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大正11年に鉄道省(今のJR、国鉄の前身)が輸入した直流電気機関車です。大正14年の東海道本線電化用として、電機部分はウェスティングハウス・エレクトリック社(米国)、機械部分はボールドウィン社(米国)を輸入し、2両作りました。
登場時は1000形としていましたが、昭和3年に車輛形式称号規定改正でED10形式となりました。
箱型の車体で前後にデッキがあり、そこから車内に出入りするほか、車体中央部付近にも出入口がありました。屋根上にはパンタグラフが1基搭載されていました。また、使用する線区により架線電圧が異なっていたため、電気方式を直流600V/1200Vの複電圧仕様となっていました。その後、いくつかの改造を経て廃車時点ではPS14形式パンタグラフが2基、通風口の形状を変更し、側面窓が増設され、機器搬出口が設置されていました。
山手線、中央本線で活躍し、1500Vに昇圧されると東海道本線で活躍。晩年は横須賀線の運用が最後でした。昭和35年に形式消滅し、2両のうち2号機は西武鉄道に譲渡され、E71形式となりました。車体色はぶどう色からローズレッドに変更され、同社の貨物列車牽引に活躍し、昭和61年に廃車となりました。
現在は西武鉄道に保存されており、国鉄仕様に戻されています。