
諸 元
| 最大長 | 20000mm |
| 最大幅 | 2900mm |
| 最大高 | 3652mm |
| 主電動機 | MT61形式(150kw) |
| 制御方式 | サイリスタ位相制御方式 |
| 制動方式 | 回生ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキ(抑速ブレーキ付き) |
| 動力台車 | DT21D形式 |
| 附随台車 | TR62形式 |
車内設備など
| 座 席 | セミクロスシート |
| 乗降扉(片側) | 2扉 |
| 便所の有無 | あり |
| その他 |
概要
713系は交流電化区間の輸送改善を目的に昭和58年に登場しました。その登場にはちょっぴり複雑な経緯があります。
直流電化区間や交直流両用の電気車では抵抗制御方式が用いられており、主抵抗器を発電ブレーキのエネルギー消費に使用出来ますが、交流電化区間の電気車の制御方式であるサイリスタ位相制御方式の場合、主抵抗器がない為、発電ブレーキを使用するには抵抗器を搭載する必要があり、車輛の重量増加や車輛構成を考えなければならず、主電動機を用いた回生ブレーキ(主電動機の回転を変える事で発電機として動作させ、運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、制動力として利用する電気ブレーキの一つ。)を用いる事が有効であり、省エネルギーが期待できます。
この回生ブレーキは昭和42年から試験が本格的に始まり、昭和43年には電気機関車で抑速ブレーキとしての実用化に至りました。回生ブレーキを停止するまで使う停止ブレーキの実用化は誘導障害などの難題を解決しなければならず、昭和56年に実用化の目途がつきました。
一方で、交流電化区間の延伸は少しずつ進みましたが、北海道地方を除いた東北、北陸、九州地方ではとある問題が浮き彫りになりつつありました。電化区間は歴史的な経緯から直流電化区間が混在し、相互乗り入れする為に交直両用電車が開発されました。この電車は都市を結ぶ急行や特急列車を中心に行われ、普通列車では常磐線や北九州地区で行われた程度で、多くの普通列車は旧型客車列車や気動車、急行列車の間合いで急行形電車が使われ、輸送改善を求められましたが、交直両用電車は高価な車輛であり、財政悪化の国鉄には重い負担となりました。
延伸区間が拡大すると、東北地方や九州地方では交流電化区間内での運用が多くなり、「ん?交直両用電車は必要ないんじゃない?交流だけ走れる電車が欲しいなぁ。」という声が出てきました。
そこで、特に電車化の希望が高かった九州地方。輸送需要の適正化、本州乗り入れを行わない考えである事から、北海道地方で活躍する711系と同じ交流電車の開発が行われる事になりました。これが713系になります。417系の交流電車版の製作です。
九州地方には連続する急勾配が幾つかあり、抑速ブレーキが必要でした。設計時に回生ブレーキと発電ブレーキを検討した所、発電ブレーキでは予定の1M1Т編成が成り立たない為、出来立てほやほやの回生ブレーキを採用。713系が実用化第1号の電車となります。
713系を大量に増備し、九州地方の経営改善を図ろうとしましたが、台所事情が火の車であり、偉い人の判断で余剰となった581系、583系を格下げ改造した車輛を投入すれば良い。となり、量産車化は断念する事に。量産車化は実現しませんでしたが、試作車という名目で2両編成8両が製作される事になり、昭和58年に713系が登場しました。
713系は1M方式を採用し、1M2Тの3両編成を基本としました。(実際は1M1Тの2両編成)25‰の勾配も415系4両編成(2M2Т)と同等の運転時分で走行出来る能力を持たせました。車体は新製コスト低減の為、腐食対策を施した普通鋼が採用され、417系のデザインを踏襲したものとなっています。この他、コストダウンを図るべく、在来の機器や部品をそのまま使用、改良したものを使用しているのが特徴です。
制御方式はサイリスタ位相制御方式で、主電動機は711系で採用されたものを改良したMТ61形式。713系では分巻整流子電動機としていますが、後に通常の直巻整流子電動機として205系や211系に採用されています。
長崎本線に投入され活躍を始めました。平成8年から宮崎地区での運用に変わり、同年に開業した宮崎空港線のシャトル列車として大幅なリニューアル工事を受けました。平成20年に主制御機器が換装され、試作車を意味する900番代から0番代に改番され、900番代は消滅しました。令和4年に一部編成が運用を離脱しており、終焉の時も近いようです。
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| クモハ713-901(1位側) | クハ712-901(2位側) |
クモハ713-901~904
パンタグラフ付き制御電動車です。1M方式である為、主要機器類の殆どを搭載しています。交流電車では初となる回生ブレーキを装備しています。
クハ712-901~904
クモハ713形式と対で組まれる制御車です。3位側にトイレを設置しています。床下には電動空気圧縮機を搭載しています。