E653系特急形交直両用電車

諸 元

最大長  21500mm
最大幅  2946mm
最大高  4140mm
主電動機  MT72形式(145kw)
制御方式  PWMコンバータ+IGBT素子VVVFインバータ制御方式
制動方式  回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ制御方式、抑速ブレーキ
動力台車  DT64形式
附随台車  TR249形式

車内設備など

座  席  リクライニングシート
乗降扉(片側)  1扉、2扉
便所の有無  あり
その他  

概要

 常磐線の特急「ひたち」号に平成元年より651系を投入しましたが、残る485系の置換えを目的に平成9年に登場したのがE653系です。当時、JR東日本管内に「ひたち」号を含めて485系が残っていた事から、これらの置換えも考えて設計されています。651系では交流50Hzのみの対応ですが、JRになって設計された交直両用電車では唯一の50Hz/60Hz両用に対応する車輛となっています。これは485系が引退後の波動輸送等に対応出来るよう、北陸本線への乗り入れも考えていたからです。
 車体は営業用鉄道車輛では初めてのアルミニウム合金製大形中空押出形材を用いたダブルスキン構造を採用し、軽量化と構体構造の簡素化を図っています。先頭部は衝撃吸収材を収めたボンネットスタイルで、前部標識灯は腰部に配し、その間に後部標識灯、その上部に特殊印刷処理によるパターンをパネル全面に発光する装置があり、愛称名等を表示しています。
 塗装色は車体上部を白梅の花をイメージしたホワイトブロッサム、窓廻りをシルバーメタリックとし、下部を常磐線沿線の観光地等をイメージしたカラーを採用し、乗降扉付近にカラー毎のシンボルマークを配しています。

スカーレットブロッサム ブルーオーシャン イエロージョンキル グリーンレイク

スカーレットブロッサム・・・紅梅を表現。ブルーオーシャン・・・青い太平洋を表現。イエロージョンキル・・・黄色の水仙を表現。グリーンレイク・・・緑の湖を表現。この4色は基本編成に2本ずつありました。

オレンジパーシモン

オレンジパーシモン・・・橙色の柿を表現。この色は付属編成用に使用していました。
 車内はダブルスキン構造により一体成型されたレール状の取付け部に、外で製作した荷棚や座席等を取り付けています。機器類も同様の設計で、機器を取り付けられるようになっており、交換や換装を容易としています。
 常磐線で特急「フレッシュひたち」と命名され活躍をしていましたが、平成25年にE657系への置換えが行われ、新潟と秋田を結ぶ特急「いなほ」号への転用が決定しました。また、北陸新幹線金沢延伸開業に伴う、信越本線・えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインで運転される特急「しらゆき」号新設により、全車輛が転用改造を受け、特急「いなほ」用は1000番代、特急「しらゆき」用は1100番代となり、0番代は番代消滅しています。1000番代、1100番代の改造内容は耐寒・耐雪構造の更なる強化、塗装変更が主なものとなっています。
 現在は転出した車輛のうち2編成が勝田車両センターへ戻り、臨時列車や団体専用列車等に活躍をしています。

0番代

クハE653-6(2位側) クハE653-101(1位側)

クハE653-1~
基本編成の勝田方に位置する制御車(7号車)です。電動空気圧縮機、蓄電池を搭載し、連結器には自動解結装置を装備しています。車内は客室のみとなっています。
クハE653-101~
付属編成の勝田方に位置する制御車(11号車)です。0番代と同じ構造ですが、増結や開放を行わない為、自動解結装置は準備工事となっています。

クハE652-6(2位側) クハE652-101(2位側)

クハE652-1~
基本編成の上野方に位置する制御車(1号車)です。電動空気圧縮機、連結器には自動解結装置を装備しています。車内にはトイレ、洗面所の設備があります。唯一、乗降扉が2ヶ所あります。
クハE652-101~
付属編成の上野方に位置する制御車(8号車)です。0番代と同じ構造ですが、電動空気圧縮機は準備工事となっています。

モハE653-15(4位側) モハE652-17(1位側)

モハE653-1~
基本編成では2号車及び5号車、付属編成では9号車に位置するパンタグラフ付き中間電動車です。主変換装置、主変圧器を搭載しています。
モハE652-101~
基本編成では3号車及び6号車、付属編成では10号車に位置する中間電動車で、主変換装置、SIV装置を搭載しています。トイレ、洗面所の設備があります。

サハE653-8(4位側)

サハE653-1~
基本編成の4号車に位置する中間附随車です。車いす対応座席、車いす対応トイレ、業務用室(車掌室)、多目的室の設備があります。

1000番代
0番代の基本編成を特急「いなほ」号に転用改造したグループです。(一部、付属編成と基本編成を組み合わせた編成もあります。)改造の内容は耐寒・耐雪構造を有していましたが、更に強化した他、塗装色を「いなほ」色に変更。日本海に沈む夕日と稲穂をイメージしたものとなりました。平成29年に2編成の塗装変更が行われ、1つは海の色を表現した「瑠璃色」、もう1つは「はまなす色」としています。座席はモケットを小千谷ちぢみに変更し、グリーン車を設定しました。

クハE653-1007(1位側) クロE652-1005(2位側)

クハE653-1001~
新潟方7号車に位置する制御車で、クハE653-1~、1両のみ同100番代を改造した車輛です。種車の搭載品の耐寒・耐雪構造を強化した他、スノープラウ装備等が行われています。
クロE652-1001~
秋田方1号車に位置する制御車で、クハE652-1~、1両のみ同100番代を改造した車輛です。100番代から改造した車輛には電動空気圧縮機、蓄電池が搭載されていなかった為、改造時に搭載しています。車内は2+1列の座席配置で、後位側にラウンジスペースが設置されています。トイレ、洗面所の設備があります。

モハE653-1015(1位側) モハE652-1010(4位側)

モハE653-1001~
2号車、5号車に位置するパンタグラフ付き中間電動車で、モハE653形式0番代を改造した車輛です。
モハE652-1001~
3号車、6号車に位置する中間電動車で、モハE652形式0番代を改造した車輛です。

サハE653-1005(2位側) サハE653-1004(4位側)

サハE653-1001~
4号車に位置する中間附随車で、サハE653形式0番代を改造した車輛です。1004番には線路モニタリング装置が搭載されています。

1100番代
0番代の付属編成を特急「しらゆき」号に転用改造したグループです。(一部、基本編成を4両に減車した編成もあります。)改造内容は1000番代と同じですが、塗装色はアイボリーをベースに上部と下部に紫紺の帯を巻き、窓下に朱色の帯を配しています。車内のシートモケットは新幹線E7系、W7系に合わせたタイプに変更しています。なお、グリーン車の設定はありません。

クハE653-1101(1位側) クハE652-1102(1位側)

クハE653-1101~
新潟方(4号車)に位置する制御車で、クハE653形式100番代(1両のみ0番代)を改造した車輛です。
クハE652-1101~
上越妙高方(1号車)に位置する制御車で、クハE652形式100番代(1両のみ0番代)を改造した車輛です。0番代が種車の車輛は電動空気圧縮機、蓄電池の撤去が行われています。編成中に車いす対応の設備が無い為、2人掛け座席を撤去し、1人掛け座席を設置し、車いす対応座席スペースに変更しています。

モハE653-1104(1位側) モハE652-1104(1位側)

モハE653-1101~
2号車に位置するパンタグラフ付き中間電動車で、モハE653形式0番代を改造した車輛です。
モハE652-1101~
3号車に位置する中間電動車で、モハE652形式0番代を改造した車輛です。




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