所有路線
南北線 泉中央~富沢駅 14.8km 全線複線 全線電化(直流1500V)
東西線 八木山動物公園~新井駅 13.9km 全線複線 全線電化(直流1500V)
 東北を代表する大都市の一つ宮城県仙台市に2つの路線を持つ地下鉄です。平成19年頃までは仙台市市営地下鉄と呼ばれていました。
 戦後の高度成長期に入った頃、モータリゼーションの進展により自動車が増え、環境が悪化。これに対応する様々な対策を行いましたが、郊外に住宅地が広がり、バスや自家用車による渋滞は解消されず、深刻な問題となってきました。仙台市では古くから仙台市電(路面電車)を運営していましたが、都市部のみの路線であり、利用者が減少している事、道路の一部を使用しており、渋滞の一因とみなされてしまいました。(仙台市電は昭和51年に廃止。)そこで、仙台市では路面電車やバスに代わる新しい交通機関として地下鉄の整備を行う事にしました。
昭和56年に南北線の工事が始まり、昭和62年に八乙女~富沢駅間が開業。宮城県では初めての地下鉄の誕生となります。平成4年に泉中央駅まで延伸開業し、現在に至ります。平成19年からは2本目の路線となる東西線の建設が始まり、平成27年に開業となり、仙台市民の足として活躍をしています。

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東西線の起点駅である八木山動物公園駅は日本一高い場所にある地下鉄の駅です。改札口を出ると、近くにエレベーターがあるので最上階の八木山てっぺんひろばに出てみましょう。

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広場からは仙台市の街並みが一望できます。

車輛の紹介

1000系

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南北線用の通勤形電車として昭和60年に登場しました。20m級片側4扉の車輛で、車体はアルミ合金製となっています。先頭車は中間車と同じ定員を確保するため、中間車よりも車長が長くなっています。運転席は泉中央駅を除いて各駅ホームが右側になる事とワンマン運転を行う事から、運転士がホームを見易いように進行方向右側に設置されています。1000系は日本の鉄道車輛としてはATO(自動列車運転装置)によるファジィ制御を初めて採用した事でも有名です。
この他、1000系では日本の地下鉄車両では唯一、外付けディスクブレーキを装着(相模鉄道などで見られる)しているほか、乗降扉の窓が楕円形という独特の装備やデザインをしています。

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平成16年より、全車輛を対象に更新工事が実施されており、系列名称を1000N系に変更しています。

2000系

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東西線向けの通勤形電車です。路線は建設費用の抑制などからミニ地下鉄が採用されています。このため、南北線と比べると急曲線や急勾配区間があります。また、運転方式はATO(自動列車運転装置)方式で、ワンマン運転、ホームドア設置により自動運転が実施されています。
2000系は16m級片側3扉構造の鉄輪式リニアモーター車輛で、現在は4両編成ですが5両編成化も考えられています。車体はアルミニウム合金製ダブルスキン構造で、接合には製造会社である近畿車輛が開発したレーザーMIGハイブリッド溶接と呼ばれる独自の溶接方法が採用されているのが特徴です。また、車体の断面積は南北線の1000系と比べると約3割小さくなっていますが、車内は2割程度にとどめており快適性を保った設計となっています。車体床面とホーム高さは段差を1㎝として車椅子での利用でも介助なしで乗降が可能な設計となっています。
先頭車の前面は伊達政宗の兜の前立てをイメージした三日月状の線を鏡面仕上げとして配置、側面上部は空、川、海をイメージした青、やや下の側面窓と乗降扉の間には広瀬川の青、杜の都の緑、街の賑わいや人の温かさを表した黄色、オレンジをドット状にランダムな順番で配置しています。片側面の黄色とオレンジの数は東西線の駅数と同じ13個とし、駅の数だけ賑わいがある事を意味しています。