所有路線

井原線 総社~神辺(かんなべ)駅 41.7km 全線単線 非電化
※総社~清音駅間はJR西日本伯備線と共用しています。(総社~清音間は複線、電化(直流1500V))

昭和61年に岡山県井原(いばら)市に設立された第三セクター方式の鉄道会社です。平成11年に井原線が開業しました。この井原線の歴史は大正2年に開業した井笠鉄道に始まります。笠岡~北川~井原駅間に本線を開業させ、その後北川~矢掛(やかげ)駅の矢掛線、井原~神辺駅の神辺線を開業させました。これらの路線は軽便鉄道となっています。また、国鉄では倉敷~清音~矢掛間にバス路線を運行し、吉備線の延長という形で総社~井原駅を結ぶ路線の計画もありました。
昭和41年に国鉄井原線の建設が始まり、これにあわせて昭和42年に井笠鉄道神辺線及び矢掛線が配し、昭和46年に本線が廃止となりました。この井笠鉄道の線路用地は井原線の建設に活用されています。
ところが台所事情が火の車の国鉄、昭和55年に井原線は建設が中止となってしまいました。このままでは鉄道の空白地域になってしまうため、岡山県、広島県、周辺自治体が中心となって井原鉄道が設立されました。
平成11年、井原線が開業します。最初の営業列車の出発式は平成11年1月11日、11時11分11秒と1が揃う時に行われました。同社の路線以外にも福塩線に乗入れ、福山駅まで運転する列車もあります。

IRT355形

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平成11年の開業時より活躍する気動車です。形式名の「IRT」とは、Ibara Railways Train=それぞれの頭文字をとり、井原鉄道の列車を意味したものです。また、数字の「355」は車輛の出力である355PSに因んだものです。
新潟鐵工所の第三セクター鉄道向け気動車で、18m級の軽量ステンレス車輛(前面部は鋼製)です。乗降扉は前後にあり、片引き戸方式。バリアフリー対策によりステップはありません。車椅子スペースも設置されています。トイレは和式トイレです。
エンジンは355PS/2100rpmのターボチャージャー、インタークーラー付高出力機関で最大勾配33‰のある井原線に対応したものとなっています。ブレーキ方式は電気指令式空気ブレーキ方式で、機関ブレーキ、排気ブレーキ(抑速ブレーキ)付となっています。機関ブレーキを常用ブレーキとし、制輪子の摩耗低減を図っています。
この車輛には0番代(写真左)10両、100番代(写真右)2両、200番代1両がつくられました。0番代の1両は廃車となっており、12両が活躍しています。
0番代は一般車輛で、乗降扉付近をロングシート、中央をクロスシートとしたセミクロスシート仕様となっています。100番代、200番代はイベント用に対応した車輛で全席が転換式クロスシート仕様となっています。このうち200番代の1両は「夢やすらぎ号」の愛称があり、水戸岡鋭治氏がデザインを手掛けています。