所有路線
ほくほく線 六日町~犀潟(さいがた)駅 59.5km 全線単線 電化(直流1500V)

新潟県に路線を持つ第三セクター方式の鉄道会社で、昭和59年に会社設立、平成9年に路線が開業しました。このほくほく線の出来る経緯は大正時代にまで遡ります。ほくほく線のほぼ中間にあたる松代村(現在の十日町市の一部)では大正9年にバスやトラックを運行する松代自動車が設立されました。(後に頸城(くびき)自動車となります。)この頃の道路は除雪設備が全く整っていないため、雪が降り始めると翌年の5月頃まで道路が完全に使用出来なくなり、各集落が孤立状態となっていました。昭和35年頃より整備が本格化しましたが、1980年代に入っても十日町から松代までは直線距離で13km程ですが、120kmもの迂回を強いられていました。
松代村に松代自動車が出来る少し前の大正5年に新黒井~浦川原駅間に頸城鉄道が開業しており、後に松代村まで延伸させる計画が持ち上がりました。この頃、十日町方面を結ぶ考えは、地形などの理由からありませんでした。
しかし、六日町~直江津間を結ぶ「上越西線」という構想が持ち上がり、地元では誘致合戦が繰り広げられる事となります。紆余曲折を経て、昭和43年に国鉄「北越北線」という形で工事が行われました。山間を縫うような路線であり、特にトンネル工事は難工事であったため、遅れていました。7割ほど完成していた所に、国鉄再建法が立ちはだかります。国鉄の赤字が膨らみ続け、立ち行かなくなり、新線の建設工事は全て凍結される事となったのです。北越北線も昭和57年に建設が凍結されてしまいました。
その後、第三セクター方式による経営が考えられ、昭和59年に北越急行が設立され、工事が再開。この際に計画が見直され、駅設備の見直しなどが行われました。最後に残されたまつだい~ほくほく大島駅間にある鍋立山トンネル(9116.5m)は最も難工事でした。昭和61年に工事が再開され、残された645mを貫通させるのに10年余りの月日と100億円を超える工費がかかっています。このトンネルは完成までに20年以上かかりました。こうして、ほくほく線の開業の見通しが立つようになりました。また、開業に合わせては高速化事業が追加され、対応する工事が行われました。
 首都圏と北陸地区を結ぶ重要な連絡路線として、特急「はくたか」号では運転最高速度160km/hと日本の在来線では最高速度となる特急列車も運転されました。(平成14年より。)
 しかし、平成27年に北陸新幹線長野~金沢間が延伸開業した事により、首都圏と北陸地区のメインルートを譲る事となり、特急列車の運行も終了しました。こうして、ローカル私鉄へとなるところですが、直江津方面の需要があることから、特急「はくたか」に代わる速達列車として、表定速度では日本最速となる「超快速スノーラビット」号が運転されています。この列車は越後湯沢~直江津間を1時間ほどで結んでいます。

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※列車種別の「超」の下にある「Cho」がちょっぴり面白い、超快速「スノーラビット」の横サボ。

HK100形
平成9年、開業と同時に登場した直流電車です。
0番代(1~7)

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増結に対応できるように貫通扉をもった片側2扉構造の20m級両運転台構造の車輛です。ワンマン運転に対応できる機器を備えています。車内はセミクロスシート配置となっていますが、イベント対応の8~10番は転換式クロスシート配置となっています。トイレの設備は乗車時間が1時間程度である事からありません。
制御方式はIGBT素子を用いたVVVFインバータ制御方式で、ブレーキ方式は回生、発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式となっています。屋根上には発電ブレーキ用の抵抗器が搭載されています。
性能面では特急列車の運行に差し支えないように、地方の普通列車用の車輛としては珍しい起動加速度3.0km/h/s、運転最高速度110km/hと高性能仕様となっているのが特徴となっています。
平成21年より更新工事が行われ、機器類の更新や塗装変更が行われました。塗装では写真左が登場時から施されたもので、右が更新工事後の塗装となっています。
0番代(8・9)

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北越急行の路線の多くはトンネル区間で、車窓は楽しめません。その不利な条件を利用して、平成14年に9番をプラネタリウム列車「ほしぞら」に改造しました。トンネル内を走行すると、天井部に星座を浮かび上がらせる上映を行うもので、他の一般車と連結して運転されました。
「ほしぞら」は好評であったため、100番代「ゆめぞら」がつくられました。その後、この2両は平成20年に「ゆめぞらⅡ」に再改造されました。塗装は100番代に準じたものに変更しています。
100番代

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「ほしぞら」が好評であったことから、本格的な映像演出へとグレードを上げた「ゆめぞら」が製作される事になり、本グループが平成15年に登場しました。2両で1組の片運転台構造になった点が他車と異なるため100番代に区分されています。車端部のみロングシートで、他は転換式クロスシート仕様となっています。車内は暗めの間接照明で、従来は星座のみの上映でしたが、花火や海中、宇宙など季節に応じた上映を行う事が出来ます。写真は平成30年に行われた「大地の芸術祭」というイベントに合せて施されたラッピング仕様、「DAICHI号」となっています。通常は「ゆめぞらⅡ」と同じ白色をベースに赤い帯が巻かれた塗装となっています。

681系2000番代(上)、683系8000番代(下)

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同社の特急「スノーラビットエクスプレス」用にそれぞれ投入されました。それぞれJR西日本681系及び683系に準じた設計となっています。特急列車廃止に伴い、それぞれJR西日本へ籍を移動しています。