883系特急形交流電車

諸 元

最大長  21700mm
最大幅  2853mm
最大高  4300mm
主電動機  MT402K形式(190kw)
制御方式  サイリスタ連続位相制御+GTO素子VVVFインバータ制御方式
 PWMコンバータ+IGBT素子VVVFインバータ制御方式(1000番代)
制動方式  発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ制御方式
動力台車  DT402K形式
附随台車  TR402K形式

車内設備など

座  席  リクライニングシート
乗降扉(片側)  1扉
便所の有無  有り
その他  

概要

 九州地方の高速道路網の発達は目まぐるしく、各主要線区では更なる競争の激化が予想されていました。その中で、日豊本線のある東九州地区は高速化が遅れており、大分自動車道の全通が近い事もあった事から、博多~大分駅間に新型車輛の投入を決定し、平成7年のダイヤ改正に合わせて平成6年に登場したのが883系です。この車輛はJR九州初の振り子式車輛であり、営業用交流電車としても日本初の振り子式車輛となります。
 愛称の選定では、当初大分県の県鳥である「めじろ」が提案されていましたが、高速列車のイメージに合わない事から音速を意味する「
ソニック」が選ばれました。
 車体は軽量であるステンレス構体とし、溶接構造となる台枠の一部に耐候性高張力鋼や溶接構造用耐候性鋼板を使用しています。車輛の内外のデザインは787系と同じく部外デザイナーに依頼したもので、セルリアンブルーメタリックの先頭部とシャープな外観と共に内装にはガラスを多用した開放的な空間とし、動物の耳を連想させるヘッドレスト付きの座席等遊び心も絡めた仕掛け等により「楽しさ」を表現しています。先頭車の前頭部中央には別パーツのパネルがあり、交換可能の構造となっています。このパネルは実用性は無く、装飾の為に付いています。883系は1次車から4次車までパネルの形状や色が異なっており、理由は利用者が「今日は何色が来るんだろう。」という乗車前から楽しめるようにする為の意図があります。

1次車(1・2番) 2次車(3番) 3・4次車(4番以降)

 現在はリニューアル工事が実施され、塗装色が統一されてしまい違いは見られませんが、パネルの形状の違いは見る事が出来ます。1次車はリーフ状のグリルにフォグランプ、2次車はルーバー、3次車、4次車は「S」の文字となっています。この他に走行上では必要の無い、フェンダーミラーやタンク体のような部品が遊び心の一つとして付けられているのも特徴となっています。
 車内は「つながった街並としての車輛をつくっていきたい。」という意向で設計されています。乗車時間が約2時間の短距離輸送である事から、ビュッフェ車は設定されておらず、乗客が立ち回る場所が無い。そこで、2号車と4号車にコモンスペースを設置。コモンスペースを「公園」、デッキを「人の集まる広場」と位置付けています。
 壁面はカラーアルミで構成されており、デッキと客室は開放的に区切られた美しいものとする為、ガラスによって構成されています。客室内もカラフルな空間とし、床はモザイク模様のタイルカーペットを配し、各車輛毎に異なります。グリーン車も座席、配列が異なりますが、普通車と同じくカラフルな空間となっています。
 機器関係では、編成は7両編成で3M4Тと5両編成で2M3Тの2種類があり、電動車(M車)とパンタグラフ付きの附随車(Т
車)の2両をユニットとした方式となっています。主回路システムは813系と同じで、個別制御方式のVVVFインバータ制御方式としています。振り子方式は制御式自然振り子方式で、予め記憶した路線情報を基にATS地上子により、自車の位置と曲線の出入口を判断し、傾斜タイミングの指令を出すという方式です。振り子の動作はJR東日本所属のE351系と同じ、台車枠とパンタグラフを載せる支持台をワイヤで繋ぐもので、傾斜によるパンタグラフと架線の位置関係は影響を受けないようになっています。
 平成17年にリニューアル工事が実施され、車体色は別府湾をイメージしたインディゴブルーメタリックに塗装されました。車内もカラフルな内装から、シックな内装へ変更され、床は白木のフローリングに変更。壁面や天井、荷物棚は艶のある白色に変更されました。座席等も大幅に変更されています。

クモハ883-8(2位側) クロハ882-6(2位側)

クモハ883-1~
上り方に位置する制御電動車です。VVVFインバータ制御装置、電気ブレーキ用抵抗器を搭載しています。車内中央部にはセンターブース(前後をガラスで仕切り、向い合わせの固定座席にテーブルを設置した、グループ向けの席。)がありましたが、リニューアル後は回転式リクライニングシートに変更。この部分だけ窓が無い席もあります。この他にトイレ、洗面所の設備があります。
クロハ882-1~
下り方に位置する制御車です。SIV装置を搭載しています。4次車になる6~8番は7両編成化の際に電動空気圧縮機を追加設置しています。前位側がグリーン席、後位側が普通席で中央部に乗降扉を設置しています。グリーン席には前面展望が出来るパノラマキャビンが設置されています。普通席は車いす対応座席があり、トイレも車いす対応となっています。この他に洗面所の設備があります。

モハ883-102(3位側) モハ883-208(2位側)

モハ883-101~
サハ883-101~とユニットを組む中間電動車です。クモハ883形式を中間車としたもので、搭載機器、車内はほぼ同じです。第1編成から第5編成に組み込まれています。
モハ883-201~
サハ883-201~とユニットを組む中間電動車です。床下機器は100番代と同じです。車内はセンターブースはなく、ビュッフェの機能も兼ねた車内販売準備室(クルーズルーム)の設備があります。

サハ883-2(3位側) サハ883-101(3位側)

サハ883-1~
クモハ883形式とユニットを組むパンタグラフ付き中間附随車です。主変圧器、主整流器、電動空気圧縮機、SIV装置を搭載しています。パンタグラフは登場時は下枠交差式でしたが、平成12年にシングルアーム式に換装されています。客室内にはセンターブースがありました。この他に車掌室、電話スペースの設備があります。
サハ883-101~
モハ883-101~とユニットを組むパンタグラフ付き中間附随車です。第1編成から第5編成までに組み込まれています。0番代の車掌室部分をコモンスペースとしており、床面高さ近くまでの大きな縦窓が外観の特徴となっています。

サハ883-201(3位側)

サハ883-201~
モハ883-201~とユニットを組むパンタグラフ付き中間附随車です。床下機器は100番代と同じ。こちらにもコモンスペースがありましたが、現在は電話スペースに変更されています。第1編成から第5編成まではマルチスペース、第6編成から第8編成は電話スペースとなっています。

1000番代
 4次車である第6編成から第8編成は5両編成で落成しましたが、2000年代に入り、朝晩の需要が増加。着席出来ない場面が見られ始め、他の編成と両数が異なる事から運用上の制約が問題になってきました。これらを解決する為、平成20年に7両編成化を実施する事とし、1ユニットを新製しました。これが本番代となります。
 車体は在来車のステンレス製ではなく、885系の中間車で採用された日立製作所のブランドである「A-train」システムと同じアルミ合金製となり、つるんとした車体は一目で判別が出来ます。走行機器類、台車も885系と同じとし、車輛のソフトウェアを883系と同一にし、1000番代と番代区分を行っています。この他にも制御面を883系に設定されている等、885系とは異なる部分があります。
 車内設備についても885系に準じたものとしていますが、荷物棚、車内案内表示器は利用者からの意見を反映して、大型化されている他、室内の吸音材を新素材とし、騒音の低減を図っています。

モハ883-1001(3位側) サハ883-1002(3位側)

モハ883-1001~
第6編成から第8編成に組み込まれるパンタグラフ付き中間電動車です。本系列では唯一のパンタグラフ搭載車となります。車内には電話スペースがあります。
サハ883-1001~
モハ883-1001~とユニット組む中間附随車です。車内にはコモンスペースがあります。




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