E351系特急形直流電車

諸 元

最大長  21000mm
最大幅  2840mm
最大高  3905mm
主電動機  MT69形式(150kw)
制御方式  IGBT素子VVVFインバータ制御方式(先行試作車はGTOサイリスタ)
制動方式  回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ制御方式、抑速ブレーキ、耐雪ブレーキ
動力台車  DT62形式
附随台車  TR247形式

車内設備など

座  席  リクライニングシート
乗降扉(片側)  1扉、2扉
便所の有無  あり
その他  

概要

 中央本線の主力特急「あずさ」号の速達化、輸送力増強、在来車である183系、189系の置換えを目的に平成5年に登場した系列です。JR東日本で初めて系列の前に「」を付けた系列となります。
 中央本線は並行する中央自動車道(高速バス)に対抗する為に、到達時間短縮が大きな課題でした。曲線区間が多くあり、かつ急勾配区間がある為、解決に至るには難題です。曲線通過速度を上げる事は容易ですが、乗心地を損なう問題があります。国鉄時代には381系を投入し、振り子機能を活かす案もあったそうですが、設備面で採用に至らなかったそうです。E351けいでは制御機能付自然振り子システムを採用しました。これは予め、路線データを車輛側に記憶させ、ATS地上子から発せられる信号で現在位置を認識し、記憶したデータと列車速度に応じて曲線通過時の車体傾斜タイミング、傾斜角度を各車に指示を出すシステムです。自然振り子式とは異なり、振り遅れや揺れ戻しが抑えられ、乗心地が改善されます。車体が傾斜し、曲線を高速で通過できる事になり、大幅な速達化に貢献しました。
 車体は普通鋼製で、振り子装置により車体が傾斜した際に車輛接触限界を超えないように断面形状は卵形となっており、上下が大きく絞られています。塗装色はアースベージュをベースとし、腰部にグレースパープル、その上にフューチャーバイオレットの帯を配しています。
 先頭車は651系に準じた高運転台構造で、非貫通構造の先頭車の前面にはLED式の愛称表示器が設置され、前部標識灯、後部標識灯も収められています。基本編成と付属編成があり、往来を可能とする為、中間になる先頭車はプラグドア式の貫通扉が設置され、通り抜けが出来るよう自動幌装置を装備しています。
 乗降扉は前後2ヶ所とし、乗降時間短縮を図っています。一部の車輛には自動販売機、テレフォンカード式公衆電話、スキー板も置く事が出来る荷物置き場を備えています。
 パンタグラフはシングルアーム式のPS31A(量産車)を搭載していますが、屋根上には直接搭載せず、車体内を通るワイヤで台車枠と直結した可動式の支持台に載せています。この少々複雑な構造にした理由は、地上設備の対応工事を行わなくても、曲線部において車体を傾斜させた際にパンタグラフと架線の位置を変わらないものとすると同時に、架線から逸脱を防ぐ事を目的としています。先行試作車では登場時はひし形タイプのパンタグラフとしていましたが、重量があり、その重さから位置ずれをおこし、車体から脱落する事故が起きた為、量産車では軽量のシングルアーム式の採用に至っています。
 平成5年に登場し、中央本線を中心に活躍。間合い運用で東海道本線のホームライナーにも活躍しました。平成29年にE353系が登場すると置換えが始まり、翌年の平成30年に特急「スーパーあずさ」号を始めとする全ての定期運用を終え、同年に系列消滅となっています。

1000番代
先行試作車のグループです。登場時は0番代でしたが、量産車が登場し、量産車化改造を行った際に改番しています。パンタグラフは登場時はひし形のPS26C形式でしたが、後に軽量のシングルアーム式である量産車と同じPS31A形式に変更しています。

クハE351-1001(2位側) クハE351-1102(2位側)

クハE351-1001・1002
基本編成の松本方に位置する非貫通構造の制御車(12号車)で、登場時はクハE351形式100番代でした。空調装置は室外機を床下、熱交換器を屋根上に設置するセパレート式で、先行試作車の熱交換器は丸みのあるタイプで、角型の量産車とは異なります。電動空気圧縮機、発電ブレーキ用抵抗器を搭載しています。トイレ、洗面所の設備があります。
クハE351-1101・1102
付属編成の新宿・東京方に位置する非貫通構造の制御車(1号車)で、登場時はクハE351形式0番代でした。電動空気圧縮機、発電ブレーキ用抵抗器を搭載しています。車内は客室のみとなっています。

クハE351-1201(1位側) クハE351-1301(2位側)

クハE351-1201・1202
付属編成の松本方に位置する貫通構造の制御車(4号車)で、登場時はクハE351形式300番代でした。前面は貫通構造で、愛称表示器は無く、非貫通構造の制御車とは大きく意匠が異なります。電動空気圧縮機、発電ブレーキ用抵抗器を搭載しています。車内は客室のみとなっています。
クハE351-1301・1302
基本編成の新宿・東京方に位置する貫通構造の制御車(5号車)で、登場時はクハE351形式200番代でした。幌は1200番代から押し出され、受けるとロックする機能を備えています。電動空気圧縮機、発電ブレーキ用抵抗器を搭載しています。トイレ、洗面所の設備があります。

モハE351-1002(1位側) モハE351-1102(1位側)

モハE351-1001~
基本編成では6号車、付属編成は2号車に位置するパンタグラフ付き中間電動車で、登場時はモハE351形式0番代でした。トイレ、洗面所の設備があります。
モハE351-1101~
基本編成の10号車に位置するパンタグラフ付き中間電動車で、登場時はモハE351形式100番代でした。車いす対応座席、多目的室の設備があります。

モハE350-1003(2位側) モハE350-1101(3位側)

モハE350-1001~
基本編成では11号車、付属編成は3号車に位置する中間電動車で、登場時はモハE350形式0番代でした。基本編成ではモハE351形式1100番代、付属編成はモハE351形式1000番代とユニットを組みます。VVVFインバータ装置、SIV装置、ブレーキ用抵抗器を搭載しています。
モハE350-1101~
基本編成の7号車に位置する中間電動車で、登場時はモハE350形式1000番代でした。モハE351形式1000番代とユニットを組みます。車内販売準備室の設備があります。

サハE351-1002(3位側) サロE351-1002(1位側)

サハE351-1001・1002
基本編成の8号車に位置する中間附随車で、登場時はサハE351形式0番代でした。電動空気圧縮機、ブレーキ用抵抗器を搭載しています。車内にはトイレ、洗面所の設備があります。
サロE351-1001・1002
基本編成の9号車に位置する中間附随車(グリーン車)で、登場時はサロE351形式0番代でした。ブレーキ用抵抗器を搭載しています。車内は分室構造で、喫煙席と禁煙席に中央部で分かれていました。業務用室(車掌室)の設備があります。

0番代
先行試作車を改良した量産車のグループです。番号は先行試作車の続番という形になっています。

クハE351-3(2位側) クハE351-105(2位側)

クハE351-3~
付属編成、東京・新宿方の1号車に位置する奇数向きの制御車です。電動空気圧縮機を搭載しています。車内は客室のみとなっています。
クハE351-103~
基本編成の5号車に位置する奇数向きの制御車です。クハE351形式1300番代と同じく、幌の受け側でロック機能を有しています。

クハE350-5(1位側) クハE350-105(1位側)

クハE350-3~
基本編成、松本方の12号車に位置する偶数向きの制御車です。電動空気圧縮機を搭載しています。トイレ、洗面所の設備があります。
クハE351-103~
付属編成の4号車に位置する偶数向きの制御車です。貫通形で自動幌装置を備えています。電動空気圧縮機を搭載しています。トイレ、洗面所の設備があります。

モハE351-5(3位側) モハE351-105(2位側)

モハE351-5~
基本編成では6号車、付属編成は2号車に位置するパンタグラフ付き中間電動車です。VVVFインバータ装置、ブレーキ用抵抗器を搭載しています。車内にはベビーベッド付きトイレ、洗面所の設備があります。
モハE351-103~
基本編成の10号車に位置するパンタグラフ付き中間電動車です。モハE351-5~と機能的には同じですが、車内の設備に違いがあり、車いす対応座席、多目的室の設備があります。

モハE350-5(3位側) モハE350-103(3位側)

モハE350-5~
基本編成では11号車、付属編成は3号車に位置する中間電動車です。VVVFインバータ装置、SIV装置、ブレーキ用抵抗器を搭載しています。前位側に自動販売機、電話スペースの設備があります。
モハE351-103~
基本編成の7号車に位置する中間電動車です。モハE350-5~と機能的には同じですが、設備に違いがあり、車内販売準備室、自動販売機の設備となっています。

サハE351-5(2位側) サロE351-5(2位側)

サハE351-3~
基本編成では8号車に位置する中間附随車で、電動空気圧縮機を搭載しています。トイレ、洗面所の設備があります。
サロE351-3~
基本編成の9号車に位置する中間附随車(グリーン車)です。先行試作車と同じく、分室構造になっており、車いす対応座席もあります。




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