
諸 元
| 最大長 | 20000mm |
| 最大幅 | 2738mm |
| 最大高 | 3710mm |
| 機 関 | DMH17B形式ディーゼルエンジン(160PS) |
| 制御方式 | 自動空気ブレーキ方式 |
| 動力伝達方式 | 液体式 |
| 動力台車 | DT19形式 |
| 附随台車 | TR49形式 |
車内設備など
| 座 席 | クロスシート(後年、端部をロングシート化したものもある。) |
| 乗降扉(片側) | 2扉 |
| 便所の有無 | あり |
| その他 |
概要
キハ10系は国鉄制式の系列呼称ではなく、昭和32年に形式称号改正が行われた際に主として10番代の形式を持つ車輛を趣味的、便宜的に総称したものです。この為、キハ17系といった呼び方もあります。
戦後の国鉄にはキハ41500形式(後のキハ04形式)等のディーゼルカーが運転されていましたが、これらは総括制御が出来ない、機械式気動車であった為、輸送量の多い線区での使用は出来ず、総括制御が可能な気動車が必要となりました。
昭和27年に電気式気動車、液体式気動車が試作され、試験の結果、液体式が選ばれました。この実績を反映させた本格的な液体式ディーゼルカーとして、昭和28年に登場したのがキハ10系です。運転台の数やトイレの有無、エンジンの搭載数等によって9形式が昭和32年までに全国各地に登場しました。国鉄初の量産形気動車で、初の液体式変速機を搭載し、複数車輛の総括制御を可能としており、以降現代に至るまでの一般形気動車の運用形態は本系列で確立されたものとなります。また、走行機器類や制御回路等の基本構成の多くを以降登場する国鉄形気動車が受け継ぐ事になります。
形式は片運転台構造のキハ17形式(トイレ付)、キハ16形式(トイレなし)、両運転台構造のキハ10形式(トイレなし)、キハ11形式(トイレ付)、酷寒冷地仕様両運転台構造のキハ12形式、中間車のキハ18形式、二等・三等合造車のキロハ18形式、機関2基搭載、片運転台構造のキハ50形式(試作車)、キハ50形式の量産形となるキハ51形式があります。
車体構造は液体式試作気動車のキハ44500形式を基に設計されており、当時は車体重量の軽量化技術が発展途上であった為、標準的な電車や客車よりも車体断面が小さい、鋼板、鋼板プレス材を用いた軽量化された車体となっており、客室窓下にはウインドゥ・シル(補強帯)がある古い形態となっています。キハ44500形式からの大きな変更点として、運転台を有する車輛が中間車となる場合に、編成内の往来を可能とする為、貫通式に変更した点があります。当時はモハ80系電車に似た非貫通構造の湘南顔が一般的でしたが、貫通構造の採用は画期的で、以降の気動車は特急形も含めて、この構造を踏襲。列車の増解結の自由度が高まり、柔軟な運用を可能としています。
車内はクロスシートを基本としたもので、照明は白熱灯。二等車(現:グリーン車)を除いて扇風機は設置されていませんでした。後に車内端部をロングシート化、扇風機の設置等が行われています。
台車は枕ばねに特徴のあるDT19系、TR49系台車を採用。この台車は枕ばねに防振ゴムブロックを採用しているのが特徴で、軽量構造の台車です。金属ばねとの違和感を低減する対策は講じられたものの、乗心地は悪く、ブレーキ時には速い上下動を伴う揺れが、客室の狭さとも相まって乗客からは不評という逸話が残されています。
キハ10系の登場は非電化路線の無煙化により、速度向上、運転本数の増加等が実現され、国鉄近代化が推進される事になります。特に無煙化、速度向上の効果は大きく、全国各地から気動車の要望が出るに至りました。
昭和31年に準急、急行列車向けのキハ55系、昭和32年にキハ20系が登場し、試作車として製作されたキハ44000系(電気式気動車)、キハ44500形式は郵便・荷物気動車に改造され、キハ10系も多数の車輛が同様の改造を行いました。
残った車輛はローカル線で活躍し、昭和59年に全車廃車となり、系列消滅しています。
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| キハ10 18(2位側) | キハ11 25(2位側) |
キハ10 1~
昭和30年に登場したトイレなしの両運転台構造の形式。登場時はキハ48100形式でした。北海道と四国を除いた各地に配置され、活躍しました。写真は京都府にあった加悦鉄道に譲渡された車輛で、国鉄時代と番号は変わりません。
キハ11 1~
昭和30年に登場したトイレ付の両運転台構造の形式で、登場時はキハ48000形式でした。キハ10形式のトイレ付ですが、暖房強化等寒冷地向けの車輛となります。100番代というものがあり、北海道向けに更に耐寒構造を強化したグループとなります。写真は茨城県にある茨城交通(現:ひたちなか海浜鉄道)に譲渡された1両で、現在は埼玉県にある鉄道博物館に収蔵されています。