座席車

スハフ14 1~(スハフ14 1)

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床下にサービス用電源装置を搭載する緩急座席車です。車内は183系0番代に準じたもので、車掌室側貫通扉には愛称表示器が装備されています。24番以降は難燃化対策が強化されています。

スハフ14 501~(スハフ14 501)

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昭和56年、北海道内の急行列車に使われていた旧型客車を置換えるために0番代を種車とし、耐寒・耐雪構造強化、暖房強化、乗降扉の引戸化などを施したグループです。また、荷物車や郵便車、寝台車の併結がある事から暖房用蒸気管を新設しました。給電範囲は6両から自車を含めて4両までに変更されています。

スハフ14 551~(スハフ14 557)

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種車をオハフ15形式とするグループで、発電用ディーゼルエンジン、発電機を搭載し、500番代と同じ改造を施しました。外観はどちらも同じです。

オハフ15 1~(オハフ15 10)

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サービス用電源装置を持たない緩急座席車です。車体や車内はスハフ14形式と同じです。24番以降は難燃化対策が強化されています。写真はJR西日本でリゾート列車用にアコモ改良を施した車輛です。

オハ14 1~(オハ14 77)

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中間に組み込まれる座席車です。82番以降は難燃化対策を強化しています。車内には簡易リクライニングシートが配置されています。この座席は背もたれを倒し、ちょっと体を離すと「バタン!!」と勢いよく元に戻る座席で、夜行列車では気になって寝付けなかったという思い出を持っている方も多いのでは。

オハ14 301~303(オハ14 302)

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JR西日本の車輛を用いて運行されていた寝台特急「あかつき」用のハイグレート座席車で、平成2年に0番代を改造して登場しました。愛称は「レガートシート」です。ハイグレード長距離高速バスに対抗するため、1人掛けリクライニングシートを3列配置し、車輛後部を女性専用席、更衣室、化粧室を設置しました。車内の通り抜けを少なくするため、編成の最後部に連結する設定となっています。デッキ寄りにはミニサロンの設備があります。「あかつき」号廃止により、廃車となっています。

オハ14 501~(オハ14 532)

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0番代を北海道仕様としたグループで、昭和55年に登場しました。改造内容は耐寒・耐雪構造強化、乗降扉の引戸化、蒸気暖房関係配管の増設などが行われています。

オハ14 503・505・507・508・510ドリームカー(オハ14 508)

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札幌と釧路を結ぶ急行「まりも」号(現在は廃止。)の座席指定車のグレートアップを行った車輛で、番号の変更はありません。キロ182形式のグレートアップ化で発生した座席に変更し、談話室を設置しました。「ドリームカー」の愛称が与えられています。現在は急行「はまなす」号の座席指定車で活躍をしています。

オハ14 512・515カーペットカー(オハ14 512)

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急行「はまなす」号に使用される2段式のカーペット敷き車輛で、平成9年に500番代を改造して登場しました。これに伴う番号の変更はありません。上段は線路方向(列車の動く方向)、下段は枕木方向の配置で、客室窓もそれに合わせており複雑な配置となっています。

ジョイフルトレイン

JR東日本 欧風客車「サロンエクスプレス東京」→和式客車「ゆとり」(スロフ14 701・オロ14 701)

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昭和58年、東京南鉄道管理局に登場した欧風客車です。当時、スロ81系和式客車が配置されており、人気は高いものの、若者層には人気がいま一つでした。この若者層をターゲットに新しい鉄道の旅をコンセプトに14系座席車を改造しました。
同じ頃、大阪鉄道管理局でも14系を改造した欧風客車「サロンカーなにわ」が登場していますが、車内は座席主体(開放形)であるのに対し、サロンエクスプレス東京はコンパートメント席(区分室形)を主体としています。
特徴となる展望室の設置にあたっては、サービス用電源装置のエンジンの排気管が展望室内に露出するのを避けるため、車掌室側を編成の内側に向け、トイレ、洗面所のある側に設置しました。以降の展望室を設置する車輛はこの方法を採っています。
車体色は今まで使用されていない色を用いているのが特徴で、赤7号をベースに窓下に朱色3号の細い帯を2本、窓上に黄色6号の細い帯を配しました。
スロフ14 701+オロ14 701~705+スロフ14 702の7両編成で、スロフ14 701はパノラマコンパートメント車(展望室と6人用個室及び5人用個室で構成。)、オロ14 701~705はコンパートメント車(6人用個室で構成。)、スロフ14 702はパノラマラウンジ車(展望室と客室を一体化とし、ソファーとテーブルを並べ、車掌室側にビュッフェカウンターを配置したもの。イベント用としてビデオカメラ、カラオケ、オーディオ機器を設置した準備室がありました。)
団体列車の他、臨時特急列車(サロンエクスプレス踊り子、サロンエクスプレスそよかぜなど)に活躍しました。
全車が個室という事もあり、やがて人気がなくなってきました。そこで、平成9年に人気の高い和式客車に改造する事になり、愛称も「ゆとり」となりました。
7両編成でしたが、一般的なお座敷客車列車が6両であることから、1両減らしています。車内は個室を全て撤去し、掘り炬燵のお座敷客車としました。中間の各車輌には談話室を設置しています。塗装や番号の変更は発生していません。
平成20年に老朽化などの理由により廃車。JR東日本から客車のジョイフルトレインがなくなりました。

JR東日本 欧風客車「スーパーエクスプレスレインボー」(スロフ14 706・オロ14 714・オロ12 715)

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国鉄分割民営化が目前に迫った昭和62年、東京北鉄道管理局に登場したジョイフルトレインです。同局では和式客車「なごやか」が活躍していましたが、多様化する旅客ニーズに応えるべく製作しました。また、新会社となるJR東日本の門出に相応しい「夢を乗せる車輛」として計画され、欧風客車の様々な要素を採り入れ、外観も乗ってみたくなる車輛を目指しました。
編成はスロフ14 705(パノラマグリーンカー)+オロ14 714(グリーンカー)+オロ14 713(コンパートメントカー)+オロ12 715(イベントカー)+オロ14 712(コンパートメントカー)+オロ14 711(グリーンカー)+スロフ14 706(パノラマグリーンカー)の7両編成です。イベントカーはオハ12系客車からの改造となっています。
若年層をターゲットにシティー感覚を採り入れ、落ち着いた雰囲気の中でゆったりとした時間を過ごせるように設計されています。両端に位置するパノラマグリーンカーは展望室のある車輛で、ソファーを配し、大型曲面ガラスを用いた開放感あるものとしています。客室は1+2列のリクライニングシートで構成され、45度刻みで座席を回転させることが可能です。グリーンカーも同じ1+2列配置のリクライニングシートで構成され、中央にミニステージがあります。少人数向けのコンパートメントカーは6人用及び3人用個室の構成で、個室内は土足厳禁の扱いでした。編成の中央に位置するイベントカーは中央部にステージと可動式テレビカメラを設置し、ハイルーフ風の天窓が設けられています。様々な使い方が出来るよう、ソファーは可搬式のものとしています。車端部にはスナックコーナーを設置していました。
車体色はスピード感を強調したチェリーレッド地に白のストライプ、イベントカーには「SUPER EXPRESS RAINBOW」のロゴが入れられました。
専用機関車(EF65形式及びEF81形式)も用意され、活躍しましたが平成12年に廃車となっています。(機関車のみ現存しています。)

JR東日本 和式客車「浪漫」(スロフ14 801・オロ14 802・オロ14 803)

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JR東日本長野支社では国鉄時代より、オハ12系を改造した和式客車「白樺」が活躍してきましたが、老朽化により後継となる車輛として平成7年に「浪漫」が登場しました。
編成はスロフ14 801(展望車)+オロ14 801+オロ14 802+オロ14 803(ラウンジカー)+オロ14 804+スロフ14 802(展望車)の6両編成です。なお、国鉄時代大阪鉄道管理局に和式客車「みやび」があり、同一番号で重複となっていますが廃車後の登場であって、問題はありません。(「みやび」は昭和61年に登場し、同年山陰本線餘部鉄橋を通過中、強風にあおられ転落し廃車となっている。登場からわずか9か月ほどの活躍であった。)
「女性や高齢者でも親しみやすい、また乗ってみたくなる車輛」をコンセプトに改造が行われました。登場時はブラスゴールドをベースに上下にロイヤルブルーを配した塗装でしたが、平成12年にメタリックゴールドとワインレッドの組み合わせとなっています。
スロフ14形式の両端の展望室は新造されたもので、平面ガラスを11枚組み合わせた独特のものです。ソファーとテーブルを設置したフリースペースとして扱われます。添乗員室、更衣室、レーザーカラオケなどの設備があります。オロ12 801・802・804は掘り炬燵のある和式で、フラットにもできます。28インチモニターカラオケ装置などの設備があります。3号車の802のみトイレが洋式、男子用トイレとなっているほか、洗面所スペースが拡大されています。4号車は多目的ラウンジを中央に配し、ミーティングルーム、添乗員室(更衣室)、トイレ、洗面所などの設備があります。
老朽化、効率化により平成19年に廃車となっています。

JR東海 「ユーロピア」(スハフ14 701ほか)

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同社の所有するオハ12系を改造した「ユーロライナー」の増結用として、平成2年に登場しました。塗装変更、座席の交換が主で、ユーロライナーに合わせた塗装に変更。車内は簡易リクライニングシートからシートピッチを拡大し、背面テーブル付リクライニングシートに交換しました。このため、窓割りと座席の位置が合わなくなっています。

JR西日本 欧風客車「サロンカーなにわ」写真はマワ車所蔵

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昭和54年より大阪鉄道管理局ではスロ81系によるお座敷列車を運転していました。登場後の人気は高く、予約をしても断らなければならないほどの状況となっていました。当時、高級志向の高まりでデラックスバスなども登場するなど、利用者の多様化が進んでおり、和式客車だけでは対応が難しくなってきました。この多様化するニーズに応えるべく、昭和58年に欧風客車「サロンカーなにわ」が登場しました。
同時期に東京南鉄道管理局に登場した「サロンエクスプレス東京」に続く欧風客車です。

JR西日本 14系200番代(スハフ14 201・オハフ15 201・オハ14 201・オハ14 252:オハ14 201以外はマワ車所蔵

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昭和63年に臨時列車「リゾート白馬88」号に使用する客車としてアコモ改良を行ったのが始まり。その後、大都市から、スキー場の最寄り駅までアクセスする臨時列車「シュプール号」用に増備されました。車内の座席は簡易リクライニングシートから、リクライニングシートの交換、スキー板置き場の新設などアコモ改良が主なものとなっています。
スハフ14 201~204(車内販売準備室付)、オハフ15 201~203(展望室付)、251(トイレ、洗面所を廃し、ラウンジに改造)、オハ14 201~208、251~258(更衣室付)が登場しました。夏季には臨時快速「ムーンライト九州」号などにも活躍をしていました。平成21年に全て廃車となっています。