
諸 元
| 最大長 | 20000mm |
| 最大幅 | 2929mm |
| 最大高 | 3945mm |
| 機 関 | DMH17H形式ディーゼルエンジン(180PS) |
| 制御方式 | 自動空気ブレーキ方式 |
| 動力伝達方式 | 液体式 |
| 動力台車 | DT22C形式 |
| 附随台車 | TR51B形式 |
車内設備など
| 座 席 | ロングシート |
| 乗降扉(片側) | 3扉 |
| 便所の有無 | あり |
| その他 |
概要
キハ35系は国鉄制式の系列呼称ではなく、同一の設計思想で製造されたキハ35形式、キハ36形式、キハ30形式及び改造車を趣味的に総称したものです。キハ30系とも言われています。
戦後の混乱も一段落付き、大都市及びその近郊に人々が集まりはじめ輸送需要が高まり、輸送力改善を行う必要が出てきます。客車列車が主であった為、電化を行い、電車化するのが一般的でした。
大都市近郊に位置する路線の一つ関西本線湊町(現:JR難波)~奈良駅も1950年代以降、利用者が大幅に増えていました。この区間は電化の計画はあったものの実現せず、客車列車が主体のままでした。この為、運転本数や所要時間等は並行する近鉄線と大きな差がありました。
そこで電化となる所でしたが、採算面で折り合わず、気動車を投入して輸送力強化を図る事にしました。通勤電車並みの収容力、客扱い能力を備えた気動車として開発されたのが、本系列で昭和36年に登場しました。
車体は新性能電車第1弾として登場した101系通勤形電車の基本構造を採用し、オールロングシート、切妻形のシンプルなスタイルです。乗降扉は気動車では初採用の1300mm両開き扉が採用されました。乗降扉は片側3ヶ所に設置していますが、車体強度の関係から外吊り式となっています。この扉は外観の特徴でもあり、隙間風が入り易く、冬季には不評でした。前面は頻繫に増解結を行う事から貫通構造とし、運転台上部に行先表示器を設置しています。主要機器は同時期に登場したキハ58系と同一としています。
電化予定線区の輸送改善車としての位置付けであり、その路線が電化されると別の路線へ。という形で活躍をしました。平成24年に久留里線での定期運用が終了し、翌平成25年に水島臨海鉄道へ譲渡され、廃車。本系列は系列消滅しました。
0番代
暖地向けの0番代、寒冷地向けの500番代の2種類があります。
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| キハ35 176(1位側) | キハ35 524(2位側) |
キハ35 1~
片運転台構造の暖地向けのグループで217両が製作されました。4位側にトイレがあり、その向かいはクロスシートとなっています。昭和37年にトイレ無しとしたキハ36形式が登場。車内はオールロングシートで、妻面に窓がありました。編成中のトイレの数を適正にする目的でしたが、両運転台構造の方が扱い易い事から、49両の増備に留まり、キハ30形式が製作されています。
キハ35 501~
寒冷地向けのグループで、31両が製作されました。0番代を基本としつつ、ベンチレーターを押込み式に変更、運転台や機器類等に耐寒・耐雪構造を採り入れています。寒冷地向けのキハ36形式はありません。
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| キハ30 46(4位側) | キハ30 503(4位側) |
キハ30 1~
暖地向けの両運転台構造の車輛で、昭和38年に登場し、100両が製作されました。基本仕様はキハ35形式0番代に準じますが、トイレの設備はありません。
キハ30 501~
0番代を寒冷地向けの仕様としたグループで、6両が製作されました。寒冷地向けの500番代は製造後は新潟地区に投入されています。
900番代
このグループは昭和38年に10両が登場しました。東急車輛製造(現:総合車両製作所)が米国バッド社のライセンスを得て、オールステンレス車輛の開発をする為、東急7000系電車に続いて製造した国鉄初のオールステンレス車です。キハ35形式のみが製作され、比較すると3.6tの軽量化を実現しました。
車体の基本は0番代に準じていますが、枕梁や端梁等を除いて台枠及び外板や車体骨組みもステンレス製となっています。補強を目的に幕板、腰板、屋根板にはコルゲート板が使用され、乗降扉の外吊りドアの戸袋カバーは車長全長にわたって設置されており、外観の特徴ともなっています。
現代において、ステンレスは普通鋼よりも硬く錆びない特性があり、部材を薄く出来たり、塗装の省略が可能等メンテナンス面のメリットがあり、採用例は多くありますが、当時は製造コストが高く、製造もライセンスの関係から東急車輛製造のみである事、労働組合の反対等があり、量産化には至りませんでした。
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| キハ35 901(2位側) |
キハ35 901~
国鉄初のオールステンレス車として製作されたグループで、コルゲート板や車体全長に及ぶ戸袋カバーが特徴です。登場時はステンレスの地肌色(銀色)でしたが、視認性向上を目的に前面に朱色4号の帯が入りました。その後、車体全体を朱色5号とし、屋根をねずみ色1号(ベンチレーターを除く)の首都圏色となっています。
300番代
山陽本線の支線である和田岬支線はJR西日本移行後も旧型客車による運転が引き続き行われており、車輛の老朽化やプッシュ・プル運転の経費がかかる等の理由で置換えが検討され、キハ35系を改造して投入する事が決まりました。
改造は2両で1ユニットとするもので、共通する事では兵庫駅、和田岬駅のホームの無い側が同じである事から、無い側の乗降扉を中央部は非常扉とし、両端を埋め込みました。また、トイレ及び座席の一部を撤去し、立席スペースに変更しています。
2両あるキハ35形式のうち1両はエンジンを撤去し、キクハ35形式としました。
平成13年の電化まで活躍しました。
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| キクハ35 302(1位側) |
キクハ35 301~
和田岬支線向けにキハ35形式0番代を改造したもので、エンジンを撤去しました。車体は相方となるキハ35形式300番代と同じです。暖房用の熱源が無い事から、機関予熱器を搭載し、温水暖房の熱源としています。