
19系コンテナ
昭和62年の国鉄分割民営化により、JR貨物が発足。同時に従来のコンテナより一廻り大きくなった18系コンテナ(※)が誕生。新しいコンテナ輸送の時代が始まりました。輸送が堅調である事から平成4年に18系コンテナをグレードアップさせ、更に大きくなった新規格の19系コンテナ(※)が誕生しました。このページでは19A~19C形式、19E形式、19H形式、W18F形式、18E形式を紹介します。この他の19系コンテナは個別のページでご紹介しています。
※18系コンテナ、19系コンテナという呼び名は正式なものではなく、当ホームページにおいて便宜上の呼び名です。
19A形式5t積み12ftコンテナ
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| 19A-670(4位側) |
平成4年に新規格のコンテナが製作される事になり、第1弾として登場した形式です。試作コンテナ1個、量産コンテナ1000個が製作されました。
全幅を従来よりも拡大する事で内容積を19㎥としています。扉構造は荷役作業で人気の高い、側二方開き構造としています。塗装色は試作コンテナのみコンテナブルーを採用しましたが、量産コンテナでは赤紫色(JRFレッド)をベースに下部を黒色とし、「JRF」の大きなロゴマークを付けた斬新なデザインとなりました。
活躍が期待されましたが、トラック輸送時に問題があり、1000個の生産で終了してしまいました。平成25年に形式消滅しています。
19B形式5t積み12ftコンテナ
平成6年に登場した形式で、19A形式で問題になった全幅をやや狭め、改良しました。このサイズは後に登場するコンテナの基本となっています。塗装色は簡略化され、JRFレッド1色塗りとなっています。
4686個製作され、0番代と後述する19C形式として製作していたものを編入した5000番代があります。平成25年に形式消滅しています。
形態は下記の通りです。
〇1~1500、4501~4640 日本車輌製
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| 19B-91(1位側) | 19B-4521(3-1位側) |
日本車輌製は初期と最終ロットで、妻リブは6本となっています。初期ロットではJRFマークが両扉に及ぶ大きなものですが、最終ロットでは片側の扉に収まるサイズに変更されています。
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| 19B-1212(1位側) |
写真の19Bと書かれた上部に「■」の記号があります。これは内張りのベニヤ板を張り替えたという事を意味しています。
〇1501~3000 東急大阪製
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| 19B-2013(4位側) |
日本車輌製に似ていますが、妻リブが7本と異なる他、扉下部にある戸当りゴムの設置位置が異なります。写真の個体、2013の後ろに「R」という文字がありますが、これは更新工事を意味する「renewa」の頭文字です。この他に更新工事を受け、同様の意味を持つ「●」や「+」という記号を添えた個体もありました。塗装色は簡略化され、帯などは付けられていません。
〇3001~3600 JINDO製
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| 19B-3540(1位側) | 19B-3090(2位側) |
東急製と同じく妻面のリブが7本ですが、太さが異なります。側面は日本車輌製に近いデザインです。このグループより、JRFマークのロゴマークの大きさを変更しています。
19C形式5t積み12ftコンテナ
平成8年に登場し、400個製作されました。19B形式に荷崩れ防止機能を付加したもので、仕切り用のポリプロピレン製パネルが吊るされています。この他の構造は19B形式と同一設計となっています。一部は製作途中で、19B形式に変更されています。平成23年に形式消滅しています。
〇1~50 日本車輌製
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| 19C-11(1位側) |
19B形式の後期ロットと同一の外観で、遠くからでは区別が困難。
〇51~60 東急大阪製
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| 19C-58(1位側) |
僅か10個の製作となるグループ。日車製に似ていますが、妻面リブの本数(日車製は6本、東急製は7本)、側扉の構成に違いがあります。
〇61~400 JINDO製
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| 19C-368(3位側) |
本形式の大半を占めています。このグループより、向かって左側の扉にある「JR 日本貨物鉄道株式会社」が「JR貨物」へと変更されています。
19E形式5t積み12ftコンテナ
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| 19E-61(1位側) |
平成9年に登場し、500個製作されました。19C形式の後継形式で、船舶輸送に対応出来るように隅金具が設置されています。日本車輌製のみで、形態に変化はありません。19D形式の増備により、平成28年に形式消滅しています。
19H形式5t積み12ftコンテナ
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| 19H-1(2位側) | 19H-1(4位側) |
平成30年に登場した妻一方、側二方の三方開き構造のコンテナ。既に同じ扉構造を持つ、一廻り大きい20B形式が登場しており、一般サイズの本形式が登場したのは大きな謎になっています。試作コンテナとされており、1個の製作に留まっています。
W18F形式廃棄物輸送用5t積み12ftコンテナ
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| W18F-6(2位側) |
平成20年に登場した廃棄物輸送用のコンテナで10個製作されました。19D形式をベースに設計されていますが、構造上の理由から内容積は18.1㎥となっています。数字を見ると18系コンテナのグループですが、19系コンテナの仲間です。
輸送する貨物は産業廃棄物の1つである「PCB(ポリ塩化ビフェニル)」というもの。有毒であり、一般産業廃棄物とは厳格に区別して輸送する必要がある為、本形式の製作に至りました。
構造は側面二方開きの構造で、塗装色は19系コンテナに見られるJRFレッドをベースに白色の帯などを配色したものを逆転させたものとなっており、遠方からは冷蔵コンテナのようにも見えます。
※ポリ塩化ビフェニル(Polychlorinated biphenyl)とは。
ビフェニルという物質の水素原子を塩素原子に置き換えた化学物質の総称を言い、一般的には略称の「PCB」と呼ばれる。ポリクロロビフェニルとも言われる。置き換えた塩素原子の数により10種類あり、その置き換えた塩素原子の位置で209種類の異性体(同じ原子を持つが、違う構造の物質の事。)がある。
PCBは1881年(明治14年)にドイツで誕生。日本では昭和29年に製造が開始される。PCBは①熱に強い ②電気絶縁性が強い ③耐薬品性に優れている という3つの大きな特徴があり、電気機器の絶縁油、塗料、溶剤等多岐にわたる分野に用いられ、生活を一変させる結果となった。しかし、生体に対する毒性が強いという問題があり、発がん性、皮膚障害、ホルモン異常を起こす事が判明。我が国では昭和43年に起きた「カネミ油症事件」(食用油の製造過程でPCBが混入し、摂取した人々や胎児に障害等を起こした事件。)がきっかけにPCBの危険性が世間に広く認知され、製造、仕様、輸入が原則禁止となった。
しかし、PCBを含む電気機器等は膨大な量で、正確な数は不明かつ、処理方法が定まらないまま現在に至っており、身の廻りにPCBを含む電気機器等が溢れかえっている。この為、衛生面や環境面で問題となっている。
18E形式5t積み12ftコンテナ
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| 18E-1(4位側) | 18E-2(2位側) |
貨物輸送において輸送時に貨物が傷付いてしまう問題があります。その1つの原因に「振動」があります。走行中の揺れやブレーキや起動時の衝撃等があり、この対策を求める為、平成16年に2個製作されました。
19D形式を基本とし、防振ゴムを設置している点は共通ですが、この他の構造を異なるものとしています。この為、内容積は若干異なっています。外観も異なり、1番は通常のコンテナ。2番は4本のロックロッドを持ったものとなっています。
現在は籍がありますが、運用は休止中となっています。