貨車とは?

 貨車とは名前の通り、貨物を輸送する鉄道車輛を言います。我が国に鉄道が開業して以来、経済の発展と共に様々な貨物を輸送してきました。
 この貨車を構造で見てみると、大きく4つに分類する事ができます。
①二軸車
 明治5年の鉄道が開業した際に採用された構造。車体の下に2つの固定車軸を設置した車輛で、車体を長くすると曲線通過時に問題が起こる他、高速運転にも不向き。一方で、構造は単純なので製作費用も安価。走行性能に難があるため、現在は製造禁止となっています。営業運転は行われておらず、事業用として僅かに残るのみとなっています。
②三軸車
 二軸車と同じ構造ですが、その間にもう一軸を追加した構造です。二軸車の大型化には限度があるため、同様の構造としつつも、荷重を増やすものとして考えられました。日本では戦前のタンク車に見られ、戦中では戦時形貨車として量産されたほか、二軸車を改造した例もありました。荷重を増やす事は出来ましたが、走行性能が芳しくない問題があります。戦後は試作車程度で数例があるのみとなっています。JR東海の浜松工場でトキ900形式無蓋車が1両保存されています。
③ボギー車
 車体と走り装置を分離させたもので、この走り装置を一般的には「台車」と言い、2軸一組としたものです。一般的には車体の両端に2組セットされます。曲線通過や高速走行など性能面で飛躍的な進化を遂げました。また、車体を大きくする事も容易で一度に多くの貨物を輸送することが出来るため、現在の貨車で主流となっています。かつては台車の軸を3軸にした「3軸ボギー台車」を履く貨車もあり、高速走行よりも重貨物用として見ることが出来ました。
④多軸車
 別ページで紹介しますが、大物車と呼ばれる貨車に主に採用されているもの。1軸となる車輪がレールにかける負担(力)を「軸重」と言います。軸重は路線ごとに決められており、その範囲内で貨物を輸送しなければなりません。
 車体と貨物を合わせて50tになる貨車があります。この貨車を2軸(2軸車)としたとき、1軸にかかる負担を計算すると1軸あたり25tになります。では、4軸(2軸ボギー車)になるとどうでしょう。1軸あたり12,5tになります。このように軸数を増やす事でレールをはじめ線路設備にかかる負担は小さくなります。という事は、重い貨物を運ぶ時は軸数を増やすという事になります。概ね4軸以上を多軸車と言い、単軸を複数組み合わせ台車にしたものと、ボギー台車を複数用いたものの2種類があります。

次に貨車の車体設備による分類ですが、今ではコンテナ化で整理されてしまいましたが、多種多様な貨車があります。下のアイコンをクリックして、それぞれを見て下さい。

国鉄形急行型電車及び特急型電車
※見たい系列の写真をクリックしてお進み下さい。

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