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無蓋コンテナ
 屋根のある有蓋コンテナに対し、屋根の無い構造のコンテナを言います。形式名は国鉄時代は登場順から。JR発足以降は床面積が用いられます。このため、同じ床面積でも囲う構造が異なる事(内容積が異なる)により外観が大きく異なる事もあります。
 一般的には無蓋車と同じ屋根の無いコンテナですが、積荷が飛散する事を防ぐ目的や積荷を傷めないようにする目的のため屋根(蓋)が設置されている無蓋コンテナもあります。また、コンテナを自動車に載せるとダンプトラックと同じとなり、傾斜により積降ろす方法もあります。

UM1形12ftコンテナ

昭和46年に登場した無蓋コンテナです。タイプとしては国鉄コンテナをモデルに屋根が無いものとしたものと、危険物の小さなタンクを輸送するためのオープントップ又はあおり戸タイプのコンテナがありました。
UM1-91・94(三塩化チタニウム容器輸送用) 東洋ストウファケミカル

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三塩化チタニウム・・・三塩化チタン、塩化チタン(Ⅲ)とも言い、化学式はTiCl。チタンの塩化物は3種類あるが、最も一般的なもので、ポリオレフィン製造において重要な触媒です。毒物及び劇物取締法において劇物に指定されています。
UM1-114(アルキルアルミニウム容器輸送用) 東洋ストウファケミカル

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アルキルアルミニウム・・・有機アルミニウム化合物の総称で、高分子合成の触媒として重要なもの。いくつか種類があり、トリエチルアルミニウム(TEAL)、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)などがあります。常温ではエチルアルミニウムクロライドというものが無色の固体で、その他は無色透明の液体となっています。ポリプロピレンやポリエチレンといったプラスチック、合成ゴム、窒化アルミニウムの原料に用いられています。性質は空気中の酸素に触れると自然発火し、水に触れると激しく反応し、可燃性の有毒ガスを出します。このため、一度火が付くと消火は困難を極めるかなり厄介な危険物です。このため、輸送に関しては特段の注意が払われているそうです。

UM5形12ftコンテナ(UM5-76・66 日本フレートライナー)

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嵩高貨物や有蓋コンテナに収まらない汎用貨物を運ぶ無蓋コンテナです。ゴミ収集車や自動車のシャーシーなどを運んでいた実績もありました。

UM8A形12ftコンテナ

●0番代 UM8A-11(三方運輸)・3(日本石油輸送)・333(日本通運)

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左の11番は発電機を輸送する目的のもの。中央は発電機輸送が終わり、汎用貨物用に転用された現在の姿です。右の333番は東日本大震災の復興支援を目的に作られたもので、大量に発生した瓦礫を処理するためにつくられたものです。役目を終え、現在は他の用途(産業廃棄物輸送用)に転用されています。
UM8A-468・640・649(日東工業)

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上の3枚のコンテナは電気関係の設備(受電設備)を運ぶためのものです。同じ会社の所有ですが、本体のベースの色やイラストなどに違いがあります。
UM8A-65・504・568(全国通運)

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「クリーンかわさき号」のコンテナシリーズの一つ。川崎市の所有ではないため、デザインが異なっています。中央と右のコンテナは元東日本大震災復興支援用につくられたもので、輸送終了後の転用例となっています。空き缶、ペットボトル・ミックスペーパー(シュレッダーくずや伝票類、感熱紙など)を運んでいます。
1000番代(UM8A-1002 川崎市環境局)

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家庭から出る粗大ごみを直接集め、入れて貨車にアダプターを介して載せる方法のもので、1000番代はアダプターユニットとなっています。コンテナは通常は妻面にある扉から出し入れをしますが、天井にもシャッター巻き取り方式により開閉が可能となっていました。現在は用途不要となり廃番代となっています。
9000番代(UM8A-9001 全国通運)

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平成25年に登場した新しい番代で、プラスチック製容器包装用のコンテナです。このプラスチック製容器包装とは、PET(ポリエチレンテレフタレート)以外のプラスチック素材で出来た食品や洗剤などの容器や袋類の事をいいます。かさ比重が小さいため、容量を大きくした背高コンテナとなっています。

UM8C形12ftコンテナ

アルキルアルミニウムを輸送するタンクコンテナを運ぶための無蓋コンテナです。アルキルアルミニウムは危険な貨物であるため、無蓋コンテナですが危険品を示す記号「C」が付いています。
UM8C-7・29(東ソー物流)

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UM8C-44(ガスケミカル物流西日本)

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UM9A形12ftコンテナ

UM9A-504・604 日本通運

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扱う貨物が12ftコンテナでは大きすぎる場合(引越し荷物など)に対応するために、半分の6ftコンテナを開発し、そのコンテナを載せるためのアダプターがこのUM9A形です。6ftコンテナにはいくつかの種類があるようです。また、輸送時は必ず2個載せなければならない決まりとなっています。
UM9A-278・438 日本通運

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上に載せる6ftコンテナですが、NE形NEL形(正確な形式名は不明)の2種類があり、NE形は妻1面の一方開き構造、NEL形は妻1面、側1面の二方開き構造となっています。形や塗装デザインが様々あります。

UM11A形20ftコンテナ

0番代(UM11A-55・70 ヤマゼン)

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産業廃棄物などの静脈物流輸送を行うコンテナです。積荷を降ろす際はダンプトラックと同じく、傾斜をさせて降ろします。写真のコンテナは焼却灰(ゴミを燃やした残りかす)を輸送するコンテナです。
1000番代(UM11A-1051・1118 川崎市環境局)

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可燃ごみを燃焼した焼却灰を輸送するコンテナです。輸送にあたっては悪臭が漏れ出ないように対策を施した構造となっています。ごみを直接投入するため、腐食などによって同形式で置換えが行われています。

UM12A形20ftコンテナ

主に静脈物流輸送に使用されるコンテナで、所有者により積荷は様々あります。
UM12A-369(全国通運 残土)・440(秩父鉄道 焼却灰)

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UM12A形が最初に活躍したのは、大宮操車場跡地(現在のさいたま新都心駅周辺)の再開発に伴い発生した残土輸送です。当初は5000番代を名乗っていましたが、終了後は5000を差し引いた番号に改番されています。写真左の369番はそのうちの1つです。写真右は一般ごみの焼却灰をセメント工場へ原料として運んでいます。369番と比べると側面などに違いが見られますね。
UM12A-5125・105077(ジェイアールエフ商事)

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焼却灰などを主に運んでいるようです。105077は無脱臭装置が装備されているものです。
UM12A-5307・5327(山陽三共有機 有機肥料)

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SSボーンとは商品名でしょうか。有機肥料を輸送しています。
UM12A-5548(龍南運送 焼却灰)・5570(日本通運 産業廃棄物)

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側面リブの形状を変更した個体の例です。5548番もセメント工場へ焼却灰を輸送する目的で活躍しています。
UM12A-5728(中央通運 産業廃棄物)・5754(同和通運 産業廃棄物)

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側面にさらにリブを追加した強化型の個体の例です。写真右の同和通運所有のコンテナは電子機器や金属くずなどを運んでいます。このくずは「都市鉱山」とも言われ、ここから金属をリサイクルするというものです。このリサイクルする精錬工場は秋田県大館市にある小坂製錬で世界で唯一のリサイクル工場として知られています。写真左の中央通運所有のコンテナも同じとなっています。
UM12A-5774(三井金属工業 溶融飛灰)・5796(東京エコサービス 焼却灰)

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UM12A-5846(水島臨海通運 浄水ケーキ)・105055(芳賀通運 脱水ケーキ)

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浄水ケーキ
浄水場で水が浄化される際に取り除いた微細な土砂を脱水固化したもので、多くは埋め立てやセメントの原料に使われています。最近では天然ミネラルが豊富に含み、かつ保水性、通気性に優れている事から、高品質の培養土の原料としても注目を浴びています。
脱水ケーキ
浄水場で原水に含まれる汚泥を濃縮、脱水した固形物質を言います。有機物が含まれているため、放置すると腐敗し、悪臭、感染症の原因となるため焼却処分されます。焼却処分後は埋め立て処分となりますが、環境負荷低減を目的として資源としての有効利用が行われており、園芸用の土やセメントの原料となっています。
UM12A-105219(北海道ジェイアール物流 汚泥)・105438(日本フレートライナー 焼却灰)

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UM12A-105090(同和通運 産業廃棄物)・105206(同和通運 産業廃棄物)

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左の105090番は水密用と言われるもので、蓋が水密構造となっています。廃棄物に水分が含まれているものを運んでおり、通常のコンテナでは振動で漏れてしまうことから登場しました。右の105206番は側面のリブが追加された強化型で、密閉構造も強化されています。
UM12A-5898(藤森物流 コンクリート混和処理汚泥)・105181(三菱マテリアル 溶融灰)

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写真左の5898番は背高タイプのUM12A形です。単体では見分けるのが難しいです。
UM12A-456(全国通運)

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川崎市のごみ輸送に活躍するコンテナで、一般ごみを運んでいます。背高タイプのUM12A形となっています。

UM12A-5581(脱水ケーキ アミタ)・105272(産業廃棄物 下関海陸運送)

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UM12A-105576(残土 全国通運)

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平成29年に登場したコンテナで、中央新幹線(超電導リニア新幹線)建設に伴い発生する土を輸送する目的で登場しました。白色の塗装にオレンジ色の帯が巻かれています。

UM13A型20ftコンテナ

0番代 産業廃棄物用コンテナ
UM13A-150・165(一般廃棄物・同和通運)

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UM12A形と共に都市鉱山からの産業廃棄物を輸送するコンテナです。天蓋はUM12A形ではハンドル操作により側面に沿う形での開閉ですが、UM13A形は折戸による開閉となっています。輸送中は雨水が入らないようにシートが付けられています。
UM13A-110・254(シュレッダーダスト 同和通運)

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シュレッダーダストとは自動車解体時に発生したガラスやゴムなど容易にリサイクルが可能なものを言います。積荷の比重が小さいため、一般廃棄物用の同じ形式ながら大きさが全く異なっています。
UM13A-273(コンクリート混和物 太平洋セメント(ジェイアール北海道物流))

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272番とこの273番の2個だけの無蓋コンテナです。
1000番代
UM13A-1001・1080(川崎市環境局)

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川崎市のごみ輸送に活躍するグループです。もともとは一般ごみ用としていましたが、現在は破砕ごみ用となっています。また、腐食などの老朽化により初期のコンテナは淘汰され、1053~1093(欠番あり)の22個が活躍をしています。
●5000番代
UM13A-5011(全国通運)

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色々な会社にリースをしており、写真は鉄鋼製品を輸送しているようです。
UM13A-5066(東洋ガラス)

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ガラスびんなどをつくる会社が所有するコンテナです。積荷はガラスの原料であるカレット(ガラスを破砕したもの)かな?

UM14A形20ftコンテナ

主に鉄鋼製品を輸送するコンテナです。平べったい形のコンテナがほとんどで、留置中や回送される時は何段も重ねられています。
●0番代 名古屋臨海鉄道・大同特殊鋼所有のUM14A形

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特殊鋼材を輸送するためにつくられました。1~50番は初期のもの(写真左)で、中央部が開閉する構造となっています。貨物を送り、返却時は3段(写真は留置中)である事から効率が悪い問題がありました。モーダルシフトを進めるため、51~110番(中央)ではコンテナの高さを低くし、返却時に4段積みに出来るようにしました。さらに111番以降(右)では全長を長くして、線材コイルを輸送できるようにしています。このグループも帰りは4段積みです。
5000番代
UM14A-5046・5054(汎用貨物・日本石油輸送)

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有蓋コンテナに収まらない様々な貨物を輸送しています。貨物が見えるものとシートで覆われて、何か判らないものもあります。見えないとちょっぴりわくわくしてしまいますね。
UM14A-5056(汎用貨物・日本石油輸送)

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製鉄会社に貸し出し中の様子。積荷は平板でしょうか。
UM14A-5073(特殊鉄鋼 山陽特殊製鋼)

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UM14A-5111(特殊鉄鋼 丸吉運輸機工)

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2m以上になる長尺鉄鋼製品を輸送するためにつくらました。
8000番代
UM14A-8006(鉄鋼製品 朝日工業)

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重量のある鉄鋼製品を輸送するため、8000番代となっています。

UM16A形20ftコンテナ

25000番代
 UM16A-25001~25030 (UM16A-25017厚板 中部鋼鈑)

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鋼板を輸送するこのグループは返却時(空荷時)は4段積みとなります。
UM16A-25031~ (UM15A-25036・25035 日本通運)

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このグループは様々な貨物を輸送する汎用貨物用です。空荷時は3段積みとなります。上は空の状態。下は積載状態で、幌には隠れてしまう社名とハローマークが書かれています。

UM20A形30ftコンテナ

30000番代
自動車・コンテナ輸送用(UM20A-30004・30006)

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コキ71形式用のカーラック用コンテナです。往路は自動車を積載するため、写真左のようになっており、自動車4台を組み合わせるように載せます。復路は12ftコンテナを輸送するため、ラックを折り畳みます。(写真右)どちらも、カバーで覆って輸送するため見ることが出来ません。現在は休車中になっています。
30000番代
エスカレーター輸送用(UM20A-30040 JR東日本横浜支社)

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駅のバリアフリー設備の一つであるエスカレーターを輸送するコンテナです。
38000番代 鋼材輸送用 (UM20A-38010 朝日工業)

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無蓋トラックの荷台のような外観を持つ無蓋コンテナです。

UM21A形30ftコンテナ(UM21A-38004 神鋼建材工業)

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あおり戸のやや高いこのコンテナはガードレールを輸送するコンテナです。

UM27A形30ftコンテナ(UM27A-48002 JFEスチール)

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鋼材製品を輸送するため12ftコンテナを使用していましたが、新たに30ftクラスの大型コンテナで輸送するために設計されました。48000番代という区分がされており、この番代のみの存在となっています。

UM30S形30ftコンテナ(UM30S-85412・85401 神奈川臨海鉄道)

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輸入工業塩をそのまま載せて無蓋車で運んでいましたが、腐食が激しいため、専用の容器に変更して、無蓋車で輸送していました。輸送効率を向上するためにコンテナ化にしたものです。85400番代という番代区分となっていました。1つのコンテナに専用容器を4個が積載でき、片方には扉があり、もう片方はない一方開きの特殊コンテナでした。

私有無蓋コンテナをご紹介しました。まだまだあります。続きは下の文字をクリックして下さい。

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