通勤型・近郊型・一般型電車とは?
〇通勤型電車とは。
大勢の人々が暮らす大都市において近距離輸送、大量輸送に適した設備を持つ電車を言います。一般的には車内は線路方向に配置されたロングシートで、座席数よりも立席の面積が多く確保され、転倒を防ぐため、多くのつり革があるのが特徴です。乗降扉は客室内に設置され、片側に3~6箇所あり乗降に時間がかからないように設計されています。近距離輸送であるため、基本的にはトイレの設備はなく長距離輸送には向かない欠点もあります。
〇近郊型電車とは。
戦後、都市部に人口が集中し、やがて大都市の近郊に人々が暮らすようになりました。その人々が暮らす場所向けに開発された電車です。通勤型電車では長距離利用や閑散時間帯では居住性が悪い。クロスシート(ボックスシート)を持つ急行型電車では片側に乗降扉が2箇所では混雑時間帯に乗降時間がかかってしまいます。そこで、通勤型電車と急行型電車の中間的な設備が考えられ、乗降扉付近をロングシート、その間にクロスシートを配置したセミクロスシートとしており、乗降扉は片側に3箇所あり、乗降時間も考えられた設計となっており、近郊型電車の特徴となっています。
近郊型電車は中距離輸送の主力として活躍してきましたが、沿線人口が増加しセミクロスシートでは輸送力が限界になりつつ路線も出てきました。そこで、通勤型電車と同じロングシートのみの近郊型電車も登場します。
JRに移行するとその傾向は高まり、違いがあまりない事から通勤型電車との区別をやめ、一般型電車と呼ぶようになっています。