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写真右マワ車所蔵

昭和43年奥羽本線米沢~山形駅間の交流電化及び福島~米沢駅間の交流電化切替が行われる事になりました。福島~米沢間には約33‰の急勾配を持つ板谷峠があり、これに対応する機関車の開発が行われサイリスタ位相制御方式及び交流回生ブレーキを装備したED94形式(後のED78形式)が登場し、試験が行われました。
奥羽本線は貨物列車も多く運転されており、牽引できる量を多くする必要があったため、列車重量を最大650tとしました。しかし、ED78形式のみ重連運転を行うと、回生ブレーキの熱容量が不足し、33‰勾配上で力行を行うと問題があるため、F級電気機関車の投入となりました。このF級電気機関車がこのEF71形式です。
制御方式や台車、保安装置などはED78形式と共通の設計、装備が施されています。主電動機は新性能電気機関車の標準形式である直流直巻電動機MT52形式の電機子絶縁強化タイプのMT52A形式を6基搭載しています。交流専用であるため、端子電圧が引き上げられたため、1時間当たりの定格出力は1基当たり450kw、総定格出力は2700kwととなり、国鉄交流電気機関車の最大値となっています。さぞかし力持ちなんだろう。と出力向上をイメージしますが、主電動機の熱容量に余裕を持たせる事が目的であり、主電動機の回路構成が直流電気機関車と同じであったため、空転が酷かったそうです。死重を搭載するなど解決策を探しましたが、解決には至りませんでした。
平成2年より、福島~山形駅間の標準軌化による山形新幹線の建設工事が始まり、徐々に運用が縮小されていきました。東北本線などでの活躍も考えられていたそうですが、特殊設計の機関車であるため転用が難しく、平成5年に形式消滅しています。