701系通勤形交流電車

諸 元

最大長  20000mm
最大幅  2800mm
最大高  3620mm(狭軌)、3670mm(標準軌)
主電動機  MT65形式又はMT65A形式(125kw)
制御方式  コンバータ+VVVFインバータ制御
制動方式  発電ブレーキ併用電気指令式ブレーキ制御方式(1500、5500番代は回生ブレーキ)、抑速ブレーキ
動力台車  DT61A形式(狭軌)、DT63形式又はDT63A形式(標準軌)
附随台車  TR246A形式(狭軌)、TR248形式又はTR252形式(標準軌)

車内設備など

座  席  ロングシート、セミクロスシート(改造)
乗降扉(片側)  3扉
便所の有無  あり
その他  

概要

 1990年代東北地区の幹線における普通列車は客車列車が主力でした。その中でも秋田支社管内の奥羽本線、羽越本線は50系客車が主力となっていました。客車は経年が10年とちょっとでしたが非冷房でサービス面の改善が必要。機関車は20年以上経過し、老朽化が見られ、いずれも置換え時期を迎えていました。また、客車列車は混雑時間帯を除いて2両から3両の短編成が多く、採算面に見合わず、始発・終着駅などで機関車の交換や客車の増解結が発生する為、非効率の状況を改善する必要がありました。これらを改善する為に平成4年に登場したのが701系です。
 車体は209系で採用された川崎重工業(現:川崎車両)のステンレスプレスを多用した2シート工法でつくられたステンレス製です。前面は貫通扉の付いた切妻構造でFRP製となっています。片側3扉構造で、使用線区を考えステップ付きとなっています。川崎製の他、土崎工場(現:秋田総合車両センター)でノックダウン生産された車輛もあります。
 運転台はワンマン運転に対応する為、半室構造とし機器配置はキハ110系のレイアウトを基本とし、乗務員の居住性、視認性を確保したものとし、ワンマン運転時の機器操作も扱い易い設計としています。
 客室はロングシートで、後にクロスシートに変更した車輛、新製時よりクロスシートを備えた車輛があります。後位側貫通路は1200mm幅で、両開きドアとし移動し易い設計としています。各乗降扉付近にはボタン操作による半自動機能があり、座席下に容量の大きい暖房装置を備えています。運転台背面、妻面以外はFRP製で、209系の車内に似た感じです。
 秋田地区に登場後、東北地区各地に残る客車列車の置換えを進めて輸送効率の向上に貢献。その後、山形新幹線、秋田新幹線の普通列車用にも投入され活躍をしています。

0番代(秋田地区用)
 上述の通り、平成4年に登場したグループです。84両が製作され、編成組み換え、踏切事故で廃車が発生しています。

クモハ701-6(2位側) クモハ701-24(2位側)

クモハ701-1~
青森方のパンタグラフ付き制御電動車です。床下に補助電源装置、主変換装置、主変圧器を搭載。屋根上にはブレーキ抵抗器、特高圧機器を搭載しています。写真左は下枠交差形のPS104形式パンタグラフを搭載していた頃、写真右は降雪時の離線対策で平成12年頃にシングルアーム式のPS106A形式又はPS109形式に換装された車輛の様子です。

クモハ701-30(1位側) クモハ701-37(2位側)

クモハ701-1~
現在の様子。当初は電気ブレーキを使用しており、屋根上に発電ブレーキ用抵抗器が搭載されていましたが、更新工事の際に回生ブレーキに変更。この変更により、抵抗器が不要となり撤去され、外観が変化しています。この他、スカートが排障器(スノープラウ)と一体となった強化型に変更されています。

クハ700-37(1位側) サハ700-1(4位側)

クハ700-1~
大曲・酒田方の制御車です。車椅子スペースとトイレの設備があります。床下には電動空気圧縮機、蓄電池等を搭載しています。
サハ701-1~
3両編成に組み込まれている中間附随車です。自車のブレーキ関係の機器のみが搭載されるだけでスッキリした床下となっています。

100番代(秋田・仙台地区用)
 仙台地区では普通列車の電車化が行われていましたが、使われていたのは急行形電車(455系、457系)が主体で、他に581系を改造した715系がありました。これら車輛は混雑時の運用に向かない片側2扉構造、客室を持ち、老朽化の進行などの問題があり、早急な置換えが求められました。そこで、秋田地区の701系増備(更なる電車化の推進)と共に仙台地区向けに平成6年に100番代が登場しました。
 0番代の改良タイプとも言え、メンテナンスフリーを中心とした設計変更が行われています。外観では積雪時の視認性向上の為、後部標識灯を上方に200mm移動させた他、車外ワンマン表示器のLED化、前面行先表示器の電動化。車内では吊り革を50mm下げ、枕木方向にも増設が行われています。機器類では蓄電池を鉛蓄電池からアルカリ電池にした他、補助電源装置をSIV装置に変更しています。また、乗務員の作業環境改善も行われました。

クモハ701-104(1位側) クモハ701-101(2位側)

クモハ701-101~
青森方のパンタグラフ付き制御電動車です。パッと見は0番代に見えますが、後部標識灯の位置が違いとなります。基本的な構造は0番代と概ね同じです。写真右は発電ブレーキ用抵抗器、旧排障器を備えていた頃、写真左は回生ブレーキ変更、強化型排障器を備えた現在の様子です。

クハ700-103(1位側) クハ700-104(2位側)

クハ700-101~
酒田・大曲・黒磯方の制御車。こちらも0番代と内外装ほぼ同じですが、整流装置がクモハ701形式に搭載されるSIV装置内に含まれた為、搭載していません。

サハ701-101(2位側)

サハ701-101
3両編成に連結される中間附随車です。1両のみ製作。外観は0番代と同じですが、車内は吊り革の高さや形状が異なっています。

1000番代(仙台・盛岡地区用)
 盛岡地区にも客車列車が残り、50系、12系客車が残り、50系は車齢は浅いものの、非冷房。12系は冷房車ではあるが、老朽化が進行していました。客車列車の電車化を行う為、仙台地区では715系の置換えを進める為に平成6年に登場しました。
 盛岡地区へは2両編成のワンマン運転に対応するした編成を投入。仙台地区は2両編成の他に、初めての中間電動車が登場し、この車輛を組み込んだ4両編成が登場しました。
 基本的な構造は100番代を踏襲していますが、中間不随車には蓄電池が装備された為、既存車と区別する必要があり新形式とした他、仙山線への入線を考え、パンタグラフを折畳み高さの低いPS105形式に変更。故障時に救援し易いよう、719系と連結できるように救援回路を設けています。
 盛岡地区の車輛は平成14年の東北新幹線八戸駅延伸開業、平成22年の東北新幹線全通開業により経営分離されたIGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道へ一部譲渡されています。

クモハ701-1025(1位側) クモハ701-1035(2位側)

クモハ701-1001~
青森方のパンタグラフ付き制御電動車です。外観は100番代と同じ。床下にはSIV装置、主変換装置、主変圧器を、屋根上にはブレーキ抵抗器、特高圧機器を搭載しています。写真左は仙台地区向け(ブレーキ抵抗器を搭載するタイプ)、右は盛岡地区向け(回生ブレーキに変更し、ブレーキ抵抗器を撤去した現在の様子)の車輛です。

   
 クハ700-1026(1位側)  クハ700-1010(1位側)

クハ700-1001~
黒磯方の制御車です。100番代と同じく、車椅子スペースとトイレの設備があります。一部、線路モニタリング装置を搭載した車輛があります。(写真右)

モハ701-1002(3位側) モハ701-1002(2位側)

モハ701-1001~
仙台地区の4両固定編成で登場したパンタグラフ付き中間電動車です。クモハ701形式を中間車にしたもので、搭載機器類はほぼ同じです。回生ブレーキに変更した為、現在はブレーキ用抵抗器が撤去されています。

サハ700-1001(1位側)

サハ700-1001~
仙台地区の4両固定編成で登場した中間附随車です。サハ701-101の増備車になりますが、蓄電池を搭載した為別形式に区分されています。

1500番代(仙台地区用)
 715系1000番代の置換え及び1000番代の増備を目的に平成9年に登場したグループ。1000番代を基本に進化させたもので、主変換装置はIGBT素子を用いたPWMコンバータ制御に変更。併せて主変圧器も変更しました。ブレーキ方式は電気ブレーキ併用から回生ブレーキ併用に変更しており、屋根上の特徴であったブレーキ用抵抗器がありません。

クモハ701-1501(1位側)

クモハ701-1501~
青森方のパンタグラフ付き制御電動車です。クモハ701-1001~とはほぼ同じですが、回生ブレーキに変更した為、ブレーキ用抵抗器がない点が外観上の大きな違いとなります。1508番はクモハ701-1033の編入車。高潮による浸水事故で床下機器を損傷し、修理した際に1500番代と同じ機器にしたものです。

クハ700-1502(1位側) クハ700-1501(2位側)

クハ700-1501~1508
黒磯方の制御車です。クハ700-1001~と同じ設計で、パッと見の識別が難しい。1508番はクハ700-1033からの編入車です。

クハ700-1509(1位側) クハ700-1519(2位側)

クハ700-1509~1519
平成13年に登場した2次車のグループです。トイレに大きな変化があり、車いす対応の大型トイレが運転台直後に設置され、外観が大きく変化しています。

5000番代(秋田新幹線普通列車用)
 平成9年に開業した秋田新幹線。田沢湖線が改軌され、標準軌となりました。この田沢湖線の普通列車用の車輛として登場したグループです。1000番代を基本としつつ、台車は標準軌用、パンタグラフもシングルアーム式に変更した他、乗降扉のステップが廃止され、裾部がすっきりした車体形状となっています。前面も後部標識灯が窓上にLED化され、帯状に変更されて配置されています。車体帯は秋田新幹線のピンク色に盛岡支社のパープルとなっています。

クモハ701-5001(2位側) クハ700-5004(2位側)

クモハ701-5001~
盛岡方のパンタグラフ付き制御電動車です。床下機器は耐寒・耐雪構造が強化されており、外観が異なります。
クハ700-5001~
大曲方の制御車です。車内は後位側にトイレの設備があり、セミクロスシートの配置となっています。基本的には1000番代とほぼ同じです。

5500番代(山形新幹線普通列車用)
 平成11年に新庄駅まで延伸開業した山形新幹線。この延伸開業に伴い、普通列車用として登場したグループです。5000番代と同じく標準軌仕様とした設計ですが、板谷峠に対応した砂撒き装置、踏面清掃装置を装備した台車に変更となっています。主回路システムは1500番代としています。車内は5000番代はセミクロスシートですが、5500番代はロングシートとなっています。

クモハ701-5508(2位側) クハ700-5504(1位側)

クモハ701-5501~
新庄方のパンタグラフ付き制御電動車です。基本的には5000番代と同じ。スカートは登場時は在来線仕様でしたが、スノープラウ一体型の強化スカートに変更されています。
クハ700-5501~
福島方の制御車です。クハ700形式1500番代の2次車となるクハ700-1509~をモデルにしており、運転台直後に車いす対応の大型トイレが設置されています。床下には電動空気圧縮機を搭載しています。




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