キハ281系特急形振り子式気動車

諸 元

最大長  21300mm
最大幅  2863mm
最大高  4077mm
機  関  N-DMF11HZD形式(355PS)
制御方式  電気式空気ブレーキ(機関ブレーキ、排気ブレーキ併用)
動力伝達方式  液体式
動力台車  N-DT281形式
附随台車  なし

車内設備など

座  席  リクライニングシート
乗降扉(片側)  2扉
便所の有無  あり
その他  

概要
 函館~札幌間の特急列車の速度向上に合わせてJR北海道が平成4年に投入した振り子式気動車です。設計は平成元年にJR四国が開発、投入した2000系気動車をベースに行われており、先頭車2両、中間車1両が試作車として登場。長期試験の結果、平成5年に量産車が製作し、翌平成6年より特急「スーパー北斗」として運転を開始しました。
 車体はJR四国2000系気動車の構造を基本としたステンレス製で、前頭部のみ普通鋼製としています。前頭部と乗降扉のコバルトブルーは噴火湾をイメージしたもの。ステンレスとの境界にはコーポレートカラーの萌黄色を配しています。客室窓周囲は柱を黒くして連続窓風のデザインとしました。
 運転台構造は高運転台とし、貫通構造としています。振り子車輛では重心の関係から不向きですが、大型動物との衝突事故が多く、踏切事故時に乗務員保護を目的とした為、採用されています。貫通路は従来、中央部に配置されますが、本系列では1位側(助手側)に通路を寄せ、迂回する形で貫通扉に至る構造としています。これにより、運転台環境(居住性)を損なうことなく、かつ車体上部を絞り込む事が出来、車体傾斜時においての建築限界に余裕を持たせる事から、この様な構造としています。以前は貫通路は解放されており、前面展望を楽しむ事が可能でしたが、平成22年に発生した踏切事故により、以降は旅客の立ち入りが禁止されています。
 客室内は785系の様式を採用し、リクライニングシートが配されています。客室の出入口上部にはLED式車内案内表示器が設置されています。グリーン車は2+1列配置の3列シートで、重量バランスの関係から、中央部で配列を逆転させています。この他として、JR北海道の車輛では初めて自動放送装置を採用。以降の特急形車輛に採用されています。
 台車はN-DT281形式で、制御付自然振り子機構を装備しています。低重心化を図る為、車輪は小型車輪を採用。全て動力台車で附随台車の設定はありません。振り子機構は「コロ式」と「曲線ベアリングガイド式」が比較され、量産車では後者が採用されています。
 本系列は国内の在来線用気動車では初の運転最高速度130km/h営業運転を行った系列で、函館~札幌間ではキハ183系が約3時間半であった所を約3時間と大幅な短縮を行いました。振り子式気動車の増備は改良型であるキハ283系へ移行した為、27両の製造に留まっています。老朽化等も進んだ事から令和4年に定期運行が終了し、同年に臨時列車の運転をもって引退となり、系列消滅しています。

キハ281-901(2位側) キハ281-902(1位側)

キハ281-901・902
試作車で、特徴として通常は運転台下部に乗務員室扉と乗客用の扉を個別に配置しますが、座席数確保の為、乗降扉を兼用としています。この扉のみ安全確認の必要から開閉できるようになっています。車体は同じ形状ですが、901番と902番それぞれスカート(排障器)の塗装の違いが見られました。台車はコロ式の振り子機構を持つN-DT281形式を履いています。車内には洋式トイレ、男子用小便所の設備があります。

キハ281-901(2位側) キハ281-5(2位側)

キハ281-901・902
量産車化改造の様子です。排障器(スカート)は灰色から車体色と同じにした他、前位側の乗降扉窓を小型に変更する変化が見られる他、前頭部貫通扉の窓に付いていたワイパーが撤去されています。
キハ281-1~6
試作車とほぼ同じ仕様となった量産車グループです。奇数番号は函館方、偶数番号は札幌方に位置します。台車の振り子機構は曲線ベアリングガイド式が採用されたN-DT281A形式を履いています。貫通扉窓はやや大きくなり、ワイパーも備えています。
運転台下部にあるロゴマークは試作車登場時は「HEAT 281」(
Hokkaido Experimental Advanced Train)でしたが、営業開始後にロゴデザインが変更され、「HEAT 281」は変わらぬものの、「HEAT」はHokkaido Express Advanced Trainという意味に変更。(試作車も変更。)平成14年から引退までは「FURICO 281」に変更されています。

キハ280-901(2位側) キハ280-2(4位側)

キハ280-901
キハ281形式900番代と同じ平成4年に製作された中間車で、約半年遅れての登場です。先頭車とは異なり、振り子機構にJR四国の8000系電車(試作車)に採用された曲線ベアリングガイド方式を採用し、比較検討されました。また、ブレーキ機構にも違いがあり、両抱え踏面ブレーキ式ではなく、ディスクブレーキ式としています。
車内は乗降扉は後位側に1ヶ所、トイレ、洗面所の設備は無く、荷物置き場の設備があります。
キハ280-1~4
車いすに対応した車内設備とした中間車で、座席やトイレが車いすに対応しています。この他に男子用小便所、多目的室の設備があります。テレホンカード対応の電話が設置されていましたが、平成18年に撤去され、業務用スペースに転用されています。台車や駆動系は100番代と同じです。

キハ280-104(2位側) キロ280-4(2位側)

キハ280-101~110
キハ280形式900番代と同じ仕様とした量産車の中間車です。台車の振り子機構は曲線ベアリングガイド式で、N-DT281A形式を履いています。
キロ280-1~4
量産車のみに存在する形式(グリーン車)で、座席は2+1列の配置ですが、中央部で配置が逆転している特徴があります。各座席にはラジオ放送、オーディオパネルが備えられています。車内販売準備室、フロントをイメージした車掌室、男子用小便所、洋式トイレの設備があります。かつては喫煙室、テレフォンカード式公衆電話の設備もありました。台車や駆動系はキハ280形式量産車と同じです。




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