クモハ115-1~(クモハ115-8(左)・5(右))
中央本線(東線)新性能化に伴い用意された制御電動車です。機器配置の都合から左右で窓配置が異なるのが特徴です。床下機器はモハ115形式と同じ、主制御器などを搭載しています。
クモハ115-501~(クモハ115-503)
弥彦線、越後線電化に伴いモハ115-1~を先頭車化改造した制御電動車で昭和58年に登場しました。新設された運転台は乗務員の作業環境を考え、1000番代に準じた設計になっているのが特徴です。
クモハ115-551~(クモハ115-554)
JR西日本で平成元年に登場した制御電動車です。モハ115-1~を先頭車化改造させたもので、500番代とは異なり0番代の運転台と同じです。冷房装置は床置き形で機器室が車端部にあります。
クモハ114-501~(クモハ114-502)
クモハ115-501~とユニットを形成するパンタグラフ付制御電動車です。モハ114-1~を先頭車化改造したもので、クモハ115-501~と同じ改造内容となっています。
クハ115-1~98(クハ115-51)
115系最初のグループとなる制御車です。クハ111形式に準じた構造で、中間車代用時には助手側の仕切り扉が折り畳める構造も継承されています。主幹制御器は165系と同じ機能のもので、抑速ブレーキ付のものとなっています。
クハ115-551~(クハ115-551)
モハ114形式およびモハ115形式を電装改造の上、先頭車化改造を行ったグループです。奇数向きの制御車としているためトイレの設備はありません。台車は識別が出来るようにDT21形式の付随車専用としたDT21T形台車を履いています。
クハ115-552(クハ115-552・屋根上写真(マワ車所蔵))
本車輛のみ、このグループでモハ114形式を種車としました。よく見ると、運転台上の屋根にパンタグラフの台座跡があるほか、床下機器配置も若干違いがあります。モデラーの方の参考になるでしょうか。
クハ115-601~606(クハ115-603(マワ車所蔵)・604)
編成の短編成化に伴う制御車不足を補うため、クハ111形式300番代を編入したグループです。外観は塗装変更のみで、グローブ型ベンチレータが残るなど種車時代と変化が少ないのが特徴です。改造内容は主幹制御器を115系と同じものに交換しました。
クハ115-620~(クハ115-622)
クハ111形式を編入した601~606番は非冷房車を種車で、老朽化も進んでいたことから、置換えを目的に偶数向きクハ111形式の冷房装置を搭載した車輛を種車とし、編入したグループです。閑散地区用車両車体体質改善工事(屋根及び化粧板の取換えのみの工事)を施した622番が最後まで活躍をしていました。
クハ115-651~(クハ115-652)
モハ114形式を電装解除の上、偶数向き制御車としたグループです。トイレの設置改造が施されており、このグループのみ小判型の採光窓となっています。また、通風器の配置も異なります。
クハ115形式2500番代(クハ115-2515)
クハ111形式2000番代を115系の制御車に編入したグループです。改造内容は主幹制御器を115系と同じものに交換しました。種車が高速化改造や電気連結器装備を施し、改番が数度行われる複雑な経歴をもっています。115系化に際しても元番号に500番を加えています。
クハ115形式2600番代(クハ115-2642)
クハ111形式2100番代を115系の制御車に編入したグループで、上記の2500番代と同じ改造になっています。このグループも種車の元番号に500番を加えています。
モハ114-83~(モハ114-95)
電動空気圧縮機をMA80A-C1000形式(容量が1000リットル)を2台搭載していましたが、本グループより、MH113A-C2000形式(容量が2000リットル)1台に変更しました。
モハ114-801~(モハ114-827)
中央本線進出に伴い、狭小トンネルに対応するため、パンタグラフ部分を低屋根化したグループです。パンタグラフ下部のルーバーが特徴です。床下機器はモハ114-83~と同一です。写真はJR東日本豊田車両センターで訓練車として最後まで活躍した車輛で、廃車に伴い廃番代となっています。
クモハ115-301~(クモハ115-315)
クモハ115-1~のモデルチェンジしたグループ。冷房装置の標準装備、ユニットサッシ窓、踏切事故対策が施された運転台など外観が大きく変化しました。写真はJR東日本豊田車両センター所属車で、唯一のスカ色をまとう車輛です。
クハ115-395~・-448~(クハ115-443)
奇数では395番以降、偶数では448番以降の車輛は室内の無塗装化が図られています。この無塗装化とは、荷物棚や座席下の板(ケコミ板)のステンレス化などに変更したものです。
モハ114-301~(モハ114-311(左)・-349(右))
パンタグラフ付中間電動車です。中央本線狭小トンネルに対応するため、低屋根化を必要としない新規のパンタグラフ(PS16J)が搭載されています。また、冷房装置があるため高出力のMH135-DM92形式(160kvA)を搭載しています。
近年では、降雪対策によりシングルアームパンタグラフに換装した車輛も見られます。
モハ114-301~(モハ114-420)
329番以降は通風器の配列が変更され、395番以降は車内の無塗装化が図られています。写真はシングルアーム換装に加え、補助電源装置を電動発電機からSIVに変更した車輛の例です。
クモハ114-1501~(クモハ114-1510)
モハ114形式1000番代を先頭車化改造したグループで、115系では初めてのパンタグラフ付制御電動車の登場になります。JR東日本にのみ所属しており、松本、新潟地区で活躍をしています。
クハ115-1001~(クハ115-1027(左)・-1051(右))
本グループの制御車です。300番代に似ていますが、シートピッチ拡大に伴い、窓割りが変更となっています。また、トイレの採光窓が小判形に変更されているのも特徴の一つです。初期車は運転台上部に角形の通風器がありましたが、途中からなくなっています。
クハ115-1244~(クハ115-1244)
偶数向き制御車が不足したため、奇数向き制御車として登場したクハ115-1101~を方向転換し、偶数向き制御車としたグループ。JR西日本(旧国鉄)で1両、JR東日本で5両の6両が行われています。
クハ115-1401~(クハ115-1401)
クハ115-1244~と同様の理由で、奇数向き制御車から偶数向き制御車に方向転換した改造車。種車がトイレ付のグループ(クハ115-1142~)であるため、1400番代に区分されました。
クハ115-1601(クハ115-1601)
クハ115-1501~と同じく、サハ115形式1000番代を先頭車化改造したグループですが、トイレを新設し偶数向き制御車としたものです。1両のみ改造されました。
モハ115-1001~(モハ115-1077(左)・-1121(右))
本グループの中間電動車。車端部には雪切り室、配電盤があり、両端部はロングシートの配置です。1107番以降は屋根がポリウレタン系に変更されています。
モハ114-1001~(モハ114-1183(左)・-1205(右))
本グループのパンタグラフ付中間電動車です。本来であれば冷房化するところですが、投入線区の気候が穏やかである(当時)事と、財政的理由から冷房準備工事として製作されています。車端部には雪切り室が設けられています。
クモハ115-2001~(クモハ115-2001)
身延線の旧性能電車置換えに伴い、新しく製作された制御電動車です。クモハ115-1001~に似た車体ですが、雪切り室が無いなどの違いがあります。現在は廃形式です。
クハ115-2035・-2036(クハ115-2036)
この2両は弥彦線、越後線電化開業に伴い、身延線で使用されていたクハ115-2101~奇数向き制御車を方向転換し、偶数向き制御車にしたものです。トイレの設置工事が併せて行われました。
モハ115-2001~(モハ115-2003)
本グループの中間電動車です。モハ115-1001~と同じ車体ですが、雪切り室が無いため印象が異なります。また、1000番代では車端部がロングシートでしたが、クロスシートが配されています。
モハ114-2001~(モハ114-2014)
本グループのパンタグラフ付中間電動車です。モハ114-1001~と同じですが、雪切り室が無いため、窓割り等に若干の違いがあります。写真はJR西日本広島支社のリニューアル車輛です。
クハ115-3001~(クハ115-3020)
トイレの設備を持つ偶数向き制御車です。床下に電動空気圧縮機を搭載しています。登場時は非冷房の111系や115系の車輛と編成を組むため、非冷房で落成した車輛もあります。
モハ115-3001~(モハ115-3001)
本グループの中間電動車で、全て冷房装置を装備して登場しています。万が一の故障に備えて、最寄り駅まで運転出来るようにインバータ装置を備え、蓄電池を電源にして運転出来るシステムを備えています。
モハ115-3501~(モハ115-3512)
平成4年に登場したグループで、新快速で一世風靡した117系が世代交代で、岡山、広島地区に転属する事になりました。短編成化で余剰となったユニットを電気的改造を行い115系に編入したものです。モハ117形式が種車で、115系の奇数電動車では初めてのパンタグラフ付中間電動車が誕生しました。
高速対応工事車
113系と同じく、同社で所有する115系の一部でも運転最高速度を110km/h化する高速対応工事が実施されました。工事を受けた車輛は原番号に5000番を足し、てこ比改造を加えた車輛は500番を足しています。
クモハ115形式5800番代(クモハ115-5802)
クモハ115形式300番代に対して工事を施したもの。高速対応工事で5300番代へ。さらにてこ比改造が行われて5800番代となっています。
体質改善工事
同社が所有する旧国鉄製作の車輛の延命とアコモ改良を施した工事で、この工事は国鉄時代から施行されていました。JRへ移行し、JR各社で冷房化などと合わせて行われていましたが、外観に大きな変化があるものではありませんでした。
JR西日本では、他社に類を見ない抜本的な体質改善工事が実施されました。現在ではほぼ終了しています。その形態は同社の施工工場で異なる部分があるなど、多種多用あります。103系や113系など国鉄の名車が匠の手により、古臭さを感じさせない近未来の車輛に生まれ変わって、活躍をしています。
クハ115-165・218(クハ115-218)
この2両は先行試作的要素をもつ、最初期の施行車です。ロングシート部を撤去し、大型クロスシートをシートピッチ拡大の上、設置しています。
体質改善40N工事車
想定寿命を40年とするもので、原形を崩すほどの仕上がりとなりました。主な工事内容ですが、張上げ屋根化(雨どいの埋没化)、通風器撤去、窓サッシ改造(固定又は内折れ式に変更)、客室内を223系に準じたデザインに変更、ドア機構改造などです。
(クモハ115-1501(左)・クハ115-2001(右))
(モハ114-1094(左)・モハ115-1105(右))
体質改善40N工事車の例。通風器が撤去されてすっきりし、車体全体が丸みのあるものとなっています。客室窓も形状が変わり、戸袋が埋められるなどの変化もあります。
また、広島支社の車輛(右)は後部標識灯がLED化されています。時期や施工箇所により、様々な種類があるようで、1両ずつ見てみるのも開きません。
体質改善30N工事車
想定寿命を30年とするもので、40N工事のコストダウンを図るために窓、屋根部の工事を省略しました。この他の内容についてはほぼ同じものとなっています。
(クモハ115-1504(左)・モハ114-1095(右))
体質改善30N工事車の例です。原型が概ね残されていますが、半自動ボタンが追設されており、その部分の窓が埋められていたり、大きさが変更されているなどの違いがあります。
舞鶴線向け改造車6000番代・6500番代
平成11年に舞鶴線綾部~東舞鶴間電化開業に伴い、登場したグループ。種車となる車輛は東海道・山陽本線で高速対応工事を施した1000番代です。
ワンマン運転に必要な機器の搭載、自動解結装置、トイレの設置などが行われた他、体質改善工事40Nも合わせて施行しています。
クモハ115形式6500番代(クモハ115-6538)
モハ115形式1000番代を先頭車化改造したクモハ115形式1500番代に高速対応工事を施した車輛が種車となっています。後部に車椅子対応トイレ及び車椅子スペースが設置されています。床下は主制御機器類で水タンクの場所が確保できないため、車内に設置されています。
下関地区改造車 1000番代・1500番代・1600番代
舞鶴線向けに改造された6000番代・6500番代ですが、後継の223系投入により下関地区へ転属する事になりました。この際に、高速対応の機能及びワンマン運転に必要な機器、自動解結装置の解除を行い、それぞれ5000番が引かれて元の番号に戻りました。しかし、てこ比改造を受けた車輛は500番がそのまま残っています。
クモハ115形式1500番代(クモハ115-1536)
クモハ115形式6500番代車から高速対応機能解除などを行い、原番号に復帰したグループです。しかし、トイレがあるため在来の1500番代車とは異なります。
伯備線・山陰本線向け改造車 1000番代・1500番代
平成13年の時刻改正で、山陰本線伯耆大山~西出雲間、伯備線新見~伯耆大山間をワンマン運転とするため登場したグループです。上述の舞鶴線向けと同じ内容の改造となりますが・・・
クモハ115形式1500番代(クモハ115-1518)
種車にワンマン運転に必要な機器の搭載、車椅子対応トイレ設置、車椅子スペース設置などの改造を施し、合わせて体質改善工事N40も施しています。