キハ71系「ゆふいんの森Ⅰ」(キハ71-1、キハ70-1、キハ70-2)

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 久大本線沿線には湯布院町(現在の由布市)、日田市、九重など観光名所などがあり、久大本線のイメージアップと旅客需要を開拓するために平成元年に登場したリゾート列車です。
 コスト低減のため、キハ58系及びキハ65形式からの改造を行っていますが、車体は完全新製となっています。キハ71-1+キハ70-1+キハ71-2の3両編成で運行を始めました。先頭車は丸みのある流線型で、1930年代欧州で見られた流線型気動車を彷彿とさせる。という言葉もあり、レトロ感覚の曲線的デザインが特徴で、塗装色はオリーブグリーンのメタリック塗装に金帯を巻いたものとしています。
 客室は全てハイデッカー構造で、内張りに木目調シートを張り、床は難燃性木材を使用して落ち着いたレトロ感覚を表現しています。座席はインアームテーブル(ひじ掛け内蔵テーブル)設置のリクライニングシート、荷棚など金属部分には金メッキ加工が施され、豪華さも演出しています。荷棚はハイデッカーであるため、大きな荷物が置く事が出来ないため、荷物置き場やコインロッカーが設置されています。
 キハ70-1にはオーダーデリバリー式のビュッフェを設置。冷蔵庫や電子レンジ、コーヒーメーカーなどが設置され、軽食や飲み物を販売しています。
 台車やエンジンは種車からの流用となっています。平成15年、リニューアル工事にあわせて機関換装が行われ、キハ71形式はコマツ製SA6D125HD-1(360PS/2000rpm)、キハ70形式はSA6D125H-1A(300PS/2000rpm)に変更されています。
当初は3両編成でしたが、人気が高い列車としてキハ58系から改造したキハ70-2が平成2年に登場し、4両編成体制となりました。客室の他にミニギャラリーのある中間車です。
リニューアル工事は平成4年に座席モケットの交換、平成7年に座席モケットの交換、キハ70-1を方向転換し、ミニギャラリーと隣り合うように変更されました。また、トイレを循環式から真空式に改造しています。平成15年には三度目のリニューアル工事が行われ、エンジンや変速機を新型の直噴式、多段変速機に交換。運転最高速度を120km/hに向上させました。接客設備ではキハ70-2のミニギャラリーをサロンスペースに変更、キハ70-1のビュッフェはショーケースとビールサーバーを新設し、内装材を木材に変更。ビュッフェの隣に4人掛けセミコンパートメントを新設しました。

キハ72系「新ゆふいんの森」(キハ72-1~キハ72-4)

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 北九州・博多と湯布院・別府を結ぶリゾート特急「ゆふいんの森」は人気が高く、キハ71系に続いて、キハ183系1000番代を使用し2往復体制として活躍をしていました。キハ183系を大村線に新設する特急「シーボルト」へ転用するため、キハ71系と同じサービスを提供できる車輛を新製する事となり、平成11年にキハ72系が登場しました。
 キハ72系は切り離しての使用や、他系列との営業運転は考えていないため、車輛の仕様にかかわらずキハ72形式で統一されているのが特徴の一つにあります。
 車体はキハ71系と同じグリーンメタリックの塗装をまとう、ハイデッカー構造で、多少の差異はありますがほぼ同じ意匠としています。車内はキハ71系では客室からデッキ部分に降りて、隣の車輛で再び上がる構造でしたが、連結面通路などを客室と同じ高さとして、降りることなく移動が出来るように改良しました。
 足廻りはキハ200系をベースとしたものにしています。エンジンはDMF13HZA(450PS/2000rpm)をキハ72-2のみ2基搭載し、他車は1基搭載しています。ブレーキは電気指令式となっています。
 客室は木目調に統一されており、床材や座席などに難燃木材がふんだんに使用されています。客室窓はキハ71系では広幅窓でしたが、1つ1つの座席に合わせた狭窓としています。その他の設備としてキハ72-2には女性用トイレ、共用トイレ、洗面所、電話室、キハ72-3には女性又は車椅子対応トイレ、共用トイレ、ビュッフェ、車椅子スペース、4人用簡易コンパートメントがあります。