所有路線
山万ユーカリが丘線 ユーカリが丘~公園駅 4.1km 単線 電化(直流750V)

 千葉県や神奈川県などで不動産業を中心に営む「山万」が開発を行っている千葉県佐倉市にあるユーカリが丘ニュータウン内の交通の利便性を良くする目的で建設された路線で、この山万が運営をしています。異業種からの鉄道事業者への参入は珍しい。また、第三セクターを除いた純民間企業が経営するAGT(自動案内軌条式旅客輸送システム AGT:Automated Guideway Transit)を日本で初めて実施したのが、この山万です。AGTを用いた路線はこの山万ユーカリが丘線と西武鉄道山口線の2路線のみで、西武鉄道は普通鉄道も運営しており、AGTのみを運営する純民間交通事業者の路線は山万だけです。
 路線は地図をみるとラケット状の形をしており、ユーカリが丘~公園駅は両方向に運転される単線、公園~女子大~公園駅は片方向のみに運転する環状線となっています。つまり、ユーカリが丘駅を発車すると公園駅から反時計回りに進み、公園駅に戻り、そのままユーカリが丘駅に戻ってきます。逆方向(時計回り)に運転はされていません。
 開業は昭和57年で、現在まで人身事故など運行障害の発生がなく、無事故運転を継続しています。

1000形

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 ユーカリが丘線開業と同時に投入された3両固定編成の車輛で、1100形(制御電動車)+1300形(付随車)+1200形(制御電動車)で構成されています。中央案内式というAGT方式を採用しており、平成18年に愛知県にあった桃花台新交通桃花台線が廃止となった以降、唯一のものとなっています。この中央案内式とは日本車輌製造などが開発した「VONA(ボナ)」というもので、Vehicle Of New Age(新しい時代の乗り物という意味)という名称です。谷津遊園内で昭和47年より試用され、ユーカリが丘線と桃花台線で採用されました。谷津遊園は昭和57年に閉園、桃花台線も平成18年に廃止されており、ユーカリが丘線のみが残っています。
 ユーカリが丘に因み、「コアラ号」の愛称があり、3編成をこあら1号~3号と名付けています。開業30周年を迎えた平成24年より愛称が変更され、第1編成「こあら1号」から「ココ」、第2編成「こあら2号」から「ララ」、第3編成「こあら3号」から「こあらファミリー」となっています。