諸元
全 長  20000mm
全 幅  2800mm
全 高  4090mm
主電動機 MT71形式(120kw)
制御方式 GTOサイリスタ素子VVVFインバーター制御方式(現在はIGBT素子に変更)
制動方式 回生・発電併用電気指令式空気ブレーキ制御方式、抑速ブレーキ、耐雪ブレーキ
動力台車 DT61A形式 不随台車 TR246形式

車内設備など
座 席 ロングシート(0番代)、セミクロスシート(100番代)
乗降扉 片側3扉
トイレ あり

 JR東日本新潟支社が管轄する信越本線、白新線、越後線などでは普通列車用として165系急行形電車を使用していましたが、老朽化や陳腐化が顕著に目立ち、片側2扉のデッキ構造は乗降時間を要し、列車遅延の原因になっていました。利用者の増加する新潟圏の混雑緩和、閑散時間帯の効率的な輸送形態の整備を図る事になり、平成7年にE127系が登場しました。
 クモハE127形式+クハE126形式の2両編成を基本とし、最大8両編成まで組成出来ます。車体構造は209系でも採用されたステンレスプレスを多用した2シート工法を採用し、片側3扉構造、車内はロングシート仕様としています。車体の帯色は同支社で主力の115系に見られる第2次新潟色に準じたグラスグリーンと青磁グリーンの2色を側面から前面にかけて配しています。先頭部はFRP製で、貫通扉のあるタイプとしました。
 車内の構成は209系と同じ方法で、FRPを多用しているのが特徴で、乗務員室背面、妻面を除いて使用されています。側窓は乗降扉間を4枚窓(中央2枚は一段下降窓)とし、車端部のみ1枚窓としています。窓寸法は極力大きくし、熱線吸収ガラスを使用してカーテンを省略しています。冬季に対応して、半自動機能を有しており、押しボタンによる操作で開閉が出来ます。乗降扉付近の座席には立席との区分の明確化を兼ねた大型の風防が設置されています。また、客室の床面高さは115系よりも大きく低くされ、1130mmとなっています。
 ワンマン運転を行う事から乗務員室は半室構造で、ワンマン運転に必要な機器が設置されています。
 一方、長野支社の松本地区でも新潟支社と同じく、169系急行形電車が使用されており、同様の問題を抱えていたため、平成10年にE127系100番代が投入されました。
 0番代では都会的なデザインでしたが、100番代では701系とほぼ同じデザイン(ステップがない)とされ、0番代では701系で使用されるPS104形式下枠交差式パンタグラフを直流用にしたPS30形式でしたが、100番代ではシングルアーム式のPS34形式に変更されています。
 この他、行先表示器のLED化、砂撒き装置、トイレを車いす対応の仕様に変更などがあります。車内は北アルプスを望めるように片方をクロスシートとしています。こちらもワンマン運転に対応しており、運賃箱ではそれまでバス用のものを改造したものでしたが、本番代では初めて鉄道用のものを使用しています。
 現在、0番代は平成27年に開業したえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン(旧信越本線)用の車輛として、多くが移籍(1編成のみ踏切事故で廃車。)し、2編成だけが残って活躍をしています。100番代は主に中央本線辰野支線や大糸線を中心に活躍をしています。

0番代

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クモハE127-1~(クモハE127-2)

パンタグラフ付き制御電動車で、VVVFインバーター制御装置や蓄電池などを搭載し、屋根上にはブレーキ用抵抗器を搭載しています。大半の車輛がえちごトキめき鉄道へ転籍しており、2両のみが残っています。

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クハE126-1~(クハE126-11)

クモハE127-1~とペアを組む制御車です。ロングシートの座席、洋式トイレ(車椅子には対応していません。)、車椅子スペースの設備がある車内となっています。補助電源装置(90kvA)、電動空気圧縮機を搭載しています。

100番代

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クモハE127-101~(クモハE127-112)

パンタグラフ付き制御電動車です。狭小トンネルに対応するため、シングルアーム式パンタグラフが装備されています。また、急勾配に対応するため砂撒き装置が装備されているのが特徴です。

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クハE126-101~(クハE126-112)

100番代の制御車です。運転台寄りに車椅子対応の洋式トイレがあります。111、112番は霜取り用パンタグラフが新製時より搭載されており、未搭載車輛でも一部の車輛が改造により設置されています。