285系特急形直流寝台電車

諸 元

最大長  21240mm
最大幅  2985mm
最大高  4090mm
主電動機  WMT102形式(220kw)
制御方式  IGBT素子VVVFインバーター制御方式
制動方式  回生・発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ制御方式・抑速ブレーキ
動力台車  WDT58形式
附随台車  WTR242形式

車内設備など

座  席  
乗降扉(片側)  1扉
便所の有無  あり
その他  寝台車輛

概要

 寝台列車は登場してから機関車が牽引する客車が主流であり、昼夜問わず運用出来るよう581系、583系が昭和42年に登場しました。速達性や機関車の交換が不要等、メリットはあったものの、寝台設備、座席の居住性の低さ、非電化区間へ入線出来ない等のデメリットが多く、夜行列車の主役にはなれませんでした。結果、客車主体となりましたが、山岳路線や急曲線の多い我が国では電車や気動車に運転性能が劣る為、速達化が困難でした。1970年代に入ると長距離移動は新幹線や航空機に移行し、夜行列車は廃れ始めました。そこで、利用者を観光客に絞り、個室寝台や食堂車等の付加価値を高めた寝台列車を運転。しかし、夜行バスの台頭も加わり、利用者は伸び悩み、衰退の一途を辿る状況でした。
 寝台列車の利用客は高い客単価が見込め、現代のニーズとサービスを提供すれば、ビジネス客も含めた需要が取り込める事をJR西日本は考え、東京~高松駅を結ぶ寝台特急「瀬戸」、東京と出雲市を結ぶ寝台特急「出雲」の2つが選ばれました。
 JR東海は管内での需要が見込める事、客車列車を減らす事が出来るメリットがある等の理由から、開発に加わり、JR西日本との共同開発が始まりました。こうして平成10年に登場したのが285系寝台電車です。583系の登場から約30年ぶりの新製寝台電車となります。
 車体は21m級の構成となっています。通常、鉄道車輛の製造は車体をつくり、電気配線や内装を付ける艤装の順番ですが、個室寝台が主体である為、仕切り壁が多い等、一般的な手法では製作に時間やコストを要する為、車外でモジュール化し、個室を製作するパネル工法が採用されました。個室寝台を中心にある程度の定員を確保する為に二階建て構造を基本とし、車輛制御装置等を搭載する電動車は平屋構造としています。
 愛称は「
サンライズエクスプレス」と命名され、「さわやかな朝、新しい一日のはじまり」というイメージが込められており、夜をイメージしたブルートレインとは一線を画す明るいデザインとなっています。塗装色は夜明けをイメージしたベージュ(朝霞の印象)と赤色(朝焼けの高貴な赤色)の塗り分けとし、境界部に金色の帯(日の出の地平線)を配し、「SUNRISE EXPRESS」のロゴマークを先頭車前面、側面に配しています。
 車内は航空機や高速バス等の競合する交通機関の差別化、魅力ある移動空間を提供する為、「快適な乗心地」、「個室提供によるプライバシー確保」を重視し、581系や583系では昼夜兼用の効率的な設計であったのに対し、本系列は寝台専用の設計としている所が最大の特徴と言えます。デザインは「温もりある高品位のあるもの」を求める為、住宅メーカー大手のミサワホームの内装材(M-Wood(エムウッド))を採用しています。
 室内は1人用又は2人用の個室寝台を中心とした5つのタイプがあり、この他に座席指定券で乗車が可能な「ノビノビ座席」が用意されています。その他の設備として、シャワー室、ミニラウンジ、トイレ、洗面所の設備があります。
 主要機器類では、2M5Тの7両編成で、1M2Tを基本とするユニット方式としていますが、乗客の利用が定員制である事から荷重の変動が起こらない為、余力が生まれたので附随車を1両増加する事が出来ました。電動車比率が低いですが、急勾配区間のある伯備線での運行も可能となっています。
 主電動機や台車等は223系1000番代で採用されたものを一部変更の上、使用しています。

0番代(JR西日本車)

クハネ285-4(1位側) モハネ285-2(4位側)

クハネ285-1~
高松・出雲市方1、8号車、東京方7、14号車に位置する制御車です。「シングル」19室、「シングルツイン」1室で構成されています。車輛番号が奇数番号は東京方、偶数番号は高松・出雲市方に連結されます。
シングル・・・従来の開放式A寝台の区画を個室にしたもので、寝台幅を従来のB寝台と同じ700mm幅としたもの。客室窓に並行する形で寝台が配置されています。小さなテーブル付。
シングルツイン・・・シングルベッドを2段としたもの。1人でも利用が出来る。下段は中央部を外し、折畳みテーブルを設置すると向い合せの座席になる。
モハネ285-1~
3号車及び10号車に位置するパンタグラフ付き中間電動車です。走行に必要な車輛制御装置、電動空気圧縮機、SIV装置を搭載しています。「ソロ」が20室あり、シャワー室、ラウンジ、業務用室等の設備があります。ソロ部のつくりはオハネ15形式350番代(寝台特急「あかつき」用の客車)に似た、上段室と下段室を互い違いに組み合わせたもので、上段室は階段があります。
ソロ・・・上下の組み合わせである為、シングルとは異なり、ベッド幅が異なる。上段室には荷物置き場があるが、下段室には無い。

モハネ285-202(2位側) サハネ285-2(2位側)

モハネ285-201~
5号車及び12号車に位置するパンタグラフ付き中間電動車です。搭載される機器類は0番代と同じです。車内は「ノビノビ座席」28席、「シングル」2室があり、車掌室の設備があります。
ノビノビ座席・・・1人、1畳分ほどの区画があるカーペット敷きの簡易な寝台で、二段構造となっています。頭の位置付近の左右に仕切りがと読書灯、毛布等の設備となっており、コンセントは無い。
サハネ285-1~
6号車及び13号車に位置する中間附随車です。「シングル」20室、「シングルツイン」3室で構成されています。

サハネ285-202(2位側) サロハネ285-2(2位側)

サハネ285-201~
2号車及び9号車に位置する中間附随車です。「シングル」20室、2室の「シングルツイン」、身障者対応の「シングルツイン」1室で構成されています。トイレは身障者対応の洋式トイレとなっています。
サロハネ285-1~
4号車及び11号車に位置する中間附随車です。「サンライズツイン」4室と「シングルデラックス」6室の他、シャワー室(シングルデラックス利用者のみ利用できる)を備えています。
サンライズツイン・・・4号車及び11号車の下段階にある寝台で、シングルデラックスとほぼ同じ広さの個室で、ツインベッドを備えています。
シングルデラックス・・・4号車及び11号車の2階部分にある寝台で、3室が禁煙、3室が喫煙が出来る。大型の机、洗面台が備えられ、シングルベッドは850mmと最も大きいベッドとなっています。運行開始時には液晶テレビが設置され、衛星放送が受信出来ましたが、平成22年に撤去されています。シャワー室を無料で使用出来る。

3000番代(JR東海車)
形式標記の書体に違いがあるものの、この他は全く同一で、所属会社を区分する為、3000番代となっています。車輛の説明は0番代(JR西日本車)をご覧下さい。

クハネ285-3003(2位側)

クハネ285-3001~
高松・出雲市方1、8号車、東京方7、14号車に位置する制御車です。0番代と同一で、「シングル」19室、「シングルツイン」1室で構成されています。車輛番号が奇数番号は東京方、偶数番号は高松・出雲市方に連結されます。

モハネ285-3003(3位側) モハネ285-3002(2位側)

モハネ285-3001~
3号車及び10号車に位置するパンタグラフ付き中間電動車です。0番代と同一で、走行に必要な車輛制御装置、電動空気圧縮機、SIV装置を搭載しています。「ソロ」が20室あり、シャワー室、ラウンジ、業務用室等の設備があります。

モハネ285-3203(3位側) モハネ285-3202(2位側)

モハネ285-3201~
5号車及び12号車に位置するパンタグラフ付き中間電動車です。200番代と同一であり、搭載される機器類も同じです。車内は「ノビノビ座席」28席、「シングル」2室があり、車掌室の設備があります。

サハネ285-3003(3位側) サハネ285-3002(2位側)

サハネ285-3001~
6号車及び13号車に位置する中間附随車です。0番代と同一で、「シングル」20室、「シングルツイン」3室で構成されています。

サハネ285-3203(3位側) サハネ285-3202(2位側)

サハネ285-3201~
2号車及び9号車に位置する中間附随車です。200番代と同一で、「シングル」20室、2室の「シングルツイン」、身障者対応の「シングルツイン」1室で構成されています。トイレは身障者対応の洋式トイレとなっています。

サロハネ285-3003(3位側) サロハネ285-3002(2位側)

サロハネ285-3001~
4号車及び11号車に位置する中間附随車です。0番代と同一で、「サンライズツイン」4室と「シングルデラックス」6室の他、シャワー室(シングルデラックス利用者のみ利用できる)を備えています。




参考書の表紙に戻る     形式写真の表紙に戻る     電車その2の表紙に戻る