わたらせ渓谷鐵道

会社の概要

読み方  わたらせけいこくてつどう
略称等  わ鉄(わてつ)、わた渓(わたけい)
設 立  1988年(昭和63年)10月25日
保有路線数  1路線
保有路線名  わたらせ渓谷線(わたらせけいこくせん):桐生駅~間藤駅(44.1km)
車輛形態  気動車
その他  桐生駅~下新田信号場間(1.7km)はJR東日本両毛線と共用。

概要
 群馬県と栃木県を結ぶJR東日本足尾線を継承した、第三セクター方式の鉄道会社です。路線は足尾銅山から産出される鉱石を輸送する為に足尾鉄道(私鉄)が明治44年に開業させたのが始まり。大正3年に足尾本山駅が開業し、全通しました。大正7年に国有化され、足尾線となります。
 桐生駅を出発すると大間々駅までは市街地。駅を出ると徐々に山々が迫り、車窓も長閑な風景に変化し、渡良瀬川上流の渓谷に沿いながら、谷筋を北上していきます。初夏の新緑、秋の紅葉シーズンはとても風景が美しく、トロッコ列車で渓谷美を堪能するのがお勧めです。足尾地区に入ると足尾銅山の跡地、関連施設が見えてきます。一部は観光や見学施設として解放されています。足尾駅を出ると山間を進み、終点の間藤駅に到着します。かつては、ここから支線となり足尾本山駅まで結ばれていました。少し離れますが、足尾本山駅周辺は足尾鉱毒事件(公害)の影響により、はげ山が連なっています。
 一方、鉄道施設ですが、駅舎やトンネル等37件が国の登録有形文化財に登録されており、懐かしい木造駅舎や味わいのあるトンネル、渓谷を渡る鉄橋等、鉄道ファンでも十分に楽しむ事が出来ます。

現在の車輛

WKT-500形
 開業以来使用されてきた在来車の老朽化に伴い、置換用として平成23年、平成27年に1両ずつが製作されました。新潟トランシス製の地方交通線用「NDCシリーズ」をベースにした18m級の車輛です。両運転台構造、車内はロングシート、トイレ無しのワンマン運転対応となっています。塗装色は従来と同じ、紅銅(べにあかがね)色をベースに窓廻りをクリーム色、その下に金色の帯を巻いたものとなっています。501番と502番ではスカート形状が異なっています。それぞれに愛称が付けられており、501番は「けさまる」(袈裟丸山)、502番は「わたらせ(渡良瀬川)」となっています。

WKT-501(けさまる) WKT-502(わたらせ)

WKT-510形
 在来車置換用として平成25年、平成28年に1両ずつが製作されました。WKT-500形とほぼ同じ設計ですが、車内をセミクロスシートとした点が異なります。愛称は511番が「あかがね」(銅)、512番は「たかつど」(高津戸峡)となっています。
 塗装色は512番はWKT-500形と同じですが、511番はWKT-550形と合わせた塗装で、紅銅色をベースに窓廻りを虹をイメージした赤色とオレンジ色とし、金色の帯を巻いたものとなっています。

WKT-511(あかがね) WKT-512(たかつど)

WKT-520形
 令和元年、令和3年に1両ずつが製作されました。WKT-510形にトイレを設置したもので、521番には「あづま」、522番には「こうしん」の愛称が付けられています。

WKT-521(あづま)

WKT-550形
 開業10年を記念して機関車牽引によるトロッコ列車が運行されていましたが、人気が高いことから、平成23年に登場したトロッコ車輛です。導入にあたり、客車ではなく気動車による自走式とし、1両が製作されました。
 車輛はWKT-500形をベースに設計しており、側面窓を開放型とし、雨天や冬季には固定式窓を設置出来るようになっています。(急な降雨に対応する為、カーテン式の雨除けも設置。)車体色は銅色をベースに窓廻りを赤色とオレンジ色とし、金色の帯を巻いたものとなっています。WKT-511とは赤色とオレンジ色の配色は逆となっています。
 車内は木製のボックスシート、ドリンクホルダー付き大型テーブルが設置され、室内灯はレトロ調の電球色です。トイレの設備があり、バリアフリー対応となっています。この他にサービスカウンター、子供用のダミー運転台の設備があります。

WKT-551

わ-99形
 わたらせ渓谷鐵道では平成4年からJR東日本のトロッコ車を借用し、運用をしていましたが、JR東日本から借り入れが出来なくなり、平成7年から休止していました。開業10周年を迎えるにあたり、トロッコ列車の復活をすべく、無蓋貨車の改造を計画していましたが、保安上の問題により不可能となってしまい、無蓋貨車によるトロッコ車輛の計画を断念。代わりとして18m級の車輛を探していた所、京王電鉄で余剰となっていた5000系を2両譲り受け、これをトロッコ車輛とするとともに、サービス用電源装置を持つ12系客車2両をJR東日本をより譲り受け、合わせて4両編成のトロッコ列車として平成10年に誕生しました。
 主に夏季を中心に運転されています。

5080 5020(かわせみ)

〇5010・5080
JR東日本よりスハフ12 150、151番を譲り受けたもので、12系の最終増備車です。入線にあたり、灰皿の撤去等の軽微な改造が行われた程度で、ほぼ原型を保っています。5010(スハフ12 150番)はトイレ、洗面所が閉鎖されています。塗装は紅銅色に変更され、窓下に金色の縁取りが入れられました。
〇5020・5070
京王電鉄5000系電車のデハ5020、5070番を改造したもので、トロッコ車輛へ生まれ変わる為に大規模な改造工事が実施されています。種車の窓、車内、床下機器等を撤去し、大型の解放窓を設置、テーブルと椅子を設置しました。それぞれ12系客車に連結する貫通路の改造が行われています。5020番と5070番の貫通路はそのままとしており、種車の面影が残っています。台車は豊橋鉄道が所有していたDT21B形(国鉄から廃車発生品を入手したもの。)を履いています。車輛の番号は種車の番号を引き続き使用しています。5020番は「かわせみ」、5070番は「やませみ」の愛称が付けられています。

DE10形
 「トロッコわたらせ渓谷号」牽引用のディーゼル機関車として、平成10年に1537号機、平成12年に1678号機をJR東日本より購入した車輛です。1537号機はトロッコ車輛と同じく、銅色をベースとした塗装変更を行いましたが、1678号機は変更されていません。

DE10 1537

過去の車輛

わ89-100形
 わたらせ渓谷鐵道開業にあたり導入された車輛で、平成元年に2両登場しました。富士重工業製レールバスLE-CarⅡをベースとした気動車で、両運転台構造、ロングシート、トイレ無しの仕様となっています。それぞれの車輛には沿線市町村の代用的な山の愛称が付けられました。わ89-102番は開業し間もない平成元年5月14日に落石に乗り上げ大破。同年7月1日付けで廃車となり、実働期間は僅か47日という極めて短命な記録が残されています。101番は平成25年に廃車となりました。廃車直前に登場時の塗装に復元され、廃車後は大間々駅で静態保存されています。

わ89-101

わ89-200形
 わ89-100形と同時に登場した形式で、3両が登場しました。車体や性能は同一ですが、座席配置をセミクロスシートに変更している点が異なります。登場時はトイレがありませんでしたが、後年2両に追加設置されています。平成22年に廃車となり、形式消滅しています。

わ89-202

わ89-300形
 わ89-100形、わ89-200形と同じ平成元年に登場した形式で、イベントや団体列車用として車体を大型しており、富士重工業製LE-DCをベースとしています。車内は全席転換クロスシートとしています。当初はトイレはありませんでしたが、後に追加設置されています。(1両のみ。)塗装色は車輛毎に異なる塗装から、銅色1色塗りとしています。平成27年に最後の1両が廃車となり、形式消滅しています。

わ89-301

わ89-310形
 開業後間もない平成元年5月14日、わ89-102が落石に乗り上げ大破し、廃車となってしまいました。この車輛の代替と車輛増備を兼ねて平成2年に3両が登場。その後、平成5年に2両が増備されました。
 わ89-300形と同じ車体、性能ですが、トイレの設置、前部標識灯及び後部標識灯を角型にする等の変更が行われました。
 長らく主力車輛として活躍してきましたが、令和7年に最後の1両が引退し、形式消滅となっています。

わ89-313 わ89-314

わ89-01形
 トロッコ列車「トロッコわたらせ渓谷号」の冬期運休に代わり、JR東日本より団体専用列車として活躍してきた12系客車改造の「やすらぎ」を譲り受けたもので、平成13年に登場しました。愛称が変更され「サロン・ド・わたらせ」となりました。塗装変更が行われており、当初は白色と青色、黄色を組み合わせた塗装でしたが、後に白い部分を黄色としています。老朽化により平成21年に廃車となっています。

わ01-828 わ01-828

 6両編成全てがわたらせ渓谷鐵道へやって来ましたが、当初は2両編成(中間車は部品取りとして車籍編入していない。)で運転しましたが、トイレが無く、苦情が寄せられた為、急きょ中間車1両が車籍編入しています。

わ01-855




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