451系・471系

 上述の通り、制御システムを401系・421系、車体構造を153系として設計された急行形交直両用電車の第1号となる系列です。
 451系は50Hz東日本用、471系は60Hz西日本用です。前者は東北本線・常磐線を中心に、471系は北陸地区を中心に活躍しました。

クモハ451-1~(クモハ451-9)

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交流50Hz専用の制御電動車です。前面運転台は踏切事故対策として高運転台となっています。主制御機器などを主に搭載しています。

モハ450-1~(モハ450-9)

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クモハ451-1~とユニットを組む、パンタグラフ付中間電動車です。交流用機器や補助機器を搭載しています。

クモハ471-1~(クモハ471-7:マワ車所蔵)

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交流60Hz専用の制御電動車です。クモハ451形式との違いは交流周波数で、車体などはほぼ同じです。

モハ470-1~(モハ470-2)

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クモハ471形式とユニットを組むパンタグラフ付中間電動車です。413系の改造種車となった車輛も多くいます。

クハ451-1~(クハ451-30)

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451系、471系そして後述する453系、473系の共通の制御車です。交流周波数の違いの影響を受けない事から統一した形式となっています。冷房化に際し、専用のMGを床下に搭載しています。

453系・473系

 451系、471系の主電動機には出力が100kwのMT46形式を用いていました。新しく出力向上を行ったMT54形式(120kw)が開発され、これを装備した系列として昭和38年に車輛増備も含めて登場した系列です。451系の出力向上車が453系、471系の出力向上車が473系となります。
 外観は変わらず、遠くからでは同じに見えます。473系は増備の関係から1ユニットのみの登場で、413系に改造され急行形交直両用電車では最初に系列消滅しています。

クモハ453-1~(クモハ453-4)

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クモハ451形式の主電動機の出力を向上させた交流50Hz用制御電動車です。外観は同じです。晩年は冷房化され、常磐線の普通列車に活躍していました。

モハ452-1~(モハ452-1)

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クモハ453形式とユニットを組むパンタグラフ付中間電動車です。モハ450形式の出力向上車になります。

455系・475系

 交流電化区間が幹線から亜幹線にも拡大し、急行電車の運転する範囲が広がってきました。亜幹線には勾配線区もあり、この区間をスムーズに運転する必要から165系に見られる「抑速ブレーキ」を装備した系列が登場する事になり、50Hz用は455系、60Hz用は475系として昭和40年に登場しました。
 この2系列では抑速ブレーキに対応した付随車が必要となり、新しく登場しています。
 制御車は共通のクハ455形式ですが、急行列車全廃後、普通列車への転用時に不足するため169系など他の系列からの改造車が多数あり、様々な番代に区分され活躍しました。

クモハ455-1~36(クモハ455-4)

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455系の抑速ブレーキ付交流50Hz専用制御電動車です。クモハ453形式の発展した形式になります。写真は仙台地区で活躍していた車輛で、一部の車輛はアコモ改良の際、前面の標識灯を一体化し、踏切事故対策でアンチクライマーを装備しました。
一時期は、クモハ453形式に抑速ブレーキを付加したクモハ455-201~もありました。

クモハ455-37~42(クモハ455-38)

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このグループは冷房準備車として登場しました。その際、搭載する冷房装置が指定されており、冷房化でAU12S型冷房装置を搭載しました。外観からでも冷房の数や形状の違いで判断できます。

モハ454-1~36(モハ454-29)

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クモハ455形式とユニットを組む抑速ブレーキ付交流50Hz専用パンタグラフ付中間電動車です。モハ452形式を発展させた形式になります。モハ452形式に抑速ブレーキを付加したモハ454-201~もありました。

モハ454-37~42(モハ454-38)

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このグループは冷房準備車で登場しました。冷房化の際は分散式冷房装置の搭載が予定されていましたが、非冷房車の冷房化の際に集中式冷房装置を搭載したため、統一する事となり、集中式に変更する改造が行われました。ベンチレータの配置が異なっているのが特徴でした。

クモハ475-1~(クモハ475-30)

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475系の抑速ブレーキ付交流60Hz専用制御電動車です。クモハ473形式を発展させた形式になります。455系と同じで、登場時は非冷房車で登場。49~51番は冷房準備車で登場しています。

モハ474-1~(モハ474-47)

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クモハ475形式とユニットを組む抑速ブレーキ付交流60Hz専用パンタグラフ付中間電動車です。モハ472形式を発展させた形式になります。
写真はJR西日本所属車で、LED表示の小さな行先表示器がつけられています。

クハ455-1~61(クハ455-33)

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455系、475系そして後述の457系の共通の制御車です。抑速ブレーキの装備により、付随車も新規登場となりました。クハ451形式の発展した形式になります。
踏切事故で制御車が不足し、廃車予定のサハシ455形式の部品を再利用したクハ455-201、クハ451形式に抑速ブレーキを付加したクハ455-202、203番もありました。

クハ455-62~64(クハ455-62)

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このグループは冷房準備車として登場しました。冷房化の際に指定されたAU12S型分散式冷房装置を搭載しており、非冷房車の冷房化改造車とは外観が異なっています。

クハ455-65~(クハ455-73)

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このグループは457系の制御車として登場し、当初より冷房装置が搭載されていました。

クロハ455-1(クロハ455-1)

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磐越西線の電化区間で活躍する快速「ばんだい」用の車輛として平成2年に改造された車輛です。グリーン室と普通座席室の合造車です。クハ455-44を改造したもので、アコモ改良もあわせて行われています。

クハ455形式改造車

 新幹線や特急列車格上げなどにより、普通列車へ転用されるようになった急行形電車ですが、最小の3両編成で運用される事になりました。ここで、制御車であるクハ455形式が不足しました。そこで、他系列の急行形車輛を改造し、編入する車輛が登場します。

クハ455-301~(クハ455-318:マワ車所蔵)

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169系の制御車であるクハ169形式を改造、編入したグループです。交流機器類(検電アンテナなど)の装備と塗装変更などが行われています。

クハ455-321~324(クハ455-323(九州色)、324(仙台色))

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169系の制御車であるクハ169形式900番代試作車4両を改造、編入したグループです。AU12S型分散式冷房装置を搭載しており、外観の特徴でもありました。

クハ455-401~(クハ455-402)

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165系の制御電動車であるクモハ165形式、169系の制御電動車であるクモハ169形式を改造、編入したグループで、どちらとも試作車の900番代が種車となっています。電装解除の上、台車を付随台車であるTR69形式に履き替えて制御車に改造しました。運転台上部屋根に、主電動機用の角形の通風器がそのまま残され、AU12S型分散式冷房装置と共に外観の特徴となっていました。

クハ455-501~(クハ455-504)

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165系の中間付随車であるサハ165形式を先頭車化改造し、編入したグループです。運転台後方の乗降扉戸袋窓が小さいのが識別のポイントになっていました。改造時に座席の一部をロングシートにしています。

クハ455-601~604(クハ455-604)

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同系列の共通付随車であるサロ455形式を先頭車化改造した制御車です。客室部は種車のままで、外観の特徴でした。車内はグリーン車と変わらず、リクライニングシートはちょっぴりお得な旅を提供してくれました。

クハ455-605~(クハ455-609)

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165系の中間付随車であるサロ165形式を先頭車化改造の上、編入したグループです。上記のグループとは異なり、客室窓がユニットサッシ化されていますが、これは165系時代に1段下降窓が雨水などによって腐食が進んだため、ユニットサッシ窓に交換したものです。

クハ455-701・702(クハ455-701)

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同系列の共通付随車であるサハ455形式を先頭車化改造したグループです。このグループは471系及び473系を近郊形電車に改造した413系の制御車として用いるために改造が行われました。窓配置が他のグループと異なる事、側面に字幕式行先表示器が装備されており、外観の特徴になっています。

457系

 従来の急行形交直両用電車は交流周波数別に系列がつくられ、発展しました。交流機器技術の開発が進み、集大成として昭和44年に50/60Hz両用の本系列が登場しました。また、従来車は非冷房又は冷房準備工事車としれ登場しましたが、この系列では冷房装置が標準装備となっています。

クモハ457-1~(クモハ457-17)

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前6系列の集大成となる抑速ブレーキ付交流50/60Hz両用の制御電動車です。

モハ456-1~(モハ456-1)

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クモハ457形式とユニットとなる抑速ブレーキ付交流50/60Hz両用パンタグラフ付中間電動車です。

サハ455-1~(サハ455-2)

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本系列が登場した際に登場した中間付随車です。北陸地区で活躍しました。