おやおや、ネコさん大変な目に遭いましたね。某運転士談によりますと、『運転士の腕の見せ所はブレーキにあり。目で止めるものではなく、車輛と語らい、お尻で感覚をつかみ止めるもの。』だそうで、静かに止められるには相当の経験が必要だとか。
 前回までは電気車の動く仕組みをお勉強しましたが、ここでは『ブレーキの仕組み』を学んでみましょう。鉄道車輛全般で使われる代表的なブレーキをご紹介します。電気車だけではなく、この後紹介する内燃車(ディーゼルカーや蒸気機関車)、客車、貨車に使われるブレーキシステムをまとめていますので、予めご了承下さい。

ブレーキとは?

車輛の速度を調整するほか、停車又は停止した状態を維持するために用いる装置を『ブレーキ装置』と言い、鉄道車輛の大事な部分と言えましょう。ルールで鉄道車輛は本線上を走行する場合は全ての車輛にブレーキが掛からないといけない。となっており、全ての鉄道車輛には何らかのブレーキ装置が備わっています。

ブレーキの種類

 鉄道車輛に用いられるブレーキは大きく別けると2種類あります。1つはレールと車輪における摩擦力(粘着力とも言う。)により、ブレーキ力(制動力)を得る粘着ブレーキ方式。もう一つは、粘着力に頼らない方法でブレーキ力を得る非粘着ブレーキ方式があります。
◎粘着ブレーキ方式
 〇機械式粘着ブレーキ(摩擦ブレーキ)
・踏面ブレーキ

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 車輪とレールの接する面(踏面という。)に制輪子を人力又は空気圧などで押し付けて減速させるもの。鉄道古来よりの方法で、現在でも多くの車輛に見られます。
 制輪子には鋳鉄、合成樹脂などを添加したレジン制輪子などがあります。直接ブレーキ力を伝えるため、制輪子は摩耗します。だんだん薄くなってきたり、均等に力が伝わらないで偏って摩耗するとブレーキ力が低下する場合があります。また、長時間ブレーキ力が伝わると車輪自体が過熱をし、ブレーキ力の低下や車輪が破損する場合があります。
・ディスクブレーキ

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 航空機や自動車などでは幅広く使用されているブレーキ方式です。鉄道車輛では電動車では付随車や新幹線車輛に見られます。車輪の軸に固定した金属の円盤にパッド(写真右)などで、両側から挟み込んで制動力を得る方式。(写真右から2つ目(自動車のもの))
 放熱性が良く、高速性能に適する一方で、ディスク面にゴミが付くと摩擦力の低下などがあるため、清掃装置や踏面ブレーキを使用する事があります。

 〇機械式粘着ブレーキ(動力源となるものを利用したもの。)
電気ブレーキ(電気車)
 ・発電ブレーキ・・・ダイナミック・ブレーキとも言う、主電動機を発電機として用いるブレーキです。運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、抵抗器を介して熱エネルギーとするものです。電気車の電動車のみに備わっています。
 高速走行から踏面ブレーキを使用すると制輪子の摩耗が激しい上、車輪との摩擦熱により車輪が傷んでしまう事から考えられました。発電ブレーキが動作する間は踏面ブレーキ(ディスクブレーキ)は使用せず、停止する少し前に発電ブレーキから切り替えます。
 ・回生ブレーキ・・・仕組みは発電ブレーキと同じです。異なるのは発電した電気エネルギーを架線に返す点です。これにより、制輪子の摩耗軽減のほか、電力を返す事で省エネルギーなどにつながっています。三相誘導電動機やインバータ制御方式の採用により、回生ブレーキの使用できる領域が広がった事から、車輛の停止まで回生ブレーキ(電気ブレーキ)を使用する『純電気ブレーキ(全電気ブレーキ)』というものもあります。
 VVVFインバータ制御方式を採用する電気車では抵抗器なんて無縁のもの。と思われがちですが、電気ブレーキを使用する際に抵抗器が必要なため床下や屋根上に搭載している車輛があります。

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 また、発電ブレーキや回生ブレーキを下り勾配区間において一定の速度で下れるようにしたものがあり、これを『抑速ブレーキ』と言います。
内燃車のブレーキ(ディーゼルカー・蒸気機関車など)
 ・エンジンブレーキ・・・自動車でもおなじみのブレーキで、機関ブレーキとも言います。ギアの変速扱いやスイッチを扱う事で発生する制動作用の事を言います。
 ・排気ブレーキ・・・エキゾースト・ブレーキ(Exhaust brake)とも言われ、エンジンブレーキと同じく、エンジンの回転抵抗を利用したものですが、排気管の途中にバルブを設け、それを閉じることで排気圧力を高めて、回転速度を抑制させる仕組みとなっています。

◎非粘着ブレーキ
 ・電磁吸着ブレーキ方式
  車輛(台車)側に電磁石を設け、レールに吸着させて制動力を得るブレーキ方式です。碓氷峠で活躍したEF63形式では、急勾配上に停車した際に動かないようにするために使用していました。

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ブレーキのかかる仕組みを見てみよう

 代表的なブレーキ装置をいくつか紹介します。鉄道車輛の基本ですので、覚えておくと良いでしょう。
手ブレーキ

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 車体端部や車内に設置されたハンドルを人の手により操作して制動させるもの。空気ブレーキが実用化される以前は列車の制動用(ブレーキ)として使用されましたが、現在は『留置用』のブレーキとしています。ハンドルを回すと、鎖やワイヤー(★)、ネジによりブレーキシリンダー又は制輪子を緊締する仕組みです。貨車では緊締後に荷重が変化すると緩む事があるため、アキュムレータ(写真下段右)が備えられ、緩まないようになっています。

側ブレーキ

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 車体側面に設置されており、てこの原理で制動力を与える仕組みです。貨車のみ(昭和49年以前に登場したもの及び2軸貨車)に見られるもので、イギリス生まれです。
 もともと留置用ですが、かつては入換時間短縮を目的に突放入換(とっぽういれかえ)という入換がありました。これは機関車である程度勢いをつけたのち、貨車を切り離して他の車輛に連結するというもので、その際に突放された貨車に係員が飛び乗り、側ブレーキで速度を調整して連結していました。この作業は非常に危険で、係員が車輪に巻き込まれ、足の切断などの負傷や轢死する事が多々あり、現在では製造禁止されています。また、貨車自体が減っており、見る機会が少なくなっています。
駐車ブレーキ(留置ブレーキ)
 近年の電車に見られるもので、手ブレーキに代わる留置用のブレーキです。先頭車の台車に備えられており、バネの力で制輪子を作用させるもので、通常は圧縮空気でバネが動作しないようになっており、圧縮空気を抜くことで動作します。

自動空気ブレーキ(自動ブレーキ)

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 手ブレーキに代わるものとして「直通ブレーキ」が発明されました。しかし、致命的な欠陥があるとして、この改良型として発明されたブレーキ方式です。現在でも機関車や気動車を中心に使用されています。無電源で制御が出来るのが特徴で、車輛に引き通されたブレーキ管(BP:Brake Pipe)に一定の圧縮空気を供給し、制動時にブレーキ弁を操作してブレーキ管内の圧縮空気を減圧します。各車にある制御弁が動作し制動する仕組みです。文字だけではなんか難しいですね。イメージ図を見ながら説明しましょう。
イ.込め・緩め

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圧縮空気機でつくられた圧縮空気は元空気だめ管を通り、ブレーキ管へと送られます。この動作を『込め』と言います。圧縮空気がブレーキ制御弁に達すると内蔵されたシリンダー(桃色のT字状の部品)が押され、先端部で通路が開かれ、補助空気だめへと圧縮空気が送られます。同時に、ブレーキシリンダー部分に溜められている圧縮空気が外へ放出されます。これを『緩め』と言います。込めと緩めは同時に行われます。
ロ.ブレーキ

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ブレーキ弁を操作して、ブレーキ管内の圧縮空気を外へ放出します。(黄色の部分)放出されると圧縮空気の圧力が下がります。補助空気だめに蓄えられている圧縮空気の圧力が高いので、ブレーキ制御器内のシリンダーが動き、ブレーキシリンダーに通路をつくります。圧縮空気がブレーキシリンダーに達するとブレーキが動作する仕組みです。

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実車のブレーキ装置の様子。写真は貨車のもの。

現在でも使われる自動ブレーキ
 自動ブレーキの仕組みがお解り頂けたでしょうか。ブレーキ管内の減圧を利用したもので、ブレーキ弁が無い車輛は減圧に応じて自動的に動作します。この構造は、列車が分離したり、支障物と衝突し、ブレーキ管が破損するなどの異常が発生した場合でもブレーキが動作する仕組み、つまりフェールセーフ機能を備えているのです。この構造は様々なブレーキシステムが進化した現在でも、その設計思想は脈々と受け継がれています。
ハ.込め不足
イメージ図の空気圧縮機横に元空気だめというものがありますが、これは圧縮空気を蓄えておくタンクです。制動力の元となる圧縮空気が空気圧縮機では賄いきれない時に使用されるものです。しかし、十分に溜めておかないとブレーキを扱った際にブレーキの効力が低下するなどの現象が出ます。この現象を『込め不足』と言います。
電磁自動空気ブレーキ
 自動ブレーキは運転士がブレーキ弁を動作させる制御車(機関車)から減圧が始まり、次の車輛へと動作していきます。編成が長大化していくとブレーキ作用に時間差が出てきて、全体的なブレーキ力が低下する問題が出てきました。
 そこで、ブレーキ弁と電磁弁を連動させる『電磁弁』を設置して、応答性を高めたブレーキシステムです。

直通空気ブレーキ

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元空気だめ管MRPMain Reservoir Pipe)と呼ばれる空気管に圧縮空気を供給し、ブレーキ弁を操作する事で弁を開閉し、直通管SAPStraight Air Pipe)というブレーキシリンダーに直結する空気管に圧縮空気を送り込む事で制動力を得る方式です。
システムが簡単であり、応答性が高い利点がある一方、空気管が破損し、空気が漏れてしまうとブレーキが全く効かなくなる危険性があるため、複数の車輛による運転が出来ないという欠点があります。この構造を改良したのが自動空気ブレーキ方式となります。
単車運行用のブレーキシステムとして登場したもので、現在でも路面電車で使用しています。
先ほどのブレーキが効かなくなる危険性の改良が行われ、自動空気ブレーキに似た機構のシステムが追加されています。このブレーキシステムを「電車用非常弁付直通空気ブレーキ」と言い、2~3両程度の短編成の運行を可能としました。

電磁直通空気ブレーキ
 ⑥で紹介した直通空気ブレーキですが、自動空気ブレーキと同じく編成が長くなると時間差によりブレーキの効きが悪くなる問題があり、路面電車程度の使用に留まっていました。そこで、長大編成に適した電磁弁が開発され、さらに応答性を高めました。
 弁類の動作を電気信号にしたもので、編成の長大化にも適したものとなっています。ブレーキ弁ハンドルは「セルフラップ式」になっており、これはブレーキ弁ハンドルの回転角度に応じたブレーキ力が得られる仕組みです。この仕組みと電磁弁が組み合わさり、発電ブレーキや回生ブレーキとの滑らかな連動が実現しました。ただし、直通空気ブレーキであるため、故障時などに対応できるよう自動空気ブレーキを備えています
 長編成の高速で走行する電車を所有する国鉄や私鉄で多く採用されました。後継は空気配管を大幅に削減し、電気信号を主体とした電気指令式空気ブレーキとなっています。
組み合わせる
 大量かつ高速輸送の担い手となった電車には電磁直通ブレーキが採用されましたが、さらに改良が加えられ、電気ブレーキと併用したものが登場しました。高速走行からブレーキをかける時は電動機を使って減速します。この時は空気ブレーキを使用せず、電気ブレーキのみで減速します。(ある程度の速度になると空気ブレーキに移行します。)これにより、制輪子の摩耗量が大幅に減り、メンテナンスコストが低減します。また、減速が早いため停止する距離が短くなり、運転時間短縮などにつながりました。
SEDブレーキ・・・発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキの事です。SEDとはStraight Electro-Magnetic Dynamic Brakeの頭文字です。
SELDブレーキ・・・発電ブレーキ併用ブレーキ力調整装置付電磁直通ブレーキの事です。SEDブレーキの発展型で、混雑時の重量増によりブレーキ力が低下する事から、応荷重弁という荷重を検知する弁を設け、車輛ごとのブレーキ力を自動調整する機能をもったブレーキです。SELDとはStraight Electro-Magnetic Variable Load Dynamic Brakeの頭文字です。
上記の呼び名は国鉄(JR)のもので、私鉄ではHSCSMEEと呼ばれています。

電気指令式空気ブレーキ

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 電磁直通ブレーキの構造を進化させ、簡素化を図る目的で生まれたブレーキ方式です。基本的な概念は同じですが、運転台にある空気管や空気圧制御を行う機器を廃し、電気的な指令を行い、各車に搭載されたブレーキ装置を制御する方式です。この指令はコンピューターにより行われており、電子制御方式とも言います。
 配管や配線関係は大きな変化が見られます。電磁直通ブレーキを用いる場合は、電磁弁を動作させる線、直通管、元空気だめ管、ブレーキ管が必要ですが、電気指令式では各車に指令を送る指令線、主に空気ブレーキ用の元空気だめ管のみのシンプルな構成で済みます。このように大幅な配管や弁の削減は、故障が少なくなり信頼性が向上すると共に、メンテナンス低減、車輛重量の軽量化、新造費用コストの低減などメリットが多くあります。
 運転台ではブレーキ弁ハンドルを用いていましたが、「ブレーキ指令器」という名称に変更され、ブレーキ力の指令も1~8段階、非常ブレーキに区分けした「ブレーキノッチ方式」へとなっています。また、運転台への空気配管を引き込む必要が無くなった事から、主幹制御器(マスターコントローラー)とブレーキ指令器を一体化した「ワンマスコンハンドル」の導入が可能となりました。一般的には手前に引くと加速、奥へ押すとブレーキとなっています。
 電気指令式空気ブレーキには次の方式があります。
イ.アナログ式

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 ブレーキ指令器から電圧又は電流を電空変換弁へ送り、その大きさに応じた空気圧力に変換し、供給空気だめよりブレーキシリンダーへ圧縮空気を送る仕組みのものです。初期の電気指令式空気ブレーキ方式です。
ロ.デジタル式

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 3本または4本の指令線を用意し、2進法のON-OFFを組み合わせた信号により、10進法への読替え機能をもった圧力制御弁に指令を送り、圧縮空気をブレーキシリンダーへ送る仕組みのものです。現在の主流となっています。
アナログ式もデジタル式もフェールセーフ機能として、指令線の電源が切れると非常ブレーキを動作させる仕組みとなっています。

運用上の扱いによる分類

常用ブレーキ
車両の減速や停止に使用される自動空気ブレーキ、直通ブレーキなどの通常使用するブレーキを言います。
非常ブレーキ
 事故の発生の恐れがある場合等、直ちに停止させる必要のある場合に使用するブレーキです。運転士が扱うほか、車掌が「車掌弁」、「非常引きスイッチ」(その他別名もあります。)を扱う事もあります。どちらも扱うと列車は非常ブレーキが動作します。『』という愛称になっているものは空気ブレーキを持った車輛で、『スイッチ』という愛称は電気指令式の構造をもった(電磁直通空気ブレーキや電気指令式など)車輛です。常用ブレーキよりも大きな制動力が働くのが特徴です。最近では扱うと「緊急停車します。ご注意下さい。」といった放送が流れ、液晶モニタにも同様の内容の画面が出される車輛もあります。
 弁もスイッチもみだりに扱ってはいけません。場合によっては犯罪になりかねませんので、注意しましょう。

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車掌弁(左)と非常引きスイッチ(右)。これを見るだけで車輛のブレーキ方式が判るのだ。

保安ブレーキ
 常用ブレーキ、非常ブレーキの両方が何らかの理由で使用出来なくなった時に用いられるバックアップ用のブレーキ装置で、会社にもよりますが「直通予備ブレーキ」などの名称があります。通常のブレーキ系統とは独立して配置されています。

以上3つありますが、最近の車輛はこの3つを備えているのが一般的となっています。

ブレーキにまつわる言葉いろいろ

手歯止め

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 ブレーキ装置ではありませんが、留置中の車輛を留めておくくさび状の道具です。車輛を長期間留置しておくと、圧縮空気も抜けてしまいブレーキがかかっていない状態になります。また、勾配上といった地形や強風などの自然にって留めていた車輛が自ら動き出す事があります。これを『転動』や『流転』と言い、無人で動き出す大変危険な現象です。もし、勢いよく動いてしまえば止める手立ては、自然停車、何かに衝撃、安全側線等を用いた脱線のいずれかとなります。このような事故を防ぐ(転動防止という。)目的で使用されるのが、この『手歯止め』です。
砂まき装置

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  レールと車輪を用いた粘着式鉄道に用いられる鉄道車輛に見られる装置で、上り勾配や落ち葉などにより駆動する車輪が空転し、牽引力を失ってしまう事があります。これを防ぐために砂をレールと車輪の間に挟む事で摩擦力を増加させるものです。
 大出力を有する機関車に装備されており、電車や気動車は1軸あたりの出力が小さいため装備される例は少ないのですが、急勾配区間がある線区に使用される車輛に装備している例があります。
 仕組みは簡単なもので、乾燥した砂を入れておく砂箱を高所に設置し、ペダルなどを扱う事でパイプを伝って、動輪近くへ落下させます。
 近年では、この装置を改良しセラミック粉(アルミナ粉)を増粘着剤として使用する『セラミック噴射装置』(写真右)が登場し、新幹線のブレーキ扱い時の滑走防止対策のほか在来線や私鉄各線でも装備した車輛が見られます。

◎耐雪ブレーキ

 降雪時になると使用されるブレーキです。レールと車輪の粘着力(摩擦力)が低下すると、ブレーキ力が低下し、停止距離が長くなります。また、制輪子と車輪、ディスクの間に雪が挟まってしまうと、最悪ブレーキ力の無効。つまり効かなくなります。この状態になると、駅や信号機など止めるべき(止るべき)場所を通過したり、他の列車や車輛、車止めなどに衝突する危険があります。
 このような現象を防ぐために、常時制輪子又はブレーキパッドを車輪又はディスクに密着させる方法を行います。これを『耐雪ブレーキ』と言います。

◎応荷重装置・積空切換弁

 旅客車は混雑時などにおいて大勢の旅客が乗車する事があり、荷重が増える事によりブレーキ扱い時に減速度に変化が生じます。
 この荷重に左右されず、減速度を一定に保つため『応荷重装置』があります。検知装置(コイルばねの場合はバネのたわみ量。空気ばねの場合は空気ばねの空気圧を検知しています。)を用いて、ブレーキ力の増減を行います。

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※左は電車の応荷重装置、右は貨車(コンテナ車)の応荷重弁です。

 貨車は貨物を積み込むと倍以上の重さになる事もあり、ブレーキが効かなくなってしまいます。そこで、この変化に応じてブレーキ力を変える装置があり、これを『積空切換弁』と言い、手動又は自動で切換えています。

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ブレーキ装置の代表的なものをご覧頂きましたが、皆様ご理解頂けたでしょうか。