コキ5500形式28t積みコンテナ車
諸元
全長 18300mm 全幅 2617mm 全高 2098mm 台車 TR63B形式、TR216A形式
積載可能コンテナ 12ft5tコンテナ 4個
昭和34年、我が国初となるコンテナ専用特急貨物列車「たから号」の運転開始に伴い、コンテナ車としてチキ5000形式が製作されました。列車が好評であったことから、増備車として途中駅での分割、併合に対応するためデッキ付きに変更したチキ5500形式(初代)が昭和37年に登場しました。昭和40年に称号規定改正により、コンテナ車は長物車から派生し、コンテナ車というカテゴリーが設定され、記号は「コ」が与えられ、コキ5000形式、コキ5500形式に改称しました。コキ5000形式は改造を受け、本形式に編入されています。昭和45年まで2形式合わせて、3146両が製作されて全国で活躍をしました。コンテナ輸送の礎から発展までを担った由緒ある形式です。
10ft5tコンテナ(1種5t)を5個積載出来る当形式でしたが、昭和46年より12ft5tコンテナ(2種5t)が誕生し、普及し始めた事から、この対応工事が行われました。この工事で12ft5tコンテナ4個積みに変更し、荷重も34tから28tに変更しました。この工事を受けた車輛は原番号に20000を足して識別しています。
この工事により、コキ50000形式よりも積載量、運転最高速度が劣る本形式は余剰車が出始め、他形式への改造が551両行われました。
幹線での活躍の座を奪われてしまいましたが、入線制限を受ける線区が少ない事が幸いし、支線区の運用に広く活躍をしました。しかし、支線区の輸送量は少ないため、トラック輸送に転換されたり、列車そのものが廃止されて、徐々に活躍の場を失いました。JR貨物で開発したコキ100系が投入されると、急速に姿を消していき、現在は事業用代用で1両だけ籍を残すだけとなっています。
コキ8900~コキ8939(コキ28938)
通称「8900番代」と呼ばれる本形式の最終増備車で、昭和45年に登場しました。隅田川駅と西岡山駅(現:岡山貨物ターミナル駅)を結ぶ特急貨物「山陽ライナー」号用の車輛として製作されました。既存車輛との違いは20ft10tコンテナを積載出来るようにした点です。(床面高さの関係で10t-5t-10tの積載になります。)しかし、活躍期間は僅か1年ほどで、コキ50000形式が登場したのに伴い、12ft5tコンテナ4個積みに改造されています。
コキ60000形式34t積みコンテナ車
諸元
全長 20400mm 全幅 2640mm 全高 2098mm 台車 TR63F形式
積載可能コンテナ 12ft5tコンテナ5個
コキ60084
昭和59年よりコキ5500形式の積載能力、運転最高速度向上を図るため127両を改造して登場した形式です。
昭和60年のダイヤ改正で、高速貨物B列車(運転最高速度95km/h)を増発させる事が予定されました。しかし、財政状況は極めて厳しく新製車輛は投資を抑制する必要から行えませんでした。そこで、コキ5500形式を改造して、コキ50000形式との共通運用を計画しました。
改造は極力最小限とされ、台枠を延長し、12ft5tコンテナ用の緊締装置を1つ増設。ブレーキ装置はコキ50000形式と同じCL方式(応荷重装置付き自動空気ブレーキ方式)に変更しています。
コキ60000~60022は試作車で、ブレーキ装置を最初に改造し、実際に走行試験を行った後に車体の改造を行いました。60023以降は車体、ブレーキ装置を同時に改造した量産車となります。
コキ50000形式と運用を共に行いましたが、12ft5tコンテナのみしか積載出来ない当形式は運用制限を設けなければならず、コキ100系の本格的増備が始まると淘汰の対象となり、平成9年までに全車が廃車されて形式消滅しています。
コキ10000形式28t積みコンテナ車
諸元
全長 18300mm 全幅 2720mm 全高 2098mm 台車 TR203形式
積載可能コンテナ 12ft5tコンテナ4個、20ft10tコンテナ2個(11000番代、12000番代)
チキ5000形式(後のコキ5500形式)によるコンテナ輸送は高速性と速達性から人気が高まり、全国へと拡大していきました。それを追うように高速道路網の整備も進み、トラック輸送の需要も拡大しつつありました。これに対抗するために更なる高速化を図るため10000系貨車は設計される事になりました。昭和41年に10000系シリーズのコンテナ車として登場。ワキ10000形式、レサ10000形式など共に運転最高速度100km/hの走行が可能な貨車として一世風靡しました。
車体はチキ5000形式と同じ魚腹形側梁を基本に構造や製造工程を改良し、軽量化をしています。塗装色は20系客車と同じ青15号を採用しており、「貨物のブルートレイン」とも呼ばれました。TR203形式という高速貨車用に開発された空気ばね付きの台車を履き、ブレーキ装置も高速貨車用に開発されたCLE方式(応荷重式電磁直通空気ブレーキ)を採用し、応答性を高くすることで高速域からの確実な制動を可能としています。また、連結器は元空気ダメ管(MR管)を持つ密着自動連結器を装備しています。これは空気ばねに使用するMR管を確実に連結するとともに、連結時の隙間を最小限にとどめる目的があります。因みに10000系貨車は他の車輛との連結は可能ですが、空気ばねの空気の供給がブレーキ管(BP管)からとなり、空気ばねの空気の使用量が増えるとブレーキが動作してしまうため、多くは連結できず、6両以下と決められています。
この特殊な構造のため、10000系貨車を牽引する機関車はEF66形式などに限られていました。また、貨車自体も特殊装備であるため、メンテナンス面などを考え、幹線での使用に留まり456両で製作が終了しています。
昭和46年にコキ50000形式が後継車種として登場。同時に新しい規格の12ft5tコンテナが登場し、この規格に合わせて、積載数の改造が行われ4個積みになりました。これが災いし、積載効率の悪さ、車両構造の特殊さなどにより多くが余剰化。一部はチキ5200形式などへ改造され、他の用途へ転用されました。
JR貨物発足後も活躍を続けていましたが、コキ100系などの登場により臨時列車を主として運用するようになり、平成8年に全廃となり、10000系列は消滅しました。
コキ10000形式18000番代(コキ18038)
北海道方面へ高速コンテナ列車を拡大するため、10000番代(暖地向け)をベースに耐寒・耐雪構造としたグループで昭和43年に登場しました。ブレーキ装置を保護箱に収納し、台車は耐寒性能を加えたTR203S形式を履いています。外観は暖地向けとほぼ同じです。暖地向けに改造された車輛もあり、10400番代となっています。
コキ10000形式11000番代、12000番代(コキ12001)
昭和52年に10000番代を20ftコンテナ積載専用としたグループです。5t積み用の緊締装置を撤去し、20ft用のエンドロック式緊締装置を設置しました。JR貨物発足後の昭和63年に特急「北たから」号に使用するため、18000番代、18100番代より同様の改造が施された12000番代が登場。暖地向けの11000番代と識別するため、台枠の魚腹部に黄色の帯がつけられています。
コキ19000形式34t積みコンテナ車
諸元
全長 18300mm 全幅 2810mm 全高 2008mm 台車 TR203A形式
積載可能コンテナ 12ft5tコンテナ4個、20ft10tコンテナ2個
コキ19008
フレートライナーの多様化するコンテナ輸送に対応するために国鉄では初めての10ft5tコンテナ、20ftコンテナを積載可能とした形式で、昭和44年に登場しました。
20ftコンテナの積載方法は、10ftコンテナ用の緊締装置を跨ぐように積載(台枠から浮かせた状態)するために、車体高さを低くしています。緊締装置はエンドロック式、ツイストロック式など複数の方式が採用され、将来的には30ftや40ftの大型コンテナの積載も出来るように考えられていました。試作的要素が多いため10両の製作のみとなっています。
コキ50000形式37t積みコンテナ車
諸元
全長 20400mm 全幅 2640mm 全高 2098mm他 台車 TR223(TR223G)形式、TR203形式
積載可能コンテナ 12ft5tコンテナ5個、20ftコンテナ3個、30ftコンテナ2個
東名・名神高速道路を皮切りに高速道路網の整備が進み、長距離トラックの貨物輸送量が増加しつつあった1960年代。国鉄では昭和41年にコキ10000系を投入し、列車を高速化する事で対抗しました。さらに昭和44年からイギリス国鉄で行われていたトラックとの共同輸送方式を参考に、「フレートライナー」方式の営業を始めました。この方式は物流業者が荷主となり、自社の路線貨物にコンテナ列車を用いる営業を行う。というもので、夕方集荷、翌朝配達という現在では一般的な定時定形輸送を行う方式です。
フレートライナー方式を広めるためには、コンテナ車の積載能力向上、製作コスト低減などの課題のほか、列車の運行には旅客列車と同等の性能を有し、ダイヤに差し支えが出ない事も求められました。昭和45年に運転最高速度95km/hとなるコキ9200形式試作車が製作され、この結果を反映した量産形式として昭和46年にコキ50000形式、コキフ50000形式が登場しました。
コキ10000形式よりも若干性能は劣るものの、電磁ブレーキや空気ばねなどの特殊な装備を持たないため、牽引する機関車を選ばない利点があります。また、コキ50000系列の登場に合わせて、コンテナの規格も見直され、容積を拡大し、貨物の積載を容易にした12ft5tコンテナが用意されました。こうして、3631両も大量に製作されました。
車体(台枠)はコキ5500形式やコキ10000系と同じ魚腹形の側梁を持っていますが、20ftコンテナを3個積載できるように台枠が延長されており、20m級の大型貨車となりました。多種多様なコンテナを積載出来るように緊締装置は積載するコンテナに応じて、必要ない緊締装置は垂下させるような構造となっています。積車時の総重量は最大60t(軸重15t)としており、運用線区が限定されています。
台車はコキ5500形式後期形で採用されたTR216形式を基に設計されたTR223形式を履き、ブレーキ装置はCL方式(応荷重装置付き自動空気ブレーキ方式)とし、電磁ブレーキに頼らないで制動距離を確保するために運転最高速度は95km/hとしています。
国鉄のコンテナ車の主力として活躍し、JR貨物発足後はコキ100系と共に我が国の物流輸送を支えてきましたが、平成30年に定期列車から引退し、全車が廃車され形式消滅しています。
TR223F形式台車への交換(コキ51716)
JR貨物発足後より使用している台車の亀裂が多発し、平成5年に羽越本線で台車枠破壊が原因となる脱線事故が発生してしまいました。全車輛を対象に対策を講じたTR223F形式に交換が行われました。識別のため、また亀裂などの異常を見つけ易いように台車枠は灰色に塗装されています。
コキ53276~コキ53413(コキ53371)
昭和60年より貨物列車の車掌乗務が無くなり、コキフ50000形式が余剰になりました。JR貨物発足直後の昭和62年より輸送力増強を図るため、車掌室を撤去してコキ50000形式に編入したグループです。車掌の作業環境改善のため、空気ばね台車のTR203形式を履いた車輛はTR223形式に戻しています。手摺りも一般車と同じ物としているため、外観の違いはありません。
コキ50000形式57000番代、57100番代(コキ57106)
昭和63年より首都圏と北海道で集中電源方式による冷凍コンテナの輸送が実施される事となり、その専用車輛としてコキ50000形式を改造したグループです。57000番代は電源コンテナを積載する車輛で5両改造、57100番代は冷凍コンテナに給電する機能を持った車輛で18両が改造されました。編成は57000番代を中心に、前後2両を57100番代とした5両固定編成となっています。改造はコンテナ用の電源引き通し回路を増設する事が主になっており、車体色を青20号に変更し、「COOL EXPRESS」をロゴマークが魚腹部中央に書かれています。平成8年に個別に電源装置をもつ冷凍コンテナが投入されたため輸送は終了し、一般車へ復元されました。(原番号に戻っています。)
コキ50000形式250000番代(コキ252305)
昭和60年に登場した番代で、391両登場しました。1000tコンテナ列車を1200tまで引き上げ輸送力増強を図る事となり、ブレーキ装置を改造したもので、応答性を高めるために指令変換弁が追加され、空走時間の短縮を図っています。改造後は原番号に200000を加えています。この車輛で組成し、1000tまでの列車に限り、牽引する機関車を限定する事で運転最高速度100km/hが可能となりました。当初は塗装変更はありませんでしたが、東北・北海道方面で活躍する際に淡緑色に変更しています。コキ100系が投入されると一般車との混用となり、コキ107形式増備により、保守面で手間のかかる本番代は平成24年に廃車となり、番代消滅しています。
コキ50000形式258000番代(コキ258036)
コキフ50000形式を250000番代に改造したもので、58000番代と同じくTR203形式台車を履いています。17両が改造され、活躍しました。58000番代と同じく、積載効率に難があったため58000番代と同時期に消滅しています。
コキ50000形式350000番代(コキ350000)
昭和63年のダイヤ改正より、運転最高速度110km/hのコンテナ特急「スーパーライナー」(東京貨物ターミナル~東広島駅)を運転する事となり、その専用車輛として本番代が一般車の改造により、45両登場しました。250000番代と異なり、出来上がった順から350000から番号が付けられています。
ブレーキ装置をコキ10000系と同じCLE方式(応荷重式電磁自動空気ブレーキ方式)に改造し、台車も基礎ブレーキ装置の改造を行いました。車体は識別のため黄かん色(山吹色)に変更、台車も灰色としています。(改造した工場によっては台車が黒色など差異がありましたが、統一しています。)
スーパーライナー号の活躍期間は僅かで、コキ100系に置き換えられると250000番代と共通の運用で活躍、晩年は限定運用となり、関東地方で活躍。一部はレール輸送用長物車に再改造されましたが、本番代は平成20年に番代消滅しています。
コキ100系40.5t又は40.7t積みコンテナ車
諸元
全長 19910mm、20400mm 全幅 2640mm、2663mm 全高 1162mm~2663mm 台車 FT1系
積載可能コンテナ 10ft又は12ft5tコンテナ5個、20ftコンテナ3個、30ftコンテナ2個、40ftコンテナ1個、ISO20ftコンテナ2個、ISO40ftコンテナ1個
コンテナ輸送の競争力を高めるために国鉄末期から速度の向上や輸送力向上を図るべくコンテナ車の改造などで対応をしていましたが、主力とされる車輛はコキ5500形式(積載効率、高速走行に難あり。支線区向け。)、コキ10000形式(積載効率、保守面に難あり。高速走行は可。)、コキ50000形式(積載効率は良いが、ISOコンテナに対応せず。高速走行は改造車あり。)と一長一短の性格を持っている車輛でした。巷では輸送事情も大きく変化しており、あらゆる輸送分野で対抗するためには高速走行はもとより、汎用的な積載能力を兼ね備えた車輛が必要である事から、JR貨物発足後すぐに新型車輛の開発が始められました。こうして、昭和62年にコキ100形式4両が試作車として登場しました。
台枠は従来のコンテナ車と同じ、魚腹形の側梁をもつ構造ですが、ISOコンテナ(海上コンテナ)では一般的な8ft6in(2591mm)コンテナを積載出来るように床面高さを1000mmとしています。車体長はコキ50000形式と同様の19600mmを標準としています。台車はコキ50000形式向けのTR223形式をベースに開発したFT1系列で、運転最高速度を110km/hとしています。ブレーキ装置はコキ10000系と同じCLE方式(応荷重装置付き電磁自動空気ブレーキ方式)で、ユニット方式による形式では一部の車輛にのみ電磁弁を装備させ、その他の車輛をCL方式(応荷重装置付き自動空気ブレーキ方式)とし、集中制御させる仕組みとなっています。
従来車の置換え、海上コンテナ輸送など実態に合わせた仕様の変更を重ね、派生形式を生み出して一大勢力となっていきました。コキ100系はJR貨物の主力形式に育ち、全国各地で活躍を見ることが出来ます。
コキ100-5~132(コキ100-28)
試作車の結果を受けて昭和63年から登場した量産車です。第1弾はコキ101+コキ100+コキ100+コキ101の4両編成とする事になり、当形式は中間車となります。試作車と同じ車体長で、IBC取付穴が設置されました。また、ブレーキ方式はCL方式(応荷重装置付き自動空気ブレーキ方式)となっています。
コキ102-1~180(コキ102-9)
コキ100系シリーズ第2弾となるグループで、平成元年に登場しました。コキ100形式、コキ101の4両1ユニットや車体長や積載設備には変化はありませんが、ブレーキ装置の変更が行われています。本形式はコキ100形式に相当する中間車ですが、コキ101形式に装備されていた電磁弁を本形式の奇数番号車に集約しています。(偶数番号車はCL方式のまま。)写真は初期の頃に見られたもので、JR貨物の文字が入っていました。その後「JRF」のCI(コーポレートアイデンティティー)に変化し、平成29年以降は省略され、JRFマークの付いた車輛も消去が進んでいます。
海上コンテナ緊締装置装備車(コキ104-1005)
平成8年に96両が改造されたグループで、IBC取付穴を持つ1~1280番までの車輛から改造しています。
コキ100系では海上コンテナ輸送する際に、IBC取付穴に緊締装置をその都度付けていました。平成8年より海上コンテナの定期輸送が実施されるにあたり、運用の都度装着していては大変なので、緊締装置を装着したままの改造を行いました。これがこのグループとなります。改造車にはマリーンを意味する「M」の文字が標記されていました。その後、海上コンテナの積載方法を改善したコキ106形式や重コンテナ輸送用のコキ200形式が登場し、平成15年にコキ104形式の役目は終了し、「M」の標記を消去の上、元の姿に戻っています。
コキ106-1~404(コキ106-52)
コキ100系シリーズ第5弾として平成9年に登場した形式です。従来のコキ100系ではIBCを使用していましたが、緊締装置の着脱の煩わしさがあり、これを改善し、海上コンテナ輸送に適した車輛の開発が行われました。
20ft海上コンテナの積載位置をJR20ftコンテナの積載位置と同じとし、さらに総重量24tの海上コンテナを1個積載可能としました。これにより荷重は40,7tになり、台枠も強度を増した設計となり、台枠、手摺形状などデザインが変わりました。また、台車も重荷重に耐えられるようにFT2形式台車を履いています。
初期のこのグループは当初は写真のように、従来車と同じコンテナブルーの車体でしたが、現在は405番以降と同じ灰色に変更されています。
コキ200形式48t積みコンテナ車
諸元 全長 15000mm 全幅 2566mm 全高 2017mm 台車 FT3形式
積載可能コンテナ ISO20ft24tコンテナ 2個、ISO20ft30.48t 1個、ISO40ft30.48t 1個
コキ200-34(左)とコキ200-83(右)
石油精製品や化成品などは専用のタンク車によって輸送が行われていました。車輛の構造上により運転最高速度75km/hであったため、速度向上が難しく、ダイヤ作成上のネックともなっていました。一方で経年劣化が進み、置換えも考えなければならない車輛も多く出てきました。そこでJR貨物では、荷主に20ftISOコンテナの使用を提案し、平成8年からISO規格で設計されたタンクコンテナが出てきました。
ISO20ftタンクコンテナは総重量が24tもあり、コンテナ車では荷重の半分以上もあるため1個の積載に限られ、非効率を余儀なくされていました。これを解消するために、ISO20ft24tコンテナ2個、クンロクコンテナと呼ばれる9ft6inISO40ftコンテナ(ハイキューブ(背高)コンテナ)を1個積載できる低床式汎用コンテナ車コキ72形式を試作しました。しかし、低床式の特殊構造がネックとなり量産化は見送られてしまいました。
ISOコンテナの中で最も背高の9ft6inコンテナが低床式貨車に頼らず運転が可能か。を調査した所、多くの区間で物理的に可能という事がわかり、コキ100系と同じ床面高さを持つ重コンテナ輸送用の車輛として、平成12年にコキ200形式が登場し、154両が製作されました。
構造的にはコキ100系と同じで、自重を軽量化させるために全長を20ftコンテナが2個積載できる極限までとしています。台車はコキ106形式のFT2形式をベースに重荷重に耐えうる構造としたFT3形式としています。ブレーキ方式はCLE方式(応荷重式電磁自動空気ブレーキ方式)で、荷重を検知する機構は従来は油圧式でしたが、ワ100形式で採用された空気式に変更しています。
コキ200-45~は、手ブレーキを使用していると、表示板が飛び出る手ブレーキ緩解表示装置が設置されています。
コキ70形式40.6t積みコンテナ車
諸元
全長 20750mm 全幅 2819mm 全高 1965mm 台車 FT11形式
積載可能コンテナ、車輛 JR20ft 3個、ISO20ft(20.3t) 2個、ISO40ft及びISO45ft 1個、11tトラック 1台、4tトラック 2台、20kLタンクローリー 1台
コキ70-902
鉄道による海上コンテナ輸送は昭和53年に一旦途絶え、JR貨物発足直後の平成元年よりコキ100系によって再開されました。当初は横浜博(YES’89)開催期間の交通渋滞緩和という一時的なものでしたが、当時の運輸省のモーダルシフト推進などの理由により、本格的に開始される事となりました。
コキ100系は海上コンテナ輸送にも対応した設計でしたが、9ft6inハイキューブコンテナ(クンロクコンテナ)は背高であったため、輸送が出来ませんでした。そこで、開発されたのがこのコキ70形式で平成3年に登城しました。
背高コンテナも輸送できるように低床式の平床構造が特徴で、コンテナの他にトラックも輸送できるように走路が設けられています。2両1ユニットの構成で、中間に位置する連結器は高さを550mmとし、棒連結器を採用しています。トラックは自走式で積載するため、ユニットの両端部は開閉式になっています。
台車は床面を下げる必要がある事から、車輪径を610mmとし、空気ばねを持つFT11形式を履いています。この台車はボルスタレス構造で、ディスクブレーキ、滑走防止装置を装備しており、貨車では初めての採用例となっています。ブレーキ方式はコキ100系と同じCLE方式で、電磁弁類は奇数番号車である901号車に備えられています。
平成4年より営業運転を開始しましたが、バブル崩壊による景気後退、ピギーバック輸送の需要減、背高コンテナ輸送に低床貨車が必要としない。などといった理由から量産車は製作されず、平成15年に廃車されています。
コキ71形式39.2t積みコンテナ車
諸元 全長 21300mm 全幅 2789mm 全高 1947mm 台車 FT12A形式
積載可能コンテナ 12ft5tコンテナ4個、30ftコンテナ(UM30A30000番代(カーラック)に限る)2個
コキ71-901(上)とコキ71-4(下)
鉄道による乗用車の輸送は国鉄時代は車運車を用いて対応し、輸送の高速化、自動車の汚損防止などを目的に国鉄末期から専用のコンテナが開発されました。いずれも復路が空荷としなければならない欠点があり、解決されずにいました。この問題を低床式多目的車輛として試作されたコキ70形式をベースに、低床化で生じた大きな積載空間を活用して、往路は乗用車、復路は12ft5tコンテナを輸送できる「カーラックシステム」を開発しました。このシステムに使用されるのが平成6年に登場したコキ71形式です。試作車2両、量産車6両が製作されました。
車体(台枠)はコキ70形式がベースで、2両1組(奇数番号車+偶数番号車)での使用とし、相互の連結は半永久連結器を使用します。乗用車の汚損防止のため、車体の中央で分割するウイングトップ式のラックカバー(アルミ製)が装備(写真の901号車)されており、荷役時は外部操作により動作します。その中に専用の30ftコンテナUM20A形式30000番代(写真の4号車に積載されている青色のコンテナ)を2個積載しています。このコンテナ1台に乗用車を4台又は5台積載します。復路はコンテナ内にある積載装置を床面に下げ、12ft5tコンテナを4個(1台当たり2個)積載します。
カーラック輸送として自動車輸送に使用されていましたが、現在は輸送が休止されており、車輛も保留車扱いとなっています。
コキ72形式48t積みコンテナ車
諸元 全長 16000mm 全幅 2650mm 全高 2047mm 台車 FT15形式
積載可能コンテナ JR12ftコンテナ3個、JR20ft、ISO20ft(20.3t)及びISO20ft(24t)は2個、JR30ft及びISO40ftは1個
コキ72-901
平成8年に登場した試作車で1両のみ製作されました。コキ100系を使用した海上コンテナ輸送は好調であるものの、大型重量コンテナやクンロクコンテナと呼ばれる9ft6inの背高コンテナには対応出来ませんでした。そこで、これらのコンテナ輸送にも対応できる車輛として、当形式が製作されました。
1両単位での輸送を考えており、両側のデッキ部が一般のコンテナ車と同じ高さで、積載部分のみを低床構造とした独特の外観をしています。床面を下げるため、台車は車輪径610mmを使用したFT15形式を履いています。
試験も兼ねて営業運転を開始しましたが、背高コンテナ輸送に低床車輛を必要としない事が判明し、量産化は見送られて、試作車1両のみで終了してしまい、以降はコキ106形式や本形式と同等の積載能力を持つコキ200形式の生産へ移行してしまいました。現在は運用終了となっています。

































































