コキ5500形式

 昭和34年に登場した10ft(フィート)コンテナ5個積み34tコンテナ車です。コンテナ輸送の始まりは無蓋車を用いたものでしたが、運転最高速度の低さなどの問題があり、本格的な輸送体系の見直しに伴い、初めてコンテナ専用貨車として「チキ5000形式」が登場しました。その後、運転線区の拡大により途中駅での分割・併合に対応したデッキ付のチキ5500形式が登場しました。昭和40年に形式の改定により、チキからコキに変更しコキ5000形式、コキ5500形式となり、デッキの無いコキ5000形式はデッキを付ける改造を行いコキ5500形式に編入されました。合計で3146両が製造され、コンテナ輸送の礎から発展までを担った由緒ある形式となりました。
 積載するコンテナは当初は10ftコンテナ5個積みですが、昭和46年に新規格となる12ftコンテナが登場し、コキ5500形式も積載できるように改造が始まります。12ftコンテナ4個積み28tコンテナ車になりました。この際、識別で原番号に20000を加えました。
 運転最高速度は85km/hで、高速化に対応した後継の新形式が登場すると、積載効率の低さもあって見劣りする存在となり、本線から支線へと活躍の場を移していきました。現在は営業運転は終了し、事業用で1両が残るのみとなっています。

コキ5500~コキ6273(コキ25574・コキ26091)

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チキ5500形式として登場したグループで、コキ5714以降はコキ5500形式として登場しています。ブレーキ方式はAD方式(積空手動切替式自動空気ブレーキ)とUC型積空ブレーキを併用していましたが、その後積空切替えを自動としたASD方式(積空切替式自動空気ブレーキ)となっています。車体は台枠を補強する縦材が多いのが特徴です。

コキ6274~コキ6473(コキ26393)

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昭和41年に登場したグループです。製造工程を見直し、縦補強を片側2か所としたためすっきりとした車体となりました。ブレーキ方式はASD方式です。

コキ6475~6713(コキ26577)

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車輛の留置に使う手ブレーキの操作を容易にするため、車体長を150㎜延長し17500㎜となったグループです。

コキ6714~6770(コキ26751)

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昭和34年に登場した国鉄初の本格的コンテナ車であるチキ5000形式(コキ5000形式)にデッキを設け、コキ5500形式に編入したグループです。登場時は固定編成を基本としていたため、デッキは設けず、手ブレーキも側面にありました。デッキを設けるため車体長を350㎜延長し、17350㎜となりました。(昭和42年改造)

コキ7000~コキ8539(コキ27048)

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昭和42年より登場したグループで、コキ5500形式では最も多く製作されました。製造工程の更なる簡略化、軽量化を図るためにコキ10000系の台枠構造を採用しています。

コキ8540~8544(コキ28541:マワ車所蔵)

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高圧ガスタンク車向けに開発されたTR211形式台車をコンテナ車にも採用したグループです。この際、新開発のブレーキシリンダーを開発(ARSD方式:中継弁付積空切替式自動空気ブレーキ)し、動作などの確認を行いました。

コキ8545~8554(コキ28547:マワ車所蔵)

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コキ8540~8544で開発されたブレーキシリンダーの構造の一部を変更し、比較検討するために登場したグループです。この2つのグループで得られた結果は、貨車のブレーキ装置開発の大事な資料となりました。

コキ8555~8834(コキ28646)

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上記2グループの試験結果を反映して昭和45年に登場した後期形のグループです。ブレーキ方式はARSD方式、台車はTR211形式の枕ばね、オイルダンパーの向きを変更したTR216A形式を履いています。

コキ8900~8939(コキ28938)

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隅田川~西岡山駅間で運転する貨物特急「山陽ライナー」号で運用するために昭和45年に登場したコキ5500形式の最終グループです。後期形を基本としつつ、10tコンテナ(20ft)を積載する事を可能としました。(10t-5t-10tの積載に限定。)
その後は他の車輛同様に12ft4個積みに改造されました。コキ50000形式へ発展するきっかけを作ったグループとしても有名です。

コキ5500形式45500番代(コキ45600)

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昭和63年に登場したグループで、コンテナ列車増発に伴いコキ50000形式が不足したことから、コキ5500形式を併結できるように改造しました。種車はTR216A形式を履く後期形からで、運転最高速度は95km/hに向上。ブレーキ装置の改造を行いCRSD方式(中継弁方式積空切替式自動空気ブレーキ)になりました。外観では識別のため青い帯を巻いています。

コキ10000系

 コキ5500形式によるコンテナ輸送は高速性と速達性から人気が高まり、全国へと拡がっていきました。それに追随するように高速道路網の整備も進み、トラック輸送の需要も拡大しつつあり、更なる高速化が求められました。昭和41年に特急貨物列車の高速化を目指したコキ10000系が登場しました。
 車体はコキ5500形式と同じ魚腹形側梁となっており、構造や製作工程を見直して約2tの軽量化を行いました。車体色は20系客車と同じ青15号としており、「貨物のブルートレイン」という愛称も付けられました。コンテナのみ積載するコキ10000形式と車掌室を設置したコキフ10000形式の2形式が基本です。
 台車は高速貨車用に開発したTR203形式で、空気ばねの台車です。ブレーキ装置も新規開発のCLE方式(応荷重装置付電磁自動空気ブレーキ)を装備し、応答性をよくすることで運転最高速度100km/h運転を可能としました。
 連結器は元空気ダメ管(MR管)をもった密着自動連結器を装備しました。装備に至る経緯は空気ばねに空気を供給するMR管を確実に連結する必要がある事とこの連結を確実にするため連結時の隙間を最小限にとどめる必要があったためです。なお、他の貨車との連結も可能ですが、この時はブレーキ管(BP管)から空気ばねの空気を供給する事になります。空気ばねの空気の使用する量が増えるとブレーキが掛かってしまうため、連結できる両数が6両以下と定められています。
 コキ10000系はこのように特殊な装備を持っているため、牽引できる機関車も限られていました。
 コキ10000系も当初は10ftコンテナ5個積み(コキフ10000形式は4個積み)でしたが、昭和46年の新規格12ftコンテナ導入により、5個積みから4個積み(コキフは3個積み)に改造されました。荷重も34tから28t(コキフは21t)に変更されています。
 登場時は東海道・山陽本線系統で活躍、北海道方面へも進出しました。高速貨車というメリットはありつつも、積載効率が悪く、貨車の構造が災いして運用される区間も限定されました。余剰となった車輛はチキ5200形式へ改造されました。JR発足後に開発されたコキ100系が登場するとますます肩身は狭くなり、晩年は波動輸送に用いられ、平成8年に廃系列となりました。

コキ10000形式10000番代(コキ10171)

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コキ10000系の主幹形式です。コキ10000~コキ10018は先行試作車として登場し、以降はその結果をもとに改良された車輛になります。量産車は手ブレーキ側に配管が通るなど外観が異なりました。10000番代は暖地向けのグループです。

コキ10000形式11000番代・コキ10000形式12000番代(コキ12001)

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昭和52年に10000番代を改造した20ftコンテナ専用のグループで、11000番代となりました。10ft用の緊締装置を撤去し、20ftコンテナ用の緊締装置を設置しました。12000番代は昭和63年に寒冷地向けの18000番代及び18100番代を改造したもので、寒冷地用のグループになります。改造内容は11000番代と同じですが、識別のために黄かん色の帯が表示されていました。

コキ10000形式18000番代(コキ18038)

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北海道方面へ高速コンテナ列車を運用するため、耐寒・耐雪構造を施したもので昭和43年に登場したグループです。台車は寒冷地仕様のTR203S形式となりました。

コキ10000形式18100番代(コキ18150)

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昭和47年に登場した新しい番代で、暖地向け10000番代に耐寒・耐雪構造を施した寒冷地向けのグループです。

コキ19000形式(コキ19008)

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昭和44年に登場した新しい形式です。10ftコンテナの他に、20ftコンテナを積載できるようにしました。20ftコンテナを積載する時は10ftコンテナの緊締装置を跨ぐように積載する(床面から浮いた状態で固定する)ため、車高が下げられています。試作要素は強い形式で、20ftコンテナの緊締にはエンドロック式、ツイストロック式など複数の緊締装置が設けられていました。また、将来に備えて30ftコンテナや40ftコンテナも積載できるように設計されていました。

コキフ10000形式10700番代(コキフ10702)

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コキ10000系の車掌室を持った形式です。空気ばね台車という事で非常に乗心地が良かったそうです。この10700番代は昭和46年に登場したグループで、暖地向け10000番代を寒冷地向けに改造したものです。

コキ50000形式

 高速道路の整備が進み、長距離トラックの貨物輸送量が増加し始めました。国鉄では昭和41年にコキ10000系を投入し、高速化で対抗。さらに昭和44年にイギリス国鉄で実施されていたトラックとの協同輸送方式を採り入れた「フレートライナー」方式の営業を始めました。フレートライナーとは物流業者がコンテナを使用する荷主となり、自社の路線貨物をコンテナ列車を使用して輸送する営業方式で、夕方集荷・翌朝配達の定時定形輸送方式です。
 このフレートライナーを拡大するにあたっては、コンテナ車の積載能力向上及び大量投入による製作コスト低減が課題となりました。また、夕方から翌朝の運用にあたっては夜行旅客列車と同等の性能が求められました。昭和45年に運転最高速度95km/hのコキ9200形式試作車が登場し、各種試験の結果を反映した量産形式として、昭和46年にコキ50000形式及びコキフ50000形式が登場しました。
 コキ10000系よりやや性能は低いものの、電磁ブレーキなど特殊装備を持たず、牽引する機関車を選ばない事からフレートライナー用コンテナ車として3631両が製作されました。また、コキ50000形式登場に合せ、新規格の12ftコンテナ(C20系)も登場しています。
 車体はコンテナ車の基本である魚腹形側梁で、20ftコンテナを3個積載するため車体長は19600㎜となりました。コンテナは10ft、12ft用が5個分、20ft用が3個分あり、使用しない時は台枠の外側にたれ下げる方式としており、各種コンテナの積載が出来ます。塗装色はコキ5500形式と同じ赤3号(レンガ色)です。
 荷重はコキ50000形式が37t、コキフ50000形式が28t積みで、車体重量と合わせて最大60t(軸重15t)となります。運用線区が限定される車種の一つであり、重荷重に対応した14t軸を用いています。台車はコキ5500形式後期形の履くTR216A形台車をベースに開発されたTR223形式を履いています。ブレーキ方式はCL方式(応荷重装置付自動空気ブレーキ)で、電磁弁を使わないで制動距離(ブレーキをかけて止まる距離の事。)を規定内におさめています。
 コキ100系の後継車が登場し、少しずつ数を減らしていますが、まだまだ見られるコンテナ車です。

コキ50000~コキ50274(コキ50016・コキ50054)

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昭和46年に登場した最初の275両は先行試作車のグループです。外観ではブレーキコック操作穴が1つである事です。(右の写真参照)

コキ50275~コキ53275(コキ51226・コキ53116)

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昭和47年以降に登場した車輛は量産車となり、大量に製作されました。先行試作車と比べてブレーキコック操作穴が3つになっています。(右の写真参照、試作車と見比べて下さい。)両数が多い割には形態の変化が少ないのが特徴です。

コキ53276~53413(コキ53371)

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昭和60年に貨物列車への車掌乗務が廃止となり、コキフ50000形式が余剰となりました。輸送力向上のため、車掌室を撤去してコキ50000形式に編入したグループで、昭和62年より登場しました。車掌乗務時代に乗心地改善のため台車を金属ばねのTR223形式(オリジナル)から、空気ばねのTR203形式に履き替えており、改造時に再びTR223形式に戻しました。また、手すりも交換しています。このため、外観では判別ができません。番号を見てピンとくるファンは通ですね。

コキ50000形式58000番代(コキ58104)

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上記の車掌室撤去改造を進めていましたが、TR223形台車の在庫がなくなってしまい台車をそのままに編入したグループです。番号はコキ58000~となりました。
台車が空気ばねで、柔らかく重荷重に耐えられないため、中央の12ft用緊締装置を撤去し、荷重を28tとしました。このグループでは12ftコンテナ4個、20ftコンテナ2個、写真のように12ftコンテナ2個と20ftコンテナ1個積載が出来ます。また、手すりは識別のためそのまま残されていました。積載効率の悪さなどから平成6年に番代消滅しています。

コキ50000形式150000番代(コキ150000)

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昭和47年に5両製作されたグループで、5t、10tコンテナ以外に15t(30ft)コンテナを積載できるようにした試作車のグループです。15tコンテナの使い勝手が悪かったのか普及せず、このグループのみとなりました。現在は一般車と混用されて活躍しています。

コキ50000形式57000番代・57100番代(コキ57106)

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集中電源方式の冷凍コンテナ輸送「クールエクスプレス」用のグループで、昭和63年に一般形コキ50000形式から改造されました。機能の違いにより57000番代、57100番代に区分されていますが、外観はほぼ同じです。改造内容はコンテナに給電する回路の新設が主で、車体は青20号に変更され「COOL EXPRESS」のロゴが入れられました。編成は5両で1組となり、57100+57100+57000+57100+57100で57000番代に電源コンテナが積載され、他車に積載される冷凍コンテナへ給電されます。平成8年に運転を終了し、全車一般車への復元が行われました。

コキ50000形式250000番代(コキ250120・コキ252305)

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このグループは2つの目的があり、昭和60年より一般形を改造して登場しました。その目的とは1つは、輸送力増強です。1000tから1200tコンテナ列車の運転を行うためです。もう1つは運転最高速度の向上です。コキ10000形式と同じ100km/hにしました。どちらも、ブレーキを扱う際に距離が伸びてしまうため(直ちに列車を停止させる時に、停止させる距離を600m以下にしならなければならない。という決まりがあるため、これを超える事は許されないのです。)、このグループではブレーキ装置の改造(立ち上がりを早める指令変換弁というものを追設しました。)を行っています。車体番号は原番号に200000を加えています。塗装は当初は種車と同じ赤3号でしたが、識別とイメージアップのためペパーミントグリーンに変更しました。改造された中には先行試作車(写真左)も含まれていましたが、数が少なくレアな存在でした。後継のコキ100系コキ107形式の登場により、平成24年に番代消滅しています。

コキ50000形式253000番代(コキ253303)

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250000番代化改造車の中には車掌室撤去を行い、コキ50000形(一般形)に編入されたグループからのもあり、3両だけ存在してました。

コキ50000形式258000番代(コキ258036)

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このグループも数が少なかったコキ50000形式58000番代からの改造車です。手すりの違いで識別できました。

コキ50000形式350000番代(コキ350000)

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昭和63年時刻改正より、運転最高速度110km/hのコンテナ特急「スーパーライナー」号運転のため、このグループが昭和62年に登場しました。番号は原番号に関係なく350000~の付与となっています。ブレーキ装置をコキ10000系と同じCLE方式(応荷重装置付電磁自動空気ブレーキ)に変更し、台車も基礎ブレーキを改造したTR223C形式となり、灰色に塗られました。車体色も黄かん色に変更しています。
このグループはコキ100系の登場までのつなぎ役の位置づけで、僅かな期間でしたがコキ50000形式が最も輝いた時ではないでしょうか。登場後は全国各地で250000番代と共に活躍、晩年は関東地区で限定運用され、平成20年に番代消滅しています。

コキ50000形式台車改造(コキ51716・コキ252290)

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高速走行で全国各地で活躍するコキ50000形式、JR貨物発足後あたりから台車に亀裂が見つかるようになり、平成5年に羽越本線を走行中のコキ50000形式が台車枠破損により脱線事故を起こしてしまいました。平成6年までに対策を施した台枠に交換する工事を全車に行いました。台車はTR223形式からTR223F形式に変更され、黒色から灰色に塗装変更されています。その後、台車の微振動が原因とす荷崩れがあり、この対策を全車に施しました。この対策を施した台車はTR223G形式と言い、車軸の1箇所に設置装置(写真右の赤い丸の中。)が付けられています。

コキフ50000形式59000番代(コキフ59016)

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コキフ50000形式は登場当初は金属ばねのTR223形式でした。車掌より乗心地が悪いという苦情を受け、台車を空気ばねのTR203形式に変更する改造を行いました。この改造と並行して行われたのが、コキ10000系のコキフ10000形式を編入で、このグループが登場しました。改造内容は電磁ブレーキを撤去し、車体色を赤3号にしました。原番号に49000番を加えています。1両のみ寒冷地仕様のコキフ10000形式10500番代があり、こちらはコキフ50000形式59500番代となっています。

コキ60000形式(コキ60084)

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昭和60年の時刻改正で、運転最高速度95km/hコンテナ列車(高速貨物B)の増発が行われる事となりました。コキ50000形式などの新製車を投入したいところですが、台所事情が火の車の国鉄。どうしよう・・・当時余剰気味であったコキ5500形式を改造してコキ50000形式並みの性能を有する車輛として、昭和59年にコキ60000形式が登場しました。車体は両端を延長し、コキ50000形式と同じ19600㎜にして12ftコンテナ5個積みに改造。ブレーキ装置はCL方式(応荷重装置付自動空気ブレーキ)に変更し、運転最高速度を95km/hとしました。台車と車体色は種車のままです。
先行試作車となるコキ60000~コキ60022は、走行性能を確かめるため車体の改造はせず、ブレーキ装置を改造し、運用を行って確認をしました。この時、運転最高速度100km/h列車の使用も想定して指令変換弁も装備しました。確認後、車体を延長しています。60023~60126は量産車となり、ブレーキ装置及び車体延長を同時に行っています。なお、指令変換弁の装備はやめています。
経費を低く抑えた改造ではありましたが、やはりお金がかかるもの。以降は車体延長を行わないコキ5500形式45500番代に変更しました。12ftコンテナしか積載できない事もあり、色々なサイズを載せられるコキ50000形式との混用は難しく、使い勝手に難があったそうです。平成9年に形式消滅しています。

コキ100系

 貨物輸送の親柱的存在であるコンテナ輸送。速度向上や積載効率向上などの改善は国鉄時代より行われていましたが、末期には次のコンテナ車が活躍していました。
コキ5500形式・・・積載効率(12ft4個積み)、運転最高速度(85km/h)に問題あり。
コキ10000形式・・・運転最高速度(100km/h)は良いが、積載効率(12ft4個積み)、メンテナンスに問題あり。
コキ50000形式・・・コキ10000形式に代わって登場した運転最高速度95km/hのコンテナ車。
この他、改造車などで対応を行っていましたが、将来を見据えて様々な輸送分野に対応できるよう、高速性能と汎用的な積載能力を備えた新型コンテナ車の開発がJR貨物発足と同時に進められ、昭和62年にコキ100形式1~4が試作車として登場しました。
車体は従来のコンテナ車と同じ、側梁の中心が膨らんだ魚腹形ですが、海上コンテナ輸送に対応できるよう床面高さを1000㎜としています。車体長はコキ50000形式と同じ19600㎜です。車体色はコンテナブルー(水色)、台車は灰色です。台車はコキ50000形式のTR223形式を基に枕ばねの配列や防振ゴムなどの変更、装備を行ったFT1系台車で運転最高速度110km/hとなりました。この高速化を実現したものはブレーキ装置です。CLE方式(応荷重装置付電磁自動空気ブレーキ)を採用しており、ユニットで運用される形式についてはCLE方式の車輛を一部とし、他車はCL方式(応荷重装置付自動空気ブレーキ)として、CLE方式車からブレーキ装置を集中制御する方法となっています。手ブレーキについては留置用とし、車体側面に設置しています。
積載できるコンテナは12ftコンテナ5個、20ftコンテナ3個を基本装備とし、着脱式のインターボックスコネクタ(IBC:海上コンテナ用の緊締装置)を用いて、各種コンテナの積載を可能としています。荷重は40.5tで、総重量20tの海上コンテナを2個積載出来るようになっています。
コキ100形式4両は様々な試験を行い、結果を基に量産車が完成。昭和63年特急貨物「スーパーライナー」号で華々しいデビューを飾り、破竹の勢いで拠点間の主要列車に重点的に投入されました。その後、既存のコンテナ車の置換え、海上コンテナ輸送など輸送実態に合わせた派生系列が登場しました。現在は総数5000両を超え、貨車の顔となると同時に、日本経済を支える重要な役割を担い、黙々と活躍しています。

コキ100形式【コキ100-1~コキ100-4】(上からコキ100-1・3・4)

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昭和62年に登場した新高速コンテナ車の嚆矢となった形式です。デッキや手すりがなく、車体長は19110㎜です。車体にIBC取付け穴がないのが特徴です。ブレーキ装置はCLE方式となっています。当初はコキ100-1~4の4両編成で使用していましたが、量産車が登場し、デッキ付のコキ101形式を両端にした4両1ユニットに変更するため、コキ100-1と2、3と4にそれぞれ分割して、中間車として活躍しています。

コキ100形式【コキ100-5~132】(コキ100-20)

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昭和63年より登場した量産車です。車体長は試作車グループと同じですが、ICB取付け穴が設置されています。コキ101形式と組む形式となり、ブレーキ装置はCL方式に変更されています。

コキ101形式【コキ101-1~132】(コキ101-16・コキ101-65)

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昭和63年に登場した形式で、入換作業を容易にするためデッキと手すりが設置されました。車体長は19600㎜です。コキ101+コキ100+コキ100+コキ101の4両で1ユニットとする方式となり、ブレーキ装置はCLE方式で、奇数車にはSV弁(常用ブレーキ電磁弁)とRV弁(緩め電磁弁)を、偶数車にはSV弁とEV弁(非常ブレーキ電磁弁)を装備しています。

コキ102形式【コキ102-1~180】(コキ102-9・コキ102-66)

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コキ100系シリーズ第2弾として平成元年に登場した形式で、コキ103形式と組み、4両1ユニットの形態(中間車)となります。コキ102形式はコキ100形式の発展形式で、外観では側面のブレーキコック操作穴の有無や大きさの違い程度にとどまります。ブレーキ方式は奇数者がCLE方式、偶数車はCL方式となっています。

コキ102形式500番代(コキ102-523)

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平成2年に登場したグループで50両登場しました。荷役作業の改善を施したもので、車体長はデッキ付車と同じ19600㎜としました。0番代に似た外観ですが、写真を見ると12ftコンテナの積載位置が異なっています。また、台枠の縦補強の位置が異なっています。

コキ103形式(コキ103-65・コキ103-89)

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コキ102形式とユニットを組み、両端に連結されるデッキ付のコンテナ車です。コキ101形式の発展形式で、ブレーキ方式をCL方式に変更しています。

コキ104形式【コキ104-1~2908】(コキ104-1・584)

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コキ100系シリーズ第3弾として登場した形式で、平成元年に登場しました。4両1ユニット単位では地方線区などにおいては非効率になるなどの問題があるため、単独運用を行えるようにしました。あわせて老朽化したコキ5500形式やコキ10000形式の置換えも目的としており、大量に製作されたグループとなっています。車体はコキ103形式と同じで、ブレーキ装置をCLE方式にしました。
大量に製作されたため、派生番代もあります。基本番代でも製造年度により違いを見る事が出来ます。ここでは、側梁に設置されている手ブレーキ。1~60番までは位置が低く、61番以降は高い位置になっています。模型製作やイラスト作成時には見逃せないポイントですね。

コキ104形式【コキ104-1~2908】(コキ104-445・1095)

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手ブレーキと反対側にあるブレーキコック操作穴にも注目です。製造メーカーの違いなのか、大きいものと小さなものがあります。

コキ104形式【コキ104-1~2908】(コキ104-274)

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ブレーキコック操作穴で周囲に補強板のようなものが付いたタイプもあります。

コキ104形式【コキ104-1281~】(コキ104-2428・コキ104-715)

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平成5年以降に登場した車輛はIBC取付け穴を省略し、海上コンテナの積載をやめました。あわせて台車軸受の変更もされており、車軸のふた形状が三角から丸型になっています。それ以前に登場している車輛は軸受のふたが三角・・・交換をしたのでしょうか例の715番のように丸型になっている車輛もあります。ああ、ややこしい。

コキ104形式【コキ104-1981~1988】(コキ104-1984)

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この番号を聞いて、ピンときたあなた・・・相当のファンですねぇ。このグループは台車を廃車となったクム1000系から転用したものです。台車の車軸のふた形状が三角になっているのがポイントです。

コキ104形式5000番代(コキ104-5031)

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旧大宮操車場跡地に建設されるさいたま副都心建設の際、大量の土砂が発生するため、専用コンテナを輸送する目的でつくられた私有貨車のグループで平成8年に36両製作されました。コンテナ車の私有貨車は極めて珍しい存在でしたが、任務を終えるとJR貨物に譲渡され、一般車と同じ扱いで活躍をしています。

コキ104形式海上コンテナ輸送改造車(コキ104-1005・コキ104-799)

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コキ100系では海上コンテナを運ぶ事が出来ますが、その際にはIBC取付け穴に緊締装置をその都度付けなければなりません。平成8年より、海上コンテナの定期輸送が実施される事となり、運用の度に付けたり、外したりは大変です。そこで、緊締装置を付けたままの改造を実施する事になりました。改造された車輛にはマリーンを意味する「」の文字が表記されました。その後、海上コンテナの積載方法を改善したコキ106形式、重コンテナ輸送用のコキ200形式が登場し、平成15年に終了。表記は消されて、一般車に戻っています。しばらくは消した部分が判る車輛が見られました。

コキ104形式 JRFマーク消去(コキ104-62)

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平成29年頃より、車体に「JRF」とJR貨物を表すロゴマークを無くした車輛が出てきました。ロゴマークが付いている車輛は過去帳になるので、撮影は早めが良いでしょう。

コキ105形式(コキ105-1・コキ105-44)

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コキ100系シリーズ第4弾として平成2年に登場した形式です。ユニット方式の運用を見直し、奇数車と偶数車2両で1ユニットとしました。車体はコキ103形式と同じで、奇数号車はCLE方式、偶数車はCL方式のブレーキ方式となっています。

コキ106形式【コキ106-1~404】(コキ106-52・コキ106-130)

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コキ100系シリーズ第5弾として平成9年に登場した形式です。従来のコキ100系ではIBCを用いていましたが、着脱の煩わしさがありました。コキ106形式では海上コンテナ輸送に適した車輛として、20ft用海上コンテナの積載位置をJR20ftコンテナと同じ位置とし、さらに総重量24tの海上コンテナを1個積載できるようにしました。荷重は増えて40.7tになっています。荷重が増えた分台枠も強度が増した設計が行われ、従来車とは異なるデザインとなりました。登場時は従来車と同じコンテナブルーでしたが識別のため、増備車となる405番以降で採用された灰色の車体色に変更されました。

コキ106形式【コキ106-405~554】(コキ106-539)

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405番以降は新製時より、識別のため車体色を灰色に変更しました。水色で登場した車輛も現在は全て灰色になっています。

コキ106形式【コキ106-555~712】(コキ106-681)

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車輛を留置する際、勾配のある場所などに止めておくと自然に動き出してします。これを防ぐために手ブレーキというものがあり、空気ブレーキを基本とする鉄道車輛の場合、空気が無くなった後に必要となる重要なブレーキ装置の一つです。車輛を動かす際は緊解(緩めること。)をしなければなりません。もし、かかったまま走行を始めると手ブレーキ装置の故障の原因となってしまいます。貨車の場合は手ブレーキを扱っている印がなく、見落とす原因となっていたのでしょう。そこで、手ブレーキの状態を表す手ブレーキ緊解表示装置が555番以降に設置されました。手ブレーキを使用している時は表示板が車外へ出る仕組みになっています。

コキ106形式【コキ106-713~912】(コキ106-738)

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平成16年に登場した713番以降の車輛は応荷重装置が改良され、検知方式を油圧式からコキ200形式で採用された空気式に変更しています。

コキ106形式【コキ106-913~1162】(コキ106-1042)

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913番以降の車輛は更なる改良が加えられ、破損し易い部品、ブレーキ装置の改良が行われたほか、ツイスト緊締装置を国産品にするなどコスト低減を図っています。

コキ110形式(コキ110-1)

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コキ100系シリーズ第6弾として平成13年に登場した形式です。コキ106形式のマイナーチェンジ版で、コキ106形式と同じコンテナを積載でき、これらに加えて15ftコンテナ4個を積載できるようにしました。車体色はからし色となり識別されています。15ftコンテナを使用するケースが少ないのか、5両の製造に留まっています。

コキ107形式(コキ107-11・コキ107-289)

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コキ100系シリーズ第7弾として平成18年に登場した形式です。老朽化したコキ50000形式の置換え用を目的とし、次世代標準型コンテナ車としています。コキ200形式の構造をベースに設計されており、車体はコキ104形式に似ていますが、台枠の縦補強の位置が異なるほか、手ブレーキは作業員の保安度向上を目的にデッキ部手すりに戻されています。ブレーキはCLE方式で単独での運用も可能です。
コキ107-1300

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コキ107-1002番以降は「JRF」マークと「突放禁止」の表記が無くなりました。

コキ200形式【コキ200-1~44】(コキ200-1・コキ200-34)

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国鉄時代より化成品輸送はそれぞれの専用タンク車によって輸送されていました。タンク車は構造上運転最高速度75km/hとなっており、速達化のニーズに応える事が難しいものとなっていました。また、多数のタンク車が置換え時期を迎えつつありました。JR貨物ではこれら貨車をISO規格20ftコンテナに置き換える事を荷主に提案し、平成8年頃より順次実施されていきました。
ISO20ftコンテナは総重量が24tにもなり、従来のコンテナ車では1個積載し、他はなにも積載できない効率が悪くなってしまう問題がありました。これを解決すべくコキ72形式低床式コンテナ車を試作しました。ISO20ft、高さが9ft6in(インチ)ハイキューブコンテナ(背高コンテナ)を2個積載できるコンテナ車でしたが、初期投資費用が高く、増備を断念しました。低床コンテナ車を使わずに輸送が出来ないか、建築限界を調べた所、多くの幹線で輸送できる事が判り、コキ100系の技術を採り入れたコキ200形式が平成11年に登場しました。
車体は床面高さはコキ100系と同じ1000㎜とし、車体長は積載するコンテナのパターン(20ftコンテナ2個、ISO20ft(24t)コンテナ2個、ISO20ft(30.48t)コンテナ1個、ISO40ft(30.48t)コンテナ1個)の中で一番長くなるISO20ft(24t)2個分の長さ(15m)としています。小さな赤い車体ですが荷重は48tとなっています。台車は重荷重にも耐えられるFT3形式を履き、ブレーキ方式はCLE方式です。
コキ200-1は先行試作車で、2番以降に登場する量産車とは台枠の形状等に違いが見られます。

コキ200形式【コキ200-45~154】(コキ200-83)

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45番以降は手ブレーキ緊解表示装置が設置されています。

コキ2000形式(コキ2000-2)

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平成13年に登場した48t積みコンテナ車です。車籍は鹿島臨海鉄道で、JR貨物以外の鉄道事業者でコンテナ車を所有する珍しい存在として有名です。構造や積載できるコンテナのパターンはコキ200形式と同じです。国鉄時代から国鉄(JR貨物)以外の鉄道事業者が自社で所有する貨車を「社車(しゃしゃ)」と言い、国鉄に乗り入れるには承認が必要でした。認可されると貨車の番号の下に線が添えられ、直通車の印となります。このコキ2000形式も番号の下に線が添えられています。珍しい存在でしたが、僅か3年後の平成16年に除籍されてしまいました。

コキ70形式(コキ70-902)

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海上コンテナ輸送は昭和53年以降途絶えており、平成元年にコキ100系が登場し再開されました。この時の海上コンテナ輸送は同年に開催された横浜博覧会の渋滞回避による一時的なものでした。その直後に当時の運輸省によるモーダルシフトの推進、好景気によるドライバー不足があり、海上コンテナ輸送を本格的に開始する事にしました。
コキ100系では9ft6inのハイキューブコンテナが輸送できない事から、積載可能な新型コンテナ車の開発が始まりました。低床構造を活用して大型トラックのピギーバック輸送も可能とし、2両1ユニット方式の40.6t積みコキ70形式試作車2両が平成3年に登場しました。
車体長は19800㎜、ハイキューブコンテナを積載できるよう床面高さは約700㎜としています。中間の連結器は棒連結器とし、トラック自走用の渡り板を設置しています。ユニット両端の端梁はトラック積載のため開閉式としています。台車は610㎜の小径車輪を用いたFT11形式で、ディスクブレーキや滑走防止装置をJR貨物の貨車では初めて採用しました。
積載できる貨物は、コンテナがJR20ftコンテナは3個、JR30ftコンテナ、ISO30ft(20.3t)コンテナは2個、ISO20ft(24t)、ISO40ft、ISO45ftコンテナはそれぞれ1個積載できます。自動車は11t車1台、4t車が2台、20KLタンクローリーが1台積載可能となっています。
平成4年より営業運転を行っていましたが、景気後退などの理由により平成15年に廃形式となっています。

コキ71形式(コキ71-901・コキ71-4)

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自動車の鉄道輸送はク5000形式など車運車により輸送されてきました。その後、高速化などによりコンテナに代わりました。どちらの方式も自動車輸送は物資別適合輸送として扱われ、輸送する設備が積荷に合わせた構造のため、復路は空車扱いとなる問題が残されていました。
低床式多目的車輛コキ70形式の構造を用いて、低床化による積載空間を活用し、往路は自動車輸送、復路はコンテナ輸送とする「カーラック」システムを開発し、複合輸送対応車の39.2t積みコキ71形式が平成6年に登場しました。平成6年に試作車2両が登場し、その後量産車が平成9年までに6両製作されました。
コキ70形式と同じ低床構造で車体長は20350㎜、床面高さは700㎜としています。自動車の汚損防止のためウィングトップ式のアルミ製ラックカバーが設置され、荷役時には鳥が羽を広げたように上方へ開く総開き構造となっています。中には自動車輸送用の専用30ftコンテナ(UM20A形式30000番代:カーラック)があり、巧みな載せ方で1両あたり乗用車を8~10台積載します。復路ではこのコンテナを折り畳み、12ftコンテナ4個を積載します。
2両一組で運用に就いて活躍をしていましたが、現在は休車中となっています。

コキ72形式(コキ72-901:マワ車所蔵)

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コキ100系による海上コンテナ輸送は好評でした。平成5年以降、規制緩和により大型コンテナの自動車輸送が可能となり、従来車では輸送できないハイキューブコンテナを輸送できる新型コンテナ車として平成8年に48t積みコキ72形式が登場しました。
1両単位で輸送が出来るよう、ブレーキ方式はCLE方式とし、高さ9ft6inのハイキューブコンテナを輸送できるよう低床式としました。このため、デッキ部が1段高くなった独特のフォルムを有しています。
JR貨物の貨車では初めてISO20ft(24t)コンテナを積載可能とした形式で、2個積載が出来ます。このほか、JR20ft、ISO20ft(20.3t)コンテナは2個、JR30ft、ISO40ftコンテナを1個積載可能としています。後に改造で12ftコンテナを3個積載できるようにもなりました。
登場後、海上コンテナ輸送に活躍しましたが、建築限界を調べた所、低床車両が必要ではない事が判明し、製造及びメンテナンスコストの高い当形式の量産化は見送られてしまい、結果1両の製造に終わりました。現在は休車中です。

コサ900形式(コサ901)

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1960年代後半、国鉄では海上コンテナの鉄道輸送が検討され、その試作車として昭和42年に登場したのが本形式で、2両が試作車として製作されました。21t積みのコンテナ車で、ISO規格の1C形1個又は1D形1個又は2個積載可能で、で台車はTR63B形式、ブレーキ装置はKSD形積空ブレーキ方式としています。写真のコサ901は那珂川清流鉄道保存会に保存されている貴重な1両です。

コキ9100形式(コキ9100)

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コサ900形式と同じく、昭和42年に登場した海上コンテナ輸送を目的とした試作車で、2両がつくられました。本形式はISO規格のコンテナのほか、規格外となるマトソン(M形)、シーランド(S形)の輸送も考えた設計となっており、41t積みで、ISOコンテナの1A・1B形、M形、S形はいずれかを1個、ISO規格の1C形は1個又は2個積載を可能としています。台車はTR63E形、ブレーキ装置はASD形積空ブレーキとしており、コサ900形式と同じく、衝撃に弱い海上コンテナに対応するため大容量油圧緩衝器を装備した連結器を装備し、外観の特徴の一つともなっています。
この2形式の試用の結果、昭和43年に41t積み海上コンテナ専用のコキ1000形式が誕生しました。写真のコキ9100は那珂川清流鉄道保存会に保存されている貴重な1両です。