諸元
全 長  20000mm
全 幅  2800mm
全 高  4140mm
主電動機 MT61形式(120kw)
制御方式 界磁添加励磁制御方式
制動方式 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ、直通予備ブレーキ
動力台車 DT50形式 不随台車 TR235形式

車内設備など
座 席 ロングシート(普通席)
乗降扉 片側4扉
トイレ あり(改造車)

 昭和56年より省エネ通勤形電車として201系が登場し、増備が進められてきました。しかし、電機子チョッパ制御の製造コストは非常に高価であり、台所事情の非常に厳しい状況であった国鉄は、さらにコストダウンを図った車輛が必要でした。
 この高価な電機子チョッパ制御は私鉄でも、導入を迷わせるものでした。そこで、抵抗制御方式としつつも、界磁調整器といった安価な部品を用いて回生ブレーキを可能とさせる界磁位相制御方式や界磁チョッパ制御方式を開発し、私鉄各社で広まりつつありました。国鉄でも、この安価なものが出来ないかと開発を進め、界磁添加励磁制御方式を開発しました。この制御方式は当時老朽化や陳腐化が進んでいた111系や113系の置換え用車両(211系)向けに開発、実用化を目指していました。また、並行して軽量ステンレス構造、ボルスタレス台車、電気指令式空気ブレーキなども実用化とするために進められていました。
 そのような背景がある中、昭和60年の時刻改正で武蔵野線、横浜線の輸送力増強を図るために山手線の103系が転属される事となり、この山手線の車輛を201系とするのか、新系列車輛とするのか判断を求められます。その時に目についたのが、次期近郊型電車向けに開発中だった界磁添加励磁制御方式などです。これを通勤形電車として採用し、昭和60年に登場したのが205系になります。
 車体は101系以降の片側4扉のものですが、従来の普通鋼に変わり軽量ステンレス製となりました。国鉄ではかつてステンレス製車輛というものは試作車で1両、2両といったごく少数に採用される程度であり、本格的な採用はこの205系が初めてとなります。ステンレスの採用は軽量構造となり、大幅な軽量化、塗装工程が省略され、メンテナンス作業も大きく簡略化されました。ステンレス車体を採用した事により、201系と比較すると1両あたり7tの軽量化が実現されました。
 0番代量産先行車は従来のユニットサッシ窓でしたが、量産車以降はバランサー付き1段下降窓が採用されました。かつては157系特急形電車、急行形車輛のグリーン車、寝台車などに採用されましたが、いずれも鋼製であり、水抜き処理が不十分であったため、車体の腐食を早める事から、国鉄内では採用はご法度とされてきました。ステンレス鋼では腐食の心配もない事から、戦後の通勤形車輛で禁を破って、初採用をしました。なお、外板強度を保つため、また軽量化の観点から戸袋窓、妻面窓は廃止されています。
 塗装は地肌(ステンレス)とし、窓の上下にラインカラーのフィルム帯を巻くというシンプルなもので、すっきりとした印象を与えています。前面デザインは201系のものをベースにしたブラックフェイスで、前部標識灯を下部に振り分けて配置し、その間にラインカラーが表現されています。
 制御方式は先述の通り、電機子チョッパ制御は高価であることから、抵抗制御方式に低コストでまとめられる励磁制御を組み合わせ、高い省エネルギーを実現する界磁添加励磁制御方式を採用しました。電気ブレーキに回生ブレーキが使え、軽量車体と相まって201系をも凌ぐ省エネ電車となりました。
 制動方式(ブレーキ方式)は国鉄在来線車輛では初めてとなる電気指令式空気ブレーキ方式が採用されました。空気配管が大幅に削減され、機器の軽量化が実現でき、現代の鉄道車輛が採用するきっかけをつくりました。
 205系は国鉄からJR東日本、JR西日本へと継承され、それぞれの会社でも引き続き製作され、1461両登場しました。その後、後継車種の登場により転属などで新形式や番代などが生まれました。

0番代・900番代
 本系列の基本グループです。201系のフルモデルチェンジといえる存在で、JRへ移行後も増備が行われました。製造年や投入線区などにより、ドア窓の大きさ、前面形状の違いなどがあります。山手線では、混雑緩和を目的にした6扉車があり、この試作車が制作され本系列では初めてとなる900番代が登場しました。

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クハ204-1~4(クハ204-1)

偶数向き制御車で、量産先行車のグループです。従来車と同じユニットサッシ2段窓が特徴です。

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クハ204-5~(クハ204-21)

量産先行車のモデルチェンジで、量産車となるグループです。一段下降式になった客室窓が特徴です。なお、クハ204-39、40番は欠番です。

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クハ204-61~(クハ204-106)

61番以降はJR東日本になって製作されました。乗降扉窓が拡大されており、外観の変化ともなっています。

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クハ204-108~119、145~149(クハ204-118)

平成2年より京葉線、武蔵野線向けに投入されたグループで、前面形状のデザインが大きく変更されました。京葉線沿線にある某夢の国をイメージしたもので、「メルヘン顔」と呼ばれています。

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クハ205-1~4(クハ205-3)

奇数向き制御車で、量産先行車のグループです。ATC装置は床下搭載となり、乗務員室と客室の仕切りに仕切り窓が復活しています。

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クハ205-5~(クハ205-15)

量産車のグループです。39番及び40番は欠番です。一段下降窓に変化しています。後年、字幕式だった行先表示器や列車番号表示器のLED化が行われた車輛も多くあります。

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クハ205-5~(クハ205-42)

運行番号表示器の表示で、山手線時代に見られたのが「マグサイン方式」です。(写真では71)量産先行車では手動の字幕式でしたが、効率よく変更できるように採用されました。しかし、表示が暗いなどの理由で、LED式に変更されています。

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クハ205-61~(クハ205-104)

クハ204-61~と同じく、61番以降はJRに移行してから増備された車輛です。乗降扉窓が大きくなっているのが特徴です。

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クハ205-61~(クハ205-79)

JR東日本へ移行し、205系の増備が続けられました。最初に投入されたのが横浜線。この際、従来車にはなかった種別表示器が追加されました。(前面、右側)快速列車などの種別や路線名を表示していましたが、2000年代に入ると行先と一緒に表示したり、LED化され使用されなくなり、黒幕のままとなっています。

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クハ205-108~119、145~149(クハ205-149)

クハ204形式と同じく、京葉線、武蔵野線向けに登場したグループです。前面のFRPが白色は京葉線。銀色は武蔵野線になります。なお、この武蔵野線向けの車輛のみ、踏切がない線区を走行する事から排障器(スカート)が設置されず、オリジナルのスタイルを維持しています。

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モハ204-1~12(モハ204-1)

電動発電機(MG)や電動空気圧縮機(CM)といった補助機器を搭載する中間電動車です。2、5、8、11番はMGを撤去しています。

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モハ204-13~(モハ204-52)

一段下降窓に変更した量産車の初期グループになります。111~120番は欠番です。

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モハ204-181~(モハ204-205)

JRへ移行し、増備された車輛です。乗降扉窓が大きくなりました。

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モハ204形式MGなし車(モハ204-399)

205系の10両又は11両編成、6M2Tで組成された8両編成に組み込まれるモハ204形式は3両あり、このうちの1両(概ね、中間のユニット)はMGを搭載していません。搭載していた車輛も撤去されており、少しすっきりした床下となっています。

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モハ205-1~12(モハ205-6)

先行量産車のグループです。パンタグラフ付き中間電動車で、主制御器、主抵抗器など走行に必要な主回路機器を搭載し、モハ204形式とユニットを組みます。

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モハ205-13~(モハ205-30)

量産車のグループです。一段下降窓に変化しているのが大きなポイント。111~120番は欠番です。写真は降雪時にパンタグラフへの着雪軽減を図るためシングルアーム式パンタグラフ(PS33E型)に変更されている車輛です。

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モハ205-149~180(モハ205-173)

国鉄時代の最後に新製されたグループです。乗降扉が小窓ですが、主抵抗器が小型化され在来車と外観に違いが見られます。

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モハ205-181~(モハ205-284)

JRへ移行し、新製されたグループです。写真の車輛は行先表示器がLED化されています。

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サハ205-1~8(サハ205-1)

本系列の中間不随車です。先行量産車グループで、客室窓は伝統のユニットサッシ窓となっています。

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サハ205-9~(サハ205-71)

一段下降窓に変化した量産車グループです。73~80番は欠番となっています。

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サハ205-81~(サハ205-176)

乗降扉窓が拡大された、JRで新製されたグループです。

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サハ204-901・902(サハ204-901)

山手線混雑緩和を目的に平成2年に登場した片側6扉の中間不随車です。本系列では初めての900番代となります。混雑時間帯は座席を収納し、立席定員を増やし混雑を緩和しようというものです。車体は製造元の近畿車輛が開発した「パネル式構体」というものが採用されています。車内はスタンションポールが配され、折り畳み式の座席が配されています。暖房装置は車内にヒーターを設置すると1台あたりの容量を大きくする必要があり、触れるとやけどの恐れがある事から、鉄道車輛では珍しい床暖房方式となっています。
試験を経て、量産車が登場し、量産車化改造を受けました。山手線で活躍後、埼京線で使用され、平成25年に廃車。廃番代となっています。

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サハ204-1~(サハ204-28)

900番代の試用結果より平成3年に登場した量産車です。900番代では乗降扉を2箇所締め切られる選択開扉機能と案内表示器がありましたが、これを省略。11両編成では補助電源装置の容量が不足することから、自車用の冷房電源装置(DC-DCコンバーター(30kw))を搭載しています。(900番代も量産車化改造時に装備。)
車内は利用者の声を反映したものとし、液晶ディスプレイの採用、荷棚の高さ変更が行われました。写真は埼京線へ転属し、活躍していた時の様子で、客室窓にLED式の行先表示器が追加で設置されています。

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サハ204-101~(サハ204-117)

混雑の激しい横浜線向けに平成6年に登場したグループです。当時、205系の製造は終了し、209系の新製へ移行していたため、209系の設計が採用されているのが特徴となっています。台車はTR246形式、乗降扉窓ガラスの支持方式を金属押さえ金方式からボンディング(接着)式に変更しています。冷房装置もAU722型稼働率制御方式冷房装置としています。なお、液晶ディスプレイを用いた情報案内放送は行わない事から、受信アンテナなどは装備されていません。

500番代
 平成3年に電化開業した相模線向け車輛として登場しました。JR東日本では投入線区に応じて、細部の仕様の変更を行いましたが、番代区分は行ってきませんでした。この相模線に投入する205系は半自動ドア機能、モニターとICカードを用いた乗務員支援装置の採用など変更点が多いため、500番代と区分されました。
 車体は同線の新しいイメージとして前面のデザインは大きく変更され、前部標識灯と後部標識灯の形状を角型にし、一体化したケースに収められています。助手側の前面窓も拡大さています。また、踏切事故対策として同系列では初めてスカートが装備されたことも特筆されます。ラインカラーはブルーグリーンとライトブルーの2色で、側窓上部の帯は省略されています。
 車内は暖色系から「相模川」をイメージした清涼感のある青色系を採用。化粧板、床敷物などは柄が変更されています。乗降扉は半自動ドアとなり、半自動扱い時は乗客がボタン操作により開閉を行います。ドア構造はメンテナンスを考え、従来車とは異なっています。

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クハ204-501~(クハ204-512)

橋本、八王子方の偶数向き制御車です。前面デザインの違いから、他系列にも見えます。平成29年から前部標識灯のLED化が行われており、電球とは少し趣が異なります。

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クハ205-501~(クハ205-503)

茅ヶ崎方の奇数向き制御車です。0番代と異なり、ジャンパ栓受けがありません。

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モハ204-501~(モハ204-512)

500番代の補助機器を中心とする機器を搭載する中間不随車です。4両編成のうち、本車輛は弱冷房車となっています。

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モハ205-501~(モハ204-504)

500番代のパンタグラフ付き中間電動車です。平成21年より、シングルアーム式のPS35E型に変更されています。

1000番代
 205系は山手線に登場し、その後首都圏各線区へ投入されました。そして、関西圏への投入も行われ0番代が東海道、山陽本線の各駅停車に登場しました。JR西日本へ移行し、昭和63年阪和線への投入が決まり1000番代が登場しました。
 0番代と比べると変更点は多く、外観では前面窓のレイアウト変更。運転士側窓を小さく、助手側窓が大きいものになり、乗務員室と客室の仕切り窓を拡大し、眺望性の良いものとしています。また、車外スピーカーの設置、冷房装置の変更、ベンチレーターの削減が行われています。
 機器類では、運転最高速度110km/hを考え、主電動機をWMT61A形に。基礎ブレーキ装置も高速対応した設計のものに変更しています。このため、0番代と併結運転は不可能です。補助電源装置は電動発電機に代わり、SIV(静止型インバーター)装置に変更しています。

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クハ204-1001~(クハ204-1005)

偶数向き制御車です。拡大された助手側の大窓が特徴の一つです。

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クハ205-1001~(クハ205-1004)

奇数向き制御車です。屋根上のベンチレーターは2個、冷房装置は外気導入方式のWAU75H型を搭載しています。

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モハ204-1001~(モハ204-1005)

電動発電機ではなく、SIV搭載に変更している点が特徴の一つとなっています。

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モハ205-1005~(モハ205-1005)

1000番代の中間電動車の変化の一つに車体風道を廃止した点があります。これにより、車体にルーバーがなく、0番代と外観が異なります。

JR東日本の改造車
 2000年代に入り、首都圏では中央・総武緩行線や山手線にE231系が投入されていきました。一方、郊外の路線では103系を中心に活躍しており、これらを置き換えるために山手線で活躍してきた205系を中心に大規模な車輛転属及び配属が実施される事になりました。
 転属にあたり、短編成化が行われます。これにより先頭車が不足するため、中間車を先頭車化改造する事になりました。前面デザインは既存車とは異なるもので、横方向に緩やかな曲線の1枚ガラスを用いたものとなり、上部左右に前部標識灯(HID灯)と後部標識灯を配し、中央にLED式行先表示器を設置したものとなりました。
 改造は妻構体を撤去し、強化フレームを溶接の上、FRPにフェノール発泡体を合わせた複合材料の前頭部を付けています。乗務員室のデザインはE231系に準じたものとなり、マスコンハンドルはワンハンドル式に変更しています。また、運転士側背面に非常救出口が設置されました。これにより、既存車では仕切り窓は3枚窓でしたが、改造車は大窓1枚と仕切り扉の窓の2枚になっています。車体長さも変更され、既存車よりも200mm延長されています。

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 都会的なスタイリッシュなデザインに生まれ変わった改造車。皆さんは見た事があるかな。

1000番代
 南武線南武支線(尻手~浜川崎駅)向けに平成14年に登場したグループです。モハ204+モハ205のユニットを先頭車化改造したもので、205系では最小編成となる2両編成での運転を行います。
 ワンマン運転を行うため、車外スピーカーを使用した発車ベルや自動放送が備えられています。また、長時間停車をする際の車内温度維持のため、乗降扉を一か所のみ開扉する「3/4閉スイッチ」が装備されています。
 機器類は種車のものを流用していますが、クモハ204形式の補助電源装置は電動発電機を搭載していない車輛からの改造であったため、SIV(静止型インバーター)を新しく搭載しています。平成21年より、シングルアーム式のPS33E形に交換されています。
 1000番代はJR西日本にありますが、形式がクモハのみであり、重複は避けられています。

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クモハ204-1001~(クモハ204-1002)

尻手方の制御電動車です。205系では初めてのクモハ形式となります。帯色は101系からのものを継承しています。平成18年に小田栄駅が開業した際に、帯に五線譜が付き、座席モケットも音符入りのものになっています。

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クモハ205-1001~(クモハ205-1002)

浜川崎方の制御電動車です。側面に車外スピーカーがあり、発車ベルなどのメロディーが流れます。

1100番代
 鶴見線向けに平成16年に登場したグループです。先頭車は中間車からの改造車で、2M1Tの3両編成で運転されます。クモハ+モハのユニットはモハは種車の車番のまま。クモハは1100番代に改番され番号が合わなくなっていますが、元はユニットで同一の番号です。1000番代と同じく3/4閉スイッチを装備しています。

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クモハ204-1101~(クモハ204-1107)

鶴見方に位置する制御電動車です。山手線のモハ204形式を種車としており、乗降扉の窓は小窓。補助電源装置はSIVを搭載しています。ワンマン運転は行わないため、車外スピーカーなど必要な設備は搭載していません。

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クハ205-1101~(クハ205-1109)

扇町、海芝浦、大川方に位置する制御車です。埼京線で活躍したサハ205形式を種車としており、乗降扉の窓は大窓です。1101番は初めての先頭車化改造車で、試作的意味合いで平成14年に登場しています。

1200番代
 南武線の103系を置き換えるために平成16年に登場したグループです。先頭車のみ1200番代となり、中間車は0番代のままとなっています。平成18年にE233系投入により、置き換えられ廃番代となっています。

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クハ204-1201~(クハ205-1206)

立川方の偶数向き制御車です。山手線のサハ205形式を先頭車化改造したもので、乗降扉の窓は小窓です。運転台と乗降扉の間に号車札が有るものと無いものがありました。

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クハ205-1201~(クハ205-1205)

川崎方の奇数向き制御車です。鶴見線向けの1100番代とほぼ同じですが、使用する路線が異なる事から番代区分されています。

3000番代
 八高線・川越線で活躍する103系を置き換えるために平成15年に登場したグループです。山手線で活躍していた車輛を種車とした2M2Tの4両編成です。準寒冷地である事から半自動ドアに変更されているほか、車椅子スペースには壁面にヒーターが設置されています。
 平成29年よりE231系3000番代及び209系3500番代が後継として投入され、一部の編成は富士急行へ譲渡されました。平成30年に廃番代となっています。

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クハ204-3001~(クハ204-3002)

八王子、高麗川方の偶数向き制御車です。サハ205形式を先頭車化改造したもので、耐雪ブレーキが追加で装備されています。

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クハ205-3001~(クハ205-3001)

高麗川、川越方の奇数向き制御車です。クハ204-3001~と同じで、連結する向きが異なります。

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モハ204-3001~(モハ204-3001)

同番代の中間電動車です。半自動機能の追加、暖房装置の強化などを行いましたが、種車時代と大きな外観の変化はありません。

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モハ205-3001~(モハ204-3001)

同番代のパンタグラフ付き中間電動車です。モハ204-3001~と同様の改造を行っています。投入時は種車時代のPS21形式パンタグラフでしたが、PS33C形式シングルアーム式パンタグラフに変更されています。

3100番代
 平成14年に仙石線の103系を置き換えるために登場したグループです。2M2Tの4両編成で、ユニットは山手線で活躍していたもの。制御車は山手線又は埼京線で活躍していたサハ205形式を先頭車化改造したものとなっています。また、耐寒・耐雪構造を施しており、半自動ドア機能、側引き戸レールヒーターや耐雪ブレーキを装備しています。
 車内はロングシートの他に、快速列車用としてクロスシート/ロングシートに転換が出来る「2WAYシート」を装備した車輛があります。(現在は、仙石東北ライン開業により、快速列車廃止のため、ロングシートに固定)

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クハ204-3101~(クハ204-3103)

仙台方の制御車です。写真の車輛は乗降扉の窓が小窓です。山手線で活躍していたサハ205形式を先頭車化改造したものです。また、2WAY車で、緑系の帯色は仙台市の木であるケヤキと杜の都をイメージしています。

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クハ205-3101~(クハ205-3101)

石巻方の制御車です。写真の車輛は乗降扉の窓が大窓ですので、埼京線で活躍していたサハ205形式を先頭車化改造したものです。車端部には車椅子スペースと車いす対応の大型トイレが設置されています。2WAY車は帯色が赤系で、石巻市の花であるつつじをイメージしたものとなっています。

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モハ204-3101~(モハ204-3103)

種車のモハ204形式0番代は全車輛がMGを撤去した車輛で、補助電源装置は103系からの廃車発生品であるSIVを搭載しています。2WAY車は帯色が紫色系で、塩竃港に水揚げされる魚をイメージしたものとなっています。

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モハ205-3101~(モハ205-3109)

山手線で活躍していたモハ205形式0番代を種車にしたもので、一部の車輛には霜取り用パンタグラフが増設されています。現在、すべての車輛はPS33C型シングルアーム式パンタグラフに換装されています。2WAY車は帯色がオレンジ系で、松島から望む朝日と夕日、扇谷の紅葉をイメージしたものとなっています。

5000番代
 平成14年に武蔵野線の103系を置き換えるために平成14年に登場したグループです。特徴の一つはこのグループのみ中間電動車で構成されており、制御車及び不随車は既存の車輛を使用しています。
 武蔵野線が乗入れる京葉線。地下トンネル区間と地上区間には急勾配があり、8両編成中、6両が電動車という不経済な編成でした。山手線を中心とする205系を多数の路線へ転属させる事を考えると、1編成あたり6両も電動車が必要になると、電動車不足が見込まれるため、電動車4両で運転出来るように主回路の変更、主電動機の換装で、電動車6両分の性能を確保するために、5000番代が改造される事になりました。
 この高性能化のため、添加励磁制御方式からVVVFインバーター制御方式に変更しています。そして、主電動機はMT74形式誘導電動機(120kw)に換装しています。
 長らく活躍してきましたが、209系500番代及びE231系への置換えが行われ、この5000番代及び武蔵野線
用の0番代は横浜線、南武線の205系と共に、インドネシアの鉄道へ譲渡され、海を越えた異国の地で活躍をする事になりました。

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モハ204-5001~(モハ204-5002)

VVVFインバーター制御方式に伴い、主電動機の換装、台車形式の変更を行いました。他の機器類は種車のものを流用しています。

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モハ204-5001~(モハ204-5020)

種車のモハ204形式がMG非搭載車の車輛はSIVを搭載(一部の車輛はMGを搭載。)しており、2種類あります。

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モハ205-5001~(モハ205-5041)

VVVFインバーター制御方式に改造したため、他の同系列車とは大きく外観が異なるのが特徴の一つです。

600番代
 日光線で活躍する107系0番代、東北本線(宇都宮線)小金井~黒磯駅間で活躍する211系の置換えをするために平成25年に登場したグループです。京葉線や埼京線でE233系投入により、余剰となった205系が種車となっており、車体などに大きな変化はなく、主に寒冷地仕様の改造、ラインカラーの帯色変更となっています。
 寒冷地での使用であるため、乗降扉のレールヒーター設置、客室暖房器の容量増大、半自動ドア化、電動空気圧縮機の除湿装置にヒーターを設置。霜取り用パンタグラフの増設などが行われています。車内ではクハ205形式に車いす対応のトイレが設置されました。
 ラインカラーは日光線は107系のレトロ調デザインを継承したクラシックルビーブラウン、ゴールド、クリームの3色を配した帯色とし、沿線名所をモチーフとしたステッカーが貼られています。宇都宮線向けは伝統の湘南色となっています。

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クハ204-601~610(クハ204-610)

上野、日光方の偶数向き制御車です。このグループは京葉線の車輛から改造したもので、外観は半自動ドアスイッチが設置された程度の小さな変化となっています。写真は日光線用の車輛。日光線では急勾配区間がある事から、抑速ブレーキ、耐雪ブレーキが追加装備されています。

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クハ204-611・612(クハ204-612)

この2両は埼京線の車輛から改造したもので、両車とも湘南色となっています。行先表示器や運行番号表示器はLED化されています。

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クハ205-601~610(クハ205-604)

黒磯・宇都宮方の奇数向き制御車です。このグループは京葉線から改造したものとなります。車端部に車いす対応の大型トイレが設置されています。

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クハ205-611・612(クハ205-612)

この2両は元埼京線で活躍していました。細かな変化では前面のジャンパ栓受けが撤去されています。また、4両編成を2本併結する事もある事から、電気連結器が装備されています。

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モハ204-601~(モハ204-604)

モハ204形式0番代を改造したグループです。600番代の電動車には勾配区間での空転防止対策として噴射式増粘着装置「セラジェット」が装備されています。

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モハ205-601~(モハ205-605)

モハ205形式0番代を改造したグループです。パンタグラフはPS33F形式に変更し、霜取り用パンタグラフ(同形式)が増設されています。

いろは
 平成30年に催された「本物の出会い 栃木」デスティネーションキャンペーンに合わせ、観光客の多い日光線に快適な移動時間を提供する列車として誕生しました。愛称の「いろは」は日光の名所の一つ、「いろは坂」と物事の「いろは」を掛け合わせたもので、日光の様々な魅力を感じて頂きたい。という思いが由来となっています。
 ロゴマークもいろは坂の「い」をモチーフにカーブと同じ数の48色で彩られています。その背景に日光線のラインカラーであるクラシックルビーブラウンを配し、いろはの頭文字「I」とレールの断面をイメージした形となっています。
 種車は205系600番代を再改造したもので、乗降扉は片側2か所に改造し、塗装は日光線沿線の魅力をデザインするとともに、日光線のイメージである「レトロ」を組み入れたデザインとしています。また、日光の自然や観光名所(華厳滝、中禅寺湖など)、日光の社寺の彫刻で扱われる動物(龍、鳳凰、唐獅子)をモチーフとしたイラストが和の色使いで配されています。
 車内は木目調のデザインとなり、大型のクロスシートメインの配置に変更されているほか、大型荷物置き場やフリースペースも設置されています。

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※いろはの車内の様子。クロスシートがメインとなっており、日光の旅路をより楽しいものとしています。

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クハ204-603(クハ204-603)

日光方の制御車です。片側2扉化され、座席は大型クロスシートが配置されています。行先表示器や列車番号表示器はLED化されています。

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クハ205-603(クハ205-603)

宇都宮方の制御車です。他の600番代車と同じく、車端部に車いす対応の大型トイレが設置されています。乗務員室側には大型荷物置き場、フリースペースが設置されています。

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モハ204-603(モハ204-603)

「いろは」に改造車された車輛です。

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モハ205-603(モハ205-603)

車体の改造以外は、他の600番代と同じ。霜取り用パンタグラフの設置など耐寒・耐雪改造が行われています。