419系近郊形交直両用電車

諸 元

最大長  20500mm(クハネ581形式改造車は21000mm)
最大幅  2950mm
最大高  4235mm
主電動機  MT54形式(120kw)
制御方式  直並列抵抗制御方式、弱め界磁制御方式
制動方式  発電ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキ(抑速ブレーキ付き)
動力台車  DT32K形式
附随台車  TR69D形式

車内設備など

座  席  セミクロスシート
乗降扉(片側)  2扉
便所の有無  あり
その他  

概要

 昭和57年のダイヤ改正において、従来の長大編成、時間間隔のばらつきがある「汽車型ダイヤ」から、短編成、時間が等間隔の「電車型ダイヤ」へ運行形態を変える試みを山陽本線で実施しました。利用者に評判がよく、国鉄では全国の地方都市圏へ拡大する事を決めました。
 このダイヤ形態の変化は車輛数を必要とする為、直流電化区間では車輛数を極力増やさず、列車本数増に対応する為、新製数を抑え、中間車の先頭車化改造で対応しました。一方で、地方の交流電化区間では客車列車が主体であり、対応する為には大量の交流電車、交直両用電車が必要となりました。昭和53年に地方都市圏輸送改善を目的に製作された417系がありましたが、時期同じくして、国鉄の財政状況悪化が重なり、国鉄改革が急務とされたため、新製は認められませんでした。
 昭和57年のダイヤ改正では東北、上越新幹線が開業し、急行列車の廃止が行われ、455系など交直両用急行形電車が大量に余剰となっており、地方都市圏の輸送改善を行う為に必要な電車を確保する為に新製が出来ないなら、改造車で賄おう。という流れから、転用改造が実施されました。
 一方、同じダイヤ改正で利用者低迷により、中京、関西圏と九州を結ぶ寝台特急が廃止され、581系、583系寝台特急形交直両用電車に大量に余剰が発生しました。昼夜兼用の運用である事からボックスシートであり、485系などと比較すると設備面で見劣りし、個人志向の強まりによりボックスシートが敬遠される傾向にあって、昼行特急への転用も難しい状況にありました。
 急行形電車を近郊形電車へ改造し、地方都市圏の路線へ投入していましたが、数が足りません。そこで白羽の矢が立ったのが581系、583系の余剰車です。
 改造は極力予算をかけずに行う事が厳命であった事から、寝台設備の撤去、乗降口増設、一部座席のロングシート化、トイレ、洗面所の撤去、先頭車化改造など、必要最低限の工事に留めました。この為、種車時代の設備などが随所に残っています。
 北陸本線で使用する419系は昭和60年に登場。直流電化区間もある為、種車の機器を殆ど流用しています。同線で使用される他の系列の基本編成が3両編成である事から、クハ+モハ+クモハという構成になっています。
 北陸本線で活躍を始めると、乗降扉が狭く乗降に時間がかかる事や収容能力に難があるなど問題があり、同線の閑散区間での運用が主なものとなりました。問題がありつつも、北陸新幹線の並行在来線の問題から新製車輛の導入が進まず、他系列が改造から10数年で廃系列になったにもかかわらず、419系は20年以上活躍。平成23年に廃車、廃系列となりました。

クモハ419-15(1位側) クモハ419-10(2位側)

クモハ419-1~15
直江津方の制御電動車です。モハネ583形式を種車に改造したもので、前位側に運転台を設置しました。深い屋根の車体断面をそのまま活かした切妻形で、その見た目から「食パン」と呼ばれました。客室窓は一部を開閉可能出来るように変更しています。

クハ418-3(2位側) クハ419-5(2位側)

クハ418-1~9
米原方の制御車。サハネ581形式を先頭車化改造したもので、後位側に運転台を設置しています。車端部にトイレの設備があります。床下には電動発電機、電動空気圧縮機を搭載しています。
クハ419-1~6
米原方の制御車。クハネ581形式を改造したもので、寝台設備の撤去など近郊形電車へ格下げ改造が行われました。機器室を始め、種車の機器が多く流用されています。前面の愛称表示器は当初は使われていましたが、その後塞がれ、晩年は延命工事を受け、完全に埋められ、貫通扉のみがあるような姿になりました。

モハ418-3(3位側)

モハ418-1~15
クモハ419形式とユニットを組む中間電動車です。モハネ582形式を改造したもので、後位側の第2パンタグラフ撤去、乗降扉増設、座席のロングシート化などが行われています。




参考書の表紙に戻る     形式写真の表紙に戻る     電車その1の表紙に戻る