253系特急形直流電車

諸 元

最大長  20000mm
最大幅  2946mm
最大高  3995mm
主電動機  MT61形式(120kw)
制御方式  界磁添加励磁制御方式
制動方式  回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ制御方式、抑速ブレーキ
動力台車  DT56B形式
附随台車  TR241C形式

車内設備など

座  席  セミクロスシート等
乗降扉(片側)  1扉
便所の有無  あり
その他  

概要

 平成3年成田線空港支線成田空港駅開業により、新宿、池袋、横浜等都市部と空港を直接結ぶ、アクセス特急用車輛として登場したのが253系です。列車名は「成田エクスプレス」(N’EX(ネックス))と命名されました。
 「価値ある移動空間」をコンセプトに設計され、訪日旅行者への配慮がなされた設計が特徴の1つで、情報案内をはじめ、大きな手荷物の収納性や保安性等取扱いをし易くしています。
 車体は床板、屋根板にステンレス鋼を使用した他は普通鋼としています。塗装色は「北極圏を飛行中の窓外」をイメージしたものとし、「極地の白」をポーラホワイト、客室窓廻りに「成層圏の空」をイメージしたストラスフィアグレー、前面から屋根上にかけては「地平線に輝く太陽」をイメージしたホライゾンカーマイン、「宇宙空間」をコスミックブラックのブロックパターンで構成した斬新なものとしています。
 先頭車は総武本線にある地下鉄線を通る事から、貫通扉付きとし、編成間の移動を確保しています。(通常は乗務員用の通路で、非常時以外は乗客は利用出来ない。)東京駅で新宿方面と横浜方面の列車の増解結が行われており、迅速に行う為に自動解結装置及び自動幌装置が装備されています。
 制御方式は251系を基本とした添加励磁制御方式とし、ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式としています。運転台は205系をベースに設計されています。補助電源装置は従来の電動発電機(MG)に代わり、JR東日本の車輛では初めての採用となる静止型インバータ(SIV装置)が採用されました。
 運転開始当初は3両編成で始まりましたが、直ぐに輸送需要が高まり、翌年の平成4年に中間車が増備され、基本編成を6両とする編成が登場しました。これにより、3両編成から12両編成での運用が可能となりました。平成14年にはサッカーワールドカップ開催に合わせ、輸送力増強の為200番代が登場しました。
 平成21年に「成田エクスプレス」の後継車輛となるE259系が投入され、翌年の平成22年に置き換えられました。183系や189系の波動用置換え用に転用?という噂もありましたが、その様な事はなく、0番代は長野電鉄へ譲渡された車輛以外は廃車され、廃番代となっています。
 253系がE259系に置換えが進む中、東武鉄道へ相互乗り入れを行う特急「日光」、「きぬがわ」号に使われる189系、485系の置換え用として253系200番代が選ばれ、内外装をリニューアルした車輛を投入する事になり、200番代は1000番代に改番しました。こちらは現在も活躍をしており、特急列車の他、臨時列車等に運用されています。

0番代
特急「成田エクスプレス」号として登場したグループです。登場後、直ぐに人気が高まり輸送力増強により中間車が登場しています。

クモハ252-9(1位側) クロ253-4(2位側)

クモハ253-1~
東京・新宿・大船方に位置する制御電動車です。電動空気圧縮機、SIV装置を搭載しています。
クロ253-1~
成田空港方に位置する制御車です。車内は乗務員室と乗降扉の間に4人用個室が1部屋あります。開放式グリーン座席は当初は1+1列のゆったりした座席配置でしたが、輸送力増強により平成15年以降は1+2列の配置に変更されています。

クロ253-101(2位側) クロハ253-3(2位側)

クロ253-101~
クロ253-1~の開放式グリーン座席配置を1+1列と2+1列を千鳥配置したもの。これ以外は同じ。6両編成が登場し、3両編成のグリーン車に使われていましたが、6両編成で唯一使われていた101番を除いて、平成15年にクロハ253形式に改造されています。
クロハ253-1~
平成15年に登場した形式で、グリーン席の需要が少ない事から、クロ253-102~110番の開放式グリーン席を普通席に変更したもの。荷物棚もハットラック式から開放式に改造されています。3両編成の成田空港方に位置しています。

モハ253-14(2位側) モハ253-109(4位側)

モハ253-1~
クモハ252-1~とユニットを組むパンタグラフ付き中間電動車です。主制御器等走行に必要な機器を搭載しています。車内は車いす用座席及び洋式トイレ、男子用小便器、洗面所、電話室の設備があります。
モハ253-101~
平成4年に登場した6両編成用のパンタグラフ付き中間電動車です。0番代では屋根材をステンレス鋼としていましたが、耐候性鋼に変更、新鮮外気取入れ口を空調装置から車体側面肩部に変更しています。車内では車椅子用の座席やトイレの設備が無く、定員が僅かに増えています。搭載機器類は同じです。

モハ252-9(4位側) サハ253-9(4位側)

モハ252-1~
平成4年に登場した中間電動車で、モハ253-101~とユニットを組みます。電動空気圧縮機、SIV装置を搭載しています。
サハ253-1~
平成4年に登場した中間附随車です。車内はモハ252形式と同じです。

200番代
平成14年に催されたFIFAワールドカップ開催に伴う輸送力を増強する為、6両編成2本が新製されました。このグループでは、従来車と機器類や車内設備が異なる事から番代区分されています。
内装関係は抜本的な見直しが行われ、普通席はボックスシートからリクライニングシートへ、グリーン席は1+2列配置に統一、ハットラック式荷棚も開放式に変更、ドアチャイムの設置等、バリアフリーに配慮し使い勝手を更に良くした内容となっています。
制御方式については、世ではVVVFインバータ制御方式が一般化していましたが、在来車と共通運用する事から界磁添加励磁制御方式としています。この機器は205系をVVVFインバータ制御方式に改造し、武蔵野線に転用する車輛のものを使用しています。台車はE257系と同じ系列に変更されています。
平成22年に特急「成田エクスプレス」号の運用を終え、東武鉄道直通特急「日光」、「きぬがわ」用の1000番代に改造されています。

クモハ252-201(1位側) クロ253-202(2位側)

クモハ252-201・202
東京方の制御電動車です。座席が回転式リクライニングシートなる等、車内は大幅に変更されています。
クロ253-201・202
成田空港方の制御車です。座席が2+1列配置となり、他の車輛も合わせるきっかけとなっています。座席以外の構成は変わりません。

モハ253-201(4位側) モハ253-302(2位側)

モハ253-201・202
クモハ252-201~とユニットを組むパンタグラフ付き中間電動車です。主制御器や励磁装置、主電動機等は205系からの転用の品となっています。車内の設備は0番代に準じたものとしています。
モハ253-301・302
モハ252-201~とユニットを組むパンタグラフ付き中間電動車です。車内の設備は100番代に準じたものとしています。

モハ252-201(4位側) サハ253-201(4位側)

モハ252-201・202
モハ253-301~とユニットを組む中間電動車です。行先表示器がLED化される等の変化が見られます。
サハ253-301・302
モハ252-201~と同じ車体を持つ中間附随車です。

1000番代
平成23年より東武鉄道直通特急「日光」、「きぬがわ」号の新しい車輛として200番代を制御方式変更(VVVFインバータ制御方式に変更)、リニューアルを行い登場したグループです。
車体は前面貫通扉を非貫通構造に改造し、LED式愛称表示器の設置。愛称の表示は日本語、英語、中国語、韓国語をそれぞれ表示します。(合わせて車内放送も4か国語対応)塗装色は観光地「日光」を表現したものに変更。赤色、朱色は神橋、二社一寺、黄色はニッコウキスゲ、紅葉をイメージしたものとしています。
制御方式はIGBT素子を用いたVVVFインバータ制御方式に更新した他、ブレーキチョッパ装置やブレーキ抵抗器、主電動機等の機器更新を実施、モニタ装置のバージョンアップ等が実施されました。
車内も大幅に変更されており、シートピッチの変更、グリーン車は普通席に変更し、個室部分は業務用室(車内販売準備室)に変更。大型荷物置き場の設置(2号車を除く)、先頭車の旧荷物置き場を客室化し、小窓や戸袋窓を増設。中間車の旧荷物置き場はパウダーコーナーに改造等が行われました。この他にトイレの位置を均一にする為、中間附随車の連結位置を変更しています。

クモハ252-1002(2位側) クハ253-1001(2位側)

クモハ252-1001・1002
東武日光・鬼怒川温泉方の制御電動車で、1号車です。クモハ252-201~を改造したもので、旧荷物置き場部分に小窓、戸袋窓が増設されています。電動空気圧縮機、SIV装置を搭載しています。
クハ253-1001・1002
新宿方の制御車で6号車に位置します。クロ253-201~を改造したもので、グリーン個室は業務用室(車内販売準備室)に改造されています。トイレ、洗面所の設備があります。

モハ253-1002(4位側) モハ253-1102(4位側)

モハ253-1001・1002
2号車に位置するパンタグラフ付き中間電動車です。モハ253-201~を改造したもので、床下はVVVFインバータ装置が搭載され、種車時代とは外観が大きく異なります。車いす対応座席、車いす対応トイレ、多目的室の設備があります。
モハ253-1101・1102
4号車に位置するパンタグラフ付き中間電動車です。モハ253-301~を改造したもので、1000番代にある車いす対応設備、多目的室が無い点が異なります。

モハ252-1002(2位側) サハ253-1002(4位側)

モハ252-1001・1002
3号車に位置する中間電動車で、モハ253-1101~とペアとなります。モハ252-201~を改造したもので、電動空気圧縮機、SIV装置を搭載しています。
サハ253-1001・1002
5号車に位置する中間附随車です。サハ253-201~を改造したもので、トイレを偶数号車に統一する為、200番代時代の編成位置とは異なります。座席はシートピッチ拡大により、窓位置と合っていません。




参考書の表紙に戻る     形式写真の表紙に戻る     電車その2の表紙に戻る