前回はちょっぴり刺激的なものをご紹介しました。でも、知って良かったでしょ?ではでは、その4を始めましょうか。

車内案内表示装置

 列車に乗ると車掌氏の肉声放送が案内で流れますね。少し前まではいぶし銀の声だったり、オカマチックな声だったりと。学生の頃に「あっ!あの車掌さんだ。」と特徴があると覚えてしまったりしましたね。最近では女性車掌さんも増えて、柔らかい放送だったりします。しかし、中には「?」何を言っているのかさっぱりわからない。といった事もしばしば。また、耳の不自由な方は聞こえないので、大変な苦労を強いられます。
 最近では、案内装置を設置して放送のほかに、行先の案内や運行情報など様々な情報を提供しています。また、外国人にも対応した英語や中国語、韓国語など他の国の言葉を表示しています。
 この装置が登場したのは1980年代後半で、モニタ装置(車輛の機器の状態監視などを行うもの。)の搭載によるものです。このモニタ装置にある列車位置検知機能(車輪の回転数を見て、どこを走っているか位置を出すというもの。)を使用し、文字情報表示と自動放送を適切な位置で出します。
 その後、モニタ装置の性能が向上したほか、通信装置を組み合わせる事でさらに機能や表示内容が充実したものとなり、ニュースや広告、列車運行情報などの表示が出るようになっています。
 2000年代に入ると、交通バリアフリー法(現在のバリアフリー新法)により、耳の不自由な方をはじめ、乗換案内やドア開扉方向を知らせるなど放送が聞き取れない利用者への表示を行うよう義務付けされており、サービス機器からユニバーサルデザイン設備へと変化しています。
 設置個所は通勤用などは乗降扉の鴨居部、特急形車輛や新幹線はデッキ仕切りドア上部に設置されているのがほとんどです。
①路線図式

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行先、次の停車駅、進行方向をランプの点滅で表示する方法です。(上段)欠点として、新駅の設置や他の線区へ乗入れを行う事になったなど、路線表示を増やす事が難しい事です。そこで、LED式として、下に路線図(紙製)を置くタイプが散見されます。(中段、下段)
②LED式

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 1980年代後半から普及し始めた方式です。発光ダイオード(LED)を用いた文字表示で、現在の主流となっています。路線図式と比べると案内の変更が容易であるほか、色の組み合わせ、スクロール、点滅などが出来、視覚的に表示や注意が出来ます。
 3色表示が一般的ですが、中には上下2段で表示できるものなどがあります。2000年代に入るとフルカラーLEDも登場して、さらにカラフルなものとなっています。

③LCD(liquid crystal display)(液晶ディスプレイ)方式

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 1990年代に登場後、2000年代に入り多くの車輛で見られるようになった方式です。液晶ディスプレイを用いた事で、従来の文字に加えて、映像をはじめとする様々な表示が出るようになりました。停車駅や所要時分などもさらに種類が増えたほか、多言語の表示など見ていて面白いです。関西地区では車内に数か所吊り下げて表示されており、座席に座りながら見ることも出来ます。
④その他

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 変わり種としては写真左の東武鉄道6050系に付けられている種別及び行先表示器です。東武日光と鬼怒川線、野岩鉄道線の乗り誤りを防ぐため設置されているのもので、車内の両端に設置されています。写真右は案内等はありませんが、自社や地域のコマーシャルを表示する液晶モニターです。

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 写真は名古屋鉄道で見たもの。速度計が設置されています。左のタイプでは電車のイラストがスライドします。もちろん停車駅が近づくと案内が出ます。名鉄ファンのために設置をしているのでしょうか。他社ではあまり見かけないものです。

緊急時に使用する装置や道具

①車内非常通報装置

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突然ですがクイズです。あなたは今、東京発博多行き超特急ひかり109号に乗車しています。前方浜松20km手前に来た時です。あなたの目の前で急病人が発生しました。直ぐに病院に連れて行かなければなりません。さて、どうしますか?
イ.デン、デデン、デッン、デッン…と太鼓を叩く。
ロ.「大変だ~ぁっ!!このひかりは浜松止まらないんだって!!」と車内をわめき駆ける。
ハ.電話室に赴き、電話中の奥様に「大事な商談があるんや!代わってくれっ!!」と500円札を渡し、強引に交代し病院に連絡する。
 まずは、落ち着いて『車内非常通報装置』を探しましょう。この装置は列車内で急病人が発生した。や火災が発生した。耳を近づけると時計の音がする不審な鞄を見つけた。など非常事態(緊急事態)が発生した時に、乗務員に知らせる装置です。車端部に設置されているほか、車椅子スペースでは椅子に座っても扱えるように、その高さの位置にあります。また、トイレのある場合は個室内に設置されています。この装置は非常通報器SOSスイッチ危急知らせボタンなど乗客にわかるような言葉となっています。
 この装置を扱うと、乗務員室に知らされて、運転士は非常停止手配(非常ブレーキ)を扱い、直ちに停車をします。ただし、トンネル、橋梁、築堤など万が一、脱出しなければならない事態の時に地形上、脱出が困難な個所には停車しない決まりになっていますので、そのまま走り続けます。(鉄道会社の規則により、これによらない事もあります。)
車内非常通報装置は大きく別けて、次の2種類があります。
警報式

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 引きスイッチやボタンを押す事で動作し、乗務員に知らせるもの。扱われるとブザーが鳴動するほか、ランプが点灯するもの。列車を停止させるものなどがあります。知らせを受けた乗務員は車体側面にある知らせ灯を確認し、現場に向かいます。
 一部のトイレ付車輛のトイレ内にも設置されていますが、鳴動音で車内の乗客に知らせ、その鳴動音を聞いた乗客が乗務員に知らせなければなりません。
対話式、通話式

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 ボタンを扱い、乗務員に知らせると乗務員が「どうしましたか?」といった感じで、相互に会話が出来るもので、普及し始めています。素早く対応が出来、判断が出来るメリットがあります。
 その2で出ました「ドアコック」同様、いたずらに扱ってはいけません。乗務員は扱われた内容を把握しなければ運転を再開する事が出来ないので、もし扱った場合は、その場所を離れず乗務員が来るまで待つか、通話で事の詳細を伝えましょう。

②消火器

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 文字通り火を消すための道具。消火器にも様々なタイプがありますが、鉄道用は安全性、消火能力に優れた中性強化液消火器というものが一般的に使用されています。写真の消火器本体中央に白色、黄色、青色の丸印がありますが、白色は普通火災、黄色は油火災、青色は電気火災に対応する事を意味しています。
 万が一、火災に遭遇した場合はこの消火器を使いましょう。もし、消火しきれない場合や困難である場合は、隣接する貫通扉のある車輛まで避難しましょう。扉を閉める事を忘れてはいけません。延焼や煙を防ぐためです。
③非常灯

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 主に寝台車に見られる道具で、懐中電灯が収められています。外から見る限り、市販の単一電池を用いた古い懐中電灯です。真っ暗な車内で、何らかの理由により室内灯が点灯しなかった時に使用します。
④非常口、非常用ハンマー

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 2階建て車輛のごく一部に見られる設備として設置されているのが『非常口』です。非常用ハンマーは寝台客車に見られたもので、出入口が狭いため緊急時に乗客が殺到すると危険であるため、客室の窓ガラスを割って脱出するための道具です。ガラスはちょっと前の自動車のものと同じく、割ると小さなつぶつぶになって怪我をしないようなタイプですが、割る際に全身にガラスを浴びる事は必至。さらに、高所から飛び降りるので足を傷めてしまうかもしれません。よほどの事がない限り、使うのは避けた方がよいかもしれませんね。

⑤非常用はしご

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 列車が駅間で停電などの理由により、長時間停車を余儀なくされる事があります。かつては我慢強い民族としてしられた日本人ですが、時代の変化により短気な人が増えたのでしょうか。待ちきれず車外に出て、余計に列車の運行を妨げる。といったニュースが時折、流れますね。
 駅間で停車した際、車内から地面までは約1.7m前後の高さがあります。飛び降りると足場が悪ければ怪我もしかねません。長時間停車となり、乗客を安全な場所まで避難させる場合、かつては車内の座席を使用して飛行機の脱出用滑り台に似た形を作ったほか、ひな壇のような形にして乗客を降ろしていたようです。
 最近では車輛の床下に非常用の階段が設置されており、組み立てて降車できるようになっています。また、車内の網棚に非常用はしごが用意されているケースもあります。この他に駅員さんでしょうか、現場まで簡易のはしごを背負って来る事もあります。

⑥非常用換気口

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 JR東日本209系などに見られるもので、妻面にあるものです。車掌さんの指示で使ってよいもので、ふたを開けると外気が取り込めるもの。開けられる窓が少ない事から設置されたものですが、停車中はあまり効果がなさそうです。

ワンマン設備

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 「ワンマン運転」とは車掌が乗務せず、運転士一人によりバスや旅客列車を運転する方法を言います。車掌が行う運賃の収受やドア扱いなどを運転士が行います。中には運賃の収受や車内放送、ドアの開閉など運転業務以外の業務を行う係員を乗せて運転する会社も見られます。この場合でも、ワンマン運転と言います。
 主にワンマン運転が行われるのは、列車あたりの輸送量の少ない線区や路面電車、路線バスで、人件費削減が最も大きい理由となっています。路面電車や路線バスの多くはワンマン運転となっています。ちなみに、バスは『ワンマンバス』と言い、列車は『ワンマン列車』や『ワンマンカー』と言います。
 ワンマン運転は戦前にバスから始まり、1960年代に入り本格的に進みました。鉄道では路面電車が昭和29年よりワンマン運転を始めました。一般の鉄道にワンマン運転が導入されたのは昭和46年に関東鉄道竜ヶ崎線で始まったのが最初になります。その後、ローカル私鉄線、JRへと広がりを見せていきました。また、貨物列車もワンマン運転になっています。
 首都圏や大都市圏でもワンマン運転が始まります。主に支線などで行われているもので、『都市型ワンマン運転』と言います。地方のワンマン運転と異なるのは、車内での整理券の発行や運賃の収受は車内ではなく、従来通り駅で行うというものです。

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都市型ワンマン運転方式を導入している例

 乗車方法は全てのドアが開くのがほとんどです。つまり、普通の列車の乗降と変わりません。
 では、地方のワンマン運転をしている列車はどのように乗り降りをするのでしょうか。

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後乗り、前降り
 整理券を用いる線区で多く見られる乗車方法です。

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写真のように乗り場案内が掲出されていたり、ホームにあるのでそこで汽車を待ちましょう。あれ?

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車内に入ると整理券発行機が整理券を出して待っているので、必ず取りましょう。もし取らないと始発駅から請求されても文句は言えません。運賃表を見て、降車駅までの運賃を用意します。小銭があると便利ですが、無い時は両替機を利用しましょう。
降車する際は、運転士に近いドア(進行方向一番前のドア)から、運賃を支払って降車します。
前乗り、後降り
運賃が均一な路線に見られる方式です。乗車時に運賃を支払い、降車駅では後ろから降りるというものです。
鉄道会社により、方法が異なりますので、よく見て利用して下さい。

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写真のように2両編成以上のワンマン列車の場合、後方の車輛が締切扱い(1両目の側面にドア開扉を示す赤いランプが点灯していますが、2両目は消灯。つまりドアが閉じている状態。)となりますのでご注意下さい。※JR東日本小海線、運転士の許可を得て撮影。(小海線はワンマン列車では交換待ち等で停車時間がある場合でも、車外に出てはいけないそうです。小海線営業所所長という偉い人に頭ごなしに怒られました。そのような路線もありますのでご注意下さい。

◎ワンマン運転で見られる設備
外観

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見た目は普通の車輛です。よくみると後方確認用の鏡が付いた車輛もあります。全てに共通するのが写真右の「ワンマン」と書かれた表示器です。写真は蛍光灯が内蔵されたものですが、字幕式やプレートに書かれたものなどがあります。
後方確認用の鏡

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旅客の乗降や乗り遅れがないか。など後方を確認する鏡です。ホームに鏡が設置されている路線では見ない設備です。また、都市型ワンマン運転の場合は監視カメラがどこかにあり、車内モニターで確認をしています。左の鏡はくもり止め機能の付いたものです。
運転台の様子

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運転台を見てみると、いろいろな機器がありますね。車内を確認する鏡など特徴があります。開放的ですが、運転士には運転中は話しかけてはいけません。あまりしつこいと業務妨害とみなされ、乗車拒否されます。(運転士は船長や機長と同じで、列車の最高責任者となります。その判断のため、ルール上問題はありません。)
整理券発行機

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一般的には写真のようなオレンジ色の機械です。ドアが開くと同時に整理券が出てきます。整理券には乗車駅が書かれたものや数字と乗車駅が書かれたものなどがあります。この数字は降りる時に重要な役割をします。
運賃表・運賃表示器

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写真左は表になっているもの。乗車駅と降車駅の交わる箇所が運賃となります。中央はバスでも見る事がある整理券と照らし合わせて運賃を知る運賃表です。写真は駅名ですが、数字がある場合はその数字の箇所が運賃となります。右はLCD(液晶ディスプレイ)を使用したものです。
運賃箱

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運賃を支払う際に、お金と整理券を入れる機械です。両替機も併設されているタイプが多く見られます。中には降車時に両替機に入れると運賃を収受して、そのお釣りが出てくるものもあります。都市部ではICカードに対応したものもあります。(右から2番目)、写真右のように運賃箱が使えない状態の時は、車掌さんに切符(車内補充券)を発見してもらうか、駅にて運賃を支払います。
両替機

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紙幣を投入すると同額の小銭が出てくるもの。紙幣は1000円札が一般的です。降りる際に1万円札をもって運転士さんを困らせるのはお客としてのマナー違反です。
運転台機器

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ワンマン運転において、運転士の作業軽減を図るため、運転台周辺にワンマン運転に必要な機器を集約しています。ドアスイッチや自動放送装置などが設置されています。

行先標・行先表示器

①行先標
列車の行き先などを示す板を言い、方向板などとも言われています。車体の前面や側面にある専用の枠に入れて、掲出されます。
 国鉄ではこの行先標を『列車行先札』という名称で呼び、電報略号を『サボ』としていました。このサボの語源は「サインボード」の略称とされていますが、客車列車が中心の時代、車体側面に行き先が表示されるのが一般的であった事から、「サイドボード」や「サービスボード」ではないか。という説もあります。
※以下、行先標はサボと表示します。

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※懐かしい、サボを交換する職員さん。ファンの間ではサボ屋さんとか言ってたような。

サボの設置方式(側面)

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写真上段、左はサボを横から差し込む、「差し込み式」、右はサボを上から落として入れる、「落し込み式」。写真下段はサボを吊り下げる「吊り下げ式」です。
この3種類が主なもので、差し込み式は電車や特急、急行形気動車、落とし込み式は一般形気動車、吊り下げ式は旧型客車(10系客車以前)で見る事が出来ます。
サボの設置方式(前面)

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大都市やその近郊の電車は、前後面にのみ行き先を表示していました。これをファンの間では「前サボ」(前面の行先表示板(サボ))と言います。因みに上のサボは側面にあるので「横サボ」と言います。関東地方では落とし込み式、関西地方では吊り下げ式でした。私鉄の一部では上下又は左右半分ずつに分けたものを束ね、めくる事で行先などを切り替える「めくり式」というものがありました。後に、方向幕が登場し普及すると、方向幕を持たない車輛に対して、助手側に行先標を吊り下げるものもありました。
 この行先標は材質が琺瑯(ほうろう)(鉄、アルミニウムなどの金属表面に二酸化ケイ素(シリカ)を主成分とした釉薬(うわぐすり)を高温で焼きつけたもの。「ホーロー」とも言い、英語ではエナメル(Enamel)と言う。)の鉄板であったため、重くて取扱いに難がある事と、剥れや腐食の問題があった事から、プラスチック製になっていきました。
 行先標は交換に時間や人手が必要とするほか、修正に迅速に対応できない事、さらには心無い物による盗難があり、方向幕が登場した事により、置換えが進みました。現在でも僅かながらに残っています。
色々なサボ

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一般的には始発駅と終着駅若しくは終着駅のみを表したものが一般的です。
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快速列車や優等列車はその種別や愛称を併せて表したものがあります。
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地元の利用者では地名の一部を略して呼ぶことがあり、その略したものを小さく表したサボもあります。(写真の羽後本荘で言う、羽後の部分。)右は枠が無く、車体に固定したサボの様子。
色々なサボ(難解なもの)

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サボの欠点の一つに、行先や経由地などが変わるとその都度変えなければならない問題があります。このため、一つのサボに経由地や行先をまとめたものがありました。
写真左は経由地でしょうか、木古内駅で路線が変わるため表示されています。これは、上下列車さえ間違えなければ大丈夫です。右を見てみましょう。どこへ行くのでしょうか?この場合、宮古駅発岩手和井内駅行で進み、折返しは茂市駅行の列車になるという意味です。初めて見ると解らないですよね。
号車札・種別札・愛称札
これらは、途中駅で行き先が異なる列車(多層建て列車)では必要なものです。また、いつの列車でも指定席と自由席のように設備の異なる場合に見て解るように設置されています。

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写真左の上にあるのが号車札(写真では6号車)です。その下には種別札(写真では急行)です。写真中央と右は愛称札で、列車愛称名が書かれています。中には座席の種類などを書いたものがあります。
これら札も、心持たないものの盗難が多く、方向幕やLEDによる表示に切り替わっているほか、ネジで固定されたものなどがあります。
貨車にあるものは?

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 貨車にもよく見るとサボらしきものがあります。2つあり、写真左は『運転関係表記板』と言い、この貨車の車号や発着駅などを書いたものを表します。いわゆる荷札のようなものです。もう一つは、写真中央と右は『仮専用及び臨時常備表記板』と言い、タンク車では専用の指定された貨物を運びますが、タンク車の構造上似た物性の貨物や危険性のない貨物を一時的に輸送する事があります。例えば、ガソリン専用車では、同じ石油類の灯油を運ぶ事も出来ます。この際に、輸送する貨物のほか、その期間や貨車の所属する駅(常備駅と言います。)を変更する事があり、変更となる部分を表記します。写真右では、液体硫酸第二鉄という貨物に変更し、その期間を書いており、常備駅は変更しない。と言う意味です。

②字幕式行先標
 交換に人手や時間のかかる行先標に代わって登場したのが、この『字幕式』という行先標です。ロールサイン(Rollsign)とも言われています。行先標をビニール幕にし、必要なコマをつなげて巻いたものです。これを必要な都度、手廻しや機械により操作して表示するものです。
 設置個所は行先票と同じく、前面と側面になります。この時に窓に表示される内容により、その名前がいくつかあります。
行先表示窓・・・行き先を表示する窓。中には列車種別を兼用するものもあります。
列車種別窓・・・列車の種別(普通、快速など)を表示する窓です。
列車番号運行表示窓・・・数字やアルファベットで表される列車番号を表示する窓です。これを備えない鉄道会社も多い。
愛称表示窓・・・優等列車をはじめとする、愛称の付けられた列車の愛称を表示する窓です。

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行き先等の表示窓の例(写真は架空のものです。)

これは鉄道会社により異なりますので、呼び方には注意が必要です。また、愛称と行き先を組み合わせた表示など千差万別ありますので、色々見てみると楽しいですよ。

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行き先だけのもの。ローマ字表記が付く場合がほとんど。大文字で表記される事が多いのですが、中にはこの字を使ったものも。

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始発着駅を表示すると、かなり詰めたものになります。LED表示器は日本語とローマ字の交互表示するものが多く見られます。

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同じ行き先でも、よく見るとローマ字表示が異なるものも。どっちが正しいのだろう。
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行き先に路線名を付けたもの。(写真左)写真中央は車体にステッカーで貼り付けたもの。幕と言うか、札と言いましょうか。写真右は伊豆箱根鉄道大雄山線に見られるもので、点灯している方が行き先(写真では小田原)となる、珍しい表示方法です。

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フルカラーLEDを用いたもの。行き先のほか、種別や次駅の案内も出ています。こちらもローマ字表記との交互表示となっています。

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経由が併記されたもの。駅名や路線名が書かれています。ただし、ローマ字が無いので外国の方にはどこを通るかわからない。

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列車種別と行き先が独立しているもの。私鉄に見られるもので、様々な組み合わせが見られます。

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愛称名の付いた列車のサボ。愛称、行先のほかに籍の種類や号車を表したもの様々あります。

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列車種別の表示の例です。専用のものであったり、行先表示と兼ねたものなど様々あります。

③ヘッドマーク
 列車の最前部に表示される行先や列車種別などを言います。ヘッドマークは一般的には愛称のある列車、それにちなむ絵柄を用いたものが知られていますね。客車など後部に出ているものは『テールマーク』と言います。

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ヘッドマークの例。初期の頃は愛称名だけでした。
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路線名を表示するヘッドマークの例。
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愛称のある快速列車のヘッドマークの例。
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特急列車のヘッドマークの例
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車輛の代が変わっても、イラスト(愛称名の由来となったもの)を残している例。
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変わり種のヘッドマーク。某路線の快速電車で一時期見られたもので、貫通窓に吸盤で付けているもの。すぐ取れてしまうのか、みすぼらしいのかすぐに見なくなってしまいました。

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特急形車輛を用いた普通列車(左)、路線限定や地域限定のヘッドマークの例。
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私鉄のヘッドマークの例。字幕式のものやLEDなど特徴があるものが多くあります。

④ヘッドマーク(イベント)
 定期列車以外の臨時列車や団体専用列車。沿線の催し物のPRなど様々な理由で、特別にヘッドマークが出される事があります。そのほとんどが1回限りのものとなっており、撮影しようと駅では場所取りなどによる小競り合い。沿線では私有地への不法侵入や違法駐車、線路内立ち入りなどなど、一部の熱狂的なファンが時には社会的問題を起こしてしまうことがあります。このため、イベントの縮小化につながっているようで、最近ではヘッドマークを出す列車も少なくなりました。

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時節柄なものの例。主に四季による臨時列車の運転やダイヤ改正の際に付けられるヘッドマーク。ダイヤ改正では車輛基地ごとに創意工夫のあるものが見られましたが、最近はほとんど見なくなりました。

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イベントによるものの例。車輛基地の一般公開や万博、その路線のPR観光イベントなどがあります。

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開業記念などによるものの例。路線開業関係が多く見られます。最近ではなんか中途半端な気もする・・・。ような周年記念が多いような。だったら毎年出してほしいなぁ。

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団体列車によるものの例。何が出るかは当日のお楽しみ。的な感じがあります。団体によってはかなり凝ったものが出てきます。

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※写真左、Tuboフォトオフィス様撮影

さよならイベント関係の例。車輛、路線、列車などが廃車や廃止となる際に出されるもの。登場時は控えめな事が多いが、さよなら時は特別なヘッドマークや規格外なもの、その現場に携わる関係者の皆様がつくったものなど、最初にして最後のヘッドマークが付けられます。

⑤その他

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最近多く見られるもので、何かのPRやイベントなどでラッピング車体にあわせてヘッドマークを付けている場合があります。写真はラジオ番組イベントのものです。
⑥その他その2

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普段は行き先などが出ているのですが、異常時などに行き先幕が無いなどの理由により、稀に何も表示しない場合もあります。写真は八高線で、大雨により東飯能駅より先が不通のため、東飯能行となった列車。行き先幕が無いのでしょうか。白地になった珍しい一コマ。
⑦テールマーク

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客車列車で呼ぶのがふさわしい名前。最後尾車輛に出されるマークを言います。写真のようなイラスト入りのマークはすでに過去帳入りしています。