風など様々なジョイフルトレインが登場しました。しかし、それも長く続かず景気の悪化、旅行スタイルの変化、車輛の老朽化などの理由で引退が進み、2015年現在ではJR東日本で保有する「Kenji
」のみとなっています。

JR北海道 くつろぎ(キロ29 1~3、キロ59 1・2)

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昭和48年にキハ27形式を改造して登場したお座敷気動車です。当初はキロ29形式のみの3両編成で、種車と同じ急行色のままでしたが、愛称は「くつろぎ」と命名されました。昭和59年にキハ56形式を種車としたキロ59形式を2両改造し、5両編成となりました。塗装変更が行われ、クリーム地に前面はV字の赤い帯になったほか、各車輌に愛称を設定、キロ59 1「大沼」、キロ59 2「洞爺」、キロ29 1「支笏」、キロ29 2「摩周」、キロ29 3「サロマ」と北海道を代表する湖の愛称となりました。
JR北海道へ移行し、サブエンジン方式の冷房化が行われ、塗装も変更されました。(写真)道内で、団体用のほか、多客時の増結用などで活躍。老朽化によりキハ400系改造のお座敷気動車登場により、平成11年に廃車となっています。

JR北海道 ミッドナイト・カーペット車(キハ27 552・キハ56 552)

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 国鉄時代末期まで、函館~札幌間(小樽経由)に夜行普通列車が運転されていました。(郵便・荷物輸送が主体でそのおまけのような感じの列車でした。)この夜行列車はとても人気が高く、青春18きっぷなどでは欠かせない存在でした。しかし、昭和61年に郵便・荷物扱い全廃を受けて、この列車も廃止されてしまいました。一方、この需要にバス会社が目をつけて、同区間を夜行バスで運転した所、大当たり。
 JR北海道へ移行後、バスに流れて行った旅客を取り戻すべく昭和63年に夜行臨時快速「ミッドナイト」の運転を開始しました。この際、そのままではリクライニングシート装備のバスには勝てないため、2種類の車内を用意しました。種車はキハ27形式です。一つはバケットタイプリクライニングシートを配した「ドリームカー」(500番代)、もう一つは座席を撤去し、カーペット敷きとした「カーペットカー」(550番代)を用意しました。この他に、バス用冷房装置を用いて冷房化、座席車にはミニサロン、自動販売機の設置、カーペット車の乗務員室後方を女性専用とし、デッキ部をリネン室及び更衣室としました。運転開始後、たちまち人気となり、平成2年には増備車も登場(写真右)しました。
平成13年に老朽化もあり、全車廃車となっています。

JR東日本 うみねこ(キハ58 486ほか)

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昭和59年に国鉄盛岡鉄道管理局が三陸鉄道との相互乗入れ運転に際し、キハ58系を改造したものです。改造内容は特別保全工事という延命工事で、化粧板が200系と同じものにしたほか、座席を転換クロスシートにしました。「うみねこ」という愛称で呼ばれていますが、実際はアコモ改良車で、愛称は使用していた列車名から自然にそう呼ばれるようになったようです。団体列車や臨時列車の他、他のキハ58系と同じ運用で活躍をしていました。

JR東日本 Kenji(キハ58 650・1505・キハ28 2010)

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平成4年に岩手県で催された三陸・海の博覧会にあわせて登場した盛岡支社のジョイフルトレインです。愛称は岩手県を代表する詩人、童話作家「宮澤賢治」を由来としています。キハ58 650及びキハ28 2010は新潟支社のジョイフルトレイン「アルカディア」で、火災事故により用途を失い休車していたものを転用しており、キハ58 1505は追加で改造されています。
先頭部は展望室となっており、リクライニングシートが配置されています。中間のキハ28形式はコミュニケーション室が設置されています。
現在は下記のような塗装に変更されており、最後のキハ58系ジョイフルトレインとして活躍をしています。

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青い梅氏撮影

JR東日本 おばこ(キハ59 502・キハ29 501)

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国鉄秋田鉄道管理局に昭和59年に登場したお座敷気動車です。登場時はキロ59 501、502、キロ29 501とグリーン車でした。編成としての愛称はありませんでしたが、個々にキロ59 501は「花笠」、キロ59 502「ねぶた」、キロ29 501「竿灯」と東北を代表するお祭りの名前がありました。(漢字名称は後に「はながさ」、「かんとう」とひらがなに改称。)塗装は、クリーム色を基本にぶどう色(茶色)の帯を巻いたものでした。
平成3年にリフレッシュ工事が行われ、機関更新等の変更を行いました。この際、編成の愛称に「こまち」と命名されます。また、キロ29形式の愛称が「かんとう」から「かまくら」に変更されました。平成9年に秋田新幹線開業に伴い名称を譲り、新名称として「おばこ(東北地方で少女や娘、未婚の女性を意味する言葉。)」となり活躍しました。

JR東日本 エレガンスアッキ―

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国鉄秋田鉄道管理局に昭和60年に登場した洋風気動車です。前年にキハ58系を改造したお座敷気動車(おばこ)は年配者向けの車輛であったことから、若年層や職場旅行などに適した洋風気動車として改造されました。「アッキ―」とは同局の販売用マスコットキャラクター(虎の子?)で、愛称の由来となっています。
編成はキロ59 503、504、キロ29 502の3両編成。当時、デラックス観光バスが人気で、これに対抗できるように車内は大規模な改造を行いました。外観では運転台直後のデッキ部(乗降扉)が埋められている程度で、埋められた場所に小窓が設置された程度で、種車の面影が残っています。塗装はクリーム1号に赤7号、赤1号、朱色3号の帯をまとっています。
車内は浮床式(ハイデッキ)構造で、リクライニングシートを2+1列配置としカラオケ装置などを備えていました。
秋田地区を中心に活躍していましたが、平成9年に廃車となっています。

JR東日本 グラシア→こがね(キハ59 511・キハ29 506)

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東北地域本社(現:仙台支社)の欧風気動車として平成元年に登場しました。登場時の愛称は「グラシア(スペイン語で優雅、優美といった意味。)」でした。小グループ旅行に対応した座席配置、前面の展望性を重視したデザインが特徴で、合わせて機関換装(加速性能向上)なども行われています。中間車となるキロ29形式(後にキハ29形式)は運転台が撤去され、ラウンジが設けられていました。
平成12年にリニューアル改造が行われ、この際に等級の格下げ(ロ→ハ)を行っています。平成15年に再リニューアル改造を行い、愛称を「こがね」としました。
平成22年に運用を離れ、海外へ譲渡されました。

JR東日本 サロンエクスプレス アルカディア

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国鉄新潟鉄道管理局では、昭和56年に12系客車を改造したお座敷客車(後のサロン佐渡。)及びキハ58系カーペット車を所有していましたが、これらの車輛とは異なるジョイフルトレインとしてキハ58系を改造したものです。国鉄時代に改造が始まり、運用を開始したのは新会社となるJR東日本新潟支社となります。
キロ59 508+キロ29 505+キロ59 509の3両編成で、コンセプトは「欧風でハイグレートで、車内で楽しくくつろぎ、旅を満喫する。」というもので、塗装は雪椿の赤色、日本海の青色、雪の白色の3色で、同支社の新潟色の配置を変えたものです。先頭部は台枠を残して、車体を撤去し、展望室部分を接合しました。展望室部分は床面より600㎜高くし、2人掛けリクライニングシートを配していました。一般客室もハイデッキ構造とし、2+2列のリクライニングシートを配置、座席の肘掛にはヘッドフォンとオーディオチャンネルリモコンが内蔵されています。
中間車のキロ29形式はキハ28 2010で昭和36年生まれ!現存するキハ58系の中では最も古い車輛となっています。この車輛は運転台直後のデッキ部を廃し、床面を絨毯敷きとして、土足厳禁としました。ソファーとテーブルが配置され、自由に移動が可能で、フロア全体の利用も可能としています。客室の隅に売店が設置されていました。
新潟支社管内を中心に活躍していましたが、登場からまもなく1年となる、昭和63年に上越線を走行中に排気管の過熱により出火、キロ59 508の1両が全焼。残った2両は休車を経て、盛岡支社「kenji」に転用されました。

JR東日本 カーペット車(キハ58 1021・キハ28 2032)

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国鉄新潟鉄道管理局に昭和60年に登場したジョイフルトレインです。車内をカーペット敷きにしたもので、カラオケ装置の設備がありました。座席にも交換が可能の設計となっており、目的によって使い分ける事が出来ました。塗装は登場時は種車のままでしたが、昭和62年に写真のようにクリーム地に緑系の帯を巻いた塗装になっています。

国鉄 ゆぅトピア(キロ65 1:マワ車所蔵)

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昭和61年に登場した、大阪~和倉温泉を結ぶ臨時特急列車「ゆぅトピア和倉」用の欧風気動車です。当時、和倉温泉のある七尾線は電化されておらず、直通用車輛としてキハ65形式を種車に改造しました。車内はグリーン車となり、キハ65形式では唯一の事例となります。トイレの有無で番代区分が行われ、トイレの設備がある車輛はキロ65 1、トイレの無い車輛をキロ65 1001としました。先頭部は北海道で活躍しているアルファコンチネンタルエクスプレス(キハ56系改造)に似た高床式の前面展望が楽しめるスタイルとなりました。車内はフルリクライニングシートに交換されました。
気動車で延々と電化区間を進むのではなく、最大の特徴ともなるのですが、特急形電車(485系)と併結を可能としているのです。運転最高速度120km/hとするため、台車廻りやブレーキ装置など電車と協調できるように改造が行われました。併結時は無動力とし、ブレーキのみ協調を行う方式となっています。
JR西日本に継承され、その後七尾線は電化されたため、団体専用列車用として活躍し、平成8年に廃車となっています。

JR西日本 ゴールデンエクスプレス アストル(キロ65 551)

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ゆぅトピアに続く特急形電車との併結を可能とした欧風気動車の第2弾として昭和63年に登場したジョイフルトレインです。愛称の「アストル」とはフランス語で偉人、輝ける人という意味です。キハ65形式を種車としており、トイレ付はキロ65 551、トイレなしキロ65 1551としています。
基本的にはゆぅトピアに準じた改造となっていますが、展望室部分の側窓が屋根まで達する大型ガラスを採用するなど異なる点もあります。団体専用列車に重点が置かれており、半室ラウンジカーのキロ29形式(キロ29 552(平成9年まで)、キロ29 554(平成9年以降))が用意されており、最長3両編成で活躍していました。特急形電車との併結時にはキロ29形式は性能上の理由から連結はされませんでした。
平成18年に廃車となっています。

JR西日本 エーデル丹後(キハ65 601)

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福知山線で活躍する特急「北近畿」号との併結運転改造が行われた車輛で、昭和63年にキハ65形式を改造して登場しました。新大阪から宮福鉄道(現:北近畿タンゴ鉄道)の天橋立駅を結ぶ臨時特急「エーデル丹後」として登場しました。
トイレ付はキハ65 601、トイレなしはキハ65 1601となっています。車体は丸みのあるものとなっているのが特徴で、展望室部分の座席は階段状になりました。
北近畿タンゴ鉄道の特急「タンゴディスカバリー」号(KTR8000形気動車)が後継となり、その後は団体用に転身し、平成22年に廃車となりました。

JR西日本 シュプール&リゾート(キハ65 611:マワ車所蔵)

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冬季に運行される「シュプール号」(大都市とスキー場の最寄り駅を結ぶ臨時列車。スキーバスの列車版です。)として、またエーデル丹後の増結用中間車の役割を兼ねる車輛として平成元年にキハ65形式を改造して登場しました。
電車との併結が可能な設計とされていますが、前部標識灯の3灯化や側窓の固定化など変化はありますが、原型の面影を残すスタイルとなっています。トイレ付きは610番代、トイレなしは1610番代に区分され2両ずつ登場しました。2編成登場し、白地に水色とライトグリーン、黄色と水色の帯が巻かれており、連結時に統一感が出るようにしています。平成22年に廃車となっています。

JR西日本 エーデル鳥取(キハ65 701:マワ車所蔵)

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昭和63年、山陰本線城崎駅(現:城崎温泉駅)以西の非電化区間直通用として登場しました。エーデル丹後とは異なり、単独で運転するため電車との併結改造は行われていません。先頭車となる車輛には展望室が設けられましたが、中間となる車輛は原形のままの改造となっています。5両とも番代区分が異なっています。展望室トイレ付きはキハ65 701、展望室トイレなしキハ65 1701、トイレ付中間車キハ65 711、トイレなし中間車キハ65 1711、トイレ付電源装置搭載車キハ65 721となっていました。
平成22年に廃車となっています。

JR西日本 エーデル北近畿(キハ65 1801:マワ車所蔵)

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平成元年にエーデル鳥取の増強、特急「北近畿」の延長運転(特急「エーデル北近畿」(新大阪~浜坂間))を行うために登場しました。種車となるキハ65形式がなくなってしまったため、JR四国からトップナンバーを含む数両を購入して改造したそうです。
エーデル鳥取の塗装を反転したデザインであるほか、足廻りは種車のままで運転最高速度は95km/hとなっています。連結器も種車時代のままで、600番代及び700番代とは連結が出来ません。こちらも番代区分が行われており、展望室トイレ付はキハ65 801、展望室トイレなしキハ65 1801、トイレ付中間車キハ65 811、812、トイレなし中間車キハ65 1811、1812となっています。最後は急行「だいせん」用となり、平成16年のだいせん廃止と共に廃車となっています。

JR四国 レインボー(キハ58 464・キハ28 2491:マワ車所蔵)

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昭和62年に登場した欧風気動車です。テーブル付リクライニングシートに変更され、ラウンジ、AV機器の設備がありました。主に団体用で使われていましたが、普通列車や急行列車でも見る事が出来ました。

JR九州 サルーンエクスプレス(キハ58 7001)

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阿蘇方面の観光列車として昭和63年に熊本支社に登場した欧風気動車です。編成はキハ58 7001+キハ65 7001の2両編成です。
車内はボックスシートで構成されており、運転台直後にはミニロビーがあり、ダミーのペチカが設置されていました。同社のジョイフルトレイン整理により平成6年に廃車となっています。