0番代
401系や403系などと同じく、基本編成はTc+M+M’+Tc’の4両編成からなるグループです。初期と中、後期車では車体構造が異なり、外観が異なります。JR東日本からは引退して見る事が出来ません。現在はJR九州で活躍をしています。
クハ411-301~306(クハ411-305)
0番代初期の制御車で、クハ421形式(クハ401形式)と同じ車体構造で設計されています。セミクロスシート、トイレ付です。なお、300番代から始まっていますが、これはクハ421形式及びクハ401形式を編入する予定があり、0番代及び100番代(一部は200番代まで入る)にするための処置だったからです。結果としては実現しませんでした。
クハ411-307~(クハ411-323)
このグループから踏切事故対策やユニットサッシ窓などを採用した115系300番代の設計を採用したものになり、外観が大きく変更されました。偶数車は床下に冷房用電動発電機が搭載され、向きが固定されています。
100番代
0番代で採用されていたシートピッチ(座席の間隔)は昭和30年代に決められた寸法で、生活水準、体格の向上した昭和50年代には窮屈なものとなり、着席時に足がふれるなどの問題を改善するように求められました。このシートピッチを急行形電車並みに改善したものが100番代で、昭和53年に登場しました。
車体構造や機器関係は0番代後期車を基準としていますが、メンテナンスの容易化、機器のユニット化などの改善が行われています。
現在は九州地区で活躍する姿が見られます。
クハ411-101~(クハ411-116)
本グループの奇数向き制御車です。冷房化に伴い、機器類の位置を決める必要があった事から番代区分されるようになりました。客室はセミクロスシートの配置のみで、トイレは設置されていません。
クハ411-201~(クハ411-226)
本グループの偶数向き制御車です。床下に電動発電機、電動空気圧縮機など補助機器を搭載しています。車端部にはトイレが設置されており、採光窓が小判形に変更されています。写真はJR九州の更新工事を受けた車輛で、ベンチレータの撤去や客室窓の一部固定化、車内のオールロングシート化などの変化があります。
500番代
沿線の宅地化が郊外へ広がり、合わせて混雑が年々激しくなる常磐線中距離電車の混在緩和対策として、昭和57年にこのグループが投入されました。
このグループの特徴は車内。オールロングシート仕様という、前例のない初めての車輛として有名です。201系に見られる暖色系の座席とし、寸法は105系に準じたものとしています。トイレ部の向かいの座席のみ、出てきた人と見が合わないようにクロスシートして残しました。この設計は電車では初めての試みとなります。
車体構造は100番代と同じですが、腐食防止対策として外板裾部にステンレスを使用、屋根も塗り屋根構造とし、ベンチレータはFRP製の角形になりました。機器類については100番代とほぼ同じです。
車体色は従来車と同じ、赤13号の車体、先頭部に警戒色としてクリーム4号の「赤電」で登場していますが、昭和59年より登場した本グループは「エキスポ色」(クリーム10号の車体色に青20号(九州地区は青22号)の帯を巻いたもの。)となっています。
クハ411-501~(クハ411-503)
本グループの奇数向き制御車です。床下には電動空気圧縮機が搭載されています。
クハ411-601~(クハ411-624)
本グループの偶数向き制御車です。床下には電動発電機、電動空気圧縮機が搭載されています。車端部にトイレの設備があり、その向かいのみセミクロスシートがあります。
モハ414-501~(モハ414-522)
本グループのパンタグラフ付中間電動車です。外観は100番代と似ていますが、車内はオールロングシート。ボックスシート♪と思いきや・・・心折れた旅行者がたくさんいた事でしょう。
700番代
常磐線中距離電車混雑緩和対策の切り札として500番代を投入しましたが、更なる対応が必要な事に加え、昭和60年につくば万博(EXPO’85)が開催されるため、この旅客輸送の対応しなければなりませんでした。
そこで、土浦以南では12両編成から15両編成へと増強する事になり、昭和59年に登場したのがこの700番代です。
当初は500番代と同じく、オールロングシート仕様で考えていましたが、利用者より不評な面もあったため、車端部をロングシート、中央部をクロスシートとしたセミクロスシート仕様としました。車体や機器類は500番代と同一としています。このグループは中間車のみ製造(後に改造で制御車が登場。)されている特徴があります。
JR東日本に所属していましたが、現在は廃番代となっています。
クハ411-701(クハ411-701)
中間車しか存在しなかったこのグループに平成元年に登場した制御車です。サハ411-701~を先頭車化改造したもので、奇数向き制御車として使用されました。
1500番代
近郊形直流電車の次世代車輛として軽量ステンレス車体をもつ211系が昭和60年に華々しく登場しました。この頃、415系でも次世代車の噂はあったものの、在来車と共通で運用しなければならない問題があり、実現には至りませんでした。
ところが、この問題を国鉄は解決しました。車体、台車は211系と同じ軽量ステンレス車体、ボルスタレス台車。機器類は415系と同じという方法でこの1500番代を昭和61年に登場させました。
かつて、モハ72系970番代やモハ62系といった車輛を彷彿させる内容かもしれません。しかし、当時の技術や機器類の性能面などを考えるとこれが正しい事なのでしょう。
JR東日本、JR九州に所属し、常磐線土浦以北、水戸線、北九州地区、長崎地区などで活躍しています。
クハ411-1501~(クハ411-1506)
本グループの奇数向き制御車です。車体は211系2000番代を基本とし、車内は500番代と同じオールロングシートとなっています。機器類も500番代と同じものを使用しています。
クハ415-1901(クハ415-1901)
常磐線の混雑緩和と遠距離利用者の着席サービス向上を目的に平成3年に登場した2階建て構造の試作制御車です。1階は2+2列、2階は2+3列のクロスシート、平屋部分もクロスシートとなっています。結果は満足のいくものではなかったようですが、後に登場するダブルデッカー車に与えた影響は大きかったようです。量産車も登場することなく平成16年に廃車されています。
サハ411-1601(サハ411-1601)
クハ415-1901の登場に伴い、変則8両編成を組むために登場した中間付随車です。車内はオールロングシートとなっています。クハ415-1901が廃車後は他の編成に組み込まれ活躍していました。
800番代
平成3年に石川県を走る七尾線が電化開業されるのに合わせて、福知山線を中心に活躍していた113系800番代に特急「北近畿」号で使われている485系からねん出した交流機器を搭載し交直両用車にしたグループです。JR西日本では初めてとなる415系です。他社の所属車輛と区別をするため、800番代としています。
編成はMc+M’+Tcの3両編成を基本としており、交流機器をM’(モハ414形式)に搭載するため、低屋根化及び台枠の補強工事が行われています。
車内はセミクロスシートですが、急行列車の運用もある事から(急行「能登路」号:現廃止)クロスシート部はバケットタイプのゆったりしたものに変更しています。
この他、耐寒・耐雪構造強化、413系及び475系など異系列との併結機能を設けています。
クモハ415-801~(上:クモハ415-801 下:クモハ415-805)
クモハ113形式800番代を交直両用化した形式です。415系では初めてのクモハ形式の誕生となりました。写真は登場時の先頭車の塗装で、車体下部はアスコットグレー、上部はバイオレットブルー、帯はオイスターホワイトとなっていました。現在は全車(全編成)、輪島塗をイメージした赤色一色となっています。
クハ415-801~(上:クハ415-802 下クハ415-810)
クハ111形式800番代を改造した制御車です。床下にはMG、CMが搭載されています。外観は検電アンテナが設けられた以外に大きな変化がありません。