0番代

特急「しなの」号電車運転に伴い登場したグループです。クハ381形式、モハ380形式、モハ381形式、サロ381形式の4形式で始まりました。クハ381形式は485系200番代などに見られる貫通扉のついたタイプでした。昭和51年に紀勢本線特急「くろしお」号運転に伴い、増備されたクハ381形式は非貫通型となり100番代として区分されています。

クハ381-1~(クハ381-14)

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特急「しなの」用として登場したグループです。485系200番代のデザインを用いたもので、上野や新潟地区での使用、分割・併合運転を計画していたため貫通扉が設けられました。

クハ381-101~(クハ381-130)

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昭和51年より増備されたグループです。0番代の目的である分割・併合運用などの計画がなくなり、非貫通型に変更しました。構造は0番代と同じです。

クハ381-501~(クハ381-503)

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特急「スーパーくろしお」号の増・解結用として、クハ381-101~の運転台側連結器に自動解結装置を装備させたグループです。

モハ380-1~(モハ380-91)

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パンタグラフ付中間電動車です。低重心化を図るため、冷房装置は床下に搭載しています。この他、電動空気圧縮機を搭載しています。

モハ380-501~(モハ380-501)

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特急「スーパーくろしお」号の増・解結用としてモハ380-1~の連結器に自動解結装置を装備させたグループです。写真の通り、貫通路をふさぐ工事も行われています。

モハ381-1~(モハ381-19)

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屋根上にはほとんど搭載品の無い、すっきりした外観が特徴の中間電動車です。定員確保のため、トイレ、洗面所の設備がありません。

サロ381-1~(サロ381-28)

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同系の中間付随車(グリーン車)です。窓幅が普通車よりも大きくなっています。車端部には車内販売準備室が設けられています。全車、廃車又は普通車格下げのため廃形式となっています。

改造車

 国鉄時代、特急列車の大幅な運用見直しにより、編成の短縮化が全国的に実施されました。運用や編成の見直しを行い、弾力的な運用を目指して実施されたもので、381系も対象となりました。短編成化に伴い、不足となる先頭車は中間車から改造されました。車体がアルミ合金であったため、難工事であったと伝えられています。
 JR西日本で活躍する381系のうち、特急「くろしお」号で使用される車輛に対し、グリーン車の位置の見直しなどが実施され、あわせて徹底したリフレッシュ工事が施されました。

クモハ381-1~(クモハ381-5)

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モハ381形式を先頭車化改造したグループです。前位側に運転台を接合しています。前面貫通扉は開き戸です。

クロ381-1~(クロ381-4)

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サロ381形式を先頭車化改造したグループです。このグループは国鉄最後の日に落成した有名なグループとして知られています。現在は廃番代となっています。

クロ381-51~(クロ381-55)

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クハ381形式0番代をグリーン車に改造したグループです。改造は内装が中心で、座席の交換、絨毯敷きにするなど行われました。現在は廃番代となっています。

クロ381形式100番代(クロ381-126)

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クハ381形式100番代にリフレッシュ化工事を行い、グリーン車に改造したグループです。座席の3列化、トイレの洋式化などが行われました。車番は種車のものを使用しています。

クロ381-11~(クロ381-11)

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特急「しなの」号向けに昭和62年にサロ381形式を改造して登場したグリーン室をもつ制御車のグループです。乗降扉は中央部に設けられ、運転台との間の客室はハイデッキとなっており、大型前面窓を使用し展望性を良くしています。

クロ380-1~(クロ380-5)

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特急「スーパーくろしお」号向けに平成元年にサロ381形式を改造して登場したグリーン室を持つ制御車のグループです。

サハ381形式0番代(サハ381-15)

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特急「くろしお」用の中間付随車で、サロ381形式の格下げ改造車です。座席の普通席化、トイレの洋式化、洗面所水道の自動化などの改造が行われました。車番は種車のものとなっています。

特急「やくも」用車輛の改造車

 岡山と出雲市を結ぶ特急「やくも」号に使用している381系は一度リニューアル工事を受けましたが、平成19年に再びリニューアル工事を行いました。
 従来の編成ではグリーン車の位置が異なっていたため、統一する事に。このため、クハ381形式をグリーン車にする工事を実施、全車禁煙車とするため、一部の車輛に喫煙スペースを設置する工事も行われました。
 これにあわせて、塗装変更も実施。鳥取県の名峰「大山」をイメージしたホワイトグレーをベースに神話の国出雲であることから、巫女をイメージしたディープレッドの帯を巻き、側面窓下に山陰の豊かな自然をイメージしたグリーンの帯を巻いた塗装にしました。

クロ381形式100番代(クロ381-136)

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グリーン車の統一によって登場した番代です。車内の改造が主で、2+1列のゆったりとした車内となっています。車番は種車のものを使用しています。

クロ380-6・7(クロ380-6)

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平成6年に特急「スーパーやくも」号として、サロ381形式を先頭車化改造した車輛を再びリニューアルしたグループです。座席の3列化などが行われています。

モハ380形式200番代(モハ380-283)

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全車輛禁煙化に伴い、デッキ寄り座席1列を廃し、喫煙室を設けたグループです。トイレも男性用(小便器)、女性用が新しく設置されています。種車の番号に200番を加え、新しい車番としています。

サハ381形式200番代(サハ381-223)

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グリーン車の位置を統一するためにサロ381形式を普通車格下げしたグループです。新しく、車端部に喫煙室が設置されています。種車の番号に200番を加え、新しい車番としています。

1000番代(福知山電車区所属車)

 特急「こうのとり」や「きのさき」号などで活躍する183系(485系改造車)の老朽化に伴い、平成24年より287系を新製しました。しかし、一部の車輛はダイヤ改正以降の落成となるため、特急「くろしお」号の車輛を借入れ代用する形で活躍を始めました。
 曲線区間で活躍する振り子ですが、381系の振り子は地上設備も改良が必要であり、電化工事の際、地上設備を合わせたのでその区間では使いましたが、既存の電化区間では使用停止を行い使いました。例として特急「しなの」号では中央本線、篠ノ井線では振り子を使い、東海道本線では使用停止としていました。
 このため、借り入れた381系も山陰本線(嵯峨野線)や福知山線などでは使用せず使いました。
 平成25年ダイヤ改正で、特急「くろしお」号に使われる381系を287系に置き換える事が決まりました。これにあわせて、福知山電車区の183系を381系に全て置き換える事にしました。
 特急「こうのとり」、「きのさき」、「はしだて」号に381系が活躍を始めます。しかし、運転する区間での振り子は使用しませんでした。すると、利用客から乗心地が悪いので改善を求める声が寄せられました。そこで、振り子制御装置を調整し、振り子動作時の傾斜角を変更しました。この変更した車輛は原番号に1000番を加えて識別しています。

クハ381形式1000番代(クハ381-1103)

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クハ381形式100番代が種車となる制御車です。振り子動作角度の変更を行った車輛です。元番号が車体色に塗られて、その隣に現番号が書かれています。

クロ381形式1000番代(クロ381-1104)

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特急「くろしお」号で活躍したクロ381形式100番代(普通車の格上げ改造車)を種車とした制御車です。

モハ380形式1000番代(モハ380-1037)

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振り子動作角度の変更を行った車輛の識別として、原番号に1000番を加えています。

モハ381形式1000番代(モハ381-1046)

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モハ381形式の振り子動作角度の変更を行ったグループです。外観に変化はありません。