207系通勤形直流電車

諸 元

最大長  20000mm
最大幅  2800mm
最大高  4140mm
主電動機  MT63形式(150kw)
制御方式  VVVFインバーター制御方式(GTOサイリスタ素子)
制動方式  回生ブレーキ併用電気式空気ブレーキ、直通予備ブレーキ
動力台車  DT50E形式
附随台車  TR235F形式

車内設備など

座  席  ロングシート(普通席)
乗降扉(片側)  4扉
便所の有無  なし
その他  

概要

 現代の電気車では標準仕様となっているVVVFインバーター制御方式(可変電圧可変周波数制御方式)。この制御方式の歴史は、使用される電動機(モーター)の開発から始まりました。その後、VVVFインバーター制御方式を組み合わせた開発が始まります。将来の北陸新幹線等、整備新幹線の採用を想定し、開発が進められ、少しずつ実用化の形になっていきました。
 昭和61年、常磐緩行線の列車増発、車輛の増備が決まり、この車輛に初のVVVFインバーター制御方式を採用し、実用化の最終段階である営業運転をしながら試験を実施するため、207系が製作されました。
 常磐緩行線での投入の経緯は、相互乗り入れ先である営団地下鉄(現;東京メトロ)千代田線は高加減速や省エネルギー性能が要求される事、同線では抵抗制御の103系、電機子チョッパ制御を採用した203系が活躍しており、性能の比較が出来る事から、207系の試験には良い環境であった為です。
 車体は最新鋭205系を基本としたステンレス製で、先頭車前面に非常用貫通扉を設置するなど、A-A基準に対応した設計としています。制御方式は先述の通り、VVVFインバーター制御方式で、インバーター制御装置は各電動車に1台ずつ搭載し、電圧パルス変調装置により4個の三相誘導電動機を制御します。(1M4C制御方式)また、この制御方式では誘導障害という問題があり、この対策としてインバーター制御装置をアルミ製の二重構造の箱に収め、電線類もアルミ管に収めています。
 性能面では、当時の205系10両編成と比較すると205系が6M4Тに対し、207系は5M5Тで十分な性能を発揮する事が可能です。当時のVVVFインバーター制御方式のコストは非常に高いため、同等となる4M6Тが理想でした。しかし、営団側の要求する加速性能が出せず、結果割高な6M4Т編成になりました。
 営業運転を兼ねて試験を始めると、降雨時などでは空転、滑走が多いなどの諸々の欠点が浮かびかがってきました。製造コストが非常に高く、国鉄の台所事情から2本目の製造は出来ませんでした。
 コスト面、性能面などの問題は国鉄をはじめ、鉄道会社に与えた影響は大きく、後に様々な種類のVVVFインバーター制御方式を誕生させるきっかけとなりました。平成20年に後継車種となるE233系2000番代投入により、廃車となりました。

クハ206-901(2位側) クハ207-901(2位側)

クハ206-901
代々木上原方の偶数向き制御車です。ATC保安装置の機器を床下に搭載しています。
クハ207-901
取手方の奇数向き制御車です。クハ206-901と同一構造ですが、蓄電池も搭載しています。

モハ206-903(2位側) モハ207-903(2位側)

モハ206-901~903
インバータ装置、電動発電機を搭載するM2車。1M方式に近い設計であり、モハ207-901~とはユニットではありません。
モハ207-901~903
パンタグラフ、インバータ装置、電動空気圧縮機、蓄電池を搭載するM1車。モハ206-901~の隣に位置しています。

サハ207-902(4位側)

サハ207-901・902
サハ205形式をベースに設計されており、近い外観となっています。床下はブレーキ関係の機器のみ搭載しています。




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