キハ37形式一般形気動車 キハ38形式通勤形気動車

諸 元

最大長  20000mm
最大幅  2928mm
最大高  3865mm(キハ37形式)、3680mm(キハ38形式)
機  関  DMF13S形式ディーゼルエンジン(210PS)(キハ37形式)
DMF13HS形式(250PS)(キハ38形式)
制御方式  自動空気ブレーキ方式
動力伝達方式  液体式
動力台車  DT22E形式(キハ37形式)、DT22C形式(キハ38形式)
附随台車  TR51D形式(キハ37形式)、TR51B形式(キハ38形式)

車内設備など

座  席  ロングシート
乗降扉(片側)  2扉(キハ37形式)、3扉(キハ38形式)
便所の有無  あり
その他  

概要
 1970年代、初期の液体式気動車の置換え用としてキハ40形式を大量に投入し、1980年代に入り所用数に達した事から投入を終了。そして1990年前後より置換え時期を迎える気動車の代替を考える事になりました。
 1970年代に起きたオイルショックをきっかけに世の中は「省エネルギー」が謳われ、国鉄もその流れに沿う形で検討されました。一般形気動車ではキハ40系が投入された線区よりも経営環境の厳しい路線向けに、車輛コストや燃費を削減できる車輛の計画が行われました。特に気動車に用いられるエンジンは1980年代に入っても、戦前の基本設計であるDMH17系等が主力であり、性能面等で陳腐化等の問題があり、維持費等の増加も問題でした。そこで、これらを解決するエンジンの開発も急務となっていました。
 最新式のキハ40系の問題点を改善しつつ、地方線区向けの混雑時間帯、閑散時どちらでも対応出来る設計としたキハ37形式が昭和58年に登場しました。
 省エネルギー、装備簡素化を主とし、廃車発生品を使用して製造コストを下げています。車体は鋼製で、乗降扉は片側2ヶ所で、2両編成時に等間隔となる変則配置となっています。車体色は首都圏色とは異なり、赤11号が採用されました。車内はロングシートとなっています。
 エンジンは国鉄の気動車としては初めての採用となる、直噴式ディーゼルエンジンであるDMF13S形式を採用。このエンジンは船舶用のエンジンで、設計変更し、直噴式としたものです。出力が向上し、燃費も良くなりました。
 キハ37形式は標準装備は最小限のものとし、投入線区に必要なオプションでカスタマイズするようになっていました。最初に5両が製作され、いよいよ全国各地に増備が行われる運びに・・・なりませんでした。製作された時期に国鉄の抱える赤字ローカル線の廃止が具体化し、その第1弾(第1次特定地方交通線という。)が決定した事から、一般形気動車の新製は凍結。本形式も増備される事はありませんでした。
 キハ37形式の登場の背景には老朽化した気動車の置換え、キハ40系の過剰な設備による製造コスト削減、エンジンの新開発といった目的があり、それを達成する事が出来ました。しかし、当時の台所事情、赤字ローカル線の廃止により、キハ37形式の増備は見送られる事になりました。老朽化した気動車の置換えも止まってしまいましたが、その中で大都市近郊で活躍していたキハ35系。老朽化が進んでおり置換え時期を迎えていました。しかし、通勤形のロングシート、3扉車である事からキハ40系や余剰となっていたキハ58系等の急行形気動車では接客設備の違いから代替する事が出来ない上、使用される路線は廃止対象ではなく、電化の予定も無い事から、老朽化対策が必要となりました。そこで、キハ37形式をベースにした車輛を投入する事になりますが、製作にあたっては投資費用を更に抑制する為、車体を国鉄工場で新製し、主要機器類はキハ35系の発生品を再利用する、車体更新改造をする事とし、昭和61年にキハ38形式が登場しました。
 車体は基本的な部分はキハ37形式をベースにしていますが、キハ35系と同じ片側3扉構造としています。厳しい財務状況ですが、サービス向上にも努めており、国鉄一般形気動車(キハ67系を除く)では初めて冷房装置を搭載しています。車内はロングシートとなっています。
 エンジンはキハ37形式のエンジンを横型としたDMF13HS(250PS)を1基搭載、従来よりも小型、軽量、高出力、低燃費と後に登場する気動車に大きな影響を与えています。
 キハ37形式は加古川線、久留里線に投入、キハ38形式は八高線に投入され、晩年は久留里線にて両形式は活躍しました。現在は一部の車輛が水島臨海鉄道に売却され、活躍をしています。

キハ37 2(2位側) キハ37 1003(1位側)

キハ37 1・2
昭和58年に登場した地方交通線向けの気動車で、0番代は4位側にトイレの有る形式です。ロングシートですが、トイレの向かい側はボックスシートとしています。
キハ37 1001~1003
0番代と同じく、昭和58年に登場しました。0番代のトイレ無しの仕様です。JR東日本所属車は平成11年にバス用の冷房装置AU26形式を搭載すると共に、エンジンをカミンズ製のDMF14HZに換装しています。なお、本来は350PSですが、種車の液体式変速機を使っている為、250PSに落として使用していました。

キハ38 3(1位側) キハ37 1002(1位側)

キハ38 1~4
キハ35系の車体更新車で、新しい通勤形気動車として昭和61年に4両登場しました。4位側にトイレの設備があります。種車の部品を流用していますが、殆どが新製されています。
キハ38 1001~1003
0番代のトイレ無し仕様で、3両登場しました。国鉄一般形気動車では初の冷房装置を搭載した形式で、専用機関を用いたユニットクーラー方式である為、従来に見られる編成中に電源を持つ車輛を必要としないのが特徴です。(冷房は客室のみで、乗務員室は非冷房のまま)




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