
諸 元
| 最大長 | 21300mm |
| 最大幅 | 2903mm |
| 最大高 | 3845mm |
| 機 関 | DMF13HS形式(250PS) |
| 制御方式 | 応荷重装置付き電磁自動空気ブレーキ方式(CLE方式) |
| 動力伝達方式 | 液体式 |
| 動力台車 | DT55形式 |
| 附随台車 | TR240形式 |
車内設備など
| 座 席 | リクライニングシート |
| 乗降扉(片側) | 2扉 |
| 便所の有無 | あり |
| その他 |
概要
四国地区の経営改善策として優等列車の整備を行い、老朽化の進む急行形気動車の置換え、急行列車の格上げを含めた特急列車の増発用として本系列が昭和61年に登場しました。国鉄が開発した特急形気動車として最後の系列となります。随所に工夫が施されており、従来の特急形気動車とは異なる点が多いのが特徴と言えます。
従来の特急形、急行形気動車は長大編成である事が前提としており、特定の車輛にサービス電源供給用のエンジンを搭載する手法でしたが、電源確保の為に編成が拘束される他、走行出力の確保に難が生じていました。四国地区は輸送単位に変動差が大きく、急勾配線区が多い特徴があり、従前の方法では柔軟性に欠けるものとなります。
そこで固定編成の考えを見直し、一般形気動車に近い考えを用いました。冷房装置にはバス用を使用。キハ185形式は駆動用エンジン、キロハ186形式は専用のエンジンを用いて直接駆動する方式(機関直結式)を採用。従来の特急形に必要であった機器室が不要になった他、1両単位で冷暖房を動かせるようになった事で、最小編成を2両とする事が可能となり、自由度が大幅に高まりました。
車体は国鉄特急形車輛では初となるステンレス製となり、軽量化、塗装工程省略等のメンテナンスフリーを実現。客室窓の天地寸法を拡大する一方で、急行形気動車の代替も兼ねており、普通列車での使用も考えていた事から、乗降扉は片側2ヶ所とし、折戸を採用しています。前面デザインは分割・併合運転を容易にする貫通構造とし、前部標識灯及び後部標識灯は前面窓上部の保護ガラス付きライトケースに左右振り分けて配置。特急形車輛のシンボルであったチャンピオンマーク及びJNRマークは民営化も近い事から廃止されています。ステンレス地を活かした無塗装ですが、運転士窓及び客室窓、側面の帯に緑16号、連続窓風となる客室窓周り、乗降扉の窓間にはぶどう色5号を採用しています。なお、緑16号は分割民営化し、JR四国へ移行後にコーポレートカラーのスカイブルーに変更されています。
駆動用エンジンは同時期に登場したキハ31形式、キハ38形式と同じ直噴式のDMF13HS(250PS)をキハ185形式には2基、キロハ186形式には1基搭載しています。この他、変速機、運転台機器等に在来車からの廃車発生品を流用し、製造コスト削減を図っています。
台車は205系電車で登場したボルスタレス台車であるDT50系を基本としたもので、動力台車はDT55形式、附随台車はTR240形式を履いています。この2形式の台車は国鉄が新規に開発した最後の形式となっています。
車内は接客設備を大幅に改良し、背面にテーブルを設けたフリーストップ式のリクライニングシートを配置し、シートピッチもキハ181系よりも拡大しました。キロハ186形式のグリーン室も同様のリクライニングシートで、フットレスト等を備えています。普通席は0系新幹線の発生品である転換式クロスシートを配置し、座席間に折り畳み式のテーブルを設置しています。
冷暖房装置、ドアエンジン等にバス用部品を活用し、徹底した部品数の削減を行っています。
JR四国移行後も増備が行われましたが、高速道路網整備が進み、更なるスピードアップを図る必要がある事から、振り子式の特急形気動車2000系に増備が移る事となり、52両で製造が終了しました。
平成4年にJR九州へ20両が譲渡され、新形式が登場しました。JR四国に残った車輛は特急列車を主体に運転されていましたが、後継車輛の登場により、普通列車へ格下げ改造を受けた車輛や観光列車に改造が行われ、オリジナル車輛は残りが少なくなっています。
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| キハ185-25(1位側) | キハ185-19(2位側) |
キハ185-1~
昭和61年から昭和63年までに26両製作されました。片運転台構造の車輛で、トイレ、洗面所の設備があります。屋根上にはバス用を転用したAU26形式冷房装置を搭載しています。暖房装置はエンジンを冷却した水を熱交換して温風を送る仕組みとなっています。JR九州へ譲渡された車輛の中には車内販売準備室、電話室を設置したものがあり、定員数が減っています。
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| キハ185-1001(1位側) | キハ185-1016(2位側) |
キハ185-1001~
昭和61年から昭和63年までに18両製作されました。0番代のトイレ、洗面所の設備が無いタイプである事から番代区分されています。JR九州へ譲渡された車輛の中にはワンマン運転化改造を行った車輛もあります。
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| キロハ186-3(3位側) | キハ185-3106(2位側) |
キロハ186-1~
本系列の中間車で8両が製作されました。グリーン席と普通席の合造車で、普通席は登場時は転換式クロスシートでしたが、後に大型テーブルは撤去され、リクライニングシートに交換されています。車掌室の設備があります。
キハ185形式3100番代
老朽化したキハ58系、キハ65形式の置換用として、キハ185形式1000番代に普通列車での使用を目的に在来の一般形気動車との併結を可能としたグループで、特急形車輛の格下げ改造はJRでは初めての事例となります。改造は一般形気動車に併結できるよう、ブレーキ圧力の変更やジャンパ栓を対応したものにした他、車内ではリクライニングシートの固定化、座席背面のテーブル及び灰皿の撤去等軽微なものに留まります。また、前面の愛称表示器が行先表示器に変更されています。この改造で、特急列車に使われるキハ185系との併結は不可能となっています。外観では特急「剣山」色と同じデザインですが、濃紺の細帯が赤色となっています。同様の改造をキハ185形式0番代に施した3000番代が2両ありましたが、平成18年に元に戻されており、存在していません。
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| キハ186-3(2位側) |
キハ186-3・5・7
JR四国より移籍したキロハ186形式を平成4年に特急「あそ」、「ゆふ」用に普通車に改造したもので、平成4年に登場しました。客室内は仕切り壁をそのまま残し、普通室に格下げ。旧普通室は大型テーブルを撤去し、リクライニングシートに交換しました。種車はDMF13HS形式を1基搭載していましたが、これを2基搭載とし、冷房装置用の小型エンジンを撤去し、機関直結式に変更しています。