HC85系特急形気動車

諸 元

最大長  21300mm
最大幅  2918mm
最大高  3750mm
機  関  C-DMF14HZF形式(400PS)
制御方式  VVVFインバータ制御方式、電気指令式空気ブレーキ
動力伝達方式  シリースハイブリッド式
動力台車  C-DT68形式
附随台車  C-TR256形式

車内設備など

座  席  リクライニングシート
乗降扉(片側)  1扉
便所の有無  あり
その他  

概要
 登場から30年以上が経過し、老朽化が進むキハ85系の置換用として令和元年に登場した気動車です。試験を経て令和4年より量産車が製作され、特急「ひだ」号で登場しました。このHC85系はJR東海初のハイブリッド気動車です。形式の「HC85系」の「HC」は「Hybrid Car」の略で、「85」はキハ85系から技術革新を遂げた車輛。という意味合いがあります。
 車体はステンレス製で、先頭車の先頭部、側面部は衝突事故対策として強度向上が図られています。この為、眺望性を考慮したキハ85系とは異なり、前面展望は出来ません。側面窓はガラス押えの無い大型の連続窓を採用しています。外装デザインは「漆器の持つまろやかさや艶のある質感」をテーマに、前面窓から貫通扉にかけて黒色、前面下部から側面上部にかけてオレンジ色と白色の帯を配しています。
 車内は「和」を表すデザインとし、壁面は木目調で、グリーン車と普通車で色調を変えています。座席も同様にグリーン席は沿線の新緑、美しい川、夕暮れの紫色の空をグラデーションで表現した「落ち着いた上質感」、普通席は紅葉、祭り、花火をグラデーションで表現。「明るいワクワク感」としています。座席にはコンセントが配置され、各車輛には荷物スペースの設備があります。全て2+2列配置の回転式リクライニングシートとなっています。この他、停車駅の案内や走行装置の使用状況を見る事が出来る案内表示器、デッキには沿線の工芸品を展示する「ナノミュージアム」があります。バリアフリー対応では、車椅子スペースを3席、トイレも車いす対応としています。
 本系列のハイブリッド方式はシリーズハイブリッド方式で、エンジン+発電機、リチウムイオン電池の電力を用いて主電動機を駆動させます。起動時はエンジン+発電機と電池の電力を用い、ブレーキ動作時は回生ブレーキにより蓄電池に電力を蓄えます。
 エンジンが発生させる振動、防音では車体に装備させる際に用いる防振ゴムを二重化し、床構造も二重床としており、車内の快適性を向上させています。主電動機は三相誘導電動機ですが、より良い効率を得られる永久磁石を回転子に使用したPMSM(同期モーター)を使用しています。
 この他に乗降扉が開扉時にエンジンが停止するアイドリングストップ機能、グリーン車にはセミアクティブ制振制御装置が備わる他、新幹線で得られた技術を応用した機器類の状態監視を行うシステムを気動車では初めて導入しています。
 台車は製造した日本車輛製造の開発した「N-QUALIS」シリーズのNS台車を履いています。この台車は従来は部材を溶接していたものをプレス加工で一体成型したもので、安全性、メンテナンスが向上しています。更にタンデム式軸箱支持方式が採用され、乗心地向上も図られています。この他に先頭車の台車には踏切事故時において、衝突、脱線した際に対向する線路に逸脱し、対向してくる列車と衝突を防ぐストッパーを備えています。
 形式名は個々の形式には「HC」は使いませんが、記号は電車と同じ「」が使用されます。これも本系列の特徴の一つとなっています。現在の所、電動車のみがあり、附随車は存在していません。

クモハ85-6(1位側) クモハ85-109(1位側)

クモハ85-1~
4両編成の東京方に位置する先頭車です。座席のみで構成されています。前位側に荷物スペースの設備があります。先頭部貫通扉上部には進行方向によって色が変化する灯具があります。赤色は最後尾で、白色は先頭車を表しています。
クモハ85-101~
2両編成の東京方に位置する先頭車です。0番代と同一構造ですが、編成が異なる為、番代区分されています。

クモハ85-205(2位側)

クモハ85-201~
2両編成の大阪方に位置する先頭車です。客室には車椅子スペースがあり、多機能トイレ、男子用小便所、車いす対応洗面所、AED(自動体外式除細動器)、ナノミュージアムの設備があります。

クモロ85-6(2位側) モハ84-6(1位側)

クモロ85-1~
グリーン車が編成内にある4両編成の大阪方に位置する先頭車(グリーン車)です。乗心地向上の為、セミアクティブダンパを搭載しています。トイレ、男子用小便所、多目的室、ナノミュージアムの設備があります。
モハ84-1~
車いす対応の設備がある中間車です。車椅子スペースの他に多機能トイレ、男子用小便所、車いす対応洗面所、AED、ナノミュージアムの設備があります。

モハ84-106(1位側)

モハ84-101~
4両編成に組み込まれている中間車です。客室のみで構成されており、本系列では最も定員数が多い車輛となっています。




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