所有路線
西船橋~東葉勝田台駅 16.2km 東葉高速線 全線複線・電化(直流1500V)

 千葉県内に路線を有する第三セクター方式の鉄道会社です。高速鉄道と名称にありますが、新幹線のような高速鉄道ではなく、都市高速鉄道の意味です。
 昭和56年に会社が設立され、平成8年に開業し、営団(現:東京メトロ)東西線と相互乗入れを始めました。
 東葉高速線は、京成本線の混雑解消路線として計画されたのが始まりで、営団東西線の延伸区間として「営団勝田台線」と呼ばれました。しかし、オイルショックの影響や営団側が東京のエリアから外れるとして、申請を取り下げることになり、工事が一時凍結されてしまいました。また、建設に当たっては用地の取得や手抜き工事によるトンネルの陥没事故などがあり、建設費が当初予定より大きく上回ってしまいました。この苦い経験は、後の助成制度の整備などにつながりました。
 ベットタウン路線としての役割が強く、東西線と相互乗入れを行っています。なお、JR東日本の中央緩行線は保安装置(ATS-P)が搭載されていないため、乗入れは出来ません。

車輛の紹介

●2000系

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 平成8年に開業した際にセミステンレス車輛の1000形(営団5000系を更新修繕した上で、譲渡された車輛。)を使用してきました。平成13年に東西線の輸送力増強に伴い、保安装置の更新が決まり、この際に1000形を改造するか、新型車輛とするか検討した結果、コスト面から新型車輛の導入が決まり、平成16年に登場したのがこの2000系です。
 新型車輛を導入するには、図面の製作や仕様、業者の選定などの多くのやらなければならないことがあるため、東葉高速鉄道だけでは行う事が困難である事から、東京地下鉄(東京メトロ)に委託されました。この結果、同時期に登場した05系13次車をベースにコストダウン、安全性及び快適性の向上を図りました。2000系は日立製作所の「A-train」シリーズの一つで、車体組立、内装などをモジュール工法により組み立てられています。車体構造はアルミ合金製のダブルスキン構造としており、接合にはFSW(摩擦攪拌接合)工法としています。また、リサイクル性を考え、単一の合金を使用した「モノアロイ化」を実施しています。前面デザインは独自のデザインとしたかったのですが、東西線との共通性を図ることから、05系と同じになっています。
ラインカラーは千葉と東京を結ぶことから「日は東から昇り、西に沈む」をイメージしたもので、サンライズ(日の出)の赤、デイタイム(昼間)の白、サンセット(日没)を表すオレンジの3色を配しています。
内装は「緑、木に囲まれた沿線をイメージし、明るく清潔感あふれる空間を演出する」事をコンセプトに設計されており、地下空間を明るくの発想から白色をベースに、床材に習志野台地を表現した淡い茶色、座席仕切り袖に楓の木目を用いて、安らぎと高級感を表しています。座席モケットは常緑樹をイメージした黄緑と緑色を交互配置したものとし、優先席は濃い青色としています。2及び9号車に車椅子スペース、3~8号車に1ヶ所ずつフリースペースが設けられています。
運転台、走行機器、ブレーキ機器等多くは05系13次車とほぼ同じ仕様で、車輛情報管理装置(TIS)や旅客用案内機器が搭載されています。主制御方式はIGBT素子を用いたIPM(インテリジェントパワーモジュール)方式2レベルVVVFインバータ制御方式としています。ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(遅れ込め制御付き)、保安ブレーキ、耐雪ブレーキとなっています。
編成は10両編成で5M5Tの構成となっています。11編成が登場し、メトロ車と共通で運用されています。