所有路線
津軽五所川原~津軽中里駅 津軽鉄道線 20.7km 全線単線、非電化

 青森県西部の津軽半島の中央部を南北に走る地方ローカル私鉄線。冬季になると客室内の暖房にだるまストーブを用いた「ストーブ列車」が運転される事で有名な私鉄です。また、閉そく方式では津軽五所川原~金木駅間がタブレット閉そく式、金木~津軽中里駅間はスタフ閉そく式とローカルムードが満点の路線です。沿線は日本を代表する小説家「太宰治」の生家である斜陽館など観光名所も多くあります。
 津軽鉄道が誕生した経緯は、川部~五所川原駅を鉄道運営する陸奥(むつ)鉄道が国に買収された事に始まります。この区間は現在の五能線になります。買収に際して支払われたお金を元手に、五所川原~中里、さらに小泊、三厩(みんまや)を経て青森に至る津軽半島を一周する路線が計画され、津軽鉄道が昭和5年に津軽中里駅まで開業しました。反対側では三厩駅まで津軽線が開業しています。

車輛の紹介

津軽21形気動車(津軽21-101・津軽21-104)

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平成8年に津軽鉄道全通66周年に合わせて登場した気動車で、津軽21-101と津軽21-102の2両が登場しました。新潟鐵工所製のNDC18m級気動車です。愛称は太宰治の代表作の一つである「走れメロス」から「走れメロス号」が付けられています。平成12年に103~105が増備され、現在も主力として活躍しています。

オハフ33系(オハフ33 1)

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昭和23年に国鉄で製作されたオハフ33 520(後に電気暖房を装備し2520に改番)を昭和58年に譲渡されて津軽鉄道の仲間になった客車です。機関車に暖房用蒸気発生装置が無いため、だるまストーブが設置されています。

オハ46系(オハ46 2)

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昭和29年に国鉄で製作されたオハ46形式を譲渡された形式です。オハフ33系と同じく昭和58年にやってきました。こちらも、暖房装置がだるまストーブとなっています。

だるまストーブ

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客車には写真左のようなだるまストーブが設置されています。燃料は石炭で、車掌さんやアテンダントさんが燃料をくべる姿も見る事が出来ます。車内では食べ物や津軽鉄道に関するグッズが売られており、するめを買うとだるまストーブでアテンダントさんが焼いてくれるサービスがあります。このするめにピッタリなのが『ストーブ酒』です。おすすめですよ。また、利用する時に、ストーブの上では持ち込んだ食べ物を勝手に焼かないようにして下さい。話によると魚を焼いたり、酷い客では焼き肉をはじめたそうで、マナーを守って欲しいとの事です。

キハ22形(キハ22027・キハ22028)

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平成元年にJR東日本より譲り受けた車輛で、ワンマン運転化改造を受けています。写真左のキハ22027は秋田内陸縦貫鉄道開業時に貸し出されていたもので、その後に津軽鉄道にやってきた経緯があります。右のキハ22028は某局のテレビ番組の特別企画の際、男性アイドルグループ「SMAP(スマップ)」の香取慎吾さんと地元の小学生が塗装した特別塗装色の車輛となり、「キャンバス号」の愛称で運行していました。津軽21形導入により、廃車となっています。キハ22027は津軽五所川原駅にキハ22028は嘉瀬駅に留置されています。

タム500形(タム501)

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国鉄に籍を置いていたタム500形式(日本石油輸送株式会社所有)を昭和59年に購入したもの。津軽五所川原駅構内の車庫近くの道路が未整備であったため、燃料を五能線の貨物輸送で行っていましたが、廃止に伴い、津軽飯詰駅より輸送する事を目的にしています。現在は道路が整備されており使用されていませんが、美しい状態で留置されています。

トム1形(トム1)

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昭和4年に開業用として12両がつくられた無蓋車です。国鉄トム1形式と同型車で、国鉄直通貨車としても活躍しました。貨車の歴史を語る貴重な形式の1つと言えましょう。現在は3両が籍を置いています。

ワム1形(ワム5)

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こちらも津軽鉄道開業時の昭和4年につくられた有蓋車で、6両が作られており、国鉄ワム1形式と同一の構造となっています。現在はワム5のみが残っており、倉庫兼掲示板の形でホーム横に佇んでいます。