所有路線

軌道線
本  線 広島駅~広電西広島 5.5km 複線、電化(直流600V)
宇品線 紙屋町~広島港 5.7km 複線、電化(直流600V)
江波線 土橋~江波 2.6km 複線、電化(直流600V)
横川線 十日市町~横川駅 1.4km 複線、電化(直流600V)
皆実線 的場町~皆実町六丁目 2.5km 複線、電化(直流600V)
白島線 白島~八丁堀 1.2km 複線、電化(直流600V)
鉄道線
宮島線 広電西広島~広電宮島口 16.1km 複線、電化(直流600V)

広島県で鉄道、軌道事業を行う会社です。この他にバス事業も行っています。「広電(ひろでん)」、「ひろでん」の愛称があり、広島市民の大事な足となっています。

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※広島市内を行くひろでん。

昭和17年に広島瓦斯電軌株式会社(現在の広島ガス)から運輸事業を分離して設立されました。前身の会社を含めると広島電気軌道株式会社として明治43年に設立されています。昭和20年8月6日には人類史上初めての核攻撃、原子爆弾が投下され経験をしています。
路線は軌道線、鉄道線の総延長35.1km、年間輸送人員は約5500万人で路面電車では日本一となっています。(軌道線のみ長さではとさでん交通)軌道線はほとんどが併用軌道で「市内線」として総称されています。そして8つの運行系統があり、この運行系統を1号線、2号線・・・と○号線と呼んでいます。(4号線はない。)一方、鉄道線は宮島線の事を言い、JR山陽本線とほぼ平行した路線で、全線が専用軌道となっています。軌道線と直通運転を行っており、広島駅から広電宮島口まで乗車すると原爆ドーム前停留場では原爆ドーム、広電宮島口駅では厳島神社の2つの世界遺産を訪れる事が出来ます。

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※原爆ドームとひろでん。

運賃は市内線が大人180円、こども90円(白島線のみは大人130円、こども70円)の均一運賃、宮島線のみ区間制となっています。フリー乗車券もあり、路面電車全線のみの電車一日乗車券(大人600円、こども300円)と宮島観光にも便利な路面電車全線と宮島松大汽船に乗車、乗船が出来る一日乗車乗船券(大人840円、こども420円)があります。

700形(2代)

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昭和57年に登場した路面電車です。市内線の車輛として550形の登場以来27年ぶりに新製されました。車体は昭和55年に登場した3車体連接車3500形(試作車)で採用された軽快電車スタイルとしています。
製造時期により仕様が異なります。701~704は昭和57年製で、駆動方式は吊り掛け式を採用。台車は新製ながら、主電動機を再利用したものとしています。翌昭和58年に705~707が増備されました。足廻りは701~704と同じですが、外観では正面方向幕が拡大されました。制御装置も変更され直並列抵抗制御方式から永久並列制御方式として加速性能を向上させています。
昭和60年に711~714が登場。このグループは全て新製された車輛で、駆動方式が平行カルダン駆動方式となり、走行音が静かになっています。仕様が大きく異なるため710番代として区分されています。

800形(2代)

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昭和58年に登場した路面電車です。700形(2代)に続いて登場し、平成9年までに14両がつくられました。700形との違いは集電装置をZパンタグラフに変更、制御方式を回生ブレーキ付電機子チョッパ制御方式に、駆動方式を平行カルダン駆動に変更しています。また、台車の軸ばねにシェプロンゴムを採用しています。
801、802は700形(2代)の流れを汲んだデザインで前部標識灯、後部標識灯が縦に並ぶものとなっています。昭和62年に登場した803~はデザインが一新され、3800形後期車に準じた灯具類を横並びに変更しています。その後、その時代に登場した連接車のデザインが採用され、登場年により変化が見られます。

900形

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昭和44年に登場した路面電車で、元大阪市交通局(大阪市電)2601形を譲り受けたものです。広電では同じ大阪市電1601形、1651形、1801形を譲り受けた750形が活躍していましたが、車体長が13m級の大型車で、900形は12m未満の中型車である点が異なります。
大阪市電2601形とは当時在籍していた木造2軸ボギー車などの主要機器を流用し、無音電車、和製PCCカーと呼ばれた高性能車輛3001形、3001形の先行試作車である3000形と同じ車体を新製したもので、昭和30年より114両がつくられました。このうちの14両が広島電鉄に来ました。転入時に塗装変更は行われず、大阪市電在籍当時の原形が保たれ、この事が広島電鉄が他の事業者より譲り受けた車輛の塗装を当時のまま導入するきっかけとなり、ファンからは「動く鉄道博物館」などと呼ばれるきっかけともなっています。
900形も一部不要な機器類の撤去やパンタグラフの変更などはあったものの、主要機器は大阪市電時代からの変化はありません。現在は冷房化改造された9両が在籍しています。登場から60年近く経っており、機器に至っては90年以上達しており、広島電鉄で一般運用を行う車輛の中でかなり古い車輛となっています。

1900形

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昭和53年に登場した路面電車で、京都市電よりやって来ました。形式は京都市電時代と同じですが、番号が整理されています。広電仕様にパンタグラフの変更など若干の改造は行われていますが、京都市電時代の面影が残っています。
各車輌には京都に因んだ愛称が付けられています。写真左1912号車は「大文字」、右の1908号車は「あらし山」が付けられています。

3800形

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昭和62年に登場した路面電車で、3700形に続いて登場した連接車です。「ぐりーんらいなー」の愛称が付けられています。3800形は広島電鉄では初めてVVVFインバータ制御方式が採用された点があります。鉄道線である宮島線に直通運転が出来る車輛として9編成が活躍をしています。

3950形

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平成9年に登場した路面電車で、3900形に続いて登場した連接車です。性能面では3900形と同じで、マイナーチェンジ車になります。変更点では前部標識灯を従来の2灯からバス用のロービームとハイビームを別々にした4灯となっている点です。ロービームは日本の鉄道車輛では初めてプロジェクター式ヘッドライト(ハロゲンランプ)が採用されました。また、パンタグラフもZ形パンタグラフから、広電では初採用となるシングルアーム式となっています。

5000形

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平成11年に登場した路面電車で、5車体6軸の関節式連接車で100%低床車です。シーメンス社(独)で12編成が登場しました。「GREEN MOVER(グリーンムーバー)」の愛称が付けられています。この100%低床車は熊本市交通局9700形に次ぐ2例目となっています。
編成はA+C+E+D+Bという構成になっており、AとB車には動力台車、中間のE車には付随台車があります。CとD車には車輪が無い「浮き車体」となっており、各車は間接によって結ばれています。車内はフラットであるため広々とした印象があり、窓も大きく眺望がとても良いのが特徴です。
その一方で、車輛価格や部品調達コストが高額である事や部品調達に時間がかかってしまうなどの問題があり12編成で増備が打ち切られてしまいました。(現在1編成が部品取り用として休車となっています。)

5100形

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平成16年に登場した路面電車です。「Green mover max(グリーンムーバ―マックス)」の愛称が付けられています。国産では初めての100%フルフラット超低床電車で、近畿車輛、三菱重工業、東洋電機製造、広島電鉄の共同開発によって誕生しました。
先に登場した5000形グリーンムーバ―での問題点を改善したもので、主なものとして座席の改良や空調設備の改善、軌道法による車体長限界内に車体長を収めるなどを行ったほか、多くの部品を国産としています。現在10編成が活躍をしています。

1000形(2代)

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平成25年に登場した路面電車です。サービス向上を目的及び老朽化の進む車輛の置換えを目的に超低床車輛を投入する事になり、超低床車輛として登場した5100形をベースとして5両編成から3両編成に短縮した車輛となっています。
第1編成(1001)及び第2編成(1002)はイタリア語で「小さい」を意味する「PICCOLO(ピッコロ)」、「PICCOLA(ピッコラ)」の愛称が付けられ、車体色を広島電鉄開業100周年の記念車輛の位置づけ、開業当時の100形をイメージしたアニバーサリーレッド(葡萄色系)のオリジナル色となりました。第3編成となる1003号車以降は「GREEN MOVER LEX(グリーンムーバ―・レックス)」という愛称になっています。「LEX」は小旅行を意味するLight EXcursionからつくられた造語です。塗装は白地をベースに窓周りを黒色、車体下部及び運転台窓周りに緑色の帯を入れたものとなっています。
車体は3車体2台車の連接構造で、台車は両端の先頭車に配置され、中間車は浮き車体となっています。従来車では連接車には車掌台が設置されていましたが、本形式では設置されず、ワンマン運転を考えた設計となっています。(車内をモニタリングできる。)この他、広電では初めてのデジタルサイネージ機能を備えた液晶モニターが設置されているほか、環境優しいLED灯を室内灯としています。