国鉄コンテナのページ

有蓋コンテナ

 国鉄コンテナの代表的な存在が有蓋コンテナです。5t積みコンテナが基本、主力となります。形式は当初は4桁の数字によるものでしたが、昭和41年以降に登場する形式は、数字の前にコンテナ(container)の頭文字である「C」が付いています。

6000形式5t積み10ftコンテナ

16127(3位側) 36736(4位側)

5000形式5t積みコンテナの増備形式として昭和35年に登場しました。小型の10ftクラスで、外寸は最大長3282mm、最大幅2366mm、最大高2359mmの旧規格設計となっています。妻一方開きのドライコンテナで、塗装色は登場時は淡緑3号でしたが、汚れが目立ち易く、色褪せし易い為、昭和39年以降は山手線と同じ黄緑6号に変更されています。昭和45年までに5180個製作されました。
現在は廃形式となっており、写真左の16127は補修され、埼玉県さいたま市にある鉄道博物館で保存、展示されています。この他、引退後に売却などで倉庫等に転用されている個体も見られます。

7000形式5t積み10ftコンテナ

 7100(4位側)

昭和37年に登場した形式で、小口貨物に適応し、かつトラックに載せたまま荷役作業が出来るように側面両側の二方開きとした形式です。昭和40年までに200個が製作されました。

C10形式5t積み10ftコンテナ

C10-302(4位側)

昭和41年にコンテナに付与する記号の改訂が行われ、同時にコンテナのサイズ変更等の大きな見直しが実施されました。本形式は改訂後の第1号量産形式となります。
C10形式は第1種コンテナの規格で設計され、最大長3301mm、最大幅2372mm、最大高2356mmと6000形式と比較すると一回り大きくなりました。正確には11ftサイズになりますが、案内等では10ftコンテナとして紹介されています。
構造面では6000形式をベースにプレス鋼板を用いて強度を高めた他、クレーン荷役に対応した改良が施されています。登場後、昭和44年までに15126個製作され、初期のコンテナ輸送を支え、平成2年まで活躍しました。

C11形式5t積み10ftコンテナ

C11-1263(3位側) C11-5133(2-4位側)

C10形式と同じ昭和41年に登場したコンテナで、6690個製作されました。荷役作業をし易くする為、C10形式の側面に扉を設け、妻一方、側二方の三方開き構造としたものです。使い勝手が良く、平成13年まで活躍をしました。

C12形式5t積み10ftコンテナ

C12-236(2位側)

昭和42年に登場した妻一方開きのコンテナで260個が製作されました。特徴は、妻面の扉より荷役が難しい貨物に対応する為、屋根にスライド式の開閉機能を持たせている点です。貨物はクレーン荷役により扱う方法となります。この特殊構造が幸いし、JR貨物へ移行後も多くの個体が長らく使用されていました。

C20形式5t積み12ftコンテナ

コンテナ輸送が昭和34年に開始され、使用されるコンテナは小型の10ftクラスでした。その後、僅かに大きくはなったものの、荷主からはコンテナの大型化が望まれる等、社会の変化がありました。そこで国際化が進む中、ISO規格を採用しサイズを大型化する事が決定し、昭和45年に試作コンテナとしてC94形式が登場。試験を経て、昭和46年にC20形式が量産形式として登場しました。昭和55年までに37934個が製作され、国鉄コンテナの代表的な存在となりました。
C20形式は12ftとなり、最大長3658mm、最大幅2438mm、最大高2350mmの妻一方開きの構造で、塗装色はコンテナグリーン(黄緑6号)を継承。識別の為白帯が追加されました。
余談となりますが、12ftサイズとした理由の裏話に新幹線の貨物輸送の構想がありました。輸送する際に全長方向を全幅側にする事で積載出来るように考えていたそうです。
C20形式の規格は当時の私有コンテナの設計に大きな影響を与え、後継形式の基礎になる等大きな功績を残しました。また、コンテナ車も5個積みが出来るように新規設計のコキ50000形式が製作されています。一方で、在来車となるコキ5500形式、コキ10000系は旧規格設計であった為、当初は1両に2個しか積載出来ず、あまりに非効率であった為、緊締装置の配置を変更し、4個まで積載出来る改造を行いました。
JR貨物へ移行後も活躍は続き、一部は簡易通風仕様や貨車の輪軸輸送用等事業用へ転用された個体もあります。後継となる18系、19系コンテナの登場により、徐々に活躍の範囲は狭まり、平成20年に形式消滅しています。

C20-1~25434

C20-6362(4位側)

昭和46年から48年まで製造されたグループです。C10形式を拡大した妻一方開きのの構造です。使い勝手の良さから大量製作され、国鉄コンテナの代表的な存在となっています。後継形式はクレーン荷役にも対応したC21形式です。既に引退していますが、丈夫な構造が幸いし、倉庫代用等全国各地で見る事が出来ます。

C20-30001~38500

C20-34743(2位側)

後継形式であるC21形式が目的としていたクレーンを用いた自動荷役は設備に問題があり、失敗に終わってしまいました。C21形式はC20形式にクレーン荷役に使う吊り金具を設けたものですが、失敗に終わり不要である事から昭和52年より、本形式が再び増備される事になりました。
通称、30000番代と呼ばれる本グループはC21形式に準じた構造の強化が図られているのが特徴です。本グループに保冷パネルを設置したC95形式が派生形式として登場しています。

C20-40000~42000

C20-41851(3位側)

昭和55年に登場した最終増備グループです。通称、40000番代と呼ばれ、外観の変化として妻扉のロックレバーを2本に増強。それぞれの扉をしっかりロックする構造強化が図られています。

50000番代

C20-50466(1位側) C20-50616(3位側)

JR貨物へ移行後に登場した番代で、C20形式及びC21形式に簡易通風機能を付加したもので、数百個が改造されました。北海道支社(写真左)仕様は両側面の端部に雨水侵入防止カバーを設けた通風孔を設置しています。塗装色は水色をベースに紺色の帯が入り、JR貨物北海道支社の文字が書かれています。もう一つ仕様があり、写真右の九州支社仕様です。妻面及び妻扉のコルゲートの凹んだ部分に通風孔を設置し、その上に雨水侵入防止カバーを設けています。コンテナブルーの青22号をベースに、通風を意味する「Vemtilation」の「V」を模した黄色の帯が配されていました。

C21形式5t積み12ftコンテナ

C21-959(1位側) C21-12268(3位側)

昭和49年に登場した形式です。基本的な仕様はC20形式と同じ、妻一方開きの構造になっています。C20形式の原型となるC94形式試作コンテナで考えられていた船舶やフォークリフトによる荷役作業が出来ない場所等での荷役に対応する為に屋根の四隅にクレーン荷役用の隅金具を設置しているのが特徴です。吊り下げられる事から鴨居部の強化が行われています。塗装色は黄緑6号にC20形式と識別する為、青22号の帯を巻いています。
14000個が製作されましたが、荷役設備が対応出来ていない等の問題があり、クレーン荷役は失敗に終わり、C20形式を再増備する事になりました。C20形式と共に活躍をしていましたが、平成18年に形式消滅しています。

C21-2190(2位側)

写真の2190番は側面に扉を設置する改造を行っています。これは、C31形式の試作品(モックアップ)として改造したものです。

C95形式5t積み12ft簡易保冷コンテナ

C95-577(2位側)

鮮魚等を運ぶ「冷蔵コンテナ」は往路は貨物を運びますが、復路は空で返さなければならず、輸送効率面での問題となっていました。そこで、一般貨物も輸送できる構造のコンテナが考えられ、昭和53年に本形式が登場し、600個製作されました。
C21形式の同じ構造とし、内張りをベニヤ板から発泡ウレタンを用いた断熱材の内張りに変更し、コンテナの塗装を熱を吸収し難い白色をベースに下部を水色、同色の帯を巻いたものとしました。当初はC21形式と同じく、屋根の四隅に隅金具を設置していましたが、後期の個体では廃止されC20形式と同じ外観になっています。
簡易保冷である為、野菜等の生鮮食品を主に輸送していました。JR貨物へ移行後も活躍をしていましたが、私有保冷コンテナの増備が進み、平成18年に形式消滅しています。

C30形式5t積み12ftコンテナ

C30-128(2位側)

昭和46年より新5t積みコンテナとしてC20形式が登場。内容積が拡大され、好評でした。しかし、旧規格設計であるC11形式に見られる側面に扉を持つ構造のコンテナは設計されず、同様の構造を持つ新規格のコンテナが求められていました。
しかし、当時の国鉄の台所事情は火の車。新形式を製作するのは難しく、C20形式、C21形式を二方開きコンテナに改造して対応する事になり、昭和58年に本形式が500個改造して登場しました。種コンテナは屋根の四隅に隅金具がある場合はC21形式、無いものはC20形式となります。
2-4位側(妻扉から見て、左側)の側面に扉を増設しています。識別の為、二方開きを意味する赤色の帯に変更しています。同種の構造を持つ後継形式の登場、増備が進み平成16年まで活躍しました。

C31形式5t積み12ftコンテナ

C31-817(4位側) C30-2555(3位側)

初めてのL字二方開きコンテナであるC30形式は国鉄工場で改造され製作されましたが、本形式は車輛製造メーカーで製作された形式となります。昭和58年に登場し、3500個が製作されました。
外観はC30形式とほぼ同じですが、改造したC30形式は側扉が180度までしか開きません。本形式は妻面までピッタリ付く270度まで開くようになっています。また、床面にも違いがあり、C30形式は鉄板張りでしたが、本形式は天井面も含めて合板張りになっています。
同種の後継形式の登場、増備が進み平成21年に形式消滅しています。

C35形式5t積み12ftコンテナ

C35-3320(2位側) C35-10460(2位側)
C35-2472(1位側)

昭和58年に登場したC31形式の発展形式で、内容積を増やしつつ、自重軽減、製造コスト低減を図った形式です。昭和59年に登場し、11600個製作されました。外観はプレス鋼板製で、側面の扉にある標差し等が製造ロッドにより位置が異なります。
財政難である事から、国鉄コンテナでは初となる内張りのベニヤ板を全面廃止としています。(鉄板のみ)また、プレス鋼板製の自動溶接を可能とした構造とし、工作の簡易化を図っています。塗装色は既存形式のイメージを一新する為、スカイブルー(青22号)が採用されました。この青色を「
コンテナブルー」と呼びます。
華々しい登場でしたが、一言で言えば「安普請」のコンテナ。内張りの無い構造は貨物の擦れ傷、気温差や湿度により生ずる結露の浸透等の毀損事故や商品価値低下等が発生し、荷主からは嫌われる存在になり、本形式の増備は中止となりました。平成22年に形式消滅しています。

C36形式5t積み12ftコンテナ

C36-1712(4位側)

コストダウンを図ったC35形式は構造上の不備から不評であった為、昭和61年に内張りにベニヤ板を復活させた当形式が7500個製作されました。晩年は産業廃棄物輸送用に転用され、WC36形式となった個体もあります。平成22年に形式消滅しています。

C40形式5t積み12ftコンテナ

C40-12(4位側)

日本通運がたばこ製品を輸送する為に開発したNC2形式を国鉄形式としたもので、昭和61年に100個製作されました。
C31形式を基本としつつ、全高を2500mmにしている点が特徴で「背高コンテナ」と呼ばれました。この設計はJR貨物へ移行後に登場する18系コンテナや19系コンテナでも採用される事になります。塗装色はコンテナブルーを基調とし、背高コンテナを示す白帯が巻かれていました。平成19年に形式消滅しています。

タンクコンテナ
コンテナ輸送が始まり、様々な貨物が輸送されるようになりました。その中、要望が出てきたのが化成品等タンク車で輸送していた貨物です。その声に応じて、昭和40年に始めてタンクコンテナ400形式が2個試作されました。積載する貨物に応じて多数の形式が製作されましたが、運用区間の限定、扱う貨物が限られる為、荷主も限られる問題があり、昭和45年に制定された私有コンテナ制度発足と同時に増備、新形式の開発は行われなくなりました。
形式は数字の前に
タンク(tank)を意味する「Т」の記号を付けます。

T10形式5t積み植物性硬化油専用10ftコンテナ

Т10 4(3-1位側)

昭和40年に400形式として試作コンテナ2個を製作。その後Т10形式に形式を改め、12個の量産コンテナがつくられました。量産コンテナは試作コンテナよりも全長を短くし、クレーン荷役に対応する為、吊り金具が装備されています。
キセ付きタンクコンテナで、積荷が硬化した際を考えて蒸気加熱管を備えています。専用種別は「植物性硬化油」となっていますが、輸送されていたのはヤシ油、牛脂、ラード、大豆油、ワックスで、それぞれ指定された個体が使用されていました。写真の4番はヤシ油を輸送していました。

T12形式5t積み動植物油専用12ftコンテナ

Т12 3(3-1位側)

昭和40年に930形式(後のТ11形式)と共に試作された危険品輸送用のタンクコンテナです。登場時は935形式という形式名でした。外観は930形式と同じく楕円形の断面を持つタンク体です。これはトラック輸送時に重心を低くする目的があります。
930形式は絶縁油ですが、本形式は引火点130℃以上の動植物油を専用とし、亜麻仁油、ひまし油、米ぬか油(米油)を輸送していました。

T15形式5t積み植物油専用12ftコンテナ

Т15 5(3-1位側)

昭和43年に登場したタンクコンテナで、6個製作されました。専用種別は植物油ですが、実際に輸送していたのはラテックスです。タンク体はステンレス製で、タンク内はエポキシ樹脂によるコーティングが施されています。

ホッパコンテナ
昭和41年に登場した区分で、2桁の数字の前にホッパ(hopper)を意味する「」の記号が付きます。国鉄の意欲作の一つですが、この種類もタンクコンテナと同じく、運用等が限定的になってしまう事から、昭和45年に発足した私有コンテナ制度により、増備、開発は中止されています。

H90形式5t積み粉粒体専用12ftコンテナ

H90 2(3-1位側)

ホッパコンテナ第1号形式で、登場時は950形式という形式名でした。合成樹脂の原料を輸送するコンテナです。特徴は後位側の大きく削られたように見えるタンク体で、荷卸し時はトラックの荷台から行う事が前提となっています。取出し口の反対側をクレーンで吊り上げて排出する自然落下方式が採用されています。

通風コンテナ
有蓋コンテナから派生したもので、通風を意味する「ventilateor」の頭文字「」が付きます。

V10形式5t積み10ft通風コンテナ

V10 4(3-1位側)

昭和36年、6000形式を果物や野菜の輸送に適した構造とした200形式が始まり。昭和41年にV10形式に変更しています。
側板、妻面に通風口を多数設置し、更に通風効果を高める為に床面を透かし張りにしています。翌昭和42年にはクレーン荷役に対応する為、屋根部に吊り金具を設置したV11形式が製作されています。
以降、国鉄では新形式は製作せず、私有コンテナで数形式が製作されています。

冷蔵コンテナ
冷蔵コンテナの歴史はコンテナ輸送が始まる前の昭和30年に試作コンテナがつくられたのが始まり。その後、量産形式が登場し、昭和41年に冷蔵(reizo)を意味する「」の記号が付けられています。

R90形式5t積み10ft冷蔵コンテナ

R90 1(3-1位側)

本格的なコンテナ輸送が始まり、100形式(後のR10形式)と150形式(R90形式)が登場します。どちらも同一構造ですが、R90形式は一般貨物も積載出来るように通風口を設けています。
その後、設備の改良や保冷効果を高める改良がくわえられた試作コンテナ形式が幾つか登場し、末期には冷凍機付きの試作コンテナも登場しました。いずれも量産化される事無く、得られた技術や結果は私有コンテナ製作に引き継がれました。



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