このお部屋では、線路に関係する設備を学んでみましょう。線路の周りにはどんなものがあるのかな?

踏切を学んでみよう
 踏切とは鉄道と道路が平面上で交差する場所を言います。遮断機はレールと平行に設置され、列車の通行が優先される構造となっています。全国にたくさんの踏切があり、平成26年3月末現在では全国に33,655箇所あります。しかし、少しずつながら減少傾向にあります。これは、新設にあたっては厳しい制限(保安上の理由など)があるためで、相当の理由がない限り設置は認められないようです。

踏切の設備を見てみよう。

 踏切には種類にもよりますが、いくつかの設備を組み合わせて構成されています。
踏切警報機
 道路を通行する歩行者、自動車等車輛運転者などに対して、音と光を用いて列車が接近している事を知らせる警報装置です。多くの場所では車輛の進行方向に対して、通行車線側の路肩に設置されています。

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イ.警報柱
 踏切警標や踏切警報灯などの機器を取り付けるための柱。全ての踏切にあります。色は黄色と黒色のトラ縞模様が一般的です。

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左から一般的なスタイルの警報柱でトラ縞模様が目立ちます。道路交通量が多い所などでは遠くからも踏切の存在を伝えるため「オーバーハング型」や「門型」と言われるタイプが設置される事もあります。また、道路信号機を踏切近くに設置しているケースがあります。
ロ.踏切警標
 踏切である事を歩行者に知らせるもので、クロス状に交差した板が特徴です。黄色と黒色のトラ縞模様が一般的です。
ハ.踏切警報灯
 列車の接近を視覚的に警告する灯です。閃光灯(せんこうとう)とも言い、警報柱の左右に1つずつ付けられるのが一般的で、赤色の灯が交互に点滅をします。

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踏切を通行する人や自動車に判るように設置されています。このため、道路配置により様々な方向へ向けられています。踏切によっては2灯が一体化したもの、単灯の珍しいものもあります。

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近年では「全方位型踏切警告灯」というタイプが主流となりつつあります。これはあらゆる方角からでも見えるようにしたもので、必要のない部分にはカバーが設置されています。(写真中央)初期のものは筒形(写真左)でしたが、涙目型、ちょうちん型とでも言いましょうか球体のタイプになっています。

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駅の中にある構内踏切の踏切警報灯には平べったいものやレンズ状の小さなものが見られます。写真右は踏切警報灯ではありませんが、列車や車輛が接近すると「列車がきます」といった文言が点灯するタイプです。
二.警報音発生器
 列車の接近を音で知らせるものです。警報柱の頭頂部に設置されているのが一般的です。打鐘(だしょう)式・電気式の2種類に別けられます。打鐘式は古くからあるもので、『♪カン・カン・カン・・・』や『♪チン・チン・チン・・・』といった音を発し、電気式は電子音を発します。利点として音量調整が可能であるため、騒音問題対策として主流になっています。どちらも動作を始めると終わるまで鳴動しています。電気式の中には、鳴動がしばらくすると音量が小さくなる又は無音になるタイプもあります。

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左と中央部は打鐘式で、音色が多少異なっているようです。右は電気式でスピーカー(拡声器)を設置しています。
ホ.列車進行方向指示器
 列車の進む方向を矢印によって表示するもの。単線区間では方向指示器を設置していない踏切もあります。

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左は電球が入った古いタイプ。LED化などにより見る機会が減りつつあります。中央は最近主流のLEDタイプです。右は路線によって点灯するものです。
ヘ.故障表示器
 踏切警報機が何らかの理由で故障した時に通行者に対して表示するもの。「故障」や「こしょう」の文字が赤色で点滅するのが一般的。諸事情により使用を中止又は他の文言に変更しています。

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踏切注意という文章に変更した例です。故障している場合は踏切内に立ち入らないようにしましょう。

遮断機
 列車が通過する際に、道路側の通行を遮断するための機械。踏切遮断機とも言います。構造は遮断桿(しゃだんかん)とそれを昇降させる機構部で構成されています。前者の遮断桿は遮断棒とも言われます。
 遮断機は単独若しくは踏切警報機とセットで使用され、手動式自動式に分類されます。多くの踏切が電動自動式を採用していますが、開閉を係員の手動操作によって行う遮断機や踏切を通行する者が自ら、遮断機を扱う踏切もわずかにあります。

遮断方式のいろいろ

イ.腕木式
 遮断機を設けている踏切では最もポピュラーなもので、踏切の両側又は片側より道路を遮断します。遮断桿は『竹』が主に使われてきましたが、最近ではFRP(繊維強化プラスチック)製が主流になりつつあります。

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両側を遮断するタイプ(左)と片側だけを遮断するタイプ(右)

腕木式遮断桿、遮断機のいろいろ

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左 遮断桿が竹の古くからあるタイプ。よく見ると節があるのでわかります。
左から2つ目 FRP製の遮断桿をもつ遮断機。機構部は古いタイプです。
左から3つ目 機構部が新しいタイプ。旧タイプの遮断桿を動かす部分が角形になっています。
左から4つ目 機構部が箱型になったものです。
右 降雪地域で見かけた遮断機。遮断桿の根元が丸いカバーで覆われています。

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左 幅の広い道路向けの屈折形遮断機。遮断桿が途中で屈折(曲がる)ものです。
中央 遮断桿を二段にした遮断機。トラックなどの暴走を防ぐ目的であろうか。遮断桿を鉄棒にすれば、怖くて突っ込んでこないと思うけど。
右 遮断桿の幅を太くした大口遮断桿。見易さを向上させたのでしょう。

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黄色と黒のトラ縞模様でおなじみの踏切でしたが、見易さをたかめるため欧米で使われている紅白の模様にしたものです。左は大口遮断桿となっています。右は機構部も紅白になったタイプです。
ロ.昇開式
 ワイヤーを上下に動かす事によって、道路を遮断する方式です。幅の広い道路などで見られましたが、屈折形遮断桿の普及により、数が減ってきています。

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少々見ずらいですが昇開式の様子です。右は踏切警手詰所で、ハンドル操作でワイヤーを動かします。

ハ.重力式
 常に道路(通路)を遮断しているもので、通行者が自ら遮断桿を持ち上げて通行するものです。主に交通量が極端に少ない個所や駅構内の職員専用通路で使われています。

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富士急行線にある重力式の踏切。注意書きが添えられています。写真右は駅構内で見かける職員用の踏切。警報機が付いたものもあります。

③踏切支障報知装置
 踏切内で車輛などが立ち往生したり、何らかの危険が生じた場合に踏切の異常を列車や駅に知らせる保安装置の一つです。一般的には『非常ボタン』などと言われており、スイッチにもその記述となっています。
 正しい理由もなく、非常時以外に故意に踏切支障報知装置を扱った場合、業務妨害罪、鉄道営業法違反として逮捕、書類送検され、罰金刑又は懲役刑を課せられるほか、鉄道会社からの損害賠償請求が出る場合があるので、みだりに扱ってはいけません。
 この装置はメーカーや鉄道会社によって異なっていますが、箱型形状で、クラッカープレートや透明カバーで覆われているボタンを押すと作動します。
 作動すると列車に対して、停止現示を出します。(近隣の信号機を停止現示にするもの、特殊信号発光機を動作させるもの、信号炎管による発煙信号を現示するものなど)これを認めた列車が緊急停止する仕組みとなっています。

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●もしも、踏切でこんな事になったら・・・

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踏切を渡るときには、
①踏切を渡る時は左右をよく確かめて下さい。
②警報機が鳴りだしたら、絶対に渡ってはいけません
踏切が動作している時は、絶対に入らないで下さい。
たったこれだけを守るだけで、自分の身を守る事が出来ます。
でも、列車っていつ来るか判らないですよね。
 皆さんが踏切を渡っている時に、「♪カン カン カン・・・」と警報機が鳴りだしました。
A.歩行中や自転車、原動機付き自転車等で横断中
ただちに出て下さい。遮断桿は持ち上げると上がります。見ていたら、直ちに出るように声をかけ、遮断桿を持ち上げて脱出を手助けしましょう。出る事が困難な場合と判断される場合(お年寄りの歩行など)は直ちに、踏切支障報知装置のボタンを押して下さい。踏切内へ救出に向かう事は危険です。ボタンを扱った場合は、停車した列車の乗務員や駅員さんにその旨を知らせるか、近くに連絡先が書いたものがあるので連絡をしましょう。

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B.自動車で横断中
 鳴り出したら、直ちに出ましょう。もし、遮断機が降りてしまったら、遮断桿をゆっくりと押して下さい。遮断桿は斜め上方へ上がって脱出する事が出来ます。(遮断桿折損防止器付(下の写真)に限る。)

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 斜めに上がらずとも、遮断桿を押して脱出して下さい。遮断桿が折れて弁償する額、車が多少の破損をする額はお財布に厳しいですが、衝突して莫大な損害額を支払うよりは安くて済むはずです。
 エンストや床が擦って宙吊り状態になった、脱輪して動けなくなったなど場合は、踏切が動作していなくても直ちに踏切支障報知装置を扱って、連絡をしましょう。(合せて警察にも通報。)踏切警報機が動作していた場合は、踏切支障報知装置を扱うと同時に、自動車に乗っている全員を踏切外に脱出させて下さい。場合によっては列車が間に合わず衝突してしまう事もあります。
※正しい取扱い(列車に対しての停止手配や関係個所への通報)を行い、事故を未然に防げば、それによって発生した列車の遅延や運休などによる損害賠償請求をされる事は少ないそうです。(放置した結果、起きた事故の方がもっと罪が重くなってしまいます。)
C.その他
 踏切に何らかの異常を認めた場合など、列車の運転に支障が出る恐れがある時は踏切支障報知装置を扱い、連絡先へ連絡します。

④障害物検知装置
 踏切の異常を人の力に任せるだけではありません。踏切自身でも、異常を検知して列車や駅に知らせる装置を設けています。その装置が『障害物検知装置』です。
 自動車等運転手が踏切上でエンストや脱輪などを起こし、パニックに陥ったり、通報をせず自力で脱出等を試みた結果、重大事故を起こすケースが後を絶ちません。そこで、事故を未然に防ぐ目的に、踏切内に障害物をセンサーで検知して、自動的に停止信号の現示を行ったり、特殊信号発光機を動作させて列車の運転士に知らせるのがこの装置です。

障害物検知装置の主な種類

イ.光センサー式

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赤外線やレーザー光線を踏切内に投射して、その光を受光器で受け取る方式。障害物が光線を遮る事で検知する仕組みです。
ロ.超音波センサー式
踏切内に超音波を発射し、その反射波の有無や到達時間により支障物を検知する方法。
ハ.ループコイル式
踏切内の路面にループコイルを埋設し、磁束の変化により自動車等の有無を検知する方式。豪雪地帯など積雪の多い地域では、光センサーや超音波センサーが誤動作するため、この方式が採用されています。
二.三次元レーザーレーダー式

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レーザー光の反射と、出射する方角で障害物を検知する方法です。簡単に言えば、コピー機のコピー機能のようなものです。何もない状態(正常)からコピーをとるように、全体をスキャンし、その違いで異常の有無を判断するものです。
踏切全体を監視でき、従来では検知し難かった歩行者や自転車なども検知する確率が高まりました。JR東日本管内の踏切で導入されています。

⑤踏切動作反応灯
 国鉄(JR)を除く、公営、民営鉄道では、昭和31年に制定された「自動踏切遮断装置の構造基準」というルールにおいて、遮断装置動作反応灯を設ける事が規定され、第1種踏切の遮断機が正常に降下している事を知らせる踏切動作反応灯(鉄道事業者により、他の名称もあります。)を設置しています。現在ではこのルールは無くなり、設置していない踏切もあります。

踏切動作反応灯のいろいろ

イ.4本の棒を×字形に配置、点灯するもの

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ロ.白色灯2個が交互に点灯又は連続に点灯するもの

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ハ.白色灯1個が連続点灯するもの

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二.白色灯1個が点滅するもの

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ホ.白色灯5個が連続点灯するもの

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ヘ.特殊信号発光機を兼ねたもの

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写真は動作中(踏切が遮断しかけている所に歩行者が通過中で動作している。)の様子。赤く点灯しています。

⑥踏切注意柵
 踏切の出入口に設けられる柵で、自動車などでは通過できる幅の目安ともなるものです。コンクリート製、鉄製の2種類があり、さらに形状等が異なっています。
 柵には踏切名を付けたものがあり、その名前を見て楽しむのも面白いでしょう。
踏切注意柵の例

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⑦渡り板
 線路を安全に渡るために敷かれる板です。木製やアスファルトが一般的です。また、線間の渡り板には脱線防止ガードが付いています。

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⑧踏切番号標
 会社によって、起点から数える方法や駅ごとにリセットを繰り返しながら数える方法など幾つかありますが、踏切の前後に設けられている標です。列車の乗務員などが何かあった時に連絡をするのに便利なのでしょう。廃止などによって欠番が生じても、番号を詰めることなく、そのままとなっている事が多いです。

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踏切の種類を見てみよう
 踏切にはそれぞれ、設置場所や交通量などが異なり、設置される保安設備によって種類があります。

①第1種踏切

自動踏切警報機と自動遮断機を設置したもの、踏切保安係を配置し、列車が通過する際に道路交通を遮断機により遮断する方式の踏切です。国内で最も多い踏切となっています。
 第1種踏切には次のように区分されます。
イ.第1種甲踏切・・・通過する全ての列車又は車輛に対して、道路交通を遮断するもの。
ロ.第1種乙踏切・・・始発列車から終列車までの時間内に通過する列車又は車輛に対して、道路交通を遮断するもの。
一般的には第1種甲踏切が多く活躍しています。
第1種踏切のいろいろ

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左より、片側遮断で通行区分のないもの。両側遮断で、歩行者の通行区分が線のもの。歩行者区分に縁石を設け、さらに明確化したもの。
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左は雪国の第1種踏切、遮断機や道路の区分を示すポールが特徴ですね。中央は歩行者専用の第1種踏切、右は踏切保安係が配置された第1種踏切です。

②第2種踏切

一部の時間帯のみ踏切保安係が遮断機を操作する踏切です。踏切保安係が不在の時は第3種踏切又は第4種踏切になる特殊な踏切です。1980年代には全廃(第1種踏切に格上げ)されており、現存していません

③第3種踏切

踏切警報機のみが設置された踏切です。
第3種踏切のいろいろ

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左は自動車も通行できるもの。右は歩行者用。見通しが悪いと怖い。警報機が鳴ったら通過を待とう。

④第4種踏切

第1種から第3種踏切のいずれにも該当しない踏切です。つまり、警報機も遮断機も設置されていない踏切です。列車の接近は通行者の目視に委ねられたもので、事故が多発し易い踏切といえます。返して言えば、鉄道会社と利用者の信用が成り立っている限りはそのままであり、事故が多発すれば最悪は廃止という事にもなるようです。
第4種踏切のいろいろ

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踏切の近くには「止まれ見よ」といった警報機を模した看板?が設置されています。(左)中央、右は自動車が通れるタイプです。
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歩行者用の小さな踏切。右は渡った先に道がない、つまり行き止まりの謎の第4種踏切です。

⑤構内踏切
 駅の構内にある踏切です。種類として第1種、第3種、第4種踏切のいずれかと同じです。安全上の理由から跨線橋化(橋上駅舎化)や地下道に変更されており、少なくなりつつある踏切です。
構内踏切の例

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左 第1種踏切タイプ 警報機、遮断機のあるもの。太多線 姫駅
中央 第3種踏切タイプ 警報音も発する列車接近表示灯があるタイプ。駆け込み乗車防止のための柵がありますね。水郡線 上菅谷駅
右 第4種踏切タイプ 保安上、列車接近器(警報音)のみがあるだけのもの。(ないものもあります。)羽越本線 折渡駅

珍しい踏切

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左は東京メトロ銀座線の上野検車区にある、東京メトロ唯一の踏切でもあり、電車側にも遮断機がある踏切です。通常は線路が遮断されています。電車が通過する時に道路側を遮断した後に、電車側の遮断機が上昇する仕組みになっています。
右は現存していませんが、青梅線拝島駅近くにあった「倉庫前踏切」です。日本一長い踏切として知られており、青梅線のほかに八高線、西武鉄道拝島線を横断するもので、長さは126mあり、徒歩で4~5分ほどかかりました。青梅線と八高線の間に留置線があり、一時期廃車待ちの車輛などが疎開で留置される事があり、駅員さんでしょうか、ロープで仮踏切をつくって通行規制をしていた事も懐かしい。現在は青梅線側のみ車輛の留置線や保線基地の出入口として残っていますが、門があり近づく事が出来なくなっています。

踏切にある道路標識
写真のように踏切は道路と交差する場所です。近辺で見つけた道路標識を紹介しましょう。

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左より、
「踏切あり」の標識。蒸気機関車は旧式のもの。徐々に電車のイラストの標識に交換されています。
「踏切あり」の標識。昭和61年頃より登場した新しいもの。時代の流れに合わせて電車のイラストに変更されました。非電化区間ではパンタグラフの無いディーゼルカータイプもあります。
「二輪の自動車以外の自動車通行止め」の標識。センターピラーのある外国チックな自動車のイラストがお洒落な標識です。
「自転車通行止め」の標識。スポーツタイプのサイクリング自転車のイラストですね。泥除けが前後にないので、雨の日には乗れない自転車だな。と思ってはいけません。

踏切の問題と立体交差
 踏切は道路と交差します。異なる交通の場所ですので、ルール等が異なるため事故が起こりやすく、踏切待ちによる渋滞が起きてしまいます。また、地域を分断するため経済面などでも問題があります。特に列車本数や路線数が多い踏切では、朝の混雑時間帯によっては、開いている時間よりも閉じている時間が長い、『開かずの踏切』と言われる踏切が都市部を中心にあります。このような踏切では一時間の間に僅か数分程度しか開かないといった踏切もあります。
 特に開かずの踏切では、通行者が僅かに開いた時に走って通行しようとして、転倒事故を起こすほか、高齢の歩行者、幼児を連れた親子など通過に時間がかかってしまう通行者は間に合わず、踏切内に取り残される(トリコという。)事もあります。また、遮断機が降りているにも関わらず、強行突破して通行する姿も日常茶飯事の光景になっています。この強行突破で通行した結果、列車と衝突し、轢死(れきし)するケース(つまり、人身事故です。)も後を絶ちません。

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踏切待ちの様子。長いとイラッとしてしまいますね。

このような問題を解消する方法として、『立体交差』があります。現在、鉄道路線を新規に開業する場合は、道路法及び鉄道に関する技術上の基準を定める省令には「鉄道と道路が交差する場合は、原則として立体交差としなければならない。」と定められており、新幹線、武蔵野線、湖西線などの新規開業の路線では踏切がありません。

立体交差とは

 平面交差とは異なり、お互いの通行を妨げないで道筋の異なる平面上で交差する事を言います。用地の確保など様々な大人の事情が絡むため、完成に至るまで長い月日を要する事もあります。しかし、完成すると渋滞の解消、交通事故の減少などメリットが多くあります。踏切ではありませんが、踏切の欠点を解消するものとしてご紹介します。
 市街地などでは連続して道路と交差している鉄道の決めた区間を高架化又は地下化し、その区間にあるたくさんの踏切を廃止又は新しい道路と立体交差させ、交通の円滑化を図り、鉄道によって分断されていた地域の一体化による活性化を目的とした工事が行われます。この工事を『連続立体交差事業』と言います。
 道路又は線路を一方を基準とした時、高架橋で通過する構造を『オーバーパス』地下道で通過する構造を『アンダーパス』という言葉が使われます。

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線路を基準に歩行者用通路でみると、跨線橋はオーバーパス(左)、地下道はアンダーパス(右)です。

連続立体交差事業のいろいろ
 地上を走る電車が、やがて高架線や地下鉄化になります。いずれは見られなくなってしまうので、工事が始まってからの記録撮影も良いのではないでしょうか。

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中央本線 三鷹~国分寺間(平成11年~平成26年)連続立体交差事業 第1回切換工事で大規模工事にもかかわらず、リハーサルなしで工事を行い、大失敗をし批判を受けるなど何かと大変だった大工事です。

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南武線 稲田堤~南多摩間連続立体交差事業 平成27年末完成予定。写真は南多摩駅高架化終了の頃のもの。地上の線路は役目を終え、設備の撤去が始まっていました。

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新京成電鉄新京成線 鎌ヶ谷大仏~くぬぎ山駅間連続立体交差事業の様子。新しい高架線が徐々に出来上がっています。
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相模鉄道 星川駅付近連続立体交差事業の様子。仮ホームや新しい高架下で最後の活躍をするホームなど、その時にしか見れない設備は貴重な記録が出来ます。

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京浜急行電鉄大師線 産業道路駅付近連続立体交差事業の様子。鉄道を地下鉄化する工事です。

立体交差の風景
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立体交差は都市部を中心に、交通の往来が多い個所で見る事が出来ます。また、古くから行われており、橋脚となる部分がコンクリートであったり、煉瓦(れんが)であったりと歴史を窺い知ることが出来ます。立体交差によく見かけるものが衝突防止のガードです。大型車や背高の貨物を載せた車輛がガードに衝突してしまうと、線路がゆがんでしまったり、そのものが破壊されて使えなくなってしまいます。こうなってしまうと、鉄道は相当時間の運転見合わせを余儀なくされしまいます。このため、通れる高さを予めセットし、そこで衝突事故を防ぎます。

その他踏切で見かけるもの
①高さ制限

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電化された路線に設置される踏切に見られるもので、架線に接触して感電や架線切断を防ぐために設置されている注意看板です。ちなみに、直流電化区間では600V~1500V、交流区間では20000~25000Vの高圧電流が流れており、ひとたび触れてしまうと次は『』あるのみです。人体に電流が流れた場合、生死を分ける限界は50mA/S(秒)と言われており、電流を0.01秒以内に遮断(離れない)と生還する事は出来ません。ちなみに、感電をすると人体の筋肉は硬直し、自ら離れる事は不可能です。
②注意するもの

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踏切を知らせ、注意を促す看板を兼ねたものや、古くからあるもの。待つ位置を知らせるものがあります。
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歩行者用踏切では自動車などの進入を防ぐガード支柱があります。通りづらくすることで、無謀横断を防ぐ効果もあるそうです。中央は第4種踏切で、人などの通行を感知するセンサーを設けたもので、近づくと注意喚起の放送が流れます。右はトンネル用の列車接近警報器を付けて、列車接近の時は警報音を流します。

橋を学んでみよう
 橋は別名「橋梁(きょうりょう)」とも言い、川や他の交通などを乗り越えるための構造物として身近な存在です。因みに、橋の起源はよく解っておらず、自然が起こした偶然の産物(倒木によって谷間部分をつないだ。)であっただろう。と推測されています。人類が道具を使うようになり、様々な形で発展し、今日に至っています。橋はその構造や用途などにより、様々な呼び名があります。ここでは「鉄道橋」と呼ばれるものを学んでみましょう。

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お猿さんがお互いに体を支え合って橋を作った姿を見て作られた、日本三奇橋の一つ『猿橋』(山梨県)。木造では唯一現存する刎橋(はねばし)です。

乗越えるものによって名前が変わる

鉄道の橋は総称して『鉄道橋』と言います。その分類として、乗越えるものによって次の名称があります。
海・川・谷を渡る鉄道橋・・・橋梁(きょうりょう)※なお「梁」は常用漢字ではないため「りょう」とひらがな書きとなります。
道路を渡る鉄道橋・・・架道橋(かどうきょう)
鉄道を渡る鉄道橋・・・線路橋(せんろきょう)

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左から橋梁、架道橋、線路橋となります。

この他に、何も乗越えない鉄道を地平より高くしておく必要のある橋。つまり高架式の橋は『高架橋(こうかきょう)』と言います。

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鉄道と道路を両方と通す橋もあり、この橋を『鉄道道路併用橋』と言います。

道床の有無による違い

 鉄道橋では、橋の本体(主桁(しゅけた)と言います。)に2本の線路があれば、通過する事が出来ます。主桁に枕木を直接設置し、道床を設けない橋梁があり、これを『無道床橋梁』と言います。利点として、道床がないため大幅な軽量化を図る事が出来ます。しかし、レールからの振動が枕木より、主桁に伝わるため、騒音や振動が大きいなどの問題があります。一方で、道床を設けた橋梁もあり、これを『有道床橋梁』と言います。

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無道床橋梁(左)と有道床橋梁(右)。違いは一目瞭然ですね。

鉄道橋の種類

 橋は鉄道のほかにも道路や川など様々な分野で使われています。橋はその構造や用途などにより、様々な種類があります。鉄道橋の主なものを紹介しましょう。
①桁橋(けたばし・けたきょう)
 英語ではガーダー橋(Girder bridge)と言い、2つまたは3つ以上の支点の上に桁をかけ、桁の上又は中を通る構造の橋です。橋の中では最もシンプルな構造で、1本の橋を2つの支点で支える「単純桁橋」と1本の橋を3個以上の支点で支える「連続桁橋」の2種類があります。

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単純桁橋の例
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連続桁橋の例
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写真のような桁を鈑桁(はんけた)と言い、プレートガーダー橋とも言います。

②トレッスル橋(Trestle bridge)
 末広がりに組まれた鉄骨の橋脚を使用し、橋げたを支える形の橋梁で、桁橋の一つ。トレッスルとは「架台」や「うま」の意味です。

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トレッスル橋では日本一の長さであった(310.59m)JR山陰本線の餘部(あまるべ)橋梁。明治45年から平成22年まで活躍しました。
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青梅線軍畑駅付近にある軍畑橋梁です。

③トラス橋
 桁の部分にトラス構造を採用した橋です。この「トラス」とは、細長い部材を両端で三角形につなぎ、この三角形を基本として集合体とした構造形式で、日本語では「結構」と言います。このトラス橋は桁橋の一つです。桁橋よりも桁の間隔が大きくでき、50m~100mで架設されています。
 桁の数で、単純トラス橋、連続トラス橋に区分されます。また、線路の載る側を載荷弦(さいかげん)と言い、荷重の載る側になります。この載荷弦の位置により、上路式(デッキトラス)、下路式(スルートラス)があります。この他、トラスの形状による区分などがたくさんあります。

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※写真右はTuboフォトオフィス様撮影

一般的なトラス橋(単純トラス)とかつては鉄道道路併用橋だった犬山橋。これらは下路式(スルートラス式)と言います。写真右は中央本線鳥沢~猿橋間にある新桂川橋梁で上路式(デッキトラス式)の例です。
④アーチ橋
 上向きに弓のように反った曲線、アーチ構造を用いた橋です。美しい曲線を描き、見た目にも優れており、古代より用いられてきた構造です。鉄道の分野では材質が煉瓦で始まり、コンクリートや鉄が用いられるようになると、様々な構造やスタイルが生まれました。

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左は旧信越本線横川~軽井沢間碓氷峠にあるめがね橋。煉瓦でつくられたアーチ橋です。中央はコンクリートで作られたアーチ橋。青梅線鳩ノ巣付近にて。最新の技術を用いてつくられたアーチ橋の一つ。吾妻線長野原草津口駅付近にある第三吾妻川橋梁。構造形式はバスケットハンドル型複合中路アーチ構造3径間PC下路連続桁橋というもの。

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写真は総武本線御茶ノ水~秋葉原間にある松住町架道橋というもので、ご存じの方も多いと思います。昭和7年に総武本線が両国駅より、御茶ノ水駅まで延伸された際につくられたものです。当時は東京市電(路面電車)があり、かつ交通量の多い交差点を跨ぐことから、支間を長くとれるアーチ橋が採用されました。このアーチ橋はトラス構造を用いたブレーストリブアーチが用いられ、タイドアーチ形式を日本の鉄道橋では最初に採用した由緒ある鉄道橋の一つです。

⑤ラーメン橋
 美味しそうな名前ですが、この橋は主桁と橋脚、橋台を剛結構造としたもので、ラーメンとはドイツ語のRahmen(骨組み)に由来する名前で、英語ではRigid frame bridgeと言います。
 耐震性や建設コストに優れた構造であり、高架線にもこの構造が採用されています。種類も様々あり、門型ラーメン橋、連続ラーメン橋などがあります。

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左は高架線に用いられている様子。右は日本の鉄道橋で有名な総武本線秋葉原~御茶ノ水間にある神田川橋梁。八の字形のラーメン橋として有名です。この隣に松住町架道橋があります。
⑥高架橋(ガード)

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駅の下にも道路が通る場合があり架道橋となりますが、駅の場合は「ガード」と呼ばれています。この空間には道路のほか、商店などがあります。写真のような場所には屋台が似合いますよね。ここで一杯は・・・昭和なのかな。高架下(ガード下)の飲食も電車が通るたびに音と振動が良いですよね。一昔前では、通る電車が何か判る人もいたそうですよ。

⑦可動橋(かどうきょう)
 運河などにおいて、橋を架けた事により水上交通が妨げられてしまう問題があります。この問題を解決するために、橋の一部又は全体を移動する事の出来る橋を『可動橋』と言います。人や馬車など非力なものや技術が未熟であったため、高い位置に橋を架ける事が出来ないため、発明された橋です。鉄道でもわずかながら現役で残っています。

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写真(上段、下段の左及び中央)は三重県四日市市の千歳運河にかかる『末広橋梁』で、跳開式可動橋です。関西本線四日市駅の側線で、四日市港駅までの間にあります。(通称四日市港線)
この可動橋は橋梁技術史を語る上で貴重な存在であり、橋梁技術者山本卯太郎(やまもと うたろう 1891~1934)の手によって設計されました。可動橋としては初めて重要文化財の指定を受けました。日本国内では唯一の現役の跳開式可動橋です。列車が来る時間になると、四日市駅から係員の方が来て操作をします。平日は跳ね上がった状態、休日は降ろされた状態になっており、船舶が通行する時に橋が上げられます。
写真右は近くで見つけた、現在は使われていない可動橋です。

面白い橋(おまけ)

鉄道橋の中には探してみると面白い橋もあります。そんな橋をいくつか紹介しましょう。
①新旧比較ができる

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写真は中央本線のガード下の様子。JR(国鉄)の前身である甲武鉄道の名残に煉瓦の橋脚を見る事が出来ます。この上には中央・総武緩行線が走っています。一方、急行線(快速線)はあとから足された高架線を使っています。その路線の歴史を伺う事が出来ます。
②低い・・・

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線路をくぐる桁橋を見てみると面白い物を発見できます。その一つが高さ。左は2.3mで、歩行者には十分な高さ。自動車はトラックは無理そうですね。中央は1.7mで大人にはきつい高さ。自動車は無理をするとオープンカーにさてしまいそうです。右はさらに低く、写真に見える自転車で高さを推測して下さい。線路に手が届いてしまいますが、絶対に手や頭を出してはいけませんよ。

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これもかなり低いガード。自転車すらも入れない高さでした。裏道的存在なのか、使う人も少ないようです。
③よく見ると…

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ここは新橋駅近くの東海道新幹線高架下の風景です。写真左を見て、何かおかしい所はありませんか?では、右を見て下さい。わかりますか。室外機の上の方です。
そうです。高架線の一部がビルディングに食い込んでいるではありませんか。話によると、東海道新幹線が開業する前にこのビルが建ちました。そこへ新幹線の建設。ビルを壊してつくりなおす。という事が難しいためこのような珍風景になったそうです。

トンネルを学んでみよう
 トンネル(tunnel)とは、地上から目的地まで、地下や山岳、海底などの土中を通る人工又は自然に形成された構造物を言います。
 鉄道の分野では、山岳地帯を通る際に勾配や曲線などを少なくし、高速走行、大量輸送を可能にします。また、生態系の保持など環境面でもやさしい一面があります。都市部では地下を有効に使う方法として用いられています。
 一方で、土圧や水圧により断面積はあまり大きく出来ません。このため、通行できる車輛にも限界があります。断面積が大きいと建設費用も増大する欠点があります。
 トンネルは日本では中国と同じく「隧道(ずいどう・すいどう)」とも言われ、時代の流れにより、最近では聞くことは少なくなりましたが、正式名称で使われる事も多くあります。
 トンネルのトリビアでは、トンネルにも入口と出口があります。起点に近い方を「入口」とし、その逆を「出口」としています。(道路も同じ。)

トンネルの種類

 鉄道のトンネルでは単線のトンネルを『単線トンネル』、複線を『複線トンネル』と呼びます。

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単線トンネルの例。左は非電化路線、右は電化路線のもの。架線がある分電化されたトンネルは大きいのがわかりますね。
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複線トンネルの例。線路が2本分あるので、その分開口部は大きい。
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地下鉄区間のトンネルは丸い形ではないものもあります。

非電化から電化すると・・・

 非電化単線トンネルで開業した路線や単線で開業し、後に複線化する路線もあります。このような時はどうするのでしょう。
①線路の路盤を下げる。
②専用の車輛を用意する方法(低屋根化車輛)。
③古いトンネルを廃止し、新しく新線にしてトンネルを掘り直す方法。
④古いトンネルは路盤を下げる工事を行い、その横に新しい単線トンネルを掘る方法。
が主な手法としてあります。

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路盤を下げて電化したトンネル(左)と単線トンネルを2つ並べた複線区間(右)

歴史あるトンネル

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写真は東海道本線横浜駅~戸塚駅間にある「清水谷戸(しみずやと)トンネル」で、明治20年に開業し、現役としては日本最古のトンネルになります。(見学する場合、横須賀線東戸塚駅が最寄り駅で、徒歩15分くらい東京寄りに歩く。場所は住宅街なので、乱痴気騒ぎは慎むこと。
写真では、251系「スーパービュー踊り子」号が走っている側が最古のトンネルで、その右は複線化で掘られたものです。

かつて、日本一短かったトンネル

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 皆さんも一度は耳にしたことがあるであろう、吾妻線岩島駅~川原湯温泉駅間(旧線)にあった「樽沢トンネル」です。全長7.2mの日本一短いトンネルとして有名でした。
このトンネルの誕生は昭和21年で、長野原線(当時)開通時に出来ました。山肌に突き出たこの岩の部分がこのトンネルになっており、通常は切り崩す事が一般的ですが、なぜトンネルになったのかは不明です。(岩が硬かったからや、トンネル上の一本松が美しいのでトンネルにしたなどの諸説はあります。)
 八ッ場(やんば)ダム建設に伴い、吾妻線岩島駅~長野原草津口駅間が新線に切換えられる事となり、樽沢トンネルは水没する箇所ではありませんが、旧線であるため平成26年にその役目を終えました。
 現在、JR線で最も短いトンネルはJR西日本呉線の川尻トンネル(8.7m)になります。

その他の線路設備
 その他に線路にまつわる用語や設備を紹介しましょう。
①自然から鉄路を守る。その1

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地震や大雨などによって大きな石が崩れ落ちる事があります。これを『落石』と言います。大きな石が線路をふさいでしまうと、線路などの設備が破壊されてしまうほか、走っている列車に衝突するような事があれば大事故になってしまいます。
落石をする前に石や岩を削り取る方法もありますが、万が一落石があった場合に転がり落ちてきた石や岩を受け止める「落石防護柵」(左)や線路の上に強固な屋根を設ける「落石覆い」があります。
②自然から鉄路を守る。その2

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割堀区間や線路沿いに山肌がある場合、地震や大雨などで地面が崩れてしまう場合があります。これを防ぐために、地面にコンクリートを吹き付けるなどをして、崩れるのを防ぐ事も行われています。この吹き付けた部分を『擁壁(ようへき)』と言います。
③自然から鉄路を守る。その3

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雪国では雪も大敵です。平地では吹雪などで、線路に雪が溜まってしまう(吹き溜まり)事があり、列車の運転が難しくなることがあります。そこで、沿線に木々を植えて雪の浸入を少なくする『防雪林』や、柵で防ぐ方法によって対策を行っています。また、風(強風)も鉄道には大敵です。風の通り道などでは風力計を用いて常に監視をしています。規制値を超えると徐行や運転を見合わせますが、規制値を超えないように強風を軽減するため、雪と同じく柵を設けたり、「防風林」という強風を軽減する対策を行っています。

④自然から鉄路を守る。その4

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雪の多い地域では写真のようなトンネルのようなものが設置されています。これは『スノーシェルター』というもので、日本語で言えば「雪囲い」というものです。豪雪地帯や雪の吹き溜まりが起こり易い場所において、分岐器などの設備などを保護する事を目的とし、その部分を覆う建造物です。写真のように分岐器部分を覆うスノーシェルターが一般的です。分岐器には可動する部分があり、雪が詰まったり、凍ってしまうと列車の運転が出来なくなってしまいます。これを防ぐと共に除雪作業などを行わなくても済むようにしています。この他に駅において駅舎やホームを全体に覆い、除雪作業を不要とし、乗客や職員を風雪から守る事を目的にしたものがあり、北国を走る新幹線の駅に見る事が出来ます。
上述で出てきた落石覆いも似た感じがしますが、通年を通して守っている事から「ジェット」と呼んで区別をしています。

⑤自然から鉄路を守る。その5

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沿線の木々も大敵です。放置をしておくと、すくすく育って列車に触れたり、時には木が倒れて支障する事もあります。これを防ぐために、定期的な伐採をするのも大事な作業です。沿岸部では高い波が来ても、ある程度防ぐ堤防や波よけがあります。
⑤立ち入りを防ぐもの

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私鉄で見られるもので、ホームが踏切に近い場所にある侵入防止のものです。もっと鋭い剣山のようなものでも良いのかと思います。多くが不正乗車防止を目的にしたもののようです。
⑥割堀と築堤

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駅ってな~に?の所でもご紹介しましたが、線路も同じく周りの土地を削った箇所を「割堀」(左)、土を盛った箇所を「築堤」(右)と言います。
⑦線路の名前
ア.連絡線と短絡線
 他の路線と接続をするための俗称で、遠回りする事なく、路線をつなぐものを『短絡線』とも言います。形態や規模は様々です。ただ、明確な定義づけがないため、このような呼び方をしないケースもあります。

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写真左は西武鉄道西武秩父駅と秩父鉄道御花畑駅を結ぶ連絡線。右は中央本線立川駅と青梅線西立川駅を結ぶ青梅短絡線。中央線から青梅線へ直通する列車の中央線平面交差を避けるためにある線路。(もともとは五日市鉄道の路線。)
イ.デルタ線

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一部のファンからは「三角線」とも言われているもので、上のイラスト左側のように線路の形状が三角形になった配置を言います。デルタはギリシャ文字のデルタ(Δ)に似ている事が由来となっています。車輛や列車の編成の向きを変えるために用いられる事が多くあります。
左イラストの例を用いて説明をしましょう。A駅に到着した列車がB駅、C駅でそれぞれ折返すと方向転換されている事がわかるでしょう。

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写真は中央本線塩尻駅です。ここにもデルタ線があり、右のイラストのようになっており、中央本線(東線)から西線(名古屋方)に出ていくときに、短絡線を使用すると向きを変えることなく進めます。(ただし、塩尻駅には停車できませんが。)