19系コンテナのページ(19D形式5t積み12ftコンテナ)

19D形式は平成7年に登場した形式です。登場のきっかけとなったのは同年に発生した兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)です。
この地震で鉄道も甚大な被害を受けました。この際、貨物輸送は海上輸送を代替輸送手段としましたが、クレーン荷役に対応した構造をもつ鉄道輸送用コンテナが少なく、輸送に難儀するという事がありました。
そこで、災害時において即応性を高めるべく、19B形式に隅金具、屋根上にクレーン荷役対応の金具を設置した本形式が設計し、大量増備が行われ、JR貨物コンテナの代表的な存在となりました。構造は19B形式と同じく両側面に扉を備えた両側二方開きとなっています。
当初は国鉄時代製作のコンテナの置き換えでしたが、途中より同形式の初期個体を置き換えるようになり、平成29年までに48217個もつくられました。その後は増備される事はありませんでした。しかし、令和7年に増備が実施されました。
営業用に供する事が困難になった個体は産業廃棄物輸送用に転用され、形式を
W19D形式として、別の個体では事業用に転用し、ZD19D形式Z19D形式に形式変更を行っています。

長期に及んで製作された19D形式。様々なものがありますので、見ていきましょう。

0番代 初期の個体。19B形式をベースにしており、その面影が残っています。
1~10 東急大阪製

 
19D-5(3位側)

先行試作的な意味合いを持つ最初のグループで、JRFロゴマークの大きさなどは19B形式と同じです。扉に向かって左に添えられる文字は「日本貨物鉄道株式会社」であり、本グループのみに採用されています。以降はJR貨物となっています。

11~2760 JINDO製

   
19D-515(1位側)  19D-1849(4位側)

最初の量産型と呼べるグループである一方、JR貨物の所有するJINDO製最後のコンテナのグループでもあります。19B形式などと違い、19DやJR貨物の文字に特徴があります。妻リブは7本、ヒンジは角が丸いものとなっています。

2761~2960 CIMC製

 
W19D-2773(1位側)

海外製コンテナ第2弾として登場したのがCIMC(中国国際海運集装箱集団)というメーカー。中国のコンテナ製造メーカーです。JINDO製に似た妻リブ7本構造ですが、ヒンジが四角である事や扉のロッドにかかる「J」の部分の白塗りをしていないといった違いが見られます。

2961~3060 日本車輌製

 
19D-3021(4位側)

国産メーカーでは初の量産型グループ。19B形式と同様の設計をしており、隅金具の違いが見分ける方法になります。戸当りゴムがヒンジ寄りになっている特徴があります。

3061~4960 CIMC製

   
19D-3175(1位側)  W19D-3690(2-4位側)

0番代の最終グループ。前作に引き続く増備で、同じ外観です。

5000番代 0番代のモデルチェンジを行ったグループ。主に各所強度を増した設計変更が行われています。

5001~6300 東急大阪製

   
19D-5034(1位側) 19D-5444(2-4位側)

0番代と異なり、外観は大きく変化。扉1枚に対し、ヒンジは2つから3つへ。屋根は平板からプレスリブのあるものになっています。標記では妻板部分が従来は横書きでしたが、見易くするために形式と個体番号を分けた縦書きに変更しています。また、PRを目的に「環境にやさしい鉄道貨物輸送」のステッカーが貼られています。

6301~6500 CIMC製

 
19D-6371(1位側)

CIMC製のモデルチェンジ第1弾のグループ。妻板は国産が7本に対し、CIMC製は6本の違いがあり、標記ではリブではなく、リブとリブの間に標記されているのが特徴。側面では、中央の白帯がヒンジに届いていない位置となっているほか、ヒンジの角が丸いとなっています。

6501~7000 日本車輌製

   
19D-6873(1位側) 19D-6644(4位側) 

日車製では唯一の5000番代のグループ。以降は東急(後の総合製作所)及びCIMCの2社の製作となります。
東急製に近い外観ですが、扉の鼻や標差し、戸当りゴムの位置が異なっています。また、「JRF」ロゴマークの「J」の文字がやや大きい点も特徴にあります。

7001~8000 東急大阪製

 
19D-7840(4位側)

5000番代第2弾となるグループ。前ロットとパッと見て変化のない外観ですが、横長の大きい標差しの中央に金具が追加され、妻標記が形式と個体番号の間に-(ハイフン)を入れ、1列になる変更されています。「JRF」ロゴマークの「J」が日車製に倣い、やや大きいものになりました。

8001~9000 CIMC製

   
19D-8382(1位側)  W19D-8878(4位側)

こちらも前ロットからの変更点は、東急大阪製と同じく、標差しの改良及び妻標記をリブ上に縦標記としたものとなっています。CIMC製の「JRF」ロゴマークの「J」は隣の「R」との大きさが小さい点が国産と異なっており、以降、この違いは変わらないようです。

9001~10000 東急大阪製

   
19D-9547(1位側) 19D-9237(4位側)

前作との違いはなく、5000番代初期の標準的な個体のグループ。

10001~12000 CIMC製

   
19D-10831(1位側) 19D-11191(2位側)

CIMC製5000番代初期の標準的な個体を有するグループ。桁数が10000番代となり、19Dの標記がやや内側に移動している変化が見られます。

12001~12800 東急大阪製

   
19D-12422(1位側) 19D-12582(2-4位側)

前作とは異なり、標差しが増設された他、内容積の標記がロックレバー横へ移動している変化が見られます。このロットより、PRステッカーが「環境にやさしい鉄道コンテナ」に変わっています。東急大阪製では最後のロットになります。
このロットである19D-12101及び12102は新しい通風機能を試験するために通風孔が設置されていた時期があります。(試験終了後に埋戻しされています。)

12801~15800 CIMC製

   
19D-15166(3-1位側) 19D-14896(4位側)

CIMC製のこのロットも東急大阪製と同じく、標差しを増設し、内容積の標記を移動させています。

15801~16300 東急和歌山製

 
19D-15868(4位側)

製造工場が大阪から和歌山へ移転し、最初のロット。特に大きな変化はなく、前作と同じである。

16301~17800 CIMC製

 
19D-17271(1位側)

前作からの増備で、ほぼ同じ設計となっています。

17801~18200 東急和歌山製

 
19D-18133(1位側)

引き続き増備されたグループ。角度の緩い脚、6本の妻リブ・・・

18201~18700 CIMC製

 
19D-18584(1位側)

前作からの増備グループです。

18701~20600 東急和歌山製

   
19D-20346(1位側) 19D-18745(4位側)

床構造(廻り)に変化が見られ、少しのマイナーチェンジが行われています。脚の角度が緩やかな長めなデザインから短く急なものへ。妻面の下部の梁が太くなりました。この他にヒンジの角の丸みが大きくなっています。

20601~21700 CIMC製

 
19D-21233(3位側)

東急製に変化が起こるとCIMC製も続くパターンでしたが、引き続き前作と同じ姿での増備となっています。

21701~22600 東急和歌山製

 
19D-22344(1位側)

前作に続く、増備グループです。

22601~23700 CIMC製

   
19D-23637(1位側) 19D-23566(4位側)

5000番代ではCIMC製最終グループとなります。一見すると前作と同じですが、脚に変化が見られ、角度が異なっています。

23701~25700 東急和歌山製

 
19D-24156(2位側)

5000番代最終グループで、前作の増備という形で大きな変化は見られません。

30000番代 二度目のマイナーチェンジを行ったグループ。

30001~32600 東急和歌山製

   
19D-31452(1位側) 19D-30066(4位側)

30000番代では側面を見ると標差しの位置が高くなり(ロックレバーと同じ高さ)、内容積の標記位置変更、ヒンジの形状変更が行われています。妻面ではリブが6本と変わらないものの、やや太くなっている変化が見られます。

30001~32600 東急和歌山製

   
19D-31997(1位側)  

このロットのうち、19Dー31981~32000の20個には「セルフクリーニング機能」が付加された試験コンテナとなっています。名前の通り、個体に付着した汚れを雨水によって洗い流すようにしたもの。

30001~32600 東急和歌山製

   
19D-31961(2-4位側)  

こちらも本ロットでのみ見られる試験コンテナで、正確な個数は不明なるも、10~20個に試行されていると言われる「半ドア防止対策」仕様のコンテナです。遠目では判り難いため、気付き難いレアコンテナと呼ばれるものになっているようです。

32601~33100 CIMC製

   
19D-33089(1位側) 19D-33001(2位側)

CIMC製30000番代初のグループ。東急製と同じく標差し、標記などの変更が施されているほか、側扉フックの設置位置が変更されています。また、ヒンジの少し手前で途切れていた白帯の端っこもヒンジに合わせる位置になっています。妻面では下部の梁が太くなりました。

32601~33100 CIMC製

   
19D-32602(3-1位側) 19D-32718(4位側)

本ロットの19D-32601~33000はファンの間では「エラーロゴ」と呼ばれており、フルマイナーチェンジをしたにもかかわらず、そちらよりも「JRF」ロゴのエラーに目を奪われてしまいました。写真左を見ての通り、ロゴマークにミスがあります。
程なくして、このエラーロゴ及び白帯が撤去され、更新工事を受けた個体のように変化した個体も存在しています。

 
19D-33000(1位側)

中には元の状態がわからないように丁寧に撤去した個体もあります。

33101~34650 東急和歌山製

   
19D-33653(3位側) 19D-33657(2位側)

前作からの増備になるグループで、33000番代ではロックレバーが延長されている変化が見られます。19D-33651~33700(写真)は鉄道によるコンテナ輸送50周年を記念して、国鉄コンテナを模した復刻塗装となっています。エコレールマークは特大のものとなっています。

   
19D-34645(1位側) 19D-34011(4位側)

34000番代に入ると更に変更が加えられ、戸当りゴムがヒンジの上に移動し、内容積標記が二段書きになっています。また、扉を固定するフックが上へ移動する変化が見られます。

34651~35350 CIMC製

   
19D-34954(1位側) 19D-35075(2位側)

東急製の変更と同様に、扉フック、戸当りゴム、内容積の標記変更を行ったグループです。

35351~37000 東急和歌山製

 
19D-35521(2位側)

前作からの増備グループになります。変更は見られません。東急和歌山製では最後のロットになります。

37001~37110 総合和歌山製

 
19D-37012(2位側)

東急車輛製造とJR東日本のグループとなる新津車両製作所が合併し、総合車両製作所(J-TREC)になりました。社名変更後の、最初のロットになります。東急和歌山製の前作と変更点はありません。

37901~39000 CIMC製

 
19D-38386(4位側)

最初におや?と思われる番号の空きですが、番号(37111~37900)が大きく飛んでいる理由は80000番代が製作された為です。前作の増備グループになり、変更点はありません。

39001~40350 総合和歌山製

 
19D-40056(4位側)

前作からの増備となるグループです。

40351~41200 CIMC製

 
19D-40607(3位側) 19D-40431(4位側)

前作からの増備となるグループです。

41201~42000 総合和歌山製

   
19D-41633(2位側) 19D-41903(1位側)

前作からの増備となるグループです。このグループの最後、19D-41901~42000は外観では扉にある「鼻」がなくなり、戸当りゴムがヒンジの近くに大きく移動しました。この外観はこのグループのみとなります。そして、本形式で採用されてきた大きなJRFのロゴが特徴のデザイン最後のグループとなります。

42001~44100 総合和歌山製

   
19D-43907(1位側) 19D-43703(4位側)

本グループよりデザインの変更が行われ、JRFレッド1色にJRロゴ、その下にJR貨物とシンプルなデザインとなりました。合わせて、標差しの削減、ヒンジの形状変更が行われた他、形式及び個体番号が内側へ移動や内容積の標記が消える変化が見られます。

44101~44650 CIMC製

   
19D-44157(1位側) 19D-44234(2位側)

CIMC製のマイナーチェンジを行ったグループ。総合製と同じく標差しを削減し、内容積の標記をやめましたましたが、形式及び個体番号の位置は前作と同じとなっています。

44651~51900 総合和歌山製

   
19D-51086(1位側) 19D-46870(4位側)

総合製30000番代最後のロットです。19D-49001~51401までは鼻がない。戸当りゴムがヒンジの近くへ移動する変化が見られます。

51901~52400 CIMC製

   
19D-52177(1位側) 19D-52316(2位側)

CIMC製及び30000番代最後のロットです。19D-51901~52200までは鼻がない。総合製と同じく、戸当りゴムをヒンジの近くに移動させている変化が見られます。

28901 東急和歌山製

 
19D-28901(3位側)

30000番代の番外編として、京都府にある「京都鉄道博物館」に19Dコンテナが展示されています。。50周年記念塗装の装いで、荷役の様子を学ぶ事が出来ます。番号は使われていない「28901」で、「ニヤクイチバン(荷役一番)」となっています。

80000番代 ドア強化グループ

平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は東北地方を中心に甚大な被害をもたらしました。鉄道も例外ではなく、大きな被害が出ました。鉄道輸送の要とも言えるコンテナも沿岸部において津波被害を受け、多数のコンテナが被災しました。この被災したコンテナの代替えとしてつくられたのが80000番代です。また、被災したコンテナの多くがドアを大きく損傷させている事から、ドアを強化した構造を採用しています。

   
19D-80702(1位側) 19D-80025(2位側)

19D-8000180790が製作されています。全て総合和歌山製で、当時の30000番代と外観は同じとなっています。

90000番代 限定運用コンテナ

 
19D-90002(2-4位側)

平成23年に2個製作されたもので、黄緑6号にドアロッドが4本という他とは異なる姿が特徴のグループ。右上に運用が追記されています。特殊な鉄鋼製品の輸送に用いられているそうです。

90000番代 異色の19Dグループ。

   
19D-90039(1位側) 19D-90155(4位側)

30000番代の製造終了や20系新型コンテナが登場した事により19Dコンテナもここまで。と思われていましたが、更に増備が行われました。90003~90155が日新通運というメーカーで製作されました。
側面の形態は総合製ですが、妻面はCIMC製に近く、両社をミックスさせたデザインが特徴となっています。妻面のリブが細いため、形式及び個体番号は溝に標記されています。

60000番代 復活19D形式!

19D-60001(1位側)

平成29年の90000番代増備終了により、19D形式から20系コンテナへと移行。19D形式もW19D形式に転用される等、数を減らしていました。しかし、荷主からは19D形式は設備等の都合から人気が高く、需要がありましたが、老朽化等の理由で個体数が減ってきた為、令和7年に60000番代を増備。200個ほどがつくられました。
外観は総合和歌山製の20D形式の11000番代を縮小したスタイルとなっています。



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