
諸 元
| 最大長 | 20000mm |
| 最大幅 | 2890mm |
| 最大高 | 4022mm |
| 機 関 | DMF13HS形式(250PS)(キハ141形式及びキハ142形式)、N-DMF13HZD形式(キハ143形式)(450PS) |
| 制御方式 | 応荷重装置付き電磁自動空気ブレーキ方式(CLE方式) |
| 動力伝達方式 | 液体式 |
| 動力台車 | DT22A形式(キハ141、142形式)、N-DT150形式(キハ143形式) |
| 附随台車 | TR51形式(キハ141形式、キサハ144形式)、N-TR150形式(キハ143形式) |
車内設備など
| 座 席 | セミクロスシート |
| 乗降扉(片側) | 2扉 |
| 便所の有無 | あり |
| その他 |
概要
国鉄時代の昭和30年代に近代化計画(無煙化)推進の為、気動車の大量投入が実施されました。しかし、新製車投入にも限界があり、投入の遅れていた地域で発案されたのが「客車を気動車に改造する」というもの。
客車の気動車化改造は根本的な構造の違いがあり、通常の気動車よりも重量が増し、非力かつ燃費が悪いという結果になってしまい、昭和35年に国鉄が実施した改造車も失敗に終わりました。この改造車は昭和45年までに全て廃車となりました。私鉄でも同様の試みをしましたが、成功例はありませんでした。
JR北海道では札幌市周辺の沿線の都市化、宅地化が進み、特に人口増加が著しい札沼線では混雑が目立ち、輸送力増強が求められるようになりました。新製車輛のコストを低減する為、余剰となっていた50系51形客車を気動車に改造し、投入する事となりました。それが平成2年に登場したキハ141系です。
およそ20年ぶりの客車の気動車化改造になりますが、客車そのものが軽量化されている事、技術の進歩により高性能なエンジンが用意されている事により、一定以上の成果を上げる事が出来、国内初の成功事例となりました。4形式44両が製作されており、国内最多の数となっています。種車の多くはオハフ51形式で、全体数の6割強が改造されています。
改造は種車の持つ車掌室を運転台として活用し、前面はキハ54形式に似た貫通構造としています。JR西日本で実施されたキハ33形式では乗降扉の移設が仇となりましたが、本系列では移設は行わず、種車のままとしています。
車内は客車時代のセミクロスシートと変わりませんが、混雑緩和の為、ロングシート部の増設、クロスシートは2+1列化を実施しています。客室窓は種車のままです。
登場後、札沼線を中心にキハ40形式と共に活躍していましたが、平成24年に札沼線の北海道医療大学駅までの交流電化が行われ、電車化されました。これにより余剰車が発生し、廃車や海外譲渡が始まり数を減らし始めました。一方で、JR東日本へ譲渡される車輛もありました。
札沼線の電車化が完了すると、残った車輛はワンマン運転化改造を行い室蘭本線の普通列車に転用。令和5年に運用を終了しました。これで廃系列になると思われていましたが、JR北海道では一部を観光列車(トロッコ列車の老朽化に伴う置換え。)として再改造する予定となっています。
〇JR北海道所属車
![]() |
![]() |
| キハ141-11(2位側) | キハ142-8(1位側) |
キハ141-1~14
オハフ51形式客車を気動車化改造したもので、平成2年に先行試作車を製作し、平成3年より量産化した車輛です。駆動用エンジンはDMF13HS形式(250PS)を1基搭載。台車、変速機は廃車発生品を再利用しています。種車のトイレは残されています。
キハ142-1~14
オハフ51形式客車を気動車化改造したもので、駆動用エンジンはDMF13HS形式を2基搭載しています。トイレ部は機器室に改造されています。キハ141形式と組んで使用されます。14番は再改造を受け、114番に変更しています。写真は登場時の塗装で、JR北海道一般形気動車の標準色ですが、青色の細帯が上のコーポレートカラーである萌黄色の帯と離れていました。
![]() |
![]() |
| キハ142-114(1位側) | キハ143-101(1位側) |
キハ142-114・201
キハ143形式、キサハ144形式と編成を組む時に、両形式の半自動ドア(ボタン操作式)を制御する機能を追加したもので、キハ142-14番を再改造したものは原番号に100番を加えました。一方、オハフ51形式客車を改造した時点で備えていた車輛は201番としています。
キハ143-101~104
キハ141形式、キハ142形式のマイナーチェンジ車に相当する形式で、平成6年に登場しました。キハ150形式の駆動システムを採用し、性能を強化した型式になります。オハフ51形式客車を種車に気動車化改造を行い、本グループはトイレ無しの仕様とした他、混雑時対策としてデッキを廃止し、乗降扉を半自動式(ボタン操作式)に変更しました。当初は非冷房車でしたが、平成7年から8年にかけて冷房装置を搭載しています。駆動用エンジンはN-DMF13HZD形式(450PS)とし、台車も2軸駆動の空気ばね式ボルスタレス台車に変更しています。
![]() |
![]() |
| キハ143-154(2位側) | キサハ144-103(2位側) |
キハ143-151~157
キハ143形式100番代のトイレ付き仕様で、改造内容も同じとなっています。キハ143形式100番代+キサハ144形式+キハ143形式150番代の3両編成で運用されています。
キサハ144-101~104
オハフ51形式客車を改造した中間附随車です。改造は座席の3列化、ロングシートの撤去、床下に発電装置、空気圧縮機の搭載、電気暖房化、台車の変更を行いました。トイレの設備が当初ありましたが、運用開始後に撤去。跡地を車椅子スペースとしました。1両のみ残置し、150番代(151番)としていましたが、平成7年にこちらも撤去し、100番代に編入。104番としています。
〇JR東日本所属車(「SL銀河」用旅客車)
JR東日本では平成26年にC58 239蒸気機関車を動態復元し、釜石線にてSL列車「SL銀河」を運行する事になりました。機関車単機による運転は可能でしたが、陸中大橋駅~足ヶ瀬駅間の連続する勾配、長大トンネル区間等では補助する機関車等を用意する事で安定した走行が出来る事から、札沼線電化開業によって余剰となったキハ141系を4両購入し、動力装置を残したまま専用の客車として再改造を行いました。
購入した車輛はキハ142-201、キハ143-155、キサハ144形式-101、103の4両で、形式はそのままですが、番号はジョイフルトレインで多用されている700番代に変更。動力付きの客車になった事から、JR東日本では「旅客車」と呼んでいます。
改造は他の一般形気動車との併結時に使用する制御、補助回路からC58形式の動輪の軸温を監視、検知するものへと変更した他、勾配区間において無線方式によって動力協調運転を行う為、保安装置等に必要な改造を行いました。
駆動用エンジン、変速機はJR東日本の標準的なものへ換装されており、キハ142-701番はDMF13HZE形式(300PS)を2基、キハ143-701番はDMF13HZD形式(450PS)を1基搭載しています。冷房装置用電源はキハ143-701番、キサハ144形式700番代に発電用エンジンを搭載。各車に電源を給電しています。キハ142-701番は2基あるエンジンのうち、1基に発電機を装備させ、自車に冷房用電源を給電しています。
車体のデザインは一新され、内外装のコンセプトは宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」と「東北の文化・自然・風景を通してイマジネーションの旅」とし、外装は「銀河鉄道の夜」をイメージし、4両毎に半分ずつ、異なる濃度の色合いのグラデーションとしています。これは「夜が明け、朝へと変わりゆく空」を表したもので、1号車が明るく、どんどん色調が濃くなり、4号車が濃紺色になっています。また、各車に星座や動物をシンボル化したものが貼られています。
車内は宮沢賢治が生きた大正、昭和の世界観をイメージしたものとし、床面や壁を木目調とし、通路には赤色の絨毯を敷いています。この他に南部鉄器風の荷棚、ステンドグラス風の飾り照明、ガス灯風ランプを配しています。ボックス席は星座をモチーフとしたパーティションで区切り、客室窓をカーテンにする事で個室のような雰囲気としています。また、各車輛には宮沢賢治に関する資料を展示したギャラリーが設置されています。
種車の製造から40年が経過し、老朽が否めなくなってきた事から、令和5年に引退し、廃車となりました。これにより700番は番代消滅しています。
![]() |
![]() |
| キハ142-701(1位側) | キサハ144-702(2位側) |
キハ142-701
キハ142-701番を改造した車輛で、1号車に位置します。星座はさそり座で、前位側に「月と星のミュージアム」を設置。これはプラネタリウム室であり、定員6名。設置されているプラネタリウムを用いてオリジナルプログラム「銀河鉄道の夜」が上映されます。駆動用エンジンはDMF13HZE形式(300PS)を2基搭載しています。この他に非冷房車であった為、冷房化改造も行っています。
キサハ144-702
キサハ144-103番を改造した車輛で、2号車に位置します。星座は射手座で、座席メインの車輛となっています。後位側にあったトイレ、座席の一部を撤去し、汚物タンク便器一体型のトイレに改造しています。
![]() |
![]() |
| キサハ144-701(2位側) | キハ143-701(2位側) |
キサハ144-701
キサハ144-101番を改造した車輛で、3号車に位置します。星座はわし座となっています。キサハ144-702番と似ていますが、後位側にあったトイレは撤去されています。(ギャラリーのみとなっています。)
キハ143-701
キハ143-155番を改造した車輛で、唯一ボルスタレス台車を履く車輛からの改造となっています。星座は白鳥座で、オープンスペース車としています。ラウンジ、売店、車いす対応トイレ等の設備を備えています。