所有路線
羽田空港線 モノレール浜松町~羽田空港第2ビル駅 17.8km 全線複線、電化(直流750V)

都内と東京国際空港(羽田空港)の連絡を目的につくられたモノレール路線をもつ鉄道会社です。東日本旅客鉄道(JR東日本)のグループ会社の一つでもあります。
歴史を見てみると、昭和34年に東京オリンピック開催を控え羽田空港を結ぶ路線が計画され、大和観光株式会社が設立されました。当初は新橋駅を起点として計画していましたが、用地確保の目途が立たないため浜松町駅に変更しました。用地の確保は羽田空港まででも同じでした。そこで、用地買収が不要な京浜運河上に多くの区間を建設する事になりました。これが難工事で運河の上である事、地盤が軟弱であるため特殊な工法で建設される事なり、後に経営の足かせともなってしまうのです。
昼夜を問わずして建設し、オリンピック開催直前の昭和39年9月に開業しました。この当時は途中駅が一つもなく、利用者は空港を利用する人のみ。また、国電初乗りが20円、タクシーの初乗りが100円であった当時に、モノレールの運賃は片道250円、往復450円とかなりの高額。海外旅行も一般的ではない時代でもあったため、乗車率は20%台だったそうです。昭和41年には40%の値下げを実施すると共に、新駅の建設や割引切符などの発売を実施しましたが、乗客は伸び悩み経営危機に陥ってしまいました。そこで、日立グループが出資し、経営再建を図る事になりました。会社名を日立運輸東京モノレール株式会社に変更しました。(昭和56年より、東京モノレール株式会社になります。)空港利用者も国際、国内線の拡大に伴い増加し、高速道路の渋滞によりモノレールの方が速い。と徐々に利用者が増えていきました。
羽田空港へは東京モノレールだけでしたが、京浜急行電鉄空港線が乗り入れるようになり、同時に京成電鉄や東京都交通局などが相互乗入れを開始。羽田空港と千葉県を結び、さらには成田空港を結ぶ直通連絡特急(エアポート快特)が運転を開始すると、今までとは一転して激しい競争が繰り広げられるようになりました。対抗策として、快速列車の充実が行われた他、浜松町駅の拡張や新橋(東京)方面への延伸計画もあります。

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東京のベイエリアを走る東京モノレール。車窓は宙に浮いている感じで、空中散歩を楽しめます。

1000形

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平成元年に登場した跨座式のモノレール車輛です。従来の車輛では2両又は3両編成が基本で、組み合わせて6両編成としていましたが、当初から6両固定編成でつくられています。
車体先頭部は傾斜しており、スピード感ある形状としています。貫通扉はなくなり、非常用扉が設置されています。
車内はクロスシートを主体としており、2人掛けシートもあります。東京モノレールでは日立アルヴェーグ式(跨座式)を採用しており、タイヤを収納する箱が車内に張り出しており、床に段差が出ているのが特徴ですが、この張り出した部分に座席を置いて、高い位置からの展望を楽しむ事もできます。
制御方式は抵抗制御方式。ブレーキ方式は発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキとなっています。
登場時はクリーム色に赤い色の帯を窓下に巻いた塗装でしたが、平成12年より白地をベースに青色、橙色の帯を巻いたスタイルに変更しました。

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平成26年に開業50周年を迎え、記念事業の一つとしてかつて活躍した車輛たちの塗装を再現した編成が数本あります。写真は500形に施されていた塗装を再現したものです。

2000形

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平成9年に登場した跨座式のモノレール車輛です。700形及び800形の置換え、羽田空港第2旅客ターミナルビル(羽田空港第2ビル駅)への路線延長に伴う、車輛運用増に対応するために登場しました。
開業以来、従来車では抵抗制御方式でしたがIGBT素子を用いたVVVFインバータ制御方式を採用しました。また、東京モノレールでは初めて制御車(付随車)が登場し、4M2T編成となっています。
1000形よりも曲線を多く採り入れているほか、乗降扉は片開きから両開きになっています。車内は通勤需要に対応したものとなっており、ロングシートを主体としクロスシートを配置しています。タイヤ収納箱部の張り出し部は背中合わせのロングシートを配置しています。

10000形

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平成26年に登場した跨座式のモノレール車輛です。老朽化の進む1000形の置換えを目的に登場しました。2000形をベースにスマートモノレールをコンセプトに設計されています。
車体は2000形と同じアルミ合金製ですが、側面、屋根をダブルスキン化して軽量化を図っています。塗装は沿線の特徴である豊かな緑をイメージした緑色、空と水をイメージした水色と青色をグラデーションで帯状に配しています。
車内は1000形と比べて約2倍の換気性能としており、開閉可能な窓が増えています。座席配置を景観を見るものと意識し、先頭車はセミクロスシートとロングシート、中間車はクロスシートとロングシート、簡易シートを設置しています。クロスシートのシートピッチは拡大されており、居住性も向上しています。また、スーツケース置き場を充実させたほか、17インチの液晶ディスプレイ案内装置を設置。公衆無線LANによる高速インターネット環境も提供しています。
ヘッドライト(前部標識灯)や室内灯はLEDを採用し、冷房装置には新しい冷媒を使用するなど環境にも優しい設計が特徴となっています。