115系近郊形直流電車

諸 元

最大長  20000mm
最大幅  2900mm
最大高  4140mm
主電動機  MT54形式(120kw)
制御方式  直並列抵抗制御方式、弱め界磁制御方式
制動方式  発電ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキ、抑速ブレーキ
動力台車  DT21B形式
附随台車  TR62形式

車内設備など

座  席  ロングシート又はセミクロスシート
乗降扉(片側)  3扉(普通車)、2扉(3000番代、3500番代)
便所の有無  あり
その他  

概要

 昭和32年に登場した新性能電車101系の登場後、特急形、急行形の発展に寄与し、怒涛の勢いで交直流電車、近郊形電車の登場まで発展し、同時に出力を大きくした主電動機の開発などによる新系列が次々と登場しました。また、電化区間の延伸も進められ、山岳路線へも拡がっていきました。この様な中、東北本線上野口、高崎線の電化開業を昭和37年に行い、同時に新性能電車の投入が計画されました。
 東北本線上野口、高崎線の枝分かれする路線に日光線、上越線などがあり、これらの線区は勾配線区です。111系では主電動機が100kwと出力が小さい。解決する方法は電動車の比率を高くするか、補助機関車の連結があります。電動車は高価であり、製造やメンテナンス面ではコストがかかり過ぎる。機関車の連結も不経済です。
 そうこうしていると、111系に用いられる主電動機の出力向上(120kw)を図った113系が登場。この113系を勾配線区及び寒冷地仕様とした新系列の設計が行われ、昭和38年に115系が登場。改良を重ねながら昭和58年まで1921両が製造されました。
 基本構造は113系と同じで、共通部品を多用する事でコストの低減を図っています。但し、勾配線区での運用がある事から、同時期に165系向けに開発された主制御器を採用しています。この主制御器はノッチ戻し機能付き、抑速ブレーキ装備のものです。また、寒冷地での運用である事から、半自動機能を備えています。
 東北本線上野口、高崎線から中央本線など様々な山岳路線に進出し、活躍をしました。

0番代
 本系列の基本となるグループ。113系と同じ片側3扉、セミクロスシート仕様ですが、寒冷地や降雪地域での運用をする為、乗降扉は半自動機能付き、通風器は押込み型、主電動機冷却風取込み口を車内に設置するなどの違いがあります。

クハ115-35(1位側) クハ115-51(1位側)

クハ115-1~46
0番代の制御車で、外観はクハ111形式と同じ。奇数、偶数向きどちらでも使用が出来る両渡り構造が採用されてます。車内はトイレの設備が3位側にあります。
クハ115-47~98
少し変化が見られ、乗務員扉直上まで雨樋が延長されています。なお、運転台は中間車代用時は仕切り扉を折畳み、フリースペースに出来る構造となっています。

クハ115-213(1位側) クハ115-223(2位側)

クハ115-99~214
乗務員の作業環境改善の為、運転台上部の通風器を箱型に変更しています。193~214番は横軽対策施行車となっています。
クハ115-215~228
本番代のクハ115形式最終増備車グループ。耐雪構造の強化が図られており、外観ではタイフォンカバーがシャッター式に変更されています。215番、216番の2両は横軽対策施行車となっています。

クハ115-551(2位側) クハ115-552(2位側)

クハ115-551~
昭和58年に登場した番代で、越後線、弥彦線電化開業用及び広島地区列車増発用として、モハ114形式0番代、モハ115形式0番代を電装解除し、先頭車化改造を行いました。運転台は1000番代に準じた2位側を拡大したものを接合しています。奇数向き制御車で、トイレの設備はありません。552番のみモハ114形式からの改造で、床下機器配置が異なるほか、前位側屋根にパンタグラフ用ランボードが残っています。

クハ115-603(1位側) クハ115-604(2位側)

クハ115-601~606
昭和58年に登場した番代で、岡山地区列車増発に伴う制御車の不足から、クハ111形式300番代を改造、編入しました。主幹制御器の交換、半自動機能追加の工事が行われています。グローブ型ベンチレーターがそのままとなっているのが特徴です。

クハ115-617(1位側) クハ115-622(1位側)

クハ115-607~619
昭和58年に登場した番代で、広島地区の列車増発に伴う制御車不足から、サハ115形式0番代を先頭車化改造したグループです。前位側に1000番代に準じた2位側を拡大した運転台を設置しています。偶数向き制御車として連結されます。
クハ115-620~622
平成6年に登場したグループで、非冷房車であったクハ115-601~606の一部を置き換えるため、クハ111形式300番代(冷房車)を改造、115系に編入したものです。写真の622番のみ、リニューアル工事を受け、張り上げ屋根など特徴あるスタイルとなっていました。

 クハ115-652(左1位側、右2位側)

クハ115-651~654
昭和58年に登場したグループで、広島地区の列車増発に対応する為、モハ114-1~を電装解除し、先頭車化改造したものです。AU12形式冷房装置を6基搭載しているのが特徴です。3位側にトイレの設備を備えています。種車の相方となるモハ115-1~はクハ115形式550番代に改造されています。

クモハ115-4(1位側) クモハ115-8(2位側)

クモハ115-1~
中央本線大月駅から富士急行線への相互乗り入れ開始に伴い、編成両数を3両編成とする必要から登場した奇数向きの制御電動車で、昭和41年に登場しました。運転台後方の戸袋窓上にあるルーバーは主電動機冷却風取入れ口。

クモハ115-503(2位側) クモハ114-502(1位側)

クモハ115-501~
昭和58年に登場した番代で、越後線、弥彦線電化開業用として用意されました。モハ115-1~を先頭車化改造したもので、1000番代に相当する運転台ブロックを接合しています。同じく先頭車化改造したクモハ114-501~とユニットを形成する車輛と、種車時代にユニットを組んでいたモハ114-1~とユニットをを組む2つのグループがあり、20両が改造されています。
クモハ114-501~
昭和58年に登場した番代で、モハ114-1~を先頭車化改造したものです。上記のクモハ115-501~と改造内容は同じで、ユニットを組んで活躍しました。

クモハ115-554(1位側) クモハ114-554(2位側)

クモハ115-551~554
平成元年に登場した番代で、モハ115-1~を先頭車化改造したものです。クモハ115-501~とほぼ同じ改造内容ですが、運転台は廃車となったクハ115-1~のものを接合している。当初は非冷房車でしたが、バス用冷房装置を改造したWAU202形式冷房装置を搭載しました。3位側に冷房装置の機械室が設置されています。
クモハ114-551~554
平成元年に登場した番代で、クモハ115-551~とユニットとなる形式。モハ114-1~を先頭車化改造したものです。

モハ115-30(1位側) モハ115-118(4位側)

モハ115-1~135
主制御器、主抵抗器など走行に必要な機器を搭載した中間電動車です。83番以降は主制御器内部の配線を改良したCS15B形式、94番以降は継電器を無接点化したCS15C形式に変更、107番以降は応荷重装置準備工事、耐雪構造を強化したCS15E形式が採用されています。94~107番は横軽対策施行車となっています。

モハ114-102(1位側) モハ114-95(2位側)

モハ114-1~121
パンタグラフを屋根に搭載し、床下に電動発電機、電動空気圧縮機など補助機器を搭載した中間電動車です。83番以降は電動空気圧縮機の容量をあげています。

モハ114-827(4位側) サハ115-35(3位側)

モハ114-801~831
昭和41年にクモハ115-1~と共に登場したグループです。中央本線高尾以西の狭小トンネルに対応する際、折畳み高さを確保する為、パンタグラフ部分の屋根高さを下げたもので、通称「低屋根車」と呼ばれました。国鉄時代はこの狭小トンネルに対応する低屋根車を800番代として区分していましたが、何故800番代としたのか。諸説あり、その1つに「8」=ヤマ(山)という意味を表したのではないか。と言われています。写真は最後の1両として、JR東日本八王子支社豊田電車区(現:豊田車両センター)所属の訓練車に使用された車輛です。
サハ115-1~37
中央本線が電化開業する際に、115系の基本編成をクモハ115+モハ114-800+サハ115+クハ115の4両編成とする為、昭和41年に登場した中間附随車です。後に本形式を抜いた3両編成に改められた為、全国各地に転出。先頭車化改造の種車として多くの車輛が供出されています。サハ115-25~30は横軽対策施行車となっています。

300番代
 昭和48年に登場した番代で、0番代のモデルチェンジ車に相当します。最大の特徴は通勤形、近郊形電車にも冷房装置を標準装備とする事になり、本番代では新製時よりAU75C形式集中式冷房装置が搭載されている点があります。
 冷房装置を搭載した事により、冷房装置の給電を賄う為、モハ114形式に搭載される電動発電機は160kvAの大容量になり、自車を含めて最大4両まで給電が出来ます。冷房電源用三相引通し線が新たに発生した事により、片渡り構造となっています。この為、奇数向きと偶数向きの固定が行われ、クハ115形式は偶数番号は偶数向き、奇数番号は奇数向きと向きが決められています。
 客室設備はユニットサッシ窓化、行先表示器準備工事が実施され、製造工数削減、メンテナンス面での省力化が図られています。また、登場の前年となる昭和47年に発生した北陸トンネル列車火災事故の教訓を活かす為、長大トンネル走行時の火災対策が盛り込まれ、A-A基準に対応する構造(座席、床面材などの難燃化、配線のダクト化、断路器の屋根上設置など)としています。
 乗務員の作業環境改善も実施されており、機器配置を人間工学に基づいて設計し、乗務員室の拡大、仕切りの改善、踏切事故対策として前面強化構造とするなどが実施されています。この他、中央本線高尾以西の狭小トンネルに対応する為、パンタグラフの改良が行われており、800番代車は製作されていません。
115系の中で、先頭車化改造などの改造車が発生していないのもこの番代の特徴の一つです。理由として考えられるのが、冷房車である事(連結方向など決まった事柄があり、改造には不向き。)や使用される線区で他の番代が多かった事や改造に至る需要が無かった。というのが考えられます。

クハ115-318(1位側) クハ115-370(1位側)

クハ115-301~
0番代のクハ115-1~のマイナーチェンジ車。冷房装置の搭載や乗務員室拡大と大きな変化は見られますが、客室の座席配置、窓割り、トイレ窓などはほぼ同じとなっています。写真は偶数向き制御車(偶数番号)を示す。444~496番は偶数向き制御車のみの製作である為、奇数番号は存在していません。

クハ115-443(1位側) クハ115-335(2位側)

クハ115-301~
写真は奇数向き制御車(奇数番号)の様子です。ジャンパ栓が三相交流を電源としている為、3本となっています。

クモハ115-312(1位側) クモハ115-310(2位側)

クモハ115-301~
奇数向き制御電動車です。基本的に麓側に連結される車輛となります。主制御器、主抵抗器など走行に必要な機器を搭載しています。運転台直後の戸袋窓上部に主電動機冷却風取入れ口が設置されており、0番代と意匠は同じ。という事がわかります。

モハ115-336(3位側) モハ115-322(4位側)

モハ115-301~
主制御器、主抵抗器など走行に必要な機器を搭載した中間電動車です。モハ115-1~のモデルチェンジ車で、冷房装置搭載、ユニットサッシ窓化したスタイルとなります。329番以降は通風器の配列が変更されています。

モハ114-346(1位側) モハ114-311(4位側)

モハ114-301~
パンタグラフ、電動発電機、電動空気圧縮機を搭載する中間電動車です。モハ114-1~のモデルチェンジ車です。電動発電機は冷房用電源を出力する為、160kvA(三相交流440V)の大出力となっています。写真左のように降雪対策によりシングルアームパンタグラフに換装した車輛や電動発電機からSIV装置に換装した車輛もありました。

サハ115-317(3位側) クハ115-759(1位側)

サハ115-301~
中央本線向けに製作された中間附随車で、サハ115-1~のモデルチェンジ車に相当します。
クハ115-759
平成25年に115系の初期型制御車の老朽化、置換え用として本番代の平坦線区向けである113系700番代のクハ111形式750番代(クハ111-759)を改造した車輛です。主幹制御器、ジャンパー連結器の交換などを行いました。227系の投入により、平成27年に廃車となっており、2年程の活躍でした。

1000番代
 昭和52年に登場した番代で、上越線、信越本線などの寒冷地、積雪地域での運用を行うために300番代よりも更に耐寒・耐雪構造を強化しました。また、合わせて居住性改善(シートピッチ改善)を行っています。
 耐寒・耐雪構造の強化では、主電動機への浸雪防止の為、車体側面にあった主電動機冷却風取入れ口を廃止し、新たに1及び4位側に雪切室を設置し、側面にルーバーがあり、外観の特徴になっています。この他に台車やブレーキ関係など多数の耐寒・耐雪に対する強化が施されています。
 車内では、クロスシートの窮屈さがすこぶる評判が悪いため、急行形並みのシートピッチに拡大しており、窓割りが大きく異なっています。この他、乗降扉の半自動機能動作時(手動操作時)の開閉の負担を軽減するため、戸閉装置の改良が行われています。
 当時、普通列車用車輛の冷房化が推進されていましたが、使用される長野、新潟地区は夏季でも酷暑とはなり難い気候である事、財政難によりお財布の紐を固くする必要があった事から、非冷房車として落成させ、将来冷房装置を搭載する際は工事の簡略化、工期の短縮化を図れる構造とした冷房準備車としています。(電動発電機は暖房装置容量増加のため、160kvAのタイプとしています。)

クモハ115-1018(1位側) クモハ115-1031(2位側)

クモハ115-1001~
雪切室の設置、シートピッチ改善により、0番代、300番代の同形式とは外観が大きく異なります。冷房準備車(非冷房車)時は運転台直上の通風器は箱型のものでしたが、冷房装置を搭載した際に押込み型に交換されています。

クモハ115-1565(1位側) クモハ115-1515(2位側)

クモハ115-1501~
昭和58年に登場した番代で、長編成から短編成化し、運転本数を増やすフリークエントサービス実施に伴い、不足となる先頭車を中間車の先頭車化改造して捻出する方法が盛んに行われ、1000番代も対象となり、モハ115-1001~を種車に先頭車化改造が行われました。クモハ115-1001~とほぼ同じ仕上がりですが、通風器の配列が異なります。

クモハ114-1514(1位側) クモハ114-1510(2位側)

クモハ114-1501~
昭和58年に登場した番代で、モハ114-1001~を先頭車化改造したもの。後位側に運転台、3位側にトイレの設備を備えています。(写真の1514番は後に撤去し、客室に戻しています。)

クハ115-1051(1位側) クハ115-1218(2位側)

クハ115-1001~1099・1201~1243
偶数向き制御車です。雪切室がありませんので、クモハ115形式とは窓の数が異なります。写真左1051番は冷房装置をAU712形式とした変わり種。集中式冷房装置の設置を見込んで付けられたランボードがそのまま残っています。

クハ115-1123(1位側) クハ115-1102(2位側)

クハ115-1101~1141
奇数向き制御車です。一つの列車のトイレを偶数車に集約する為、トイレを設置していない仕様としています。基本構造はクハ115-1001~と同じです。

クハ115-1152(1位側) クハ115-1244(2位側)

クハ115-1142~1159
トイレなしの奇数向き制御車でしたが、1142番以降は3位側にトイレを復活させた仕様となっています。
クハ115-1244~1249
昭和59年に登場したグループで、偶数向き制御車が不足した事から、トイレ付で登場した奇数向き制御車(クハ115-1142~)を方向転換したものです。

クハ115-1401(1位側) クハ115-1501(2位側)

クハ115-1401~1405
昭和61年に登場した番代で、岡山地区の編成見直しにより、偶数向き制御車が不足した事からクハ115-1001~を方向転換し、改番したものです。
クハ115-1501~1513
昭和58年に登場した番代で、サハ115-1001~を先頭車化改造したものです。奇数向き制御車なので、トイレは設置されていません。

クハ115-1601(2位側)

クハ115-1601
昭和58年に登場した番代で、クハ115-1501~と同じくサハ115-1001~を先頭車化改造したものです。3位側にトイレを設置した偶数向き制御車で、改造後方向転換を行い、向きを揃えています。

モハ115-1079(1位側) モハ115-1100(4位側)

モハ115-1001~
主制御器、主抵抗器など走行に必要な機器を搭載した中間電動車です。1、4位側に雪切室、2、3位側に配電盤が設置されています。座席はシートピッチ改善を図った事から、車端部をロングシートにしています。半数近くの車輛が先頭車化改造の種車に供出されています。

モハ114-1134(1位側) モハ114-1186(4位側)

モハ114-1001~
電動発電機、電動空気圧縮機など補助機器を搭載するパンタグラフ付中間電動車です。霜取り用パンタグラフを増設した車輛や、シングルアーム式パンタグラフに換装、電動発電機からSIV装置に換装した車輛があります。

モハ114-1095(3位側) モハ114-1153(4位側)

モハ114-1001~
写真はJR西日本広島支社(1095番)、岡山支社(1153番)所属の車輛の例。霜取り用パンタグラフを増設した車輛が見られました。また、半自動機能のボタン操作扱いにより、乗降扉付近にボタン操作パネルが設置されています。この際、戸袋窓の一部が埋められた他、大きさを変更しています。体質改善工事N30、N40工事共通のようです。また、モハ115形式も同様に改造が行われています。

サハ115-1019(1位側)

サハ115-1001~
中間附随車で、シートピッチ改善を図った為、トイレは設置されていません。車端部は雪切室が無い事からクロスシートととなっています。

2000番代
 1000番代と同じ昭和52年に登場した番代で、広島、下関地区で活躍するモハ80系などの旧性能電車を新性能電車化する目的で投入されました。温暖な地域に投入する事から、耐寒・耐雪構造を300番代と同程度にしています。雪切室が省略されており、主電動機冷却風取入れ口は妻面に設置。念の為、切替装置により車内からの吸気も可能としています。
 車内は1000番代と同じですが、雪切室が無い事から車端部はクロスシートとなっています。運転台では踏切事故対策として前面強化が行われています。
 昭和56年に身延線の旧性能電車置換えの為、増備される事に。3両編成を基本とする事からクモハ115形式が登場。また、身延線内に存在する狭小トンネルに対応したモハ114形式も登場しました。こちらも冷房準備車として落成しています。
 身延線向けの2000番代はもう一つ特徴があり、それが「
塗装色」です。従来の湘南色や横須賀色ではなく、甲州ぶどうをイメージしたワインレッド(赤2号)をベースに富士山の雪をイメージした白色(クリーム10号)の帯を巻きました。現在ではごく当たり前となっている地域色の嚆矢とも言える試みが実施された他、帯は塩化ビニールテープを貼り付けたもので、国鉄では初の試みで、塗装簡略化の手法として様々な車輛に採用される事となりました。

地域色の先駆けとなった「身延色」。後に湘南色になり消滅。復刻塗装の際、赤2号(ワインレッド)を「ぶどう色」で指示したそうで、真っ茶色の塗装に白帯という姿で登場。国鉄塗装色での「ぶどう色」とはこげ茶色の事を意味しており、旧型国電を再現したような姿になったそう。目的が違うので直ぐに正しい写真の姿になったという逸話が残っています。

クハ115-2001(1位側) クハ115-2030(1位側)

クハ115-2001~2021
本番代の偶数向き制御車です。クハ115-1001~とは耐寒・耐雪構造が少し簡略化されているものの、同一設計となっています。3位側にトイレの設備があります。写真は広島地区の体質改善N40工事を施した車輛です。
クハ115-2022~2034
身延線向けに増備されたグループです。冷房準備車として落成しています。

クハ115-2037(1位側) クハ115-2108(1位側)

クハ115-2035~2041
昭和58年に登場したグループで、越後線、弥彦線電化開業に伴い、身延線向けに製作されたトイレ付奇数向き制御車であるクハ115-2122~2129を方向転換し、偶数向き制御車としました。これにより、身延線向けのクハ115形式2100番代は消滅しています。
クハ115-2101~2121
奇数向き制御車で、トイレが無い車輛です。1000番代のクハ115-1101~と同じ構造となっています。

クハ115-2515(1位側) クハ115-2516(2位側)

クハ115形式2500番代
平成24年に広島地区に登場した番代で、113系のクハ111形式2000番代の主幹制御器などの交換を行い、115系に編入したものです。車輛番号は原番号に500番を加えたものとしています。クハ111形式時代に高速化改造、電気連結器を装備するなどにより、番号が変更していた車輛は原番号まで遡って付与しています。

クハ115-2642(1位側) クハ115-2620(2位側)

クハ115形式2600番代
平成24年に広島地区に登場した番代で、トイレのない奇数向き制御車であるクハ111形式2100番代を種車に115系に編入した番代となります。クハ115形式2500番代と改造内容は同じとなっています。

クモハ115-2001(1位側)

クモハ115-2001~
昭和56年に登場した身延線向けに製作された奇数向き制御電動車です。クモハ115-1001~と同一構造ですが、雪切室が無い為、窓割りが異なります。

モハ115-2002(1位側) モハ115-2003(2位側)

モハ115-2001~
モハ115-1001~と同じ設計ですが、雪切室が無い為、車端部はクロスシートとなっています。

モハ114-2014(3位側) モハ114-2003(2位側)

モハ114-2001~
本番代のパンタグラフ付中間電動車です。モハ114-1001~と同じ設計ですが、雪切室が省略されているので外観が異なります。

モハ114-2609(2位側)

モハ114-2601~
昭和56年に登場した身延線向けに製作されたパンタグラフ付中間電動車です。身延線の前身である富士身延鉄道では、トンネル内のレール面からパンタグラフ折畳み高さが中央本線の狭小トンネルよりも低く、本系列の300番代、1000番代に使用されるPS23A形式では絶縁距離が確保出来ないため、本番代が製作される事になりました。距離を確保するため、パンタグラフ部分の屋根高さを20mm低くしており、特殊仕様となっています。この他はモハ114-2001~と同一の設計となっています。

3000番代・3500番代
 昭和57年、下関地区で使用される153系の置換えと同時に、列車編成を短縮化し、運転本数を増発してサービス向上を行う事が決定し、この列車を「ひろしまCity電車」と命名。目玉となる車輛として開発、製作されたのが3000番代となります。
 導入するにあたり、競合する他の交通機関との対抗をするには、更なるサービス向上が必須であったことから、京阪神地区で活躍していた2扉クロスシートの117系に着目。117系の接客設備と115系を組み合わせた仕様が設計され、3000番代が誕生しました。2扉クロスシート仕様は3000番代のみであり、115系の中でも異色の存在となっています。
 車体構造は117系、主要機器類は2000番代を基本とし、乗降扉は片側2扉、客室窓は2連タイプ、転換式クロスシートを配しています。乗降扉付近は混雑時を考慮し、ロングシートとなっています。
 編成は4両編成を基本とし、3000番代のみで組成されたものと、111系又は115系のユニットとした2種類があり、後者は非冷房仕様でした。塗装色はクリーム色に青帯を巻いた「瀬戸内色」とし、広島地区の地域色になりました。
 平成3年に京阪神地区で117系による新快速の運用が削減される事となり、一部編成を4両編成化し、他線区へ転属させる事になりました。その際に余剰となったユニットを非冷房車の残る山陽本線系統へ置換えとして投入が決まり、115系化させる工事が実施され、平成4年に3500番代が登場しました。

クハ115-3007(1位側) クハ115-3013(2位側)

クハ115-3001~
下関方に位置する偶数向き制御車です。3位側にトイレの設備があり、その向かいは固定式クロスシートが配されています。電動空気圧縮機を搭載していますが、これは111系ユニットと組んだ際に容量不足である事から搭載されています。

クハ115-3115(1位側) クハ115-3104(2位側)

クハ115-3101~
大阪方に位置する奇数向き制御車です。登場時は非冷房車としていた車輛もありましたが、全車輛が冷房化されています。

モハ115-3001(2位側) モハ114-3004(2位側)

モハ115-3001~
主制御器、主抵抗器など走行に必要な機器を搭載した中間電動車です。この他に、駅間で動けなくなった時を考え、最寄り駅まで移動できるように非常時運転用の500vAのSIV装置を搭載しています。
モハ114-3001~
パンタグラフ付き中間電動車です。パンタグラフ故障を考え、予備パンタグラフを備えています。(写真は撤去しています。)電動発電機はメンテナンスフリーを図った190kvAの出力を持つものを搭載しています。

モハ115-3508(1位側) モハ115-3012(2位側)

モハ115-3501~
モハ117-1~を改造し、編入したグループ。種車の関係から、モハ115形式では初めてのパンタグラフ付き車輛となっています。平成18年より体質改善N30工事が実施され、117系時代にあった新鮮外気導入装置が撤去されています。

モハ114-3504(1位側) モハ114-3506(4位側)

モハ114-3501~
モハ116-1~を改造し、編入したグループ。種車の関係からパンタグラフは装備されていません。改造の際、乗降扉間のみ転換クロスシートとし、他をロングシートに改造しています。

シールドビーム改造車など
 本系列の0番代や113系初期車などの前部標識灯(ヘッドライト)は白熱灯を用いたもので、照度が低い問題があり、300番代以降は夜間における視認性向上を目的に照度を高めたシールドビーム灯が採用され、以降の基本となりました。
 白熱灯を持つ車輛もシールドビーム灯への交換が行われます。灯具の口径が異なるため、ライトケースごと撤去し、シールドビーム灯の径を穴の開いた鉄板で塞ぎ、整形するのが一般的な手法でした。改造費を安価で出来ないものかと試作的な要素を含めた改造を行った車輛があります。

クハ115-207(1位側) クハ115-192(1位側)

 写真左はJR東日本見られたもので、白熱灯のケースにリング状の枠をはめ込み、シールドビーム灯を設置する方法。一方、写真右はJR西日本で見られたもの。白熱灯のケースを塞ぎ、廃車発生品のシールドビーム灯を設置したものです。

 

 写真は平成元年に撮影したもの。記録が無く車番は不明ですが、上野駅で撮影。なんだろう?としげしげ見ていると、運転士さんが「前面窓を洗う装置」と教えて頂いた。一部の車輛では標準装備となっているウオッシャー装置の試験機で、前照灯上部の手すりに付けた装置から水を出して、実演してもらった。とても良い思い出の一つです。

JR西日本の改造車
 115系は国鉄からJR東日本、東海、西日本に引き継がれ、冷房化などが実施されましたが、JR西日本は輸送実態に合わせて様々な改造車を製作しました。

★高速化対応改造車
 東海道本線(JR京都線)、山陽本線(JR神戸線)を中心とした輸送力増強に伴い、車輛不足を補う為に115系が充当されました。この際に113系と同じく、原番号に5000番を加える事を基本とした高速化対応工事が実施されました。
 その後、113系の撤退に伴い、115系も再び地方へ転出。その際に仕様を元に戻し、原番号に復帰した車輛が多く見られました。

300番代を種車としたグループ

クハ115-5350(2位側) クモハ115-5802(1位側)

クハ115形式5300番代
クハ115形式300番代に高速化対応工事を実施したもの。応荷重装置の装備、ブレーキ装置の改造を行いました。原番号に5000番を加えています。
クモハ115形式5800番代
クモハ115形式300番代に高速化対応工事を実施したもので、原番号に5000番を加えましたが、ブレーキてこ比も変更した為、更に500番が加えられました。

モハ114-5830(1位側)

モハ114形式5800番代
モハ114形式300番代に高速化対応工事を実施したもので、合わせててこ比を変更も変更した事から、原番号に5500番を加えています。

1000番代を種車としたグループ

クハ115-6082(1位側) モハ115-6615(2位側)

クハ115形式6000番代
クハ115-1001~又は-1101~に高速化対応工事を実施したもの。原番号に5000番を加えています。
モハ115形式6000番代、6500番代
モハ115-1001~に高速化対応工事を実施したもの。原番号に5000番を加えています。更にブレーキてこ比を施した車輛は500番を加えています。

モハ114-6198(4位側) モハ114-6605(2位側)

モハ114形式6000番代、6500番代
モハ114-1001~に高速化対応工事を実施したもの。原番号に5000番を加えています。更にブレーキてこ比を施した車輛は500番を加えています。

★舞鶴線用6000番代、6500番代
 平成11年舞鶴線綾部~東舞鶴駅間電化開業に伴い、登場した番代です。種車は1000番代のクモハ115形式+モハ114形式のユニットで、モハ114形式は先頭車化改造を行いました。
 モハ114形式の先頭車化改造では、新しい運転台は窓配置、灯具類の配置を既存車と同じとしつつ、車体の構体を活かした改造となっており、切妻形形状となっています。この他、廃車発生品を多用する事で工事費の低減も図っています。一方、クモハ115形式はトイレの設備を追加する工事が実施されています。
 両車の共通した改造では、ワンマン運転に対応した機器の搭載、体質改善40N工事(座席はセミクロスシートのまま。)、半自動機能の電気指令式化、自動解結装置及び電気連結器の装備などが行われています。
 平成20年まで活躍し、下関地区へ転属。改番を行った為、本番代は消滅しています。

クモハ115-6538(2位側) クモハ114-6627(1位側)

クモハ115形式6500番代
クモハ115-1501~又は高速化対応工事を受けた6500番代を種車としており、前者は5000番を加えています。4位側にトイレを設置し、3位側に車椅子スペースを設置しています。
クモハ114形式6000番代、6500番代
モハ114-1001~を先頭車化改造したもので、同時に高速化対応工事を実施。この改造車は6000番代。この工事に加えて、ブレーキてこ比の改造を施した車輛は500番を加えて6500番代としています。どちらも改造内容は同じですが、6000番代では霜取り用パンタグラフを増設しており、外観の特徴になっています。

★下関地区用1000番代、1500番代
 上述の舞鶴線用6000番代、6500番代は平成20年に223系5500番代に置き換えられ、下関地区へ転属する事になりました。この際に高速化対応の装備等の解除、自動解結装置及び電気連結器の撤去。ワンマン運転に対応した機器の使用停止が行われ、原番号から5000番を差し引かれました。これにより、既存車の同番代とは異なる派生した番代となっています。

クモハ115-1539(1位側) クモハ115-1538(2位側)

クモハ115形式1500番代
クモハ115形式6500番代を改造したもので、外観の変化はありません。原番号に復帰した形になりますが、トイレが設置されている等、他の1500番代とは異なる存在となっています。

クモハ114-1106(1位側) クモハ114-1625(1位側)

クモハ114形式1000番代
クモハ114形式6000番代を改造したもので、外観の変化はありません。1両のみの改造で、霜取り用パンタグラフが外観の特徴となっています。
クモハ114形式1500番代
クモハ114形式6500番代を改造したもので、ブレーキてこ比の変更はそのままとしている為、原番号を5000番差し引いたのみとなっています。下の写真は2位側から見た様子。

クモハ114-1627(2位側)

★伯備線・山陰本線用1000番代、1500番代
 平成13年に伯備線及び山陰本線新見~西出雲駅の普通列車をワンマン運転化する為に、1000番代のクモハ115形式+モハ114形式のユニットを改造したものです。
 モハ114形式は先頭車化改造が行われました。通常は貫通扉を設けますが、併結運転時に使用しない事から、非貫通の103系高運転台車に似たユニットを設計し、接合しています。運転台機器は廃車発生品を多用し、低コスト化を図っています。運転台設置により、主電動機冷却風取入れ口の雪切室が廃止され、運転台下から吸気する方法に変更しています。クモハ115形式はトイレ、車椅子スペースの設置が行われています。
 両車の共通した改造は、ワンマン運転に対応した機器の搭載、半自動機能の電気指令式化、体質改善40N工事の実施が行われました。

クモハ115-1518(1位側) クモハ115-1516(2位側)

クモハ115形式1500番代
岡山方の制御電動車です。モハ115形式を先頭車化改造した1500番代が種車で、番号の変更はない。3位側にトイレ、4位側に車椅子スペースを設けており、外観は変化しています。

クモハ114-1117(1位側) クモハ114-1173(2位側)

クモハ114形式1000番代
西出雲方のパンタグラフ付き制御電動車です。モハ114形式を先頭車化改造したもので、番号は種車時代のままです。構体を活かした切妻形の運転台が特徴となっています。前位側が霜取り用パンタグラフで、1両を除いて増設されています。

★岡山地区用1600番代
 平成16年に登場した番代で、岡山地区の輸送力見直しにより4両編成を3両編成化する事になり、4両編成のモハ115形式を先頭車化改造しました。種車の原番号に600番を加えています。種車の一部に高速化対応工事を受けた車輛があり、これを解除し原番号に復帰させた上で、原番号に600番を加えています。
 改造は上述の伯備線で活躍するクモハ114形式1000番代と同じ、構体を活かした改造を行っています。非貫通ではなく、貫通扉を設けています。また、体質改善30N工事が合わせて実施されています。

クモハ115-1711(1位側)

クモハ115形式1600番代
モハ115-1001~を先頭車化改造したもの。おでこが広い愛嬌のある前面となっています。

★体質改善車
 115系も113系と同じく、経年劣化、陳腐化が目立ち始めた事から、国鉄時代では「特別保全工事」が実施されており、主に外板の補修、空気配管、主回路配線の交換が行われました。
 しかし、後継車種が登場すると見劣りは否めず、新型車輛に合わせた接客設備の改善、部品共通化によるコストダウン、効率化を目的に平成10年から体質改善40N工事、体質改善30N工事が行われ始めました。113系と同じ内容なので、詳しくは113系をご覧下さい。
 115系では体質改善工事に113系では見られなかった「
閑散地区用車体体質改善工事」というものが実施されており、工事は30N工事に近いのですが、内装ではなく、外装の更新をするという内容で、内装に関しては化粧板の交換、車椅子スペースの設置、表記類の変更のみが行われました。この工事を実施するにあたり、試験車といった異端車が登場していました。

クハ115-218(2位側) クハ115-219(2位側)

クハ115-165・218
閑散地区用車体体質改善工事の試作車的要素を持つ車輛です。改造内容はロングシートを撤去し、大型のクロスシートを設置。これに合わせ、シートピッチ拡大を行いました。化粧板もこげ茶色のものに張替えています。
クハ115-219・622
一見すると40N工事のような、30N工事のような感じですが、雨樋の埋没化(張上げ屋根)、化粧板の交換、表記類の変更を行っただけの改造となっています。




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