所有路線
東山線 高畑~藤が丘駅 20.6km 全線複線、電化(第三軌条方式、直流600V)
名城線 大曽根~栄~金山駅 8.9km 全線複線、電化(第三軌条方式、直流600V)※この区間は2号線 大曽根~名古屋大学~金山駅 17.5km 全線複線、電化(第三軌条方式、直流600V)※この区間は4号線 2号線と4号線をあわせて環状線となっています。
名港線 金山~名古屋港駅 6.0km 全線複線、電化(第三軌条方式、直流600V)
鶴舞線 上小田井~赤池駅 20.4km 全線複線、電化(直流1500V)
桜通線 中村区役所~徳重駅 19.1km 全線複線、電化(直流1500V)
上飯田線 上飯田~平安通駅 0.8km 全線複線、電化(直流1500V)

 愛知県名古屋市交通局が運営する地下鉄です。6路線の営業路線をもち、名古屋市15区(守山区を除く)、日進市に路線があります。この路線のうち、鶴舞線、上飯田線の2つの路線は名古屋鉄道と相互乗入れを行っています。
 名古屋市営地下鉄の建設計画は、人口が100万人を突破した昭和11年に始まります。しかし、戦争の影響で工事を始める事が出来ませんでした。因みに、愛知県の初めての地下路線は昭和13年、関西急行電鉄(後の近畿日本鉄道)が関急名古屋駅(現在の近鉄名古屋駅)を建設したのが最初です。
 戦後になっても相互乗入れなど様々な問題が解決できず、計画が出ては頓挫してしまう事になってしまいました。そこで、名古屋市では独自に地下鉄建設を始めます。昭和29年に名古屋~栄町駅(現在の栄駅)間の工事を始め、昭和32年に名古屋市営地下鉄最初の路線が開業しました。その後、延伸や新規路線が建設され、現在に至ります。

東山線は正式には名古屋市高速度鉄道第1号線(以下○号線)と言い、名古屋市営地下鉄では最初の路線。昭和44年に東山線の愛称が付けられました。名城線は正式には2号線と4号線で、この2つの路線を組み合わせたものとなっています。2号線が昭和40年に開業し、昭和44年に名城線の愛称が付けられます。大曽根駅の東側に4号線が建設される事になり、平成12年に砂田橋駅まで1.7kmが開業。少しずつ延伸を行い、平成16年に新瑞橋(あらたまばし)駅まで開業し、2号線との環状線が完成しました。この環状部となる区間はそのまま名城線とし、金山駅から枝線になる2号線の区間を名港線としました。この地下鉄による環状運転は日本では初めてとなります。また、地下鉄の環状運転は世界全体では7例目。一周の距離では世界第3位の長さとなっています。この環状運転では一般的に「外回り」、「内回り」という表現が用いられますが、名城線では「右回り(clockwise)」、「左回り(counterclockwise)」という表現を用いており、路線図も対応しています。鶴舞線は両端の駅からそれぞれ名古屋鉄道に相互乗入れを行っており、上小田井駅からは名古屋鉄道犬山線の犬山駅まで、赤池駅からは豊田線に乗入れ、三河線豊田市駅までを結んでいます。桜通線は東山線の混雑緩和を目的としたバイパス路線としてつくられた路線です。特徴として、ワンマン運転を行っているため、全てのホームが島式で、車輛の運転台はホーム側に近い右側としています。上飯田線は平成15年に開業した路線です。駅数は起点と終点駅の2駅のみ。日本一距離の短い地下鉄路線として知られています。かつて、名古屋鉄道小牧線の終点である上飯田駅から名古屋市中心部へは名古屋市電御成通(おなりどおり)線がありました。しかし昭和46年に廃止されてしまい、鉄道での連絡手段が断たれてしまいました。そこで、上飯田駅と名城線の平安通駅を鉄道で結ぼう。という計画によって、上飯田線がつくられました。

東山線5000形通勤形電車

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昭和55年から平成27年まで活躍した通勤形電車です。東山線では初めての冷房車で、昭和55年に試作車が登場し、昭和57年から平成2年にかけて量産車がつくられました。車体はアルミニウム合金製で、車体長約16mの小型な車輛です。前面は切妻に見えますが、僅かな傾斜が施されています。一部の車輛は引退後、アルゼンチンのブエノスアイレス地下鉄に輸出されて、第二の人生を歩んでいます。

東山線5050形通勤形電車

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平成4年に登場した通勤形電車です。東山線で残っていた非冷房車輛の置換えを目的に登場したもので、車体及び機器類は名城線、名港線で使用されている2000形を基本とし、先頭車前面形状は5000形と同じレイアウトとしています。制御方式はGTOサイリスタ素子を用いたVVVFインバータ制御方式となっています。

東山線N1000形通勤形電車

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平成19年に登場した通勤形電車で、5000形の老朽化に伴う置換えを目的とし、コストダウン、バリアフリー化を図った設計としています。軽量ステンレス製車体ですが、名古屋市営地下鉄では初めてとなる日車式ブロック工法を採用しています。車輛の寸法は5050形とほぼ同じですが、床面高さを下げています。制御方式はIGBT素子を用いたVVVFインバータ制御方式、ブレーキ制御方式は遅れ込め制御付きATC連動回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキとなっています。この他に補助電源装置にSIV(静止形インバータ)を搭載しています。

名城線・名港線2000形通勤形電車

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平成元年に登場した通勤形電車です。名古屋市営地下鉄の第三軌条路線用車輛では初のVVVFインバータ制御方式、冷房装置を採用しました。平成16年までに在来の1000形を置換えるためつくられました。ステンレス車体に路線カラーである紫色の帯を巻いています。平成15年以降に増備された車輛(写真右)は帯色がやや赤みのかかったものになっているほか、前部標識灯がHID灯に変更されています。

鶴舞線3000形通勤形電車

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鶴舞線の開業した昭和52年より活躍する通勤形電車です。車体は台枠と骨組みを普通鋼、外板をステンレス製としたセミステンレス構造が特徴扉一つで、一般的な片側4扉構造20m級車輛で、名古屋市営地下鉄の車輛として初めて冷房装置が搭載されました。制御方式は自動可変界磁電機子チョッパ制御方式となっています。
当初は4両編成で登場し、平成5年に全線開業、後継の3050形の投入、名古屋鉄道犬山線との相互乗入れ開始に伴い6両編成化されています。登場から30年以上経過しており、N3000形の投入によって置換えが進んでいます。

鶴舞線3050形

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平成5年、鶴舞線全線開業、名古屋鉄道犬山線相互乗入れにあわせて登場した通勤形電車です。桜通線の6000形を基本にしており、電装品は共通のものとしています。異なるのは車体帯、座席のモケットの色、運転台の配置となっています。1編成のみ6両編成の中に、3000形の6両化で余剰となった車輛2両を組み入れており、外観が異なっています。

鶴舞線N3000形

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3000形を置換えるため、平成23年に登場した通勤形電車です。第1編成は日立製作所のA-trainを採用したダブルスキン構造、第2編成以降はステンレス製で日車ブロック工法を採用しています。このため外観を異としています。制御方式はIGBT素子を用いた2レベルPWMVVVFインバータ制御方式としています。

桜通線6000形

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昭和62年に登場した通勤形電車で、名古屋市営地下鉄では初のVVVFインバータ制御方式を採用しました。桜通線が開通するまでの間、試験を兼ねて鶴舞線で営業運転をし、桜通線開業後量産車が登場しました。桜通線は全ての駅が島式ホームである事から、視認性を高めるため運転台を右側に配置しています。平成6年に今池~野並駅間延伸開業に際しては、全編成を5両編成にする事から電動車を1両組み込む変化があります。

桜通線6050形

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平成22年に登場した通勤形電車で、野並~徳重駅延伸開業に対応するために製作されました。車体は日車式SUSブロック構体のステンレス製となっています。前面は後退角のあるくの字としたほか、灯具類を縦配列としている点が6000形と異なります。制御方式は6000形と同じ、VVVFインバータ制御方式ですが、素子はGTOサイリスタからIGBTを使用しています。